FPの仕事はきついって本当?役に立たないといわれる理由や就職先まで解説!
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ファイナンシャルプランナー
FPこう
「FPの仕事はきついって本当?」
「FPを取っても意味ないって言われたけど、なんで?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
FPはお金に関する知識を豊富に有していることを証明できる資格として、非常に人気があります。
しかし、「取得しても意味ない」「仕事がきつい」と言われることもあり、取得のモチベーションを失ってしまうこともあるでしょう。
こちらの記事では、FPの仕事がきついと言われる理由や資格を活かせる就職先、具体的な仕事内容などを紹介していきます。
FPの仕事はきついと言われる理由をざっくり解説すると
- 独立できる可能性が低い
- 他の士業系資格と比較すると専門性が劣る
- 営業力が求められる
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FPの仕事内容がきついといわれる理由5選
FPはお金に関する幅広い知識を有している専門家として、顧客の資金計画サポートなどを行っています。
近年注目されている資格である一方で、「きつい」「つらい」などのネガティブな意見も見られるのも事実です。
まずは、FPの仕事内容がきついといわれる理由から見ていきましょう、
独立できる可能性は少ない
FPはお金に関する知識を幅広く有していますが、税理士などのように独占業務を持つような資格ではありません。
FPで学ぶ内容は、証券アナリストや税理士などの一部をつまんだ内容になっており、独立するほどの専門性を習得できない弱みがあります。
また、日本ではFPに相談料や顧問料を払う習慣があまりなく、独立したFPの収入源となるのは金融商品を販売する手数料に限られるケースが多いです。
思い切って独立しても、最初のうちはほとんど収入がないまま過ごさなければならず、金銭的につらいと感じるでしょう。
最終的には金融商品を売らなければならない
日本にはお金を払ってFPに相談する文化がなく、FPが収入を得るには金融商品を販売するしかありません。
売上を上げるためには保険や投資信託などの金融商品を販売する必要があるため、営業力や交渉力が求められます。
- 保険業界で働くFP→生命保険や個人年金保険などの保険商品
- 金融機関で働くFP→投資信託や保険商品
- 不動産業界で働くFP→投資用マンションなど
最終的には「モノを売らないと収入にならない」ため、顧客ニーズをとらえて「本当に必要なものだけ売りたい」と考えている方にとっては向かない可能性があります。
金融商品に対応して常に知識をアップデートする必要あり
毎年のように、新しい投資信託や保険商品が開発・販売されていますが、FPは常に金融商品の情報をアップロードしなければなりません。
FPとして稼ぐためには金融商品を販売しなければならないため、金融商品に関する最新情報を収集する必要があります。
仕事で忙しい中、常に最新知識をブラッシュアップするための勉強を継続するのは大きな負担になります。
プライベートの時間を削って勉強する必要もあることから、「きつい」「つらい」と感じてしまうのも無理はありません。
高い営業力が求められる
FPとして食べていくためには営業力が不可欠です。
新規顧客の獲得も必要になることから、営業力がないFPは淘汰されてしまうでしょう。
ノルマを達成しなければならない
FPの仕事内容は営業がメインです。
勤務先によってはノルマが設けられていることもあり、常にノルマのプレッシャーを背負うことになります。
ノルマを達成できないと、減給や職場での居心地が悪くなるなどのデメリットを被ってしまうでしょう。
継続して金融商品を販売する必要がある
営業の仕事は毎月のように新規顧客を獲得する必要があり、常に新規の営業を行う必要があります。
また、窓口の営業の場合でも販売につなげなければならないことから、休む間もなく継続して金融商品を販売しなければなりません。
金融商品を販売するのが仕事とはいえ、あまりしつこく営業すると顧客から煙たがられてしまうため、折り合いをつける難しさもあります。
顧客に信頼される必要がある
日本の公教育では、お金について学ぶ機会がほとんどありません。
お金に関する教育がなされていない影響もあり、日本においてお金の話はデリケートな話題として扱われています。
「人に自分の資産に関する話をしたくない」と考え、FPにお金について相談することに抵抗を感じる人は多いです。
このような文化が根付いている日本において、顧客との信頼関係を築くのは非常に骨が折れます。
信頼関係を築けなければ金融商品を販売するのが難しいことから、信頼関係の構築で苦労する場面は多いでしょう。
FP資格は意味がない・役に立たないといわれる理由は?
