保育士・幼稚園の先生の本音は?保護者や仕事内容の現状や悩みを徹底調査!

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いつも笑顔で子どもたちと接する保育士や幼稚園の先生。そんな先生たちにあこがれて、保育士や幼稚園の先生を目指そうという方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際に働いてみて 「こんなはずじゃなかった」 という声も大きいのも、保育士や幼稚園の先生の実情でもあります。

そこで今回は、保育士や幼稚園の先生の本音について迫っていきましょう。この記事を読むことで、保育士や幼稚園の先生の悩みもわかり、働くにあたって心づもりもできるはずです。

保育士・幼稚園の先生の悩みについてざっくり説明すると

  • 保護者との折り合いも大切
  • 子どもへの悩みよりも保護者への悩みが多い
  • 労働時間が長く改善されてきてはいるものの、賃金が低い

保育士や幼稚園の先生の本音

幼稚園教諭

保育士や幼稚園の先生の仕事の中でも、保護者対応が大変だという声が大きいです。

保育士専用求人・転職サイトである「保育バンク」で行ったアンケートによると、約60%もの保育士が、モンスターペアレントと接して困った経験があると答えました。

幼稚園の先生も同様に、保護者に対してなんらかの不満を抱えながら働いているというケースは多いと考えられます。

保育士・幼稚園の先生は、保護者に対してどんな本音を抱えているのでしょうか。

保護者に送迎の時間を守ってほしい

時間を守る」というのは大切ですよね。

保育士や幼稚園では、お迎え時間というものが決められています。

ただ、保護者が働いている場合など、「あずかり・延長保育」を行っている園では、お迎え時間が子どもによって変わるため、常に臨機応変な対応を求められています。

もちろん、あずかりをする場合は「料金」が発生しているため、仕事として園も対応していかなくてはいけないものですが、なかでも以下のような場合はとても困るという声も多いです。

  • 予定していたお迎えの時間に遅れる、もしくは連絡なく遅れてくる
  • 延長保育ギリギリまで迎えにこないため、結果少し遅れてしまう
  • 時間に遅れているのにも関わらず、出会った周りの保護者と話してからくる
  • 登園時間前なのに勝手に連れてくる

延長保育を行う園の保育士や幼稚園の先生は、労働時間が長いためシフト制になっていることが多いです。

また、子供の人数に対して配置する保育士の人数も決められているため、お迎えの時間を守ってもらわなくては、シフトに影響が出てしまいます。

そうした状況は、保育士や幼稚園の先生の労働環境を悪化させることにもつながるといっていいでしょう。

また、少しの遅れであれば追加料金なしに寛大に許している園も多いですが、なかには保護者から「不公平だ」という声も多いため、その対応にも疲れてしまう保育士も多いようです。

早く家に帰ってほしい

迎えに来た保護者の中には、すぐに帰らずにそのまま他の保護者と話し込んでしまう方もいます。

保育士としては、「子どもとの時間を大切にしてほしい」 という思いもあるため、長話せずに帰宅してほしいという声もあります。

あまりに帰らない保護者に対し帰宅を促すと、「先生に怒られたから帰ろう」としぶしぶ帰宅する保護者へも、教育に悪いなと感じることも多いようです。

提出書類や持ち物を忘れないで

子どもをあずかっている以上、提出してもらわなくてはいけない書類や、用意してほしい持ち物は多くあります。

そういったものを忘れられてしまうと、保育士や幼稚園の先生は各家庭に電話して催促しなくてはいけません

快く受けてくれればいいのですが、「そんなことで電話してきたの?」と邪険にされることもあり精神的にも負担になることもあります。

また、クラスでひとりだけ持ち物がないという状況は、他のお友達と比べて気にする子も多く、「かわいそうだな」と思うことも多いようです。

お昼寝のシーツやタオルであれば、園に予備があるので対応できるものの、やはり忘れ物に関しては減らしてほしいという気持ちが強くあります。

保護者にも子どものしつけをしてほしい

今では、低年齢から保育園や認定こども園などにあずける家庭も増えたため、子どものしつけをすべて園に任せてしまう保護者が増えました。

そのため、保護者からも子どもへしつけをしてほしいという気持ちを持っている保育士や幼稚園の先生が多いようです。

たとえば、

  • トイレトレーニングや読み書きの勉強をすべて園にさせる
  • 離乳食を食べさせる、子どもが悪いことをしたら叱るなど最低限のこともしてない
  • 保育についてアドバイスをしても園が悪いとされる

