情報セキュリティ管理士試験の難易度は?合格率や資格取得のメリットまで徹底解説!
「情報セキュリティ管理士認定試験は難しい?初めての勉強でも合格できる?」
情報セキュリティ管理士認定試験はどちらかといえばマイナーな資格であり、詳細な攻略方法がわかりにくく、特に難易度は気になるのではないでしょうか?
今回は、情報セキュリティ管理士試験の難易度をはじめ、合格率や試験科目、独学におすすめのテキスト、そのほか合格後のメリットはあるのかといったことを解説します。
情報セキュリティ管理士認定試験に挑戦して、日々の業務に役立つ実践的なネットワーク関連の知識を身につけましょう。
情報セキュリティ管理士試験についてざっくり説明すると
- 試験の難易度は中程度だが、問題数が多いのでペース配分に気をつけよう
- 4つの科目で、それぞれ7割以上正解する必要がある
- 合格率は高めで、1~3ヶ月勉強すれば一発合格を狙うこともできる
情報セキュリティ管理士試験の難易度は?
情報セキュリティ管理士認定試験は、テキストを読み込んで過去問を繰り返し解くなど、事前の学習を抜かりなく行っていれば合格できる資格だと言われています。
ここでは、難易度や試験科目・受験資格を解説しましょう。
情報セキュリティ管理士の試験科目
情報セキュリティ管理士認定試験の科目は、下の4項目に分かれています。
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情報セキュリティ総論
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脅威と情報セキュリティ対策1
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脅威と情報セキュリティ対策2
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コンピュータの一般知識
情報セキュリティ管理士試験の難易度は、しっかり備えていればそれほど高くありません。
ただ、120分の制限時間で問題数が非常に多く、1問に割ける時間があまりないので、解答スピードを速めることと上手にペース配分をする必要があります。
情報セキュリティ管理士試験の受験資格
情報セキュリティ管理士認定試験よりも易しいレベルの、情報セキュリティ初級認定試験があります。この二つは元々同じ情報セキュリティ検定試験という資格試験でした。
2011年度より、情報セキュリティ検定試験1級・2級が情報セキュリティ管理士認定試験に、3級は情報セキュリティ初級認定試験に再編されて現在に至ります。
情報セキュリティ管理士認定試験では、セキュリティ対策部署などの管理職やリーダーとして必要な知識を持っているかが問われます。
情報セキュリティ管理士認定試験の受験資格には特に制限がないため、この初級認定試験を飛ばして受験しても問題ありません。
難易度もそれほど高くはないので、年齢や性別にかかわらず誰でも受験しやすい資格です。学習時間を十分取れる方には、ぜひ情報セキュリティ管理士試験を受けることをおすすめします。
情報セキュリティ管理士試験の合格率
情報セキュリティ管理士試験の試験科目と受験資格の次は、合格率や合格基準点、また、試験を受けるためにどれだけ勉強時間が必要かということについて見ていきましょう。
情報セキュリティ管理士の合格率は約60%
過去5年分の情報セキュリティ管理士認定試験の合格率の平均は、主催の全日本情報学習振興協会が発表しているデータによると、58.6%です。
ここに、これまで実施された情報セキュリティマネジメント試験の合格率を過去5年分紹介しておきます。
実施年 | 応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
平成30年秋期 | 19,692人 | 15,579人 | 7,220人 | 46.3% |
平成31年春期 | 18,129人 | 13,761人 | 7,148人 | 51.9% |
令和元年秋期 | 18,550人 | 14,355人 | 6,754人 | 47.0% |
令和2年秋期 | 9,694人 | 9,121人 | 6,071人 | 66.6% |
令和3年春期 | 15,441人 | 14,089人 | 7,376人 | 52.4% |
令和3年秋期 | 16,231人 | 14,738人 | 7,949人 | 53.9% |
令和4年春期 | 14,253人 | 13,131人 | 8,033人 | 61.2% |
令和4年秋期 | 17,609人 | 15,420人 | 8,018人 | 52.0% |
令和5年4月 | 2,941人 | 2,770人 | 2,111人 | 76.2% |
令和5年5月 | 2,662人 | 2,438人 | 1,906人 | 78.2% |
令和5年度以降のデータは以下のリンクから確認できます。
令和4年度以前のデータは以下のリンクから確認できます。
同協会で行われる個人情報保護士認定試験の合格率は37.3%ですから、情報セキュリティ管理士認定試験は比較的合格ラインに手の届きやすい資格であると言えます。
ほかの民間資格と比較しても、努力次第で一発合格できる可能性がある、狙い目の資格です。
情報セキュリティ管理士試験の合格基準点
試験に合格するには、上の試験科目で挙げた情報セキュリティ総論、脅威と情報セキュリティ対策1・2、コンピュータの一般知識それぞれにおいて7割以上正解する必要があります。
つまり、3科目で合格点を取れても、残った1科目の正答率が7割未満であれば、合格できないということです。どの科目でも均等に勉強して、試験に備えておきましょう。
情報セキュリティ管理士合格までに必要な勉強時間
情報セキュリティ管理士試験で合格するためには10~20時間ほどの勉強が必要であると言われますが、苦手科目がある場合は多少時間がかかっても、しっかり理解しておきましょう。