FPはお金に関する広範な知識を有していることを証明できる資格です。
価値の高い資格であることに変わりはありませんが、FP資格は意味がない・役に立たないといわれることもあります。
FPには独占業務が存在しない
残念ながら、FPには独占業務が存在しません。
例えば、他の士業では下記のような独占業務があります。
- 税理士→個別具体的な税務相談
- 宅建士→不動産取引における重要事項説明
- 公認会計士→会計監査
- 弁護士→紛争解決や弁護
もし無資格者が独占業務を行うと、処罰の対象になります。
FPには独占業務がないため、無資格で家計相談や保険見直しなどのアドバイスを行うことが可能です。
FPならではの強みがないため、役に立たないといわれることが多いのも実情です。
また、資格を保有していない人でもFPを名乗ることができることから、「わざわざFP資格を取得する意味はない」と言われてしまっています。
FPの仕事内容はあまり知られていない
FPの仕事内容は、あまり世間的に知られていません。
日本では投資人口が少なく、またお金に関する相談ニーズも少ないです。
さらに、相談料をもらうという文化も根付いていないため、FPがそもそもどのような仕事を行っているのか知られていません。
日常の中でFPと接する機会はほとんどないことから、具体的なイメージ像がない点も「FPは役に立たない」と言われてしまう理由です。
専門性が非常に高いわけではない
FPはお金について幅広い知識を有していますが、専門性の高さは他の資格と比べて劣る場面も少なくありません。
- 資産運用・金融商品→投資アナリスト
- 税金→税理士
- 不動産→宅建士
上記のように、FP試験で学ぶそれぞれの分野にはより高位の専門家が存在するため、相対的に何を専門とするかが見えにくい点があります。
また、FPは人気があり資格取得者が多いことから、希少性が薄い点も否定できません。
特に、FP2級は「金融機関に勤務している人であれば、取得していて当然」というレベルで、取得していることが自身の価値を大きく高める要素にはなりません。
FPのメリットは何?
「きつい」「取得しても意味ない」と言われることもあるFPですが、取得するメリットはもちろんあります。
以下で、FPのメリットについて解説していきます。
売上次第で収入が多くなり休みも自由に取れる
銀行での営業や保険営業などは、売り上げに応じたインセンティブや昇給制度を設けているケースが多いです。
FPの勉強を通じて金融や保険に関する知識を習得し、売上アップにつなげることができれば、職場での居心地はよくなるでしょう。
売上次第で収入が多くなり、休みも自由に取れるようになれば、理想のワークライフバランスを実現できます。
FP資格を持っていない営業マンよりも、持っている営業マンの方が信頼を得やすいため、FPは対外的な自身の価値を高めてくれます。
金融業界で高い評価を得られる
FP資格は、2級以上から就職や転職の際に評価の対象となります。
特に、金融業界では常に仕事中お金に関する業務を行うことから、FPの勉強を通じて金融知識を習得するメリットは大きいです。
お金について幅広い知識を有していることで、顧客に対して資産運用などの長期的なアドバイスができるようになります。
FPはお金に関する幅広い知識を有しているため、資産運用だけでなく相続を見据えた長期的なお金のアドバイスができる点が強みです。
FPの就職先は豊富に存在
不動産業界
マイホームの購入は人生で最も高額な買い物といわれています。
不動産業界においても、FP資格を通じて学んだ住宅ローン控除の仕組みや不動産取引に関するルールの知識が役立つでしょう。
特に、不動産取引の資金計画や住宅ローンなどの知識は、不動産営業や提案をするシーンで活かせます。
また、投資用不動産を取り扱っている会社に就職した場合も、想定利回りなどをわかりやすく顧客に伝えることができるメリットがあります。
金融業界や保険業界
金融業界や保険業界は、FP資格が活かせる代表的な業界です。
株式や債券、投資信託などの金融商品の知識が活かせる職場として、銀行や証券会社が挙げられます。
また、保険会社や保険の販売代理店においても、保険に関する知識が活かせるでしょう。
入社後に、福利厚生として資格取得を推奨する会社もあるため、「勉強中だが、受験はまだ」という方でも安心です。
共済関係
共済は営利を目的としていない団体で、より地域の人たちと密接に関わる業界です。
保険会社は営利組織である以上、利益を上げるためにノルマが設定されていることが多いです。
その結果、かんぽ生命などのように不祥事を起こしてしまう可能性が少なからずあります。
しかし、共済は非営利なので「本当に必要としている共済を、必要な分だけ」提案できます。
ノルマなどのプレッシャーがなく、コミュニケーション重視で仕事ができる点が共済の魅力です。
ファイナンシャルプランナーの年収は高い?
