ビジネス実務法務検定2級の難易度は?合格率や目安の勉強時間も解説!
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「ビジネス実務法務検定2級の難易度はどれくらいだろうか?」
「独学で合格することはできるだろうか?」
ビジネス実務法務検定2級に興味がある、あるいは取得を目指している人の中には、そのような疑問を持っている人もいることでしょう。
そこで、今回の記事では、ビジネス実務法務検定2級について、勉強時間や合格率、過去問演習など、様々な観点から解説していきます。
ビジネス実務法務検定2級についてざっくり説明すると
- ビジネス実務法務検定2級の合格率は約40〜60%であり、それほど難しくない
- 他の資格のステップアップにもなり得る資格である
- 予備校に通わずとも、独学でも十分取得可能なレベルである
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ビジネス実務法務検定2級の難易度
ビジネス実務法務検定2級の難易度はどれくらいなのでしょうか?
ビジネス実務法務検定資格は、他の資格と比べて難易度はそこまで高くない試験だといえます。合格率は約40〜60%で推移しており、着実に勉強を行えば誰でも合格を狙える難易度だと言えるでしょう。
ビジネス実務法務検定試験って何?
ビジネス実務法務検定試験では、ビジネスパーソンがビジネスの場面に必要となってくるコンプライアンス・法令遵守能力の基礎となる実践的な法律知識を習得することを目的としています。
その試験範囲は民法、商法、会社法、独占禁止法、個人情報保護法、消費者保護法など多岐に亘っており、ビジネスにかかわる幅広い法律知識を広く浅く学習できるのがその特徴と言えます。
このビジネス実務法務検定試験は、東京商工会議所が主催している民間の検定試験です。東京商工会議所は、簿記検定を主催していることでも有名な団体です。
どんな人におすすめの資格?
このビジネス実務法務検定試験は、どんな人におすすめの資格なのでしょうか?以下にこの資格がおすすめな人を挙げてみましたので、参考にしてみてください。
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ゆくゆくは法務に関わる仕事がしたい人:将来的に法務にかかわりたいという気持ちを持っている人にとっては、この検定で基本的な部分を押さえておくことも有用と言えるでしょう。
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法務に関わっているが、知識の不足を感じるため勉強しなおしたい人:この検定試験では体系的に法律に関することを学習することができますので、学び直しを考える人にとっても適した資格と言えます。
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法学部生:日々法律に関する勉強をしている法学部生にとっては、勉強の定着度合いを確認するという観点からも受験することをおすすめできます。
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難関法律系資格を考えている人:弁護士をはじめとした様々な難関法律系資格の取得を考えている人にとっても、その前段のステップとしてこの検定を受験することは有用と言えます。
ビジネス実務法務検定2級の試験内容は?
ビジネス実務法務検定2級の試験内容は、想定レベルを企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家に対する相談といった一定の対応ができるなど、質的・量的に法律実務知識を有していることとされており、具体的な試験内容については以下のとおりとなっています。
- 企業取引の法務
- 債権の管理と回収
- 企業財産の管理・活用と法務
- 企業活動に関する法規制
- 株式会社の組織と運営
- 企業と従業員の関係
- 紛争の解決方法
- 国際法務(渉外法務)
制限時間は2時間となっており、出題方法はマークシート方式です。
合格基準点(合格ライン)ですが、100点満点中、70点以上で合格となります。
なお、受験手数料(税抜)は7,000円となっています。
2級の頻出範囲はどこ?
ビジネス実務法務検定2級においては、民法と商法・会社法がもっとも重要視されています。全100点のうち、およそ35点~50点が民法、商法・会社法の分野から出題されています。
そのため、まずはこれかの分野に力を入れて取り組み必要があると言えるでしょう。
3級では入門的かつ身近な取引の知識から出題されることが多いですが、2級では同じ分野でもより高度な専門性が求められることになります。
ビジネス実務法務検定試験2級の受験資格は?
ビジネス実務法務検定試験2級の受験資格はあるのでしょうか?
結論としては、受験資格は特に制約はなく、誰でも受験可能な試験であります。そのため、同じような難関資格の中でも、受験ハードルは比較的低いと言えるでしょう。
ただし、受験資格そのものはありませんが、2級を受験する以上はある程度の法律に関する基礎知識が必要と言えます。もし、これらの知識にあまり自信がないようであれば、3級から順番に受験することも作戦の1つと言えます。
いきなり2級を受けてもいい?