などといったこともあります。

トイレトレーニングや、ことばの読み書きは園で実施しますとしているケースもありますが、やはり家庭での取り組みも必要です。

また、「○○してはいかがでしょうか?」とアドバイスをしても「園できちんとやってくれないから」といった反発を受けることも多いようです。

もちろん家庭の状況や、子どもの成長具合によっても異なる部分も多いため、一概にはいえない部分もあります。

しかし、園と連携をとってしつけをしていくという意識が低い保護者に対し、頭を悩ませている保育士も多くいます。

理不尽なクレームは迷惑

モンスターペアレントの発祥ともいえるのが、「理不尽なクレーム・要救をする保護者」です。

自分の子どもさえ良ければいいといった自己中心的考えが強く、他の子どもや園のことを考えていない保護者からのクレームは、精神的な負担を与えます。

また、クレームの対応に追われることによって、日々の業務が滞ってしまうこともあり、より現場の先生への負担は大きくなります。

たとえば、「○○ちゃんとは一緒のクラスにしないで」「運動会は目立つところにしてほしい」などから、子どもに注意をしたことで「注意の仕方が悪い」「うちの子はそんな子じゃない」など、クレーム内容はさまざまです。

保護者としても子ども可愛さに発している言葉ではありますが、やはり理不尽なクレーム対応は精神的ダメージが大きいものなので不満も大きいでしょう。

保護者の責任は認めてほしい

園に通う子どもはまだ、お友達との付き合い方や接し方が未熟で、トラブルになってしまうことは日常茶飯事です。園だけで対処できればいいのですが、場合によっては子供の保護者で対処するケースもあります。

解決方法として、お互いに寄り添った対応が理想的ですが、やはり自分の子の可愛さから園の管理不足や相手の子ども・保護者だけを責める方もいます

子どもが足に多少のケガをしただけで保育士の虐待まで疑われたという話もあるので、冷静に状況を判断してほしいというのが保育士や幼稚園の先生の本音でしょう。

保護者に買い物を隠してほしい

園の方針によっても異なりますが、幼稚園以外の保育園・認定こども園(保育園部)に関しては、保護者が就業・通勤をしている時間にあずかるという原則があります。

しかし、仕事が早く終わった、今日はたまたま休みだったなどといった理由から、日用品の買い物を済ませてから迎えに来る保護者も多いのが現状です。

保育士や幼稚園の先生としても、忙しい保護者を気遣い、お買い物など所用に関しては目をつぶっていることもありますが、やはり せめて休みだったことを隠してほしい という気持ちがあるようです。

子どもの安全確保を徹底してほしい

保護者のなかには、園の廊下で座り込んでしまい通行の邪魔になるなど、子どもの安全の配慮に欠ける方もいます。

園の中では安全、先生もいるから大人の目はたくさんあるなど思い込んでしまう保護者もいるので注意しましょう。

先生としては、保護者に子どもを引き渡した時点で、安全管理の責には保護者にあると考えられるため、もっと安全管理に気をつけてほしいという要望が強いようです。

非常識な行動は慎んでほしい

園は集団生活をする場であり、子どもたちも生活の仕方やお友達との接し方などを学ぶ場です。そういった場に「非常識な行動」は慎んでほしいという要望は、至極真っ当なものといえます。

