刑務官の年収・給料は?気になる仕事内容や初任給や退職金・ボーナスまで徹底解説!
「刑務官の給料や平均年収などのお金のデータはどうなってるの?」
「刑務官ってそもそもどんな仕事をするの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
刑務官は国家公務員の身分を有しているため、雇用は非常に安定しています。
そこで気になるのは初任給や平均年収、ボーナスや退職金などのお金に関する事情ですよね。
こちらの記事では、刑務官のお金の事情や、仕事内容に関して解説していきます!
刑務官の給料についてざっくり説明すると
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初任給は平均並みだが、年齢を重ねるにつれて徐々に上がっていく
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退職金やボーナスも安定して支給されるのが強み
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基本給に付随する各種手当が非常に充実しているため、総支給はかなり高くなる
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福利厚生も手厚いため、安心して働くことができる
刑務官の平均年収は600〜700万円
刑務官は、罪を犯してしまい刑務所で服役している人の更正をサポートをすることが主な仕事です。
刑務官になってからはある程度の経験が必要とはなりますが、人が更正して変わっていく姿を目の前で見ることができるため、大変やりがいのある魅力的な仕事でもあります。
国の治安維持に欠かすことのできない存在である刑務官ですが、ネット上で見かける情報では「刑務官の平均年収は600〜700万円」となっています。
日本の平均年収である441万円と比べれば高水準ですが、国家公務員の割には意外と低いと感じる方も多いのではないでしょうか。
初任給はどのくらいか
東京を例に出すと、刑務官の初任給は20万円程度になります。
この金額は、その他の一般的な新卒の初任給と同じ程度の金額であるため、特別高くはありません。
ただし、国家公務員は諸手当が非常に恵まれており、この基本給の他にも扶養手当・住居手当などの諸手当が該当すれば支給されるため、待遇はかなり恵まれています。
各種手当も存在する
刑務官は国家公務員の身分を有しているため、国家公務員法の給与に関する法律に基いた豊富な手当が用意されています。
代表的な手当は扶養手当・住居手当・通勤手当・地域手当などです。
扶養手当は一定の収入未満の配偶者や子供などと生計を一にしている場合に支給される手当で、扶養している人の関係により金額は変わります。
住居手当は、民間の賃貸アパートやマンションの部屋を借り、実際に家賃を負担している者に支給される手当です。
地域手当は勤めている場所によって基本給に上乗せされる手当で、東京23区内に勤めている場合であれば基本給の20%が地域手当として支給されます。
退職金・ボーナスも充実
刑務官のみならず、国家公務員のボーナスはキャリアを積んでいくにつれて上がっていきます。
採用時のボーナスは約80万程度と特別高い金額ではありませんが、40歳前後になると150万円を超える人が出てきます。
また、50歳を超えて管理職クラスになると、ボーナスは200万円を超えてくるケースも多くあるため、非常に恵まれていると言えるでしょう。
また、国家公務員はボーナスが安定して支給される点も、大きな魅力的あると言えるでしょう。
また、刑務官の退職金は60歳定年時で退職すると仮定した場合は2000万円ほどで、こちらもかなり恵まれています。
この金額は一般のサラリーマンの退職金に比べて高い金額であるため、やはり国家公務員は高待遇と言えるでしょう。
年金・福利厚生面は手厚い
刑務官は国家公務員共済組合に加入することなるため、健康保険と同じく病気・負傷・出産などに関する各種の給付も受けることができます。
国家公務員共済組合は、民間の健康保険よりも付加給付などが充実しているため、非常に手厚い給付を受けることができます。
その他、ホテルの割引や人間ドックの費用助成など、様々な福利厚生の制度が整えられているため、これらを活用することで様々な恩恵を享受できます。
刑務官の年齢層別平均年収
刑務官の年齢階層別年収
刑務官の年齢ごとの年収は以下のグラフのようになっています。
このグラフから刑務官の年収は経験年数を重ねるごとに上がっていくのが読み取れます。
年収のピークは60歳となっており、長く働くことで高い年収を手にできることがわかります。
一方経験年数が浅い段階では、満足のいく年収を稼げるとは言えず、経験年数がものをいう職業であるといえるでしょう。
刑務官の階級は?
