CCNAのおすすめ勉強法は?勉強時間から対策に必須の参考書・問題集を紹介!
「CCNAを取得するにはどんな勉強をすれば良い?」
「必要な勉強時間・勉強期間は?おすすめの参考書・問題集はある?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
CCNAはシスコ技術者認定の下から2番目の試験です。2020年2月に試験の改定が行われ、難易度が上昇したので、十分な対策をして受験する必要があります。
今回はCCNAのおすすめ勉強法について、勉強時間や対策に必須の参考書・問題集などと共に解説します。
これを参考に、きちんと試験勉強を行えば難易度が上がった新試験にもバッチリ対応できるでしょう。
CCNAのおすすめ勉強法についてざっくり説明すると
- インプット用の参考書は1冊に絞るべき
- CCNAイージスやping-tなどのサイトも有用
- ウズウズカレッジを活用するのもおすすめ
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CCNAの基本情報をまずはおさらい
「Cisco Certified Network Associate」、通称CCNAはシスコ技術者認定の中で最もメジャーな資格です。
難易度は全部で5ランクあるうちの下から2番目ですが、2020年に試験内容が大きく改定されてからは難易度が上昇したと言われています。
ちなみに改定の具体的な内容ですが、従来10種類に細分化されていた資格・試験が1種類に統合されました。
試験はCBT方式
CCNAの試験はCBT方式で実施されます。ちなみにCBTとは「Computer Based Testing」の略称で、その名の通りコンピューターを使って問題を解く試験形式のことです。
なお、CBT方式では同じ難易度の問題をコンピューターがランダムに出題するため、一般的な筆記試験のように受験者全員が同じ問題を解くわけではありません。
試験範囲は刷新されているので注意が必要
2020年2月にCCNAの資格体系が変更され、試験範囲が大幅に刷新されたので、受験する前に以下の新しい試験範囲をよく確認しておくのが良いでしょう。
- ネットワークの基礎(20%)
大項目 | 小項目 |
---|---|
ネットワークコンポーネントの 役割と機能の説明 |
ルータ |
L2およびL3スイッチ | |
次世代ファイアウォールおよび IPS | |
アクセス ポイント | |
コントローラ(Cisco DNA Center および WLC) | |
エンドポイント | |
サーバ | |
ネットワーク トポロジアーキテクチャの 特徴についての説明 |
2ティア |
3ティア | |
スパインリーフ | |
WAN | |
スモールオフィスおよびホーム オフィス(SOHO) | |
オンプレミスおよびクラウド | |
物理インターフェイスおよび ケーブリングタイプの比較対照 |
シングルモードファイバ・マルチモード ファイバ・銅線 |
接続(Ethernet 共有メディアとポイントツーポイント) | |
PoEの概念 | |
インターフェイスおよび ケーブルの問題の特定 (コリジョン・エラー・ デュプレックスの ミスマッチ・スピード) |
- |
TCPとUDPの比較対照 | - |
IPv4アドレッシングとサブネット化の 設定および確認 |
- |
プライベートIPv4アドレッシングの 必要性についての説明 |
- |
IPv6アドレッシングと プレフィックスの 設定および確認 |
- |
IPv6アドレスタイプの比較対照 | グローバル ユニキャスト |
ユニークローカル | |
リンクローカル | |
エニーキャスト | |
マルチキャスト | |
修正EUI64 | |
クライアントOS (Windows・Mac OS・Linux)の IPパラメータの確認 |
- |
ワイヤレスの原理 | オーバーラップしない Wi-Fi チャンネル |
SSID | |
RF | |
暗号化 | |
仮想化の基本(仮想マシン)の説明 | - |
スイッチングの 概念の説明 |
MAC ラーニングおよびエージング |
フレームのスイッチング | |
フレームのフラッディング | |
MAC アドレス テーブル |
- ネットワークアクセス(20%)
大項目 | 小項目 |
---|---|
複数スイッチにまたがる VLAN(ノーマル・レンジ)の 設定および確認 |
アクセス・ポート (データと音声) |
デフォルト VLAN | |
コネクティビティ | |
スイッチ間接続の設定および確認 | トランク ポート |
802.1Q | |
ネイティブVLAN | |
