AWS認定クラウドプラクティショナーとは?試験内容から難易度まで詳しく解説!
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「AWS認定クラウドプラクティショナーって?」
「どんな試験内容?難易度はどのくらい?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
AWS認定クラウドプラクティショナーは、AmazonのクラウドコンピューティングサービスであるAWSのスキルを認定するAWS資格の中で最も易しい試験です。
取得すれば、AWSに関する基本的な知識やスキルを有することをグローバルに証明することができます。
今回はAWS認定クラウドプラクティショナーについて、試験内容や難易度などを解説します。
これを読めば、AWS認定クラウドプラクティショナーの概要と対策法がよくわかるはずです。
AWS認定クラウドプラクティショナーについてざっくり説明すると
- AWSクラウドの基礎知識やスキルを認定
- 難易度が比較的低い初心者向けの試験
- 6ヶ月程度のAWS利用経験がある人の受験を想定
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AWS認定クラウドプラクティショナーの試験の概要
まず初めにAWS資格の基本情報や認定クラウドプラクティショナーの概要についてお伝えします。
まずはAWS資格の基本をチェック
AWS資格は、AWS(Amazon Web Services)というAmazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスに関する専門知識やスキルを証明する資格です。
最近は多くの企業がAWSを利用しているため、それについての知識や技能を有する人材が求められています。
AWS資格を取得すれば、試験対策を通してAWSを効率よく学ぶことができるため、AWS資格の知名度が大きく上がってきているのです。
AWSクラウドプラクティショナーは初心者向けの試験
AWS認定クラウドプラクティショナーは、AWS資格のいわば入門編であり、最も基本的な試験です。
AWSクラウドの基礎知識やスキルを習得したい人が対象であり、これを取得することによって上位資格であるアソシエイトレベル認定や専門知識認定に挑戦するための知識の基盤を作ることができます。
よって、これからAWS資格を取得していきたいという初心者の方は、まずはクラウドプラクティショナーからチャレンジするのが良いでしょう。
推奨される知識・経験
AWS資格の公式サイトによると、AWS認定クラウドプラクティショナーの受験者に「推奨される知識と経験」は以下の通りです。
- テクノロジー、マネジメント、販売、購買、またはファイナンスの分野で最低 6 か月の AWS クラウド使用経験がある
- IT サービスのベーシックな知識と、AWS クラウドプラットフォームにおけるそれらのサービスの使用に関する知識がある >AWS公式サイトより
上記より、公式としてはAWSの利用経験が半年程度ある人の受験を想定しているようですが、AWSプラクティショナーは最も易しい試験なので、実務経験のない初心者でもきちんと対策すれば問題なく合格できます。
試験内容・範囲
クラウドプラクティショナーでは以下2つの出題形式が採用されています。
- 択一選択問題:4つの選択肢のうち、正解は1つで不正解(誤答)が3つ
- 複数選択問題:5つの選択肢から2つの正解を選ぶ
またクラウドプラクティショナーの出題範囲は以下の通りです。
分野 | 内容 |
---|---|
クラウドの概念 | AWSクラウドの概念とその価値提案に関する説明 |
AWSクラウドエコノミクスの特徴の説明 | |
多種多様なクラウドアーキテクチャの設計原理の定義 | |
セキュリティ | AWSの責任共有モデルについての理解 |
AWSクラウドのセキュリティとコンプライアンスについてのコンセプトの理解 | |
AWSのアクセス管理機能の特定 | |
セキュリティサポートのリソースの特定 | |
テクノロジー | AWSクラウドのデプロイと運用の方法についての理解 |
AWSのグローバルインフラストラクチャについての理解 | |
AWSの主要サービスの識別 | |
請求と料金 | AWSの様々な料金モデルの比較対照 |
AWS請求と料金に関連した多様なアカウント構造の認識 | |
請求サポートに利用できるリソースの特定 |
