司法試験のおすすめ基本書は?予備校本との違いや基本書不要説まで解説!

更新日時 2020/05/27

「司法試験の勉強をしたいけど何から手を付ければいいの?」

「司法試験の勉強をしたいけどどんな基本書を買えばいいの?」

こんな疑問や不安を抱いてはいませんか?書店を覗くと司法試験のための本がたくさん並んでいてどの本が良いのか悩んでしまいます。

そこで今回は司法試験の基本書の特徴や選び方など詳しく紹介します。

この記事を読むことで自分が学びやすい司法試験の基本書を見つけることができるでしょう。是非、基本書を選ぶ参考にしてみて下さい。

司法試験の基本書についてざっくり説明すると

  • 基本書で学習するとメリットがたくさんある
  • 基本書は論文試験にも役立つ
  • 基本書で法律の全体像を掴むことができる

司法試験対策用の基本書の選び方

積まれた本とメガネ

司法試験対策用の基本書を紹介する前に基本書とは何かご存知ですか?基本書とは法律学者が法律について書いた専門書です。

基本書は法律学者の方が書いたものなので内容が正確で言わば法律の教科書のようなものです。更に基本書1冊を読む法律分野は網羅できるようになっています。

つまり司法試験の対策のための基本書は1冊持っておけば法律の勉強ができます。基本書は1冊と長く向き合うことになるため基本書を選ぶときは慎重に厳選して自分に合う基本書を選ぶことが重要になってきます。

基本書使用の利点

法律の勉強をする際に基本書を使用する利点を紹介します。先ほども述べましたが基本書は学者が法律研究の集大成として書いています。

そのため基本書に網羅性があり正確で一貫性があり学びやすい内容になっています。法律を正確に理解するためには基本書は最適と言えるでしょう。更に基本書は演習問題がなく、その分法律についての内容が濃いものになっています。

基本書の難点

基本書の利点を紹介しましたが、続いては基本書の難点を紹介します。基本書は学者の集大成として出版されているので、必ずしも司法試験の対策用に書かれているとは限りません。

また法律家の間では常識とされている高度な知識を持っているということを前提に記載されていることも多く、法律について初心者の方が読むには難しく感じられる場合もあります。

基本書の中には筆者の気持ちや意向を感じ取って読まなければならないような難しいレベルの高い基本書も存在します。

基本書にはレベルの差があり初心者には難し過ぎるものもあることからも分かるように自分のレベルに合った基本書を選ぶことが重要なのです。

目的にあった基本書選びを

基本書の難点で解説したように基本書によってレベルの幅があるので目的に合った基本書選びが大切です。司法試験の受験生には大きく分けて2つの基本書活用方法が考えられます。

まず1つ目は法律系の全体像を理解するために基本書を通読するという使い方です。そしてもう一つは特定の学習上でつまずいたポイントの疑問を解消するために辞書として基本書を活用する使い方です。

ただ、どちらの使い方をするにしても自分で基本書を読んで理解できるというレベルの基本書を選ばなければ意味がありません。

基本書はしっかり選んで手を広げすぎない

基本書は初心者向けの簡単な解説本と違い法律学者が法律について書いた専門書のため、何度も読み知識を定着させなければ理解できないような難解な本です。

そのため、基本書は分野ごとに自分の目的に合った一冊を選び、その基本書を何度も読むことで効果的に学習することができます。

何度も読む基本書を選ぶので慎重に選んで失敗を避けなければなりません。どうすれば失敗しないのか、この後基本書選びのコツを紹介します。

メジャーな基本書がおすすめ

まず失敗しない基本書選びの方法としてメジャーな基本書を選ぶことをおすすめします。メジャーな基本書とは司法試験の受験生の間で広く読まれている基本書ということです。

司法試験の受験生に人気の高いメジャーな基本書を選ぶことで広く知られている論点や判例などを落とさずに学習することができます。

更にメジャーな基本書を選ぶことで一般的な受験生との差をつけられにくくなります。メジャーの基本書ということは基本書のレベルも一般的ということなので難し過ぎず読み進めやすいということでもあります。

予備校本との違い

手の上に疑問符が乗っている

基本書に類似した機能がある「予備校本」という本があります。「予備校本」は各社の予備校が出版している法律の本です。基本書と同じく予備校本を読みこむことで法律系の基礎知識をインプットすることが可能です。

では基本書と予備校本にはどのような違いがあり、どちらで学ぶ方が良いのでしょうか?基本書と予備校本の特徴を捉えながら解説していきます。

かたい基本書の優位性

予備校本はこれまで出た試験内容をもとに編成されています。予備校本は試験対策のために作られた本ということです。

過去の問題に偏った予備校本だけで勉強していても基本書では常識とされているような知識がいきなり試験本番で問われても対応できない場合があります。

更に予備校本の編成は本番の試験の後追いとして進んでいるため、初めからしっかりと内容のある基本書を一冊読みこんだ方が広く知識を身に付けることができて結果的に効率的に試験対策ができる場合もあります。