ある園では、「朝ご飯を園の廊下で立って食べさせている親がいた」「病院に行っている間、荷物をあずかって」などといった話もあります。

また、子どもへの接し方として保護者が「乱暴な言葉を使う」「子どもをぞんざいに扱う」などといった行為は、子どもに悪影響をあたえかねません。

このような行為は、園や働く保育士はもちろんですが他の保護者から見ても「やめてほしいな」と思うものです。

保育士のさらなる悩みについて知りたい方は以下の記事を参照ください。

嬉しかった保護者とのエピソード

保育園に通う家族

ここまでで、「保育士や幼稚園の先生になっても嫌なことばかりでは?」「ストレスが溜まりそう」といった印象を持った方も多いでしょう。

不満や要望を取り上げてきましたが、日々のなかには「保育士をやってよかった」というエピソードもあります。

そこで、保護者との嬉しかったエピソードについてお話しましょう。

家庭での様子を教えてくれる

ふとしたときに、子どもが保育園や幼稚園での様子を家庭でも話しているということを保護者から聞くと、やはりやりがいを感じるという方も多くいます。

特に子どもが好きで保育士や幼稚園の先生を目指した場合、子どもが園での楽しかったこと、うれしかったことなどを家庭でよく話をすると聞くと、「やってよかったなぁ」と肯定感が生まれるのでしょう。

同時に、そういった話をされるときは、保護者も笑顔で話をしてくれることが多く、園での活動を認めてくれていると安心できます。

自分の仕事を認めてくれる

子どもからの話と同じように、保護者から「先生には安心して任せられる」などといった言葉を受け取ると、とても力強く思うものです。

また、「クラスだより、子どもたちの様子がわかっていいですね!」「お遊戯の衣装、とってもかわいかった!」など、自分のコツコツとした業務を褒められることは、地道な努力が報われたと感じる瞬間でもあるようです。

保護者から声をかけてくれる

先述した内容でもわかるように、保護者とのコミュニケーションで悩む保育士・幼稚園の先生も数多くいます。

場合によっては、保護者とのコミュニケーションを円滑にすることが一番難しい業務だと感じる先生もいるでしょう。

「髪切りました?」「その帽子似合ってますね!」など、保育とは関係ない部分であっても、保護者から声をかけてもらうことで、少し距離が近づいたと感じ安心する保育士や幼稚園の先生も多いようです。

頑張るパパに感動

保育士や幼稚園の先生との関りは母親の方が圧倒的に多く、父親とのコミュニケーションは不足しがちです。

しかし、最近では父親が迎えに来る家庭も多く、元気に挨拶をしてくれたり、帰るときに子どもと笑顔で接しているのをみると、心が癒されるという声も多いです。

連絡帳を父親が記入している欄を読むと、母親とは違う視点が見えるので面白いと感じている保育士もいるようです。

仕事内容に関する本音

幼稚園の光景

対保護者へ不満や嬉しかったことなどをご紹介しましたが、ここからは仕事に関した不満についてお話していきましょう。

勤務時間が長い

先に少しふれましたが、保育士・幼稚園の先生の勤務時間は長いです。

基本的に正規の勤務時間は9時頃から始まりますが、開園前のあずかりを実施している園やバス運行をしている園では、7時頃から始まる場合もあります

幼稚園であれば、通常保育は13時前後に修了するものの、先生の仕事内容は保育だけではありません。明日の準備、行事の準備、日誌や子どもの個別ノートの作成などといったものが日常業務としてあるのです。

そのうえで、あずかり保育の実施があり、園によっては最長19時まであずかりを行うという場合もあります。

もちろん、7時から19時まで勤務時間というわけではありませんが、実情としては正規の就業時間では業務を終えるのは難しく、自宅に持ちかえって作業をする日も多くあるのです。

仕事中に休憩時間がない

基本的に、子どもは待ってはくれないうえに予定通りにはいきません

園の中でも1日のカリキュラムは作成されているものの、先生の休憩時間はないといえます。

給食の時間も、アレルギー持ちの子どもへの対応や、こぼしてしまった、子ども同士でモメるなどといったことは当たり前に起こります。

子どもと一緒に昼食を食べられたとしても、常に子どもたちに注意を配らなくてはいけないため、休憩とは程遠いでしょう。

保育園であれば、子どもたちを寝かしつけた後、書類の作成や会議といった業務が待っているため、休憩とはいかないのです。

やはり、勤務時間中にちょっとほっとする休息の時間がないのも、保育士や幼稚園の先生としては厳しい勤務形態といえるでしょう。

休暇が少ない

「保育士バンク」が発表した保育士の休暇について調査した結果、以下のようになりました。

約60%の方が週休2日制と回答しているものの、全体の約25%の方は週に2日の休みをもらえていないという結果になっています。

有給休暇でいえば、「人手不足で休めない」「上下関係が厳しい」などといった理由から、約54%の方が自由に取得できないという回答もあり、保育士や幼稚園の先生は休暇を取得しづらいといえます。