情報セキュリティ管理士の資格を取得するには、ある程度予備知識を持つ人なら1ヶ月、初めて受けるのであれば3ヶ月ぐらいの期間が必要であると言われます。
まとまった勉強時間が取りにくい社会人の方は通勤時などのスキマ時間をうまく利用して、少しでも多くテキストを読み、覚え込むことが重要です。
社会人の受験がメイン
会社の情報はセキュリティ部門よりも、総務や経理といった事務や管理を行う部署から漏れることが多いため、コンピュータを使用している職場では、情報セキュリティ管理士の知識は、今後さらに需要が増えると見込まれます。
情報セキュリティ管理士の資格は、セキュリティ部門の人やネットワーク技術者だけが受ける試験ではありません。経理や人事などといった事務の方を含んだ、様々な社会人の方が受験しています。
情報セキュリティ管理士取得メリット
情報セキュリティ管理士は民間資格であり、それほど知名度はありません。
試験で必要とされるのはテキストに書いている内容がほとんどですから、必ずしも情報セキュリティ管理士の資格を取得して格段に地位が向上するなどという目立ったメリットがあるとは限りません。
ここでは、この資格のメリットとして他に考えられることを挙げてみます。
ネットワークを使用している企業にメリット
現代では、ネットワークを介してファイルの送受信が簡単にでき、同時に数名でオンラインファイルの編集を行えるようになりました。
クラウドでデータを保存するなどといった、ネットワークサービスを導入する企業も増えています。
しかし、コンピュータのセキュリティホールからウイルス感染するなど、ネットワークが広がるにつれて情報漏洩などの被害も増えているのが現状です。
情報セキュリティ管理士の資格を持っていると、そういったネットワークを使う企業に勤めるときのメリットになると考えられます。
他の関連資格も取ることで就職・転職に有利になることも
情報セキュリティ管理士の資格は、履歴書に書いて自己アピールする材料にはなります。しかし、比較的取得しやすく世間的に認知度の低い資格であるため、この資格1つだけでは就職や転職に有利であるとは言い切れません。
たとえば、情報セキュリティ管理士試験に似ている情報セキュリティマネジメント試験というものがあります。
情報セキュリティマネジメント試験は経済産業省が認定する国家試験で、情報セキュリティ管理士試験に合格した方におすすめです。
また、情報セキュリティ管理士を対象にした、情報セキュリティ監査人という上級資格があります。これは、講習会を受けると認定されるものです。
このような情報セキュリティに関する資格を複数取ることで企業側にとって採用時の評価材料となり、資格手当がつく可能性もあるため、ほかの関連資格も取得してアピールポイントを増やしましょう。
情報セキュリティ管理士は独学合格はできる?
最後に、独学で情報セキュリティ管理士認定試験に合格するためのコツや、おすすめテキストをご紹介しましょう。
独学合格の際の注意点
情報セキュリティ管理士試験には、協会公式のテキストや問題集があります。参考書も発売されているため、独学でも十分試験対策をすることができます。
ただ、独学ではいかに自己管理できるかが重要となってくるため、これから挙げることに気をつけましょう。
学習は計画的に
1日に何時間もまとめての学習ではなく、毎日1時間ずつでも、無理のないペースで学習できるよう、試験日程に合わせた計画を立てることが大切です。
どうしてもまとまった時間が取れない日は、通勤など交通機関で移動する時間だけでもかまわないので、少しずつでもテキストを読むように心がけましょう。
独学スケジュールを立てておくと、合格までに日々どのあたりを勉強しておけばよいのか見当をつけることができます。
繰り返し解く
情報セキュリティ管理士の受験内容は、関連する資格と比べて難易度は低めです。全日本情報学習振興協会が発行する公式テキストや参考書の内容を数回読んで覚え、演習問題を何度も解きましょう。
特に、間違えた演習問題はそのままにせず、知識が定着するまで繰り返し挑戦しましょう。
過去問も販売されている
全日本情報学習振興協会の公式サイトでは、情報セキュリティ管理士認定試験ページの参考書籍コーナーでテキストや過去問題集を販売しています。欲しい過去問題集を選び、オンラインショップで購入できます。
また、情報セキュリティ管理士認定試験の過去問題集はスマートフォンアプリも配信されているので、気軽にどこでも知識の確認ができておすすめです。
独学におすすめのテキストは?
資格Timesでは技術評論社が出版する「最短突破 情報セキュリティ管理士認定試験 公式テキスト」をお勧めします。
このテキストは、最新の出題範囲や出題傾向に対応した、公式テキストです。
試験に出る重要な用語の解説が豊富で、合格のために必要な基礎知識をしっかりと身につけることができます。
また、演習問題も多く掲載しており、この一冊を集中的に取り組むだけで、重要な知識が身につくだけでなく演習量も確保できる、といった内容になっています。
このテキストを何周もやりこむことで確実に得点を伸ばすことができるので、独学合格を目指す受験者は確実に取り組んでおきたいテキストと言えるでしょう。
情報セキュリティ管理士試験のまとめ
情報セキュリティ管理士試験のまとめ
- セキュリティ対策の管理職やリーダーに必要な知識を得ることができる
- テキストと問題集を繰り返し勉強することが合格への近道である
- 就職や転職に生かすなら関連資格も取得して、確固とした知識を得よう
今回は、情報セキュリティ管理士試験に焦点を当てて書きました。ネットワーク関連試験の中では比較的勉強しやすい資格とは言われますが、一発合格できない場合もあるため、受験対策をするに越したことはありません。
まだ知名度はそれほどありませんが、情報社会の現代で覚えておいて損はない資格です。危機管理意識を持っているというアピールにも繋がりますので、合格率が高いうちに情報セキュリティ管理士資格を取得しておきましょう。
ぜひ、企業内やテレワークなどによる情報漏洩を防ぐために、情報セキュリティ管理士認定試験で勉強する知識を役立てましょう。