先にも述べましたとおり、ビジネス実務法務検定2級には受験資格はありません。そのため、いきなり2級を受験することも可能となっています。
また、2級と3級は併願することも可能です。ただし、3級は2級の勉強のための基礎的な部分になるわけではないため、いきなり2級から勉強を始めても良いでしょう。
しかしながら、やはり3級から受けるのが無難ではあり、3級から始めた方が2級に関する知識も入りやすくなります。
試験会場・試験日について
ビジネス実務法務検定2級の試験日程ですが、試験は毎年6月下旬〜7月上旬と、10月下旬〜11月上旬の2回実施されます。
合格発表は試験終了後、即時採点された結果が画面に表示されます。
また、試験方式はIBT方式またはCBT方式となります。なお1級はCBT方式(統一試験)のみの実施となります。
上記のとおり、2級に関しては試験は年に2回行われますので、チャレンジする機会が多いという点も、合格しやすさに拍車をかけていると言えるでしょう。
ビジネス実務法務検定2級試験の合格率
ビジネス実務法務検定2級の合格率は約40〜60%
冒頭でも触れましたとおり、ビジネス実務法務検定2級の合格率は約40~60%で推移しています。ビジネス実務法務検定2級における2023年度の合格率を以下の表にまとめました。
回 | 試験年度 | 実受験者 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
53回 | 2023 | 5,218 | 1,523 | 29.2% |
54回 | 2023 | 6,351 | 2,455 | 38.7% |
2級は3級と比べて専門性が要求されることもあり、それなりに難易度も上がることから、3級に比べると合格率が低い傾向となっています。
合格までの勉強時間は?
それでは、ビジネス実務法務検定試験2級に合格するためにはどれくらいの勉強時間が必要となるのでしょうか?
ビジネス実務法務検定試験2級の合格に必要な勉強時間は、一般的に最低でも60時間程度必要と言われており、また、人によっては100時間程度必要とも言われています。
これは、一日1〜2時間勉強できた場合でも2~3ヶ月は最低でも必要であり、それ以上かかる場合もあることを意味します。
毎日勉強できない社会人などの場合においても、年に二回ある試験から受ける日程を決めて、逆算して勉強時間を確保する必要があるでしょう。
ビジネス実務法務検定2級試験の受験者層
ビジネス実務法務検定2級の主な受験者層を以下の表にまとめました。
区分 | 受験者 |
---|---|
金融・保険業 | 14.4% |
製造業 | 13.9% |
建設業 | 13.7% |
運輸・通信業 | 8.6% |
卸売業 | 5.4% |
大学生 | 5.3% |
法令はどの職業にも関わっているため、様々な業種の人が受験しているということが分かります。また、大学生受験者がそれなりにいますが、3級の10%ほどではありません。
ビジネス実務法務検定を取るメリット
ここでは、ビジネス実務法務検定の資格を取得するメリットをお伝えしていきます。
現在の仕事で力を発揮
最初のメリットは、現在の仕事にも学んだ知識を発揮できるという点です。
この検定は現職からのスキルアップとしても良いものと言えます。この資格そのものに独占業務があるわけではありませんが、ビジネス実務法務で学んだ知識は営業や販売、総務や人事の業務でも求められていることになります。
また、企業内でのリスクマネジメントにも繋がりうることになります。
さらに、大企業では社内資格制度に取り入れているところもあるほど、最近ではビジネス実務法務検定の社内価値が上がっていると言えます。
就職・転職に活かせる?
では、この資格は就職や転職に活かせるのでしょうか?
ビジネス実務法務検定は、就職や転職の時に履歴書に書くことができますので、活かせる場面があると言えます。
また、特別な効力があるわけではありませんが、法務部などであれば法務の知識があることがアピールポイントにもなりうるでしょう。
しかしながら、基本的には一般企業勤務であることには変わりなく、この資格によって士業事務所に所属したりすることはほとんどありません。
次の資格取得へのステップ
また、ビジネス実務法務検定試験は次の法律系資格へのステップアップとしても役立つことになります。
2級に合格した後、1級受験を目指すのも1つの選択肢ですが、より知名度が高く、かつ、独占業務などを有している国家資格を目指すのも良いでしょう。
特におすすめな法律系国会資格としては、以下の資格が挙げられます。
- 司法書士
- 行政書士
- 宅建士
司法書士はかなり難しいですが、ほかの2つはしっかりと勉強すれば決して合格不可能な試験ではありません。是非、ビジネス実務法務検定2級に合格した勢いで、これらの難関資格を目指してみてはいかがでしょうか?
ビジネスのための法律知識を得る!