配点と合格点
AWSクラウドプラクティショナーの配点は以下の通りです。
分野 | 試験比重 |
---|---|
クラウドの概念 | 26% |
セキュリティ | 25% |
テクノロジー | 33% |
請求と料金 | 16% |
合計 | 100% |
なお、上記の合計は100%になっていますが、試験の中には統計的情報を収集するための採点対象外の問題(いわゆるダミー問題)も含まれます。
しかし、ダミー問題を識別することは不可能なので、試験本番ではその存在は気にせず、全ての問題を解くのが良いでしょう。
また試験結果は100〜1000点の間で算出され、合格点は700点です。
ちなみにこの試験では難易度のわずかな違いも織り込んで平均化するスケールドスコアモデルが採用されているため、700点は絶対的な基準になります。難易度によってこれが前後するということはありません。
合格率は非公開
AWSクラウドプラクティショナーを含むAWS資格の合格率は非公開です。そのため、合格率からクラウドプラクティショナーの難易度を推し量ることはできません。
しかし、AWS資格ではそれぞれの試験で合格点が公表されており、その点数を突破すれば確実に合格することができます。合格者の定員が決まっているわけではないので、合格点を目標に勉強すると良いでしょう。
なお、クラウドプラクティショナーはAWS資格の入門編と言えるため、合格率はわからないものの、難易度はそれほど高くありません。
受験費用・受験当日の流れ
クラウドプラクティショナーの受験料は11,000円(税抜)です。
また試験時間は90分なので、長時間集中できるだけの体力をつけておかなければなりません。なお、試験場所は以下の2つを選ぶことができます。
- テストセンター
- オンラインでの実施
オンラインであれば自宅やオフィスで手軽に受験することができるため、多忙な社会人の方にはおすすめです。
資格には期限があるので注意が必要
AWSクラウドプラクティショナーを含むAWS認定の有効期間は3年です。
3年を超えて資格を維持するには、同一試験もしくは上位レベルの試験(クラウドプラクティショナーならアソシエイトもしくはプロフェッショナル)に合格して再認定を受けなければいけません。
なお、この再認定の制度は、定期的にAWSの最新知識を学び直して資格の価値を担保するために設けられています。
再認定を受けて資格を維持すれば、その分資格の価値も高まるため、対外的なアピールにおいても相手に安心感を与えることができるでしょう。
AWS認定クラウドプラクティショナー取得のメリット
ここからはAWS認定クラウドプラクティショナーを取得するメリットについて解説します。
AWSの情報を常にアップデートできる
認定プラクティショナーを取得すれば、試験勉強を通してAWSに関する基本知識を習得することができます。
また先述した通り、AWS資格には再認定の制度があるため、この資格は常に最新の知識やスキル、ベストプラクティスを有している証明となるので非常に魅力的です。
さらに現場で活用できる最新知識が身に付くだけでなく、上位資格のアソシエイトやプロフェッショナルに挑戦する上での土台作りにもなるので、取得のメリットは大きいと言えるでしょう。
スキルの証明として有効
AWS資格を取得すれば、Amazonからデジタルバッジが付与され、それをメディアやメールの署名に添付することができるようになります。
それにより、AWSに関する専門知識の点では信頼できる人材であることを対外的に大きくアピールすることが可能です。
AWS資格はAmazon公認の資格であることから、取得すればAmazon公式から一定のスキルを有していることのお墨付きを得たということになるため、人材としての価値は大きくアップするでしょう。
ただし、認定クラウドプラクティショナーが証明してくれるのはあくまでも基礎的な知識やスキルなので、より強力なアピール材料とするにはアソシエイトやプロフェッショナルに挑戦するのがおすすめです。
上位資格の取得が有利になる
先述した通り、クラウドプラクティショナーを取得すれば、上位資格であるアソシエイトレベルやプロフェッショナルレベルに挑戦する上での土台を作ることができます。
さらにクラウドプラクティショナーをに合格すれば、AWS公式から購入できる模擬試験(2,000〜4,000円程度)が無料になるため、試験対策の上では非常に有意義です。
AWS認定クラウドプラクティショナーに合格するための勉強法は?
