測量士の年収は?年齢別の平均給料や就職の実態・将来性まで徹底解説!
「測量士の年収はどれくらい?」
「測量士の給料など、お金の事情について知りたい!」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
測量士は測量に関する専門家であり、測量会社などで活躍しています。
測量士を目指している方にとって、年収や年齢別の給料など、お金の面は気になりますよね。
こちらの記事では、測量士の年収や仕事の将来性などについて詳しく解説していきます!
測量士の年収などについてざっくり説明すると
- 年収は一般的なサラリーマンより少し高め
- 独立開業すると、より高年収が狙える
- 働き口は多彩で、多くの選択肢がある
- 女性でも安定的に稼ぐことができる
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測量士ってどんな資格?
測量士は測量に関するプロフェッショナルであり、あらゆる建設の際に不可欠で重要な役割を果たしています。
まず、測量士の具体的な仕事内容について解説していきます。
仕事内容は測量作業と測量計画作成
測量士の仕事は、大別すると二つに分けられます。
一つ目は、実際に土地の位置・高さ・形状などを正確に把握して、工事設計に必要な情報を提供することです。
二つ目は、測量士や測量士補が測量を行う際の計画を作成することで、この計画作成の業務はは測量士の独占業務となっています。
つまり、測量士でなければ行なうことが許されていないため、測量士の需要は非常に高いのです。
測量士試験に合格しよう
測量士になるには測量士試験を合格しなければなりませんが、測量士試験はかなりの難関試験であるためハードルは高いです。
また、午前と午後で試験内容が分かれており、それぞれで行うべき対策が異なるためかなりの労力を要するでしょう。
午前試験は択一のマークシート
測量士試験の午前試験は、五肢択一のマークシート形式で行われます。
一問25点の問題が28問出題され700点満点の試験となっており、400点以上の得点をしないと足切りで不合格になってしまいます。
なお、試験時間は2時間半であるため時間内で解き終わるように工夫しましょう。
午後試験は記述式
午後試験は記述式となっており、必須問題1題と選択問題2第の計3題で構成されています。
配点は必須問題が300点、選択問題が一問200点の700点満点の試験となっており、同じく2時間半の時間内で終わらせる必要があります。
過去の出題傾向を把握し、予め自分が取り組む分野を決めておくと対策しやすいです。
無試験で測量士になるには
測量士資格は、試験を受けることなく一定の条件をクリアすることで取得することができます。
具体的には、大学や短期大学・高等専門学校などで測量に関する単位を取得して実務経験を積んだ方や、養成施設で測量技能を習得した後に測量士補として業務経験を積んだ方などが該当します。
そのため、勉強を進める中でどうしても試験対策がうまくいかない場合は、このルートで資格取得を目指すのも一つの手段と言えます。
測量士の平均年収は460万円
気になる測量士の年収ですが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると456万円程度であると言われています。
ただし、この数値はあくまで平均であるため、測量士それぞれの置かれている状況によって年収額は前後します。
こちらのトピックでは、様々な観点から測量士の給料について詳しく解説していきます。
測量士が平均よりも高給な理由
日本の平均年収は441万円ほどであるため、測量士の年収はわずかながら日本の平均年収を上回っています。
この理由について見ていきましょう。
残業代が多く支払われる
勤務先による差はありますが、測量士の仕事はなかなかハードであるため、かなり残業が多めの職業です。
測量士の仕事がハードな理由は、測量対象地が広大であることが大半であるため、測量だけでなく移動時間もかなりかかってしまうからです。
そのため、しっかりと残業代を支払ってくれる企業であれば支給される残業代が高めであるため、日本の平均年収を上回るのです。
専門性が高く高給になりやすい
測量士が行う業務は需要が高いながらも独占的なものなので、仕事の単価が高くなりがちです。