刑務官には階級があり、主に5つに分けられます。
階級が高い順に、刑務所長・看守長・副看守長・艦首部長・看守に分けられいます。
国家公務員なので民間企業のような出世争いのようなものはなく、個人的な裁量はあまり影響しません。
真面目に働いてコツコツと長く勤めることで、自然と階級も上がっていくというシステムになっています。
刑務官の人数
刑務官は全国に17,000人ほどいます。
刑務所などの受刑者施設は全国に69箇所・拘置所は8箇所あり、全国の刑務官施設が働く場所になりえます。
なお、刑務官とは刑務所や拘置所に勤務する法務事務官の内、庶務・会計等の管理事務に従事する職員以外の職員のことを指しています。
給料が減給する可能性もある
刑務官の数は、これまでに大きな増減は発生していません。
仕事の特殊性などの理由から、刑務官の給料は通常の公務員に比べて割高に支給されています。
しかし、今後は行政改革の影響を強く受けることが予測されており、その影響から近年では役人の給料が減給される可能性があります。
また、国家公務員は民間企業の給与水準に準拠しているため、恐慌や大震災などが発生してしまった場合は給与カットされる可能性は否定できません。
刑務官の年収は低いのか?
刑務官は普段馴染みがないため、その実態について知らない人も多く、年収は低いのではないかと思う人もいるでしょう。
こちらのトピックでは、刑務官の実態について解説します。
刑務官の仕事内容
刑務官は、刑務所や拘置所などの刑事施設に勤務して施設の運営や警備などを行います。
具体的には、受刑者の監督や生活指導、職業訓練などの就労サポートを行い、厳しく接しながら出所後に社会生活をきちんと送れるようにサポートしているのです。
このように、受刑者の更生や社会復帰を行うのが主な業務内容となります。
普通の行政公務員より高い給料
刑務官の給料は一般的な行政公務員よりも高く設定されているため、刑務官の年収が安いといった事実はありません。
また、刑務官は国家公務員であるため、キャリアを積んでいきある程度年齢を重ねるにつれて給与も自然と上がっていきます。
普段の生活に馴染みがないせいか給与が低いという噂が出ているようですが、国家公務員であることを考えれば嘘であることが分かります。
キャリアとしての道
刑務官は公務員なので、基本的には副業は認められていません。
なお、刑務官を目指すルートですが、高卒で刑務官採用試験を受けるよりも国家公務員総合職試験で採用されて刑務官になる方が、キャリアの面では有利に働きます。
その理由は、後者の試験で刑務官になった方が昇給や昇格のスピードが早く、いわゆるキャリア組としての道を進むことができるからです。
刑務官の魅力
給料が良い・安定している
やはり、刑務官は国家公務員であるため、比較的高い給与が安定して支給される点が最大の魅力と言えるでしょう。
また、仕事の特殊性を鑑みて一般の行政公務員よりも給与は高い水準になっているため、給与面は総合的に申し分ない水準と言えます。
基本給が高いだけでなく、その他の待遇や諸手当も充実しているため、非常に働きやすい環境であると言えるでしょう。
また、休暇制度も充実しているため、ワークライフバランスの実現がしやすい点もメリットです。
社会貢献ができる
刑務官としての最大の魅力は、やはり受刑者の更正のサポートを通じて、治安の維持に携わり社会貢献をするやりがいです。
刑務官は服役している受刑者を一番近くで見ることができ、過ちを反省して更生する過程を見ることができます。
また、その先の出所後に社会で活躍するまでを見ることができるため、社会的にかなり大きな意義がある仕事であると言えるでしょう。
当然、仕事上多くの受刑者と接することになるため、日々緊張感を持って業務に臨まなくてはなりませんが、刑務官でないと感じることができないやりがいがあることも事実なのです。
刑務官の将来性
受刑者の高齢化が問題
近年は高齢化社会が顕著であることもあり、受刑者の高齢化も進んでいます。
受刑者が高齢化していることで、移動や入浴などの際に一人で動くことが難しく、介助を必要としている受刑者が出てきてしまいます。
また、認知症などの病気を持っている場合には、刑務官がそのリハビリの手伝いをしなければなりません。
さらに、受刑者が体調を崩したり負傷した合には24時間つきっきりで看病しなくてはならず、本来の業務以外にも大きな負担があるのが現実です。
このように、民間に権限委譲できないことから発生してしまう刑務官の負担の増大が問題になっています。
将来設計が立てやすい
刑務官は昇進制であるため、長く勤めて年齢が上がるにつれて給与も上昇していきます。
家族などを持つ場合はマイホームを購入したり教育費用がかかるため、このように将来設計がしやすい職業は大きな強みとなるでしょう。
また、刑務官には海外留学や研究員としての海外派遣もあります。
このような経験をすることで、昇給・昇進スピードを早められる可能性があるためどんどんキャリアアップを望んでいる人は調べてみると良いでしょう。
刑務官試験の難易度
刑務官になるには
刑務官になるルートはいくつかありますが、基本的には刑務官試験に合格するルートが一般的です。
また、少数ではあるものの、国家公務員試験1種を受験して合格後に法務省から刑務官として任命されるルートもあります。
この他には、これまでに柔道や剣道などで優秀な実績を納めてきた人のための武道拝命枠というルートもあります。
あまり枠は多くないですが、これまでの柔剣道で優れた成績を収めた人は狙ってみると良いでしょう。
それぞれの試験内容は?