AWS認定クラウドプラクティショナーに合格するための勉強法としては、独学と通信教育の2通りの選択肢が考えられます。
以下ではそれらがおすすめできる人の特徴をそれぞれ紹介します。
独学での学習がおすすめの方
以下のような人には独学での学習をおすすめします。
もともとAWSの知識を兼ね備えている人
クラウドプラクティショナーはAWSに関する基本的な知識が問われる試験なので、すでにAWSにある程度詳しいという方であれば、独学でも十分対策できるでしょう。
また実務等でAWSの基本的な操作方法を知っているという方も独学に向いています。
独学経験のある人
他の資格試験や大学入試など、過去に独学で勉強した経験があるなら、その経験をAWSプラクティショナーにも生かせるでしょう。
特に独学で合格した成功体験がある場合は、点数をアップさせるためのノウハウをすでに持っているでしょうから、それを活用すればAWS試験にも合格できるはずです。
なるべく出費を抑えて取得したい方
通信講座はそれなりにお金がかかるため、出費を極力抑えたいという方には独学をおすすめします。
AWS資格では公式サイトにてトレーニング動画などが無料で提供されており、それらをうまく活用すれば出費は参考書代と受験料だけで済むでしょう。
講座を使った勉強が向いている人
一方で以下のような人には通信講座がおすすめです。
初心者の人
クラウドプラクティショナーで問われるのは基礎知識が中心であるため、初心者でも比較的対策はしやすいはずです。
しかし、基礎的な内容だからこそきっちりと身に付けておくべきだということも言えます。
そのため、特にその後アソシエイトやプロフェッショナルを取得したいと考えているなら、わかりやすい映像講義で基礎を盤石にしておくのが良いでしょう。
1人でスケジュールを立てるのが苦手な方
独学での試験対策を成功させるには、より良いスケジュール管理が欠かせません。
自分の都合やモチベーション維持のことも考えながら、試験日までに出題範囲全ての対策がきちんとできるようなスケジュールを立てる必要があります。
そのため、より良い学習スケジュールを立てるのは容易ではありませんし、そのスケジュールをしっかり守っていくというのもまた大変です。
よってスケジュール管理をするのが苦手だという人は、予めカリキュラムが決まっている通信講座を活用するのが良いでしょう。
通信講座ならスケジュールを立てる手間もかからなければ、スケジュール管理のストレスもありません。
短期間で合格まで行きたい方
通信講座なら試験合格に必要なことだけを学べるため効率的です。また解説はわかりやすく丁寧なので、独学よりも理解のスピードは速まるでしょう。
よって短期間で集中的に勉強して合格を狙いたいという方には通信講座をおすすめします。
独学でAWS認定クラウドプラクティショナーを勉強する場合
独学でAWS認定クラウドプラクティショナーの対策をするなら、以下の内容を参考にしてください。
費用はかなり安い
独学で受験料以外にかかる費用といえば、インプット用の参考書代くらいです。参考書は3,000円以内で購入できるでしょう。
通信講座を受講すれば数万円かかることも珍しくないため、出費はかなり抑えられます。よって、やはりお金がかからないということは独学の大きな魅力と言えるでしょう。
また参考書を買わず、Amazonが提供する無料のデジタル教材を使うという場合は、受験料以外の費用は一切かかりません。
勉強方法は主に2種類
独学での勉強方法は主に以下の2種類です。
デジタルコースを使って勉強
AWSクラウドプラクティショナーでは、公式からAWSホワイトペーパーや試験対策バーチャルトレーニングなどの良質な教材が無料で提供されています。
これらで試験内容の本質的な部分を学ぶことができるので、独学の際はぜひ活用してみてください。
ただし、それらの教材は英語で作成されており、日本語での解説はないので注意しましょう。ホワイトペーパーなら自分で日本語に訳したり、動画なら日本語字幕をつけるなどして対応しなければなりません。
参考書を使って勉強
参考書を使うメリットは、網羅性の高さと解説のわかりやすさにあります。公式の教材では試験内容の本質を把握することはできるものの、出題範囲を体系的に学ぶことはできません。
また上記の通り解説は英語でなされるため、日本語話者にとってはどうしても分かり難さが残ります。
一方で参考書なら各出題分野を日本語で詳しく解説してくれるため、やはり参考書は1冊持っておいた方が心丈夫だと言えるでしょう。