レイヤ 2 ディスカバリプロトコル (Cisco Discovery Protocol およびLLDP)の 設定および確認 |
- |
(レイヤ 2/レイヤ 3)EtherChannel (LACP)の設定および確認 |
- |
RSTP(Rapid PVST+ Spanning Tree Protocol)の必要性と その基本的運用方法の説明 |
ルート ポート ・ルート ブリッジ (プライマリ/セカンダリ) ・その他のポート名 |
ポートステート (フォワーディング/ブロッキング) |
|
PortFast のメリット | |
Cisco Wireless アーキテクチャ および AP のモードの比較対照 |
- |
WLAN コンポーネント (AP・WLC・アクセスまたはトランク ポート・LAGなど) における物理的インフラストラクチャーの 接続に関する説明 |
- |
AP および WLC における 管理アクセス接続(Telnet・SSH ・HTTP・HTTPS ・コンソール・TACACS+/RADIUS) |
- |
GUIのみを使用したワイヤレス LANアクセスのクライアント接続用 コンポーネントの設定 (WLAN の作成・セキュリティ設定 ・QoS プロファイル・拡張 WLAN 設定など) |
- |
- IPコネクティビティ(25%)
大項目 | 小項目 |
---|---|
ルーティング テーブルを構成する要素の解釈 | ルーティングプロトコルコード |
プレフィックス | |
ネットワークマスク | |
ネクストホップ | |
アドミニストレーティブディスタンス | |
メトリック | |
ラストリゾートゲートウェイ | |
ルータがデフォルトで フォワーディングデシジョンを 行う方法の決定 |
最長一致 |
アドミニストレーティブディスタンス | |
ルーティングプロトコルの メトリック |
|
IPv4およびIPv6での スタティックルーティングの 設定および確認 |
デフォルトルート |
ネットワークルート | |
ホストルート | |
フローティングスタティック | |
シングルエリアOSPFv2の 設定および確認 |
ネイバーアジャセンシー |
ポイントツーポイント | |
ブロードキャスト (DR/BDRの選出) |
|
ルータID | |
ファーストホップ冗長プロトコルの 目的の説明 |
- |
- IPサービス(10%)
大項目 |
---|
スタティックおよびプールを使用した 内部ソースNATの設定および確認 |
クライアント/サーバ モードで動作する NTP の設定および確認 |
ネットワーク内部における DHCPおよびDNS の役割の説明 |
ネットワーク オペレーションにおける SNMPの機能の説明 |
syslog 機能(ファシリティ・レベルなど)の使用の説明 |
DHCPクライアントおよびリレーの設定および確認 |
QoS(分類・マーキング・キューイング ・輻輳制御・ポリシング・シェーピングなど)の フォワーディングPHB(Per-Hop Behavior)の説明 |
ネットワークデバイスにおける SSHを使用したリモート アクセスの設定 |
ネットワークにおける TFTP/FTP の機能の説明 |
- セキュリティの基礎(15%)
大項目 |
---|
セキュリティの主要概念 (脅威・脆弱性・エクスプロイト・軽減対策) の定義 |
セキュリティ プログラムの要素 (ユーザ アウェアネス・トレーニング ・物理的セキュリティ対策)の説明 |
ローカルパスワードを使用した デバイスのアクセス制御の設定 |
セキュリティパスワードポリシーの 要素(管理・複雑さ・代替手段(マルチファクタ認証 ・証明書・生体認証)など)の説明 |
リモートアクセスおよび サイト間VPNの説明 |
アクセスコントロールリストの 設定および確認 |
レイヤ2セキュリティ機能 (DHCP スヌーピング・ダイナミックARP インスペクション ・ポートセキュリティ)の設定 |
認証・認可・アカウンティングの 概念の区別 |
ワイヤレスセキュリティプロトコル (WPA・WPA2・および WPA3) の説明 |
WPA2 PSK を使用した WLANの設定(GUI を使用) |
- 自動化とプログラマビリティ(10%)
大項目 | 小項目 |
---|---|
ネットワーク管理における 自動化の影響の説明 |
- |
従来からのネットワークと コントローラベースの ネットワークの比較対照 |
- |
コントローラベースおよび ソフトウェア定義型アーキテクチャ (オーバーレイ・アンダーレイ ・ファブリック)の説明 |
コントロールプレーンとデータプレーンの分離 |
ノースバウンドAPIと サウスバウンドAPI |
|