企業で働くFPの年収は、不動産業界などの場合で650万円程度、銀行や証券会社など金融機関の場合で400万程度となっています。
日本の平均年収は436万円となっているため、FPの年収は「やや高め」と言えるでしょう。
独立したFPの年収は300万円程度と低めですが、主婦や副業で働いている人の数字が含まれています。
独立したFPに限れば、実際はより高い年収を得ている可能性があることから、FPは比較的稼ぎやすい資格といえるでしょう。
FPのやりがいは何?
FPは、お金の専門家として様々な場所で活躍できます。
仕事を通じて多くのやりがいを感じられる点も、FPのメリットです。
顧客に信頼される業務である
FPに相談をする人は、お金に関して何らかの悩みを持っています。
日本では信頼している人にしかお金の話をしない文化があるため、FPとして相談を受けるということは「信頼されている」ことに他なりません。
FPはお金で悩んでいる顧客の相談に乗り、解決に導くことが仕事なので、顧客から頼られる場面が多いでしょう。
一方で、顧客を獲得するためには新規顧客への営業も行う必要があることから、相談スキルだけでなく営業力も求められます。
相談相手として頼られる存在になるためには、資格だけでなく経験も積んで成熟している必要がある点は知っておきましょう。
日常生活にも役立てられる
家計の節約に活用できる
FPで学ぶ分野である
- ライフプランニングと資金計画
- タックスプランニング
では、適正な家計を運営するための知識やスキル、税負担を最適化するための税制度を知ることができます。
お金の流れをわかりやすく整理でき、余計な支出や税負担を回避できれば、家計の節約効果が得られるでしょう。
また、社会保険や年金などについて学ぶことで、自分にとって本当に必要な保険を見極めることができます。
無駄な保険に入らないことで家計にゆとりが生まれるメリットも期待できるため、FPで学ぶすべての内容は生活に役立ちます。
投資を始めることも
FPの勉強をきっかけに、投資を始める人も多いです。
金融資産運用について学ぶことで、株式や債券、投資信託など金融商品の特徴を学ぶことができます。
また、NISAなどの制度に関しても知ることができるため、投資や資産運用へ意識が向くようになります。
政府が投資を奨励しているように、将来的に金銭的に困ってしまうリスクを軽減するためにも、投資がを行う意義は大きいです。
FPの勉強を通じて、投資の知識の土台作りができる点は大きなメリットといえるでしょう。
お金と上手く付き合えるように
生きていく以上、常にお金と上手に付き合う必要があります。
現代の日本では金融教育が行われておらず、実際に資産運用や投資をしている人も2割程度にとどまります。
何も学ばないと、お金に関する基礎知識が欠落したまま人生を送ることになりますが、FPの取得を通じてお金との上手に付き合い方を学べます。
- 稼ぐ
- 増やす
- 節約する
- 守る
上記の面から、お金の扱い方を学べる点は大きなメリットです。
学び、知識を得れば将来の貯蓄に対する不安や資産運用に対する不安を軽減できます。
適正なリスクの範囲で資産運用を行い、余計な税負担を回避する方法を知っていれば、お金と上手く付き合えるようになるでしょう。
FP資格を利用して転職も可能
FP2級以上があれば、金融業界を中心に高い評価を得られるメリットがあります。
自身の生活だけでなく、キャリア面でも役立てられる点はFPのメリットです。
転職する人の数は増え続けている
リーマンショック以降、下記のように転職者の数は右肩上がりで増加しています。
西暦 | 転職者(万人) |
---|---|
2006 | 346 |
2007 | 346 |