対策におすすめの参考書を一挙紹介
AWS認定クラウドプラクティショナーの独学には以下の2冊がおすすめです。なお、それぞれの最後には各書籍の基本情報を明記しています。
AWS認定資格試験テキスト
このテキストには、AWSクラウドプラクティショナーの各出題分野に関する丁寧な解説が掲載されているため、試験対策用の教科書として1冊持っておくと良いでしょう。
試験合格のために押さえておきべき知識や解答における考え方などが詳しく説明されており、学んだことを練習問題でアウトプットすることもできます。
なお、著者はAWSを用いた数多くの構築経験と深い見識を持つ実力者なので、内容の信頼度に関しては申し分ありません。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | AWS認定資格試験テキスト AWS認定 クラウドプラクティショナー |
著者 | 山下光洋・海老原寛之 |
出版社 | SBクリエイティブ |
価格(税込) | 2,618円 |
ページ数 | 288ページ |
特徴 | 試験の各出題分野に関する重要知識と解答の考え方についての詳しい解説及び練習問題で最短合格を目指す |
一夜漬け 直前対策テキスト
完全な初心者でもクラウドとAWSの基本を短期間でしっかり学べるという魅力的なテキストです。
丁寧な解説でクラウドやAWSの基礎と最新の頻出ポイントが学べ、それらの理解度を模擬問題で確認できるため、インプットとアウトプットをバランスよく行いながら効率的・効果的に力をつけていくことができます。
「一夜漬け」というタイトルに相応しく、大事なことがわかりやすくコンパクトにまとめられているため、試験まであまり時間がない中で対策をしなければならないという方にもおすすめです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 一夜漬け AWS認定クラウドプラクティショナー 直前対策テキスト[第2版] |
著者 | 山内貴弘 |
出版社 | 秀和システム |
価格(税込) | 2,420円 |
ページ数 | 256ページ |
特徴 | 試験合格に必須の知識を短期間で習得するための直前対策テキスト・最新の出題傾向の解説や模擬問題も収録 |
どの方法でも演習は大切
基本的な知識をある程度習得したら、より実践的な問題でアウトプットをしてみることも大切です。例えば、公式の模擬試験やサンプル問題を解いてみると良いでしょう。
それらを解くことで問題の形式や出題傾向、頻出範囲などを把握することができます。また模擬試験やそれに準ずる形式の演習問題なら、本番で重要となるスピード感や時間配分の感覚を掴むこともできるでしょう。
さらに間違いからは自分の弱点が発見でき、それをきちんと復習することでさらなるレベルアップを果たすことも可能です。
なお、そうした実践演習には通信講座で提供される練習問題や参考書についている模擬問題を活用するのも良いでしょう。
サンプル問題・模擬試験の入手方法
公式サイトに掲載されているAWS 認定クラウドプラクティショナーのサンプル問題はこちらです。全10問の例題と解答が載っています。
また模擬試験を利用するには、AWS Training and Certificationのアカウントが必要です。公式サイトの「サインインまたはアカウントの作成」からサインインすることで模擬試験を購入することができます。
なお、サインインはAmazonアカウントでも可能です。模擬試験の受験料は2,000円になります。
AWS認定クラウドプラクティショナーまとめ
AWS認定クラウドプラクティショナーまとめ
- スキルの証明として有効
- 再認定により常に最新の知識やスキルをアップデートできる
- ある程度予備知識があるなら独学でも合格可能
AWS認定クラウドプラクティショナーについて解説しました。
クラウドプラクティショナーは、AWS資格の中でも最も簡単な試験であり、これからクラウドやAWSを学びたいという人におすすめです。
取得すれば、AWSクラウドに関する基本的な知識やスキルを有することを証明することができます。また再認定の制度があるため、常に最新の知識・スキルを習得・証明することが可能です。
なお、難易度は比較的易しいので、ある程度の予備知識があるなら独学でも十分合格できます。
AWS資格は昨今注目度が高まっているため、これを機会にぜひ挑戦してみてください。