従来からのキャンパス デバイス管理と Cisco DNA Center 対応の デバイス管理の比較対照 |
- |
RESTベースAPI (CRUD・HTTP 動詞・データ エンコーディング) の特徴の説明 |
- |
構成管理ツール (Puppet・Chef・Ansible) の機能についての理解 |
- |
JSONエンコードデータの解釈 | - |
CCNAの難易度は年々難しくなっている
CCNAはシスコ技術者認定試験で下から2番目の試験なので、難易度はそれほど高くないという印象をお持ちの方もいるでしょうが、2020年2月の改定以降はかなり難易度が上がっているので注意してください。
上記の通り、改定後の試験範囲はかなり膨大です。旧来はそれを10分野ほどに分割して試験を実施していたことを考えると、難易度がかなり上がったということも頷けるでしょう。
CCNAの合格率
CCNAの合格率は非公表ですが、改定前の試験に関しては60%程度だと言われていました。
しかし、改定による難易度上昇のため、現在の合格率はもっと低いと予想されます。よって万全の対策をした上で試験に臨むのが良いでしょう。
CCNAの合格点
CCNAでは合格点も公表されていません。しかし、825点を取れば合格できる可能性が高いと言われています。
これは正答率に換算すると75%程度であるため、知識やスキルの高い完成度が求められる試験であると言えるでしょう。
CCNAのおすすめ勉強法
ここからはCCNAの勉強法について解説します。
参考書を使ってのインプットが基本
CCNAに関する参考者は多数出版されているので、それらの中から自分のレベルにあったものを購入し、知識のインプットに活用するのがおすすめです。
なお、色々な参考書に手を出したくなる気持ちもわかりますが、基本的には1冊をとことん突き詰めて学習するのが良いでしょう。
多数の参考書に手を出してしまうと、一冊に対する集中力が分散してしまい、結果的に必要な知識が十分習得することができません。
参考書の多くは試験内容が網羅的に解説されているため、基本知識のインプットには1冊あれば十分です。
以下ではおすすめの参考書を2冊紹介します。
1週間でCCNAの基礎が学べる本
初歩的な内容ならネットワークに関する基礎を学ぶことができる参考書です。
丁寧でわかりやすい解説が魅力で、イラストも用いながら手取り足取り説明してもらえるので、ネットワークの初学者はこの書籍から学習を始めるのが良いでしょう。
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集
2020年2月からの新試験に対応した教科書で、テキストと問題集が一つになっています。合格点を取るための基礎力を効率よく培うことができるのでおすすめです。
なお、新試験に対応していない旧版では意味がないので、必ず最新版を購入するようにしましょう。
学習サイトで勉強するのもあり
以下二つの学習サイトなら、参考書と同程度のクオリティの学習ができるので、ぜひ活用してみましょう。
- CCNAイージス
- 3分間ネットワーキング
特にCCNAイージスはおすすめで、教科書としても使えるほど解説が充実しており、新試験にも対応しているため、試験対策には非常に役立つはずです。
問題集を使っての演習が大切
知識はインプットするだけでなく、アウトプットもして試験や実務で使えるようにしなければ意味がありません。
知識を覚えてもそれを活用できなければ宝の持ち腐れになってしまうので、参考書で知識をインプットしたら、次は問題集で十分にアウトプットを行いましょう。
なお、問題演習の際は間違った問題を中心に解説をよく読み込むことが大切です。必要に応じて参考書に戻って該当箇所を復習するのも良いでしょう。
復習をきちんとしなければ知識の習得が不完全になり、十分にレベルアップできないので注意するべきです。
Cisco試験対策 Cisco CCNA問題集
CCNA対策のアウトプットには「Cisco CCNA問題集」を使うのがおすすめです。こちらも2020年2月以降の新試験に対応しており、出題傾向を踏まえた実践的な問題が収録されているので、充実した問題演習ができるでしょう。
またこの問題集の解説は丁寧でわかりやすいことに定評があるため、知識を復習するためのテキストとしても便利です。
問題演習におすすめのサイト
CCNA対策のアウトプットには、IT資格の受験者の間では有名なping-tという学習サイトを活用するのが良いでしょう。
ping-tでは問題を解くと、ステータスがつくので現状の習熟度を確認するためには便利です。また詳細な解説も見られるので、復習も捗るでしょう。
さらに問題はカテゴリごとに分類されているため使い勝手も抜群です。
無料とは思えないコンテンツの充実ぶりなので、問題演習にはぜひ活用してみてください。