保育士の休みについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

それでも給料が安い

休憩がない、休みが少ない、有給が取得しづらいなど、労働環境が悪くても給料がある程度高額であれば我慢できるということもあります。

しかし、残念ながら保育士や幼稚園の先生の給料は低いです。

私立保育園に勤める保育士の平均月収は約23万円、年収は342万円と一般的なサラリーマンの平均年収420万円に比べて100万円程度低いのが現状です。

なかには、子どもが好きで夢を持って保育士になったとしても、激務と給料の低さに辞めてしまう方も少なくありません。

保育士や幼稚園の先生という職業は過酷な労働環境であるため、保育士不足になってしまうというのも頷けるでしょう。

保育士の実態は改善されつつある

保育士や幼稚園の先生の労働環境が過酷であることは変わりませんが、それでも少しずつ改善の兆しを見せています。

平成25年以降は、保育士の給料を13%程度上げるよう改善されたことによって、約4万円程度収入が上がっています。

また、勤務環境の改善を行うことで少しずつではありますが、シフト制の導入や、休暇の取得などといったことも以前に比べて可能となりました。

まだまだ改善の余地はあり、これからもいい労働環境へと改革は進んでいくので、保育士や幼稚園の先生になることに、過度な不安を抱かないようにしましょう。

保育士・幼稚園の先生になった理由

幼稚園

ここまで、保育士や幼稚園の先生の仕事内容に対し、どうしてもマイナスのイメージを持つ方が多いでしょう。保育士や先生の不満や本音にクローズアップして解説をしたため、当然のことです。

しかし、こういった環境の中でも笑顔で保育士・幼稚園の先生を続けている方もいます。

現役の保育士や幼稚園の先生は、どうしてその道を選び、決していい労働環境とはいえない中で今でも仕事を続けているのでしょうか。その理由として、以下のようなものがあります。

  • 子どもが好きだから
  • 園児に好かれる保育士になりたい
  • 保育園でのアルバイトをきっかけにやりがいを感じたから
  • 子どもがなついてくれるから
  • 自分がそうだったように、子どもの憧れの存在でいたいから
  • 子育てをした経験を活かせる職業だから
  • 身近で子どもの成長を見守れるから

理由を見てもわかるように、主体はすべて「子ども」です。

現役の保育士・幼稚園の先生にとって、子どもが好きでその成長を見守りたい、子どもが目標とする存在でいたいなど子どもが大切であるということが伝わりますね。

子どもの成長や、子どもと関わることにやりがいを感じるからこそ、労働環境として厳しいといわれる保育士や幼稚園の先生という職業に、魅力を感じるのでしょう。

保育士のやりがいについてリアルな声を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

保育士・幼稚園の先生の本音についてまとめ

保育士・幼稚園の先生の本音についてまとめ

  • 保護者には良識な行動をしてほしい
  • 保護者と円満なコミュニケーションをとれた時はうれしい
  • 子どもが園での活動を楽しんでいると聞くとうれしい
  • 子どもと関わることにやりがいを感じると続けられる

保育士・幼稚園の先生の仕事内容は、以前から問題視されてきました。

子どもをあずかるということは、保護者との関りも大切になるため、精神的にも大変だという声もあります。

しかし、子どもの成長を身近に感じることができ、子どもと蜜に接することができるのは保育士・幼稚園の先生の特権ともいえます。

その特権にやりがいを感じることで、保育士・幼稚園の先生という魅力にハマってしまうという方も多い職業です。

これから、保育士になろうと考えている方は、保育士の大変な面もふまえながら検討していきましょう。

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