2008 | 335 |
2009 | 320 |
2010 | 283 |
2011 | 284 |
2012 | 285 |
2013 | 286 |
2014 | 290 |
2015 | 298 |
2016 | 306 |
出典:総務省統計局 – 労働力調査(詳細集計)平成28年(2016年)平均(速報)
年間の転職者数は300万人を超えており、転職はスタンダードになりつつあります。
終身雇用制度が崩壊しつつあり、よりよい待遇で働くためにも、現代においては転職は当たり前になってきていることがわかります。
FPに向いている人の特徴
FPに向いている人の9つの特徴
下記の9つの項目で、5つ以上当てはまる方はFPに向いている可能性が高いです。
- 体力がある
- 目標達成できる
- 数字に強い
- 年上からかわいがられる
- 勉強が好き
- 体力がある
- 営業力がる
- コミュニケーション能力が高い
- 休みより仕事が好き
- 友達が多い
FPは顧客との信頼関係の構築が求められるため、年上から可愛がられやすい人や友達が多い人は、FPに向いている可能性があります。
また、勤務先によっては数期にシビアなところもあるため、体力があり目標達成に向けて努力できる人も、FPに向いているでしょう。
FP資格で有利になる転職先3選
FP資格は転職に有利に働くことが多い魅力があります。
中でも、営業職での採用で有利になることが多く、様々な業界でFP資格は活かせるでしょう。
ハウスメーカーの営業
ハウスメーカーの営業では、顧客が住宅を購入する時の資金計画を提案する際にFP資格を活かせるでしょう。
また、持ち家を取得することによるメリットなどを、豊富なお金をの知識を交えながら伝えることで信頼を得やすくなります。
不動産の営業
顧客が不動産を購入する際に、収支プランや住宅ローン控除の活用などを説明する際に、FP資格を生かすことができます。
また、近年は高齢化が進んでおり不動産を用いた相続税対策をする人も増えています。
賃貸アパートなどを用いて相続のアドバイスをするにあたり、不動産や税金に関する知識を有しているFPは信頼を得やすいでしょう。
保険の営業
生命保険会社や保険代理店で、保険の営業をする選択肢もあります。
保険は複雑で多くの種類があるため、相談者のニーズに応じて最適な保険を提案できれば信頼を得やすいです。
基本的に保険の営業は個人事業主であるため、転職は比較的容易と言えるでしょう。
資格と並行しスキルを身につけることも重要
FP資格を保有しているからといって、仕事ができるとは限りません。
仕事で高いパフォーマンスを発揮するためには、資格だけでなく知識のブラッシュアップやコミュニケーション能力も重要であるためです。
資格勉強と並行して、経験やスキルを身に着けることで戦力として評価されやすくなる点は知っておきましょう。
スキルを身に着けることで、自分に自信が持てるだけでなく、収入が増加して転職が容易になるメリットが期待できます。
FPの仕事はきついと言われる理由まとめ
FPの仕事はきついと言われる理由まとめ
- 営業が苦手な方にとってはきついと感じることもある
- 日常生活で役立つ場面が多い
- 就職や転職に役立つため、「取得しても意味ない」という意見は誤り
FP仕事はきついと言われることもありますが、就職や転職でアピール材料になるだけでなく、日常生活でも役立つ知識を得られます。
営業力が求められるなどの難しさがありますが、取得するメリットは大きいためネガティブな意見に振り回されるのはもったいないです。
毎年多くの受験者がいることからも、FPは価値が高い資格であることは明らかです。
こちらの記事を参考にしながら、ぜひFP資格の取得を目指してみてください。