シミュレーション問題対策は必須
合格点を取るには実際の機械の設定を想定したシミュレーション問題の攻略が欠かせません。
仕組みを理解していなければ解答できないその問題は難易度が高いため、CCNAイージスやPing-tなども活用して十分に問題演習を重ねるのが良いでしょう。
また実際にシミュレーションをしたいという場合は、ブラウザでの模擬的なシミュレーションができる「短期集中!CCNA Routing and Switching」などを使うのがおすすめです。
CCNAの勉強の手段として講座もうまく使おう
CCNAの学習を効果的に進めたいと考えている人は、ウズウズカレッジの講座を活用して学習を進めることがおすすめです。
この講座の大きな特徴として、個別指導で自分のペースで講座受講を進められる点が挙げられ、初めての人でも安心して学習に入ることができます。
また、資格取得のための演習量を豊富に設けている点も特徴として挙げられるため、この演習で弱点を効果的に分析することができます。
弱点は、講師が細かくフォローしてくれるため、常に苦手を作ることなく学習を進められるでしょう。
時間配分を決めて演習するのが必須
CCNAの試験では、120分という制限時間の中で102問に解答しなければなりません。単純計算で1問1分強で解き進めていかなければならないので、ある程度のスピード感が必要です。
例えば、ある問題で時間を使いすぎるなどしてペースを崩してしまうと、全部解き切れなくなる恐れもあるので、予め時間配分を決めておくのが良いでしょう。
短時間でそれぞれを処理できるような時間配分の計画を立て、それを実行する練習を十分に積んだ上で試験に臨むのがおすすめです。
苦手範囲を作らないように勉強
CCNAでは、以下3つの範囲を苦手とする受験者が多いので、それらには特に力を入れて対策するのが良いでしょう。
サブネット化
サブネット化とは、大きすぎるネットワークを運用しやすいサイズのネットワークに分割することを指します。
この分野では、ネットワーク部やホスト部などの概念についての理解が不十分であったり、計算問題で苦戦するというケースが多いです。
よって参考書をよく読み込んで斯く重要概念をきちんと理解した上で、問題演習を繰り返し行うのが良いでしょう。
IPv6
IPv6では、以下3つの省略ルールを覚えておくことが非常に大切です。
- 各フィールドの先頭の0は省略できる
- フィールドのビットが全部0の時は1つの0として処理できる
- ビットが全て0のフィールドが連続する場合、0を省略して「::」と表記することができる
これらのテクニックを駆使すれば、長いアドレスを省略できるので有用です。
STP
ループ状で構成されるレイヤ2のネットワークで、データトラフィックを制御するために用いるプロトコルをSpanning Tree Protocol(STP)と言いますが、この分野では以下4つの選出方法を押さえることが重要です。
- ルートブリッジの選出
- ルートポートの選出
- 指定ポートの選出
- 非指定ポートの選出
なお、試験ではこれらの選出方法に関する選択問題が出題されるので、問題演習も十分にこなして出題になれておきましょう。
CCNAの勉強時間はどれくらい?
以下ではCCNAを取得するために必要な勉強時間について解説します。
160時間が目安
CCNA合格のための勉強時間は、160時間が目安になります。これは毎日2時間勉強すると3ヶ月弱の勉強期間で資格を取得することができるという計算です。
なお、全くの初心者なら1日4時間程度の勉強を2ヶ月ほど継続するのが良いでしょう。それなら十分な知識が習得できるはずです。
ネットワーク関連の仕事についている人も1か月ほど必要
ネットワーク関連の仕事に従事しているなどの理由で予備知識がある場合は、通常よりも理解は早いはずですが、それでも1ヶ月程度の勉強期間は必要になります。
なぜなら、試験では普段の業務では用いないような知識が問われることもあるからです。
CCNAのおすすめ勉強法まとめ
CCNAのおすすめ勉強法まとめ
- 問題演習の際は復習をきちんと行う
- 勉強時間の目安は160時間
- Udemyを上手に活用するべき
CCNAのおすすめ勉強法について解説しました。
CCNAの対策には、1冊に絞った参考書をよく読み込んで知識をインプットした後に、問題集を使って十分に演習を行うというオーソドックスな方法が良いでしょう。
なお、問題演習の際は間違った問題を中心によく復習することが大切です。またCCNAイージスやping-tなどの学習サイトも積極的に活用してみましょう。
さらにUdemyを使って勉強するのもおすすめです。
以上を参考に、難易度が上昇した新試験に向けて万全の対策を行いましょう。