刑務官採用試験は、18歳~29歳頃までが受験対象です。
また、高卒程度の学力が必要とされるため、しっかりと勉強して一般教養を身に着けておかなければなりません。
ただし、求められる知識は高校卒業レベルなので、市販の公務員試験対策のテキストを使えば問題ありません。
なお、国家公務員試験1種は刑務官採用試験よりも難易度がかなり高いため、1年近い勉強期間を設ける必要があります。
ちなみに、平成30年度国家公務員採用試験のおいて、刑務官の倍率は5.0倍という結果でした。
他では入国警備官の倍率が11.2倍、海上保安学校学生の倍率が6.2倍だったため、刑務官は比較的採用されやすい職種であると言えるでしょう。
その他国家公務員になるメリット
刑務官になる魅力をお伝えしてきましたが、その他の国家公務員になるメリットをご紹介します。
解雇されることはほとんど無い
国家公務員は非常に手厚い身分保障を受けることができるため、犯罪行為などのよほどの悪行を働かない限り、解雇されることはありません。
また、各種休暇や休業制度も充実しているため、育児休業や介護休業の他にも、病気による休業も可能です。
刑務官は非常にストレスが強い仕事であるため、仮に仕事をしている中で精神的に病んでしまったり、メンタル不調に陥ったとしても病気による休業を取得することができます。
民間の企業でここまで福利厚生が充実しているところはほぼ無いため、国家公務員の待遇の良さが分かるでしょう。
社会的信用度が極めて高い
国家公務員は、世間でトップクラスに社会的信用度が高い仕事です。
社会的信用度が高いことにより、金融機関で融資を受けるときにもスムーズに審査が通ります。
結婚して家庭ができると、マイホームの購入や教育資金など、多くの高額な出費が発生しますが、そのときに金融機関で融資が通りやすいと安心して将来のプランを考えることができます。
また、このような融資を受けるような場面以外でも、社会的信用度を活かせる場面があります。
例えば、婚活サイトや婚活パーティーなどでも、国家公務員は非常に人気の職業です。
そのため、家庭を持っている人のみならず結婚を考えている人も国家公務員であるステータスを生かすことができるのです。
刑務官の給料まとめ
刑務官の給料まとめ
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国家公務員であるため、高水準の給料が安定して支給される
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一般的な行政公務員よりも給料は高く、平均年収も高め
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初任給はそこそこだが、長くコツコツ勤めれば自然と上昇していくため不安に思うことはない
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福利厚生の制度などはしっかりと調べて活用すると良い
刑務官は肉体的にも精神的にも辛い側面がある仕事ですが、その分やりがいもある魅力的な仕事です。
また、国家公務員の身分を持つため安定した給与・手厚い身分保障・充実した福利厚生など、様々な恩恵を受けることができます。
それにより、生活設計がしやすく、ワークライフバランスの実現もしやすくなるため、家庭と仕事を両方大切にしたいと考えている人にとっては魅力的な仕事と言えます。
多くの試験をクリアしなければならない負担はありますが、刑務官は魅力が多い資格なのでぜひ取得を検討してみてください!