詳しくは後述しますが、特に航空測量や海洋測量などは特に専門的な内容であるため、特に高単価な仕事となっています。
このように、測量士の専門性を活かした強みが金銭的なメリットにつながっているのです。
勤務する企業によって給料は変わる
勤務する企業の業績や規模・種類によっても給料は大きく変わってきます。
測量士の主な就職先には「測量事務所」「建設コンサルティング会社」「地方自治体」などが挙げられますが、それぞれにの給料の目安について解説していきます。
測量事務所の給料は高くない
測量事務所の給料は年収300〜450万円程度であるため、そこまで高くはありません。
一般的な測量会社や測量事務所は中小規模のところが多いため、なかなか高い年収を稼ぐのは難しいのが実情です。
ただし、このようや中小規模の事務所や測量会社ならではの強みもあり、こういった事務所では未経験でも歓迎してくれるところが多く、キャリアをスタートさせるのにピッタリな職場と言えます。
また、幅広い業務を経験させてもらえるため、大企業に勤めるよりも自分のスキルを高めるチャンスが多いのです。
建設コンサルティング会社は高い給料
建設コンサルティング会社で働く場合は800万円近い年収をもらう人も多く、比較的高い年収を稼ぐことができます。
ただし、大手では即戦力を求めている場合が多く、資格だけでなく実務経験も求められます。
また、抱えている仕事量も多いため労働時間も比較的長めになってしまう職場が多いです。
このように、大企業にもメリットとデメリットがある点には注意が必要です。
地方自治体の給料も高め
測量士資格を活かして公務員として働くこともでき、具体的には地方公務員として都道府県や市町村の土木課・上下水道課などで採用されることが多いです。
給料は一般行政職としての扱いで支払われ、自治体によって多少の差があるものの概ね年収は600万円前後と比較的高めとなっています。
公務員であるため給料は非常に安定していて手厚い身分保証を受けることもできます。
求人はそこまで多くないものの、安心して働きたいと考えている方は自治体の専門職求人が出ていないかどうか、こまめにチェックすると良いでしょう。
男女別年齢別の測量士の給料
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、男性測量士の平均年収は478万円程度である一方で女性の場合は356万円程度と、大きな差が生まれています。
実際に年齢別・男女別に平均年収を表にまとめると、以下のようになります。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20〜24歳 | 322万円 | 285万円 |
25〜29歳 | 397万円 | 346万円 |
30〜34歳 | 420万円 | 348万円 |
35〜39歳 | 457万円 | 345万円 |
40〜44歳 | 506万円 | 412万円 |
45〜49歳 | 520万円 | 370万円 |
50〜54歳 | 552万円 | 419万円 |
55〜59歳 | 572万円 | 347万円 |
60〜64歳 | 492万円 | 274万円 |
男性の年収は安定している一方で、女性はかなり幅があります。
これは、女性は出産に伴う休業や時短勤務をする方や、パートやアルバイトとして勤務する方が多いためです。
測量士の初任給は20万円程度
測量士の初任給は月給20万円程度と、一般的な大卒の新卒者とほぼ同じくらいの水準となっています。
ただし、初任給については測量士の資格がなく測量会社に勤めている方々も含まれています。
そのため、資格手当が支払われることが多い資格所有者は、一般的な水準よりも高い初任給がもらえる可能性が高いです。
測量士のボーナスの特徴
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、測量士のボーナスは月給の2ヶ月分が支払われるケースが多いです。
そのため、一般的な測量士の年収が460万円程度であると仮定した場合、単純計算で65万円程度がボーナスとして支給される計算になります。
勤務先の規模が大きければ安定して支給されますが、中小規模の測量会社や測量事務所ではそもそもボーナスが支給されないこともあるため、注意しましょう。
測量士の福利厚生は勤務先で変わる
測量士の福利厚生は給料と同じく、勤務先の業種やその規模によって大きく変わってきます。