論文試験にも有効

予備校本だけでの学習では弱い場合があることを紹介しましたが、実際に予備校本を使って試験勉強をしている受験生は数多くいます。

予備校本のおかげで論文試験にまで合格できたという受験生もいますが論文試験の詳細な基準は公開されていません。そのため予備校本のおかげで合格できたという実感が正しいのか定かではありません。

また予備校本は過去の問題から編集されているため学説の寄せ集めになっています。そのため、いざというときに一貫性のない答案を作成してしまう恐れもあります。

予備校本を使うより基本書を使って論文の骨格を自分の中で固めていくことで、試験の本番でも一人の学者の学説を取った一貫した論文を作成することが可能になり試験の採点官の評価も高まる可能性があります。

体系的な理解が早くできる

予備校本は読みやすく進めやすい一面がありますがその反面、内容が薄く試験本番で使えない場合があります。

そのため予備校本を読むだけでは体系的な理解は進まず、学習が進むにつれて予備校本の内容の少なさに気づき予備校本の知識量だけでは合格できないのではないかという不安にかられる可能性があります。

そのような気持ちで予備校本を読み返したり違う予備校本を手にしたりなど悩んでいる間に学習が遅れてしまう場合もあります。

学ぶ感動

予備校本とは違い基本書は学者が研究の集大成として書かれていて、長年研究に携わった者にしか書けない体系的な本になっています。

そのため深い内容が記載されている基本書を読み進めることで体系的な理解ができたと思える瞬間な感動を味わうことができます。また学説を果敢に批判して、より良い新説を展開しようとする学者の姿勢に心揺さぶられることがあります。

司法試験の本番である論文試験ではこのような学説を批判するような少数の説でも論理的に一貫性のある論を展開ができれば、きちんと評価に繋がるでしょう。

そのため基本書に書かれているような学者の考えが論文試験でヒントとなることもあります。

基本書だけでは限界もある

キーボードに乗せた手元

今まで基本書のメリットを紹介していましたが基本書にもデメリットがあります。第一に基本書は難解で読み進めにくく、まず基礎事情を一周するべきである学習の初期段階で行き詰ってしまう可能性もあります。

また予備校本は司法試験対策のために作られた本であり試験合格レベルに達するためには最適化されていることが多いです。

基本書と予備校本の両刀使いを

基本書と予備校本にはどちらにもメリット、デメリットが存在します。

そこで様々な事情を考慮すると予備校本をメインにしてインプット学習を進めつつ、分からない点や深堀りしたい点などを基本書で確認するという両刀使いをおすすめします。

また論文試験対策では本を読むだけではなく実際に論文を書いて添削指導を受けることを強くおすすめします。

基本書は不要とも

大手予備校が提供している司法試験対策講座には司法試験合格に必要な基礎事項を網羅したような良質な教材も存在します。

実際にこのような良質な教材と予備校のカリキュラムのみの勉強で司法試験に合格している受験生もたくさんいます。このようなことから予備校の勉強をしっかりとしていれば基本書が不要だという場合もあります。

おすすめの基本書

置時計とノート

基本書のメリットやデメリットなど特徴が分かったところで続いてはおすすめの基本書を紹介します。おすすめの基本書を参考に自分に合った基本書を見つけてみて下さい。

【憲法】芦部信喜・高橋和之補訂「憲法」岩波書店

まず紹介するのは憲法のおすすめ基本書で岩波書店から出版されている芦部信喜・高橋和之補訂「憲法」です。この本は芦部信喜が著作し、弟子の高橋和之が補訂した基本書になっています。

この基本書は多くの受験生から支持されているメジャー本で定評のある「芦部憲法」は現在でも憲法学の通説を理解する上でとても役に立ちおすすめです。

憲法 第七版
3520円
憲法 第七版
3520円

【民法】川井健「民法概論①」有斐閣

続いて紹介するのは民法でおすすめの基本書で有斐閣から出版されている「民法概論①~④」です。川井健が著者で民法概論①から⑤まで出版されています。シリーズの構成は、①民法総則、②物権、③④債権各論、⑤親族・相続となっています。