また、コンプライアンスをはじめとしたビジネスのための法律知識を得られることも、この検定を受験するメリットの1つとなります。
法務部のみならず、全てのビジネスパーソンにとってコンプライアンスを理解しておくことは、企業が円滑に事業を進めていくうえでとても大切なことです。
近年はSNSが発達している背景もあり、企業の不祥事に対する社会の目は年々厳しくなっています。
たった1名の社員がコンプライアンスに抵触するような問題を起こしただけで経営不振に陥るケースもあるので、ビジネスコンプライアンスの重要性は日に日に増してきています。
このビジネス実務法務検定を通してコンプライアンスやそのほかの法律知識を得ることは、日々のビジネスにおいても必ず役に立つことでしょう。
ビジネス実務法務検定は2級から使える?
ビジネス実務法務検定は何級からいわゆる「使える」資格になるのでしょうか?
実際に社会において資格として役に立つのは、基本的に2級以上と言われております。
2級はある程度勉強すれば合格できる難易度ではありますが、1級の難易度はかなり高く、ハードルが高いこともあり取得する人は少ない現状にあります。
2級であれば特別ハードルが高いわけではなく、かつ役に立ちますので取得する価値がある資格と言えるでしょう。
中小企業診断士を目指すときにも役に立つ?
中小企業診断士試験の一次試験には「経営法務」という科目があります。
この「経営法務」という科目は、ビジネス実務法務検定2級と重複している内容が多く、かつ、ビジネス実務法務検定2級の難易度の問題が中心であるという特徴があります。
ゆえに、この検定に合格することができれば、中小企業診断士試験の「経営法務」科目に合格することはそれほど難しくないでしょう。
中小企業診断士試験の一次試験は全7科目ですが、全体で6割程度得点することができれば合格することができ、仮に「経営法務」で高得点を稼ぐことができれば、合格に大きく近づくことができます。
中小企業診断士へのステップアップとしても、このビジネス実務法務検定試験を受験することはおすすめです。
ビジネス実務法務検定を独学で合格!
ここでは、ビジネス実務法務検定に独学で合格するためのノウハウ・コツについて紹介していきます。
テキストでの独学が一般的
これまで見てきましたとおり、このビジネス実務法務検定は、合格率や勉強時間などから見ても特別難易度の高い試験ではありません。そのため、予備校などに通わず、独学でコツコツ勉強していけば合格できるレベルの試験であります。
基本的には他の試験における独学と同様、市販の問題集と過去問題集などの参考書を解くことで合格に近づくことができるものと言えます。しっかりとこれらの問題集をやりこむことで、十分合格することは可能でしょう。
スケジュールをしっかり立てる
合格には継続的な勉強が何より大切なことは言うまでもありません。そのためには、試験日までの学習スケジュールをしっかりと立てることで、合格までの道筋が見えてきて、かつ、勉強も継続しやすくなるでしょう。
そのためには、たとえば1日のノルマを設定したりするのも良いでしょう。
過去問分析も丁寧に
また、ビジネス実務法務検定は過去問に似たような問題が出題されるケースもよく見受けられます。そのため、頻出範囲や出題傾向などを過去問から確認し、それらの対策を立てることも合格に必要なことになります。
過去問は公式ホームページでも入手できますので、入手したうえで研究を入念に行った方が良いでしょう。
独学におすすめのテキストは?
東京商工会議所の出版する「ビジネス実務法務検定試験2級公式テキスト」を資格Timesではお勧めします。
こちらのテキストでは、ビジネス実務法務検定2級試験の広範囲な出題範囲を網羅しており、合格のための必須知識を漏れなく習得できる内容となっています。
また、民法(債権法)や働き方改革関連法などの重要法改正にも対応しており、実際の試験で役立つ最新の情報が得られるテキストです。
公式テキストなので安心して取り組めるという利点もあり、独学でビジネス実務法務検定2級試験を受ける際には、しっかりとやり込んでおきたいテキストの一つであると言えるでしょう。
忙しい社会人には通信講座がおすすめ
独学では試験に合格できるか不安のある人や、働きながら試験勉強をするためスケジュール管理をしっかりとしたい、という人には通信講座の受講をお勧めします。
資格Timesでお勧めするスタディングの通信講座の特徴は、圧倒的なコストパフォーマンスです。
独学では不安なので講座を受講したいけど、あまり費用をかけたくないと考える人も多いと思います。
そういった方々に特にお勧めできる通信講座であると言えるでしょう。
ビジネス実務法務検定2級の難易度まとめ
ビジネス実務法務検定2級についてまとめ
- ビジネス実務法務検定2級はそれほど難しくなく、いきなり2級を取得することも可能である
- 法務知識の習得や他の法律系国家資格へのステップアップなど、様々なメリットがある
- 独学でも十分取得可能なレベルである
今回は、ビジネス実務法務検定2級について、勉強時間や合格率、過去問演習など、様々な観点から解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回の記事が、ビジネス実務法務検定2級に興味がある人、取得を目指している人にとっての参考情報の1つとなれば幸いです。