例えば、建築コンサルティング会社で勤める場合は、一般的な測量会社や測量事務所と比較して諸手当が充実しており支給額が高くなる傾向にあります。
また、公務員として働く場合の福利厚生は申し分なく長く安心して働くことができるでしょう。
その一方で、測量事務所や測量会社はそこまで福利厚生の面で恵まれているとは言い難く、物足りなさがあるのは否めません。
測量士補との年収の違い
測量士補は測量士の下位資格にあたります。
測量士補の資格所有者の年収は多くても500万円程度であるため、専門性の高い測量士の方がやはり年収が高い傾向にあることが分かります。
そのため、まずは測量士補の資格を取得しても実務経験を積み、その後にステップアップを目指して測量士になる方が多くいます。
測量士が年収をアップさせる方法
給料が非常に高いとは言えない測量士ですが、自身のスキルや努力次第では年収1000万円も不可能ではありません。
こちらのトピックでは、測量士が年収をアップさせる方法について解説していきます。
測量士は昇給しにくい
測量士の昇給率は30歳半ばごろから徐々に鈍くなり、40歳前後の年収500万円程度で頭打ちとなるケースが多いです。
そのため、一般的なサラリーマンと比べると若手時代のの昇給スピードは早いものの、40代から50代にかけてはあまり年収が上がらなくなります。
そのため、高年収を目指したい方は若手の頃に知識とスキルを身に着けておき、頃合いを見て独立する方法があります。
独立・開業を目指す
測量士は独立開業しやすい資格であり、測量士にとって最も給料を上げやすい方法が独立開業です。
実際に、非常に多くの方が高年収を目指してこの道を目指しています。
しかし、当然のことながら開業したからと言ってすぐに仕事が舞い込んできて高給取りになれるわけではありません。
地道に営業活動をしたり、実績を積んだり人脈を広げるなどしてコツコツと周囲から信頼を得られなければ仕事はもらえません。
このように、独立開業するための準備はある程度必要になるため、しっかりと備えておくと良いでしょう。
航空測量・海洋測量を行う会社に勤める
前述したように、測量士の年収は勤務先によって大きく変わります。
その中でも、航空測量や海洋測量を専門に扱う企業の年収は高度なスキルが要求されるため、非常に高い水準にあります。
特に、実績や信頼がある世界レベルのサービスを提供している企業にもなると、年収800万円以上の求人も多く出ています。
その後、順調にキャリアアップすることで年収1000万円クラスになることも可能です。
測量士の就職・転職の実態
こちらのトピックでは、実際にどのような求人があり、どの程度の給料であるのかを解説していきます。
測量士の求人や雇用
大手の求人サイトで測量士の求人を探すと、年収500万円以上の求人は容易に見つけることができます。
このことからも、一般的なサラリーマンよりも測量士は高い給与水準にあることが分かります。
また、アルバイトの雇用形態でも求人が200以上と数多くあるため、測量士資格を取得していれば仕事がなくて困ることは有り得ません。
アルバイト求人でも時給が1200円以上の仕事が多いので、ある程度働きやすい仕事と言えるでしょう。
測量士の仕事のやりがい
測量士は測量計画に関する最高責任者としての役割を担っているため、大きな責任が伴います。
測量作成については測量士しか行うことができず測量士補でも行うことのできない独占業務となっているため、大きなやりがいがあります。
測量士の仕事は都市計画や街全体をイメージしながら業務を行う必要があるため、スケールが大きく非常にクリエイティブな仕事です。
つまり、仕事を達成したときには大きな達成感も味わうことができるでしょう。
また、測量に向かう土地はほとんどが初めて赴く場所なので、測量士の中には旅行気分で楽しみながら日々の業務にあたっている方もいます。
測量士の仕事は大変な場合も
前述したように、広大な土地を測量する際には仕事量が増えるため残業も増えがちです。
また、常に移動しながらの仕事であるため、肉体的な負担もかなり重くなってしまう場合もあります。
また、中には測量をする場所が山奥などのケースもあり、危険を伴う場合もある点には注意が必要です。
このように、単なるオフィスワークとは違う大変な面もあることには留意しましょう。
測量士試験は独学で受かる?
