通関士の将来性や需要は?AIによる仕事への影響や貿易業界の現状まで徹底解説!
「通関士って将来性がある仕事なのかな?」
「通関士の資格を取ろうかどうか迷っているけど、取った方がいい?」
通関士に興味がある方は、このようにお悩みなのではないでしょうか。この記事では、通関士の将来性について解説しています。
また、通関士とはどのような職業なのか、需要がある職業なのかなど、通関士に関する情報を詳しくお伝えします。
通関士の資格を取ろうか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
通関士の将来性についてざっくり説明すると
- 通関士は将来性が高い職業
- グローバル化が進んでいることで通関士の需要は高まっている
- 通関士はさまざまな業界で働くことができる
このページにはプロモーションが含まれています
通関士の仕事の将来性
通関士は「将来性がなく今後仕事がなくなる」と言われている職業の一つです。その背景には、申告官署の自由化やAI技術の発展があります。
仕事がなくなると報道されることにより、現在通関士である方や、これから通関士を目指そうと思っている方は不安になっていることでしょう。
では本当に通関士の仕事はなくなるのでしょうか。通関士の現状と将来性、注意しなければならない点について見ていきましょう。
通関士の需要は高まっている
通関士とは、簡単に言えば国と国の間に立って貿易や商売を進めていく仕事です。
将来性がないと言われている通関士ですが、実際には、今後通関士の仕事は増えていくと予想されます。
下の画像は財務省貿易統計の1950年から2021年における日本の対世界輸出入額及び差引額の推移のグラフです。
画像出典:財務省貿易統計
このように対世界の輸出入額はおおむね右肩上がりになっており、それに伴って通関士の仕事も増えていると考えられます。
また、以前よりもグローバル化が進んでいる現在、貿易に携わる会社、海外進出をする会社はさらに増えていくでしょう。
よって、通関士の仕事に対する需要は今後高まっていき、仕事が増えていく可能性は大いにあると言えます。
このことから、通関士は将来性がない職業とは決して言えないでしょう。
他のスキルとの相性がいい
通関士は、英語、PCスキル、会計スキルなど他のスキルとの相性がよい職業です。
これらのスキルを持っていると働きやすいですが、高度なレベルを必要とするわけではありませんので、一定のレベルに達していれば問題なく働けます。
英語、PCスキル、会計スキルを活かすために通関士を目指す方も少なくありません。
実際に通関士の求人を見ると、通関士の資格以外に上記のようなスキルも求めているものがあります。
通関士の仕事はないの?
通関士の仕事は現在も需要が高く、仕事は多数あります。海外と携わっている業界では海外との貿易は日常的に行われますので、そのような業界では通関士は必要な人材です。
通関士はそのような日々貿易を行う業界では需要が高い職業であり、現在通関士が働ける場は多数あります。他の職業と比較しても、通関士はさまざまな場所で働ける職業であると言えます。
海外で働くこともできる
現在、海外進出をしている業界はたくさんあります。そういった業界で働く場合、通関士は海外で働くこともできます。
外務省の発表によると、日本企業の海外拠点は約75,000社あるとされています。
これだけ多くの拠点が海外にあると、通関士になれば海外駐在員として働く機会が大いにあるということになります。
海外で働きたい方、グローバルな企業で働きたい方にとって、通関士はぴったりの職業です。
AIに仕事が奪われる?
AIによって将来多くの職業がなくなると言われており、通関士の仕事もなくなると心配している方もいるでしょう。実際に、AIの発展によって通関士の仕事がなくなるとの声もあります。
しかし、AIによって行われるのは書類作成や審査といった雑務であり、通関士の仕事が全てなくなるわけではありません。
また、キャッシュレスの発展などでも通関士の仕事が将来減少する可能性はありますが、今すぐそうなることはまずないでしょう。
将来的にAIやキャッシュレスなどで通関士の仕事の一部がなくなるとしても、それに備えて通関士としての専門的な知識を身に付け専門的な仕事を行えるようになっておけば、職を失う心配をする必要はありません。
変わっていく状況に柔軟に対応しながら、通関士のスキルを養っていきましょう。
通関士の働く業界
通関士が働ける業界は増えていますが、通関士は具体的にどのような業界で働いているのでしょうか。
通関業者
通関士の仕事で最も代表的なのが、通関業者で働くことです。通関業者とは、運送会社や倉庫会社など、輸出入の代行を行う業者のことを指します。
通関士は資格を持っているだけでは名乗れず、通関業者などに所属することで名乗ることができる職業です。
また、通関士は独立ができず、主に通関業者に所属し通関業の仕事を行うことになります。
メーカー
メーカーでは、自社商品を輸出したり、商品に使う材料を海外から輸入したりしています。
そのため、大きなメーカーでは通関部が必須であり、通関部は会社の重要な部門であると言えます。
メーカーも通関士が多く働いている業界の一つです。また、メーカーは海外とのやり取りが多いため、通関士として英語を使って働きたい方、海外で働きたい方が目指す業界でもあります。
商社
現在、商社の多くが海外取引を行っています。どのような商品を扱う企業でも、商社であれば海外との取引が日常的に行われるのが一般的です。
そのような会社では、輸出入の専門的な知識を持つ通関士はとても重宝されます。
商社は輸出入が企業として重要な部分となりますので、その重要な業務を担えることでやりがいを多く感じられる業種とも言えます。
百貨店
百貨店ではさまざまなものを取り扱っており、海外での買い付けや商品の輸入の仕事もあります。その際には通関・関税の知識が必須となり、法的な手続きが必要になることも多いため、百貨店でも通関士は必要です。