判例や学説が民法の体系に沿って整理されているので、この一冊を読み込むことで複雑である民法の全体像が把握することができ、民法の基本書としておすすめです。

民法概論 1 民法総則 第4版
4180円
民法概論 1 民法総則 第4版
4180円

【刑法】前田雅英「刑法総論講義、各論講義」東京大学出版会

続いて紹介する刑法でおすすめの基本書は東京大学出版会から出版されていている「刑法総論講義、各論講義」です。この基本書は前田雅英によって著作されたものです。

刑法について重要な論点が厳選されていて、更に最小限の論点を分かりやすく網羅していて人気の高い基本書になります。

刑法各論講義 第7版
4180円
刑法各論講義 第7版
4180円

【民事訴訟法】伊藤真「民事訴訟法」有斐閣

続いて紹介する民事訴訟法でおすすめの基本書は有斐閣から出版されている「民事訴訟法」です。この基本書は伊藤真によって著作されたものです。

伊藤真は大手予備校である伊藤塾の塾長であり、この基本書には最新の重要判例や学説をしっかりフォローしていてとても読み進めやすい基本書となっています。

民事訴訟法 第6版
5940円
民事訴訟法 第6版
5940円

【刑事訴訟法】前田雅英、池田修「刑事訴訟法講義」東京大学出版会

続いて紹介する刑事訴訟法でおすすめの基本書は東京大学出版会から出版されている前田雅英池田修によって著作されている「刑事訴訟法講義」です。

実務家と理論家の共同著作であり、刑事裁判の仕組みが分かりやすく解説されている標準的なテキストになっています。分かりやすい内容となっているため初心者の方でも読み進めやすい基本書になっています。

刑事訴訟法講義 第6版
4180円
刑事訴訟法講義 第6版
4180円

【会社法】田中亘「会社法」東京大学出版会

続いて紹介する会社法のおすすめ基本書は東京大学出版会から出版されていて田中亘によって著作された「会社法」です。

会社法についての知識が少なく初心者の方でも読み進めることができます。また基礎の事情から会社法の全体像が説明されていて、とても分かりやすい基本書になっていておすすめです。

会社法 第2版
4180円
会社法 第2版
4180円

【商法総則・商行為法】落合誠一、大塚龍児、山下友信「Sシリーズ、商法総則、商行為」有斐閣

続いて紹介するのは商法総則・商行為法のおすすめ基本書で有斐閣から出版されている「Sシリーズ、商法総則、商行為」です。この基本書は落合誠一、大塚龍児、山下友信によって著作されたものです。

法律について学習していく中で誰もがぶつかるような「なぜ?」という疑問に答えつつ、商法総則・商行為法全体を網羅することができる定番の基本書になっています。

商法I -- 総則・商行為 第6版 (有斐閣Sシリーズ)
2310円
商法I -- 総則・商行為 第6版 (有斐閣Sシリーズ)
2310円

【手形・小切手法】田邊光政「最新手形・小切手法」中央経済社

続いて紹介する手形・小切手法についておすすすめの基本書は中央経済社から出版されていて田邊光政によって著作された「最新手形・小切手法」です。

この基本書は手形・小切手法の全容を権利外観説の立場から解説している定番の基本書になります。更に重要項目の論点の解明にはとても力を入れた基本書となっています。

最新手形法小切手法
3307円
最新手形法小切手法
3307円

【要件事実・実務】加藤新太郎・細野敦「要件事実の考え方と実務」民事法研究会

続いて紹介する要件事実・実務についてのおすすめの基本書は民事法研究会が出版している「要件事実の考え方と実務」です。この基本書は加藤新太郎細野敦によって著作されたものです。

この基本書は司法修習生や法科大学院生のテキストとしても最適です。更に内容も詳細に記されていておすすめの基本書です。

要件事実の考え方と実務
3850円
要件事実の考え方と実務
3850円

【労働法】水野勇一郎「労働法入門」有斐閣

続いて紹介するのは労働法についておすすめする基本書で有斐閣から出版されている「労働法入門」です。この基本書は水野勇一郎によって著作されています。

重要な法令や判例の動向を反映した初心者レベルの内容から実務家や研究者レベルの内容まで対応している基本書なので幅広く学習することが可能です。初心者から上級者まで読むことができておすすめです。

労働法 第7版
2513円
労働法 第7版
2513円

【倒産法】伊藤真「破産法・民事再生法」有斐閣

続いて紹介する倒産法についてのおすすめの基本書は有斐閣から出版されている「破産法・民事再生法」です。著作者である伊藤真民事手続き法の第一人者でもあります。

この基本書は判例や学説の展開を網羅しており初心者から上級者まで学習できる良質な基本書となっています。

破産法・民事再生法 第4版
9130円
破産法・民事再生法 第4版
9130円

司法試験のおすすめ基本書についてまとめ

司法試験のおすすめ基本書についてまとめ

  • 基本書とは学者が法律について書いた専門書
  • 基本書は一冊を読み込むことで効果的に学習できる
  • 基本書と予備校本を両刀使いすることで効率良い学習が可能

司法試験に合格するためにはたくさんの時間を費やし学習しなければなりません。理解しなければならない範囲が広いからこそ基本書を使って効率よく学習しましょう。

おすすめの基本書を参考に自分にピッタリな基本書を見つけて下さい。基本書を使って勉強した時間があなたの自信へと繋がるでしょう。