測量士の資格試験対策を行っている講座はほとんど存在しないため、独学で合格を目指す方がほとんどです。
独学で合格を目指すには難易度が高い
結論から言うと、測量士試験を合格するために独学で勉強することは現実的ではありません。
その理由として、測量士試験では非常に専門的な内容が出題されるため、自分1人で疑問を解決することが困難であるためです。
また、試験の難易度は合格率にも表れており、毎年合格率は10%程度で推移していることから非常に難易度が高い試験であることが分かります。
測量士のテキストはほとんどない
独学で測量士を目指す際の最も大きな問題点が、試験対策用の市販テキストがあまり出回っていない点です。
そのため、独学者は過去問などの限られた教材で勉強をしなければならず、頻出問題や重要論点を把握することがなかなかできません。
つまり、効率的な勉強をすることが非常に難しいため、なかなか得点力をアップさせることが困難なのです。
測量士になるまでの勉強方法
前述した独学での困難な点を踏まえた上で、実際に独学で合格目指すための勉強方法や注意すべきポイントなどを解説していきます。
過去問を中心に学習を進める
前述したように、測量士のテキストはあまり市販で出回っていないため、必然的に過去問を中心として勉強を行っていくことになります。
勉強をスムーズに進めることは困難ではありますが、午前の部の出題は過去問からの焼き直しや類似問題が多い特徴があります。
そのため、過去問を数多くやりこむことで得点力が上がり、合格できる確率を高めることができます。
そのため、過去問演習を軸に勉強を進めていくことをおすすめします。
午前試験の対策が最重要
厄介なことに、測量士試験には足切り制度が設けられています。
午前試験で400点未満であった場合には足切りとなり、その時点で不合格が確定してしまいます。
午後試験は採点すらしてもらえないため、仮に午後試験が会心の出来だったとしても不合格になってしまうのです。
また、前述したように午前試験は過去問からの出題が多いため、過去問を中心とした学習をすることで得点源にすることができます。
そのため、足切りによる不合格を避けるためにはまずは午前試験対策を優先的に行い安定的に正解できるようにしましょう。
28問中20問以上を安定的に正解できるようになることが、一つの目安となります。
数学の知識によって勉強時間が変わる
測量士の試験では、高校の数学で習うような高度な数学知識を要する計算問題が出題されます。
そのため、文系出身者で数学をあまり学んでこなかった方の場合は高校理系レベルの数学から学ばなければならず、非常に長い学習時間が必要になってしまいます。
逆に、高校時代に理系の道に進み数学Ⅲ・数学Cまで履修して大学進学のために勉強をした経験のある方は、すでに数学の知識がある程度身に着いているため有利です。
しかし、理系を履修していた方であっても300時間程度の勉強は必要になるため、しっかりと勉強期間は確保するようにしましょう。
測量士の将来性や取得メリット
測量士には、年収が比較的高いという点以外にも、将来的に多くのメリットがあります。
仕事や需要がなくなることはない
測量士の仕事は、この世に不動産が存在する限り仕事が無くなることはありません。
建物を建てる際や道路の整備など、インフラ整備の場面で求められることが非常に多いため、将来的にも求められ続ける仕事なのです。
また、測量士には独占業務があることから測量会社や建築会社などでは非常に貴重な存在として扱われます。
現在は様々な測量機器が開発されていますが、測量士の専門的な知識や測量計画作成の技術は今後もあらゆる場面で求められるため、測量士資格の価値が落ちることは考えられません。
つまり、測量士は将来性も申し分ない資格なのです。
将来的に給料が減る可能性も
将来性が豊かな測量士ですが、給料の面ではマイナスになることがあり得ます。
今後、公共事業に関する予算削減が全国的に進められる可能性があるため、公共事業を扱っている測量士の給料もそれに伴って減少すると考えられています。
また、不況によって測量の案件自体が少なくなり、その影響を受けて人件費が削減される可能性もあります。
このような景気や世の中の情勢を受けて、結果的に年収が減ってしまう可能性がある点には留意しておきましょう。
とはいえ、仕事が全くなくなることはあり得ないため、その点は安心できる強みがあります。
測量士の年収などのまとめ
測量士の年収などのまとめ
- 職場の規模などによって福利厚生は異なるため、要確認
- 測量士の求人は多く、仕事に困ることは無い
- 独立する場合、地道な営業活動が欠かせない
- 将来性は抜群なので、取得することによるメリットは大きい
測量士は非常に専門性が高く独占業務も与えられているため、常に一定の需要があります。
年収に関しては一般的なサラリーマンをやや上回る程度ですが、不動産がある限り仕事が無くなることはないため、安心して働くことができる強みがあります。
測量会社以外にも公務員としての働き口などがあるため、色々調べてみてください。
測量士は仕事のやりがいも大きく非常に魅力的な仕事なので、ぜひ積極的に取得を目指してみてください!