そのため、百貨店に勤めている通関士も多くいます。輸入の仕事を任せてもらえることも多いため、百貨店で働くことでも、通関士としてのやりがいを感じられるでしょう。
独立・開業
通関士はどこかの会社に所属して通関士として勤務することで通関士の仕事をすることができます。そのため、通関士として独立するという考え方はありません。
通関士としての独立はできませんが、通関士として培った知識を利用して商売を始めるなどの形では独立・開業ができると言えます。
例えば、最近ではインターネット販売の普及が進んでいるため、インターネットショップや自社ブランドを立ち上げて輸出入を行う際、通関士としての知識を活かすことができます。
また、通関士の知識を活かして貿易に関する会社を開業することも方法の一つです。
今後増えるであろう業界
グローバル化が進んでいる現在、通関士の勤務先は今後増えていくと考えられます。
仕事がなくなるという心配はしなくてもよいと言えます。むしろ仕事が増えていくという期待を持ってもよいでしょう。
インターネットを使った販売
最近増えているのが、インターネットを使った販売業者です。今ではインターネットで買えないものはないと言われるほどインターネット販売が普及しており、今後もインターネット販売業者の数は増えていくでしょう。
インターネット販売では、国内だけでなく海外との輸出入も頻繁に行われています。
そのため、インターネット販売業界では、輸出入の専門的知識を持つ人材を必要とする業者が増えると考えられるため、通関士の需要も高まってくるでしょう。
コンサルタントは特に将来性が高い
今後は書類作成、審査など、通関士の仕事の雑務の部分は効率化が図られる可能性があります。そのため、今後は雑務の能力よりも専門的な知識がある人材が重宝されることが多くなると考えられます。
例えば、通関に案して他部署に専門的なアドバイスをすることや、通関部のない企業で通関業のサポートをすることなど、今後は通関士の仕事としてコンサルティング業務が増えていくことが予想されます。
専門的な知識や経験を活かすコンサルティング業務は今後通関士の重要な仕事となるでしょう。
通関士を目指すのはおすすめできる?
ここまで、通関士の将来性や業務内容について解説しましたが、今後通関士を目指すのはよい選択肢と言えるのでしょうか。
また、現在通関士として働いている方は、このまま通関士をしていてよいのでしょうか。
最後に、通関士の強みについて解説していきます。
貿易のプロ
何より、通関士は貿易におけるプロであると言えます。貿易に関する専門的な知識や業務の遂行力は他の業種に負けることはありません。
また、グローバル化が進む現在、通関士を必要とする業界は数え切れないほどあると言えます。そのため、この先通関士が通関業務から外されることはまずありません。
通関士がいるだけで貿易上のさまざまな問題を解決することができますので、通関士は重要な人材として今後もさまざまな業界で活躍できると考えられます。通関士の需要が減っていくことはないと言えるでしょう。
世界中で仕事ができる
通関士は適正な輸出入の管理を行う業務を通して、安全な物品を国内に流通させたり、日本の物品を世界中に流通させたりしていることから、国の安全や利益に関わっており非常にやりがいがある仕事だと言えます。
また、通関士は常に海外を相手に仕事を行います。国内だけでなく、世界中さまざまな場所でグローバルに仕事をしており、その点もやりがいがある職業であると言えます。
常に海外を相手にすることで、世界に目を向けて働くことができるのも通関士のメリットだと言えるでしょう。
英語力は必要?
通関士は海外を相手にする仕事ですので英語力は必要です。通関士は他の仕事と比較しても海外で働く可能性は高いので、国内で働く場合でもいざというときのために英語力を磨いておかなければなりません。
また、もともと英語力が高い方が自分の英語力を活かすために通関士になるというのも方法の一つでしょう。
さらに、英語だけではなく、中国語など貿易で使うことが多い言語を習得していると理想的だと言えます。
通関士としてスキルアップを目指すなら、英語はもちろん多言語の語学力を身に付けることが重要です。
女性にとっても働きやすい
最近では、女性が働きやすい人気の職業として通関士が挙げられています。通関士は力仕事がなくデスクワークがメインであり、女性でも働きやすい仕事だと言えるからです。
また、日本通関業連合会によって全国女性通関士会議が開かれ、女性の通関士が働きやすい環境づくりが進められているなど、通関士は女性がより働きやすいように業界全体で取り組んでいます。
今後の女性通関士の増加にも期待でき、通関士は女性におすすめできる職業です。
働きながらも目指せる
企業で働きながら通関士の資格を取得してキャリアアップする人も多く、通関士は働きながらでも取りやすい資格だと言えます。
そのため、転職を考えている方、貿易の仕事に興味がある方などは、働きながら資格を取得して転職したり、勤務先で通関部門に異動したりすることも可能です。
通関士は働きながらでも取得できる資格でありキャリアプランも立てやすいため、資格取得を目指して気軽に受験勉強を始めることができるのではないでしょうか。
通関士の将来性についてまとめ
通関士の将来性についてまとめ
- 通関士は将来AIに仕事を全て奪われることはなく、コンサルタント業務での活躍が予想される
- 通関士は世界を相手にする職業であり、英語や中国語など語学力がある人の需要はさらに高い
- 通関士は働きながらでも取得できる資格なので、社会人の方でもまずは資格取得を目指すのがおすすめ
通関士は、グローバル化が進んでいる現在、さまざまな業界で活躍できる仕事です。
将来性が高い仕事であると言え、需要がなくなることはないと考えられますので、資格取得をおすすめできます。
また、通関士は貿易に関わる仕事がしたい方はもちろん、グローバルな仕事がしたい方、英語力を活かす仕事がしたい方にもおすすめできる職業です。
通関士に興味がある方は、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。