予備試験は本当に無理ゲー?学生・社会人でも独学で合格できるのかを徹底解説!

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「予備試験は無理ゲーって聞くけど、本当?」

「予備試験は学生・社会人でも独学で合格できる?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

予備試験は司法試験を受ける前段階の試験ですが、非常に合格率が低いです。

難易度の高さから「無理ゲー」と言われることもあり、合格を目指しているものの、不安を感じてしまう方も多いでしょう。

こちらの記事では、予備試験は本当に無理ゲーなのか、学生・社会人でも独学で合格できるのかを解説していきます。

予備試験が無理ゲーと言われている理由についてザックリ解説すると

  • 合格に必要な時間は3,000~10,000時間程度と膨大
  • 合格率が例年3~4%と非常に低い
  • 試験範囲が広く挫折してしまう人が多い

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予備試験は独学では無理ゲー?

実際に独学で司法試験予備試験に合格した人も存在するため、独学での合格は可能です。

しかし、独学での合格者割合は少ないため、非常に険しい道のりと言わざるを得ません。

毎年主な予備校や通信講座が、合格者全体に対する講座受講者の割合を示した「占有率」を発表していますが、予備校や通信講座の占有率は非常に高いです。

合格者全体のうち独学で合格する人は5%にも満たないと考えられており、独学で合格を目指すのは「ほぼ無理ゲー」と言えるでしょう。

学習時間の確保

司法試験予備試験は出題範囲が非常に広いため、合格するためには膨大な勉強時間が必要となります。

合格に必要な時間は3,000~10,000時間程度と言われており、働きながら勉強をこなすのは非常に困難です。

その上で、独学で進めようとするとより厳しい状況に置かれてしまうのは言うまでもありません。

合格率は低い

司法試験予備試験の合格率は、例年3~4%で推移しています。

非常に難易度が高い試験であり、合格するまでに長期間にわたって勉強しなければならないことから、モチベーションが続かない人も多いです。

特に、社会人は働きながら勉強をこなす必要があるため、自分の自由時間がほとんど削られてしまいます。

モチベーションを維持しながら効率よく勉強しなければならず、途中で挫折してしまう人も少なくありません。

試験範囲の広さと難易度

司法試験予備試験の試験範囲は、下記のように広範囲に渡ります。

  • 短答式試験:民法/商法/民事訴訟法
  • 短答式試験:憲法/行政法
  • 短答式試験:刑法/刑事訴訟法
  • 短答式試験:一般教養科目
  • 論文式試験:憲法/行政法
  • 論文式試験:刑法/刑事訴訟法
  • 論文式試験:選択科目
  • 論文式試験:法律実務基礎科目(民事・刑事)
  • 論文式試験:民法/商法/民事訴訟法
  • 口述試験:法律実務基礎科目(民事・刑事)

短答式試験・論文式試験・口述試験の3つの試験に全て合格しなければならず、出題内容も難関です。

合格難易度が最も高い試験とも言われているため、独学で合格を目指すのは現実的ではありません。

司法試験とは

司法試験は、法律系国家資格の中でも最難関の試験です。

弁護士・裁判官・検察官(法曹三者)を志望する場合は、司法試験に合格しなければなりません。

司法試験に合格し、一年間の司法修習を経て最終試験に合格すれば法曹として勤務すること可能になります。

なお、司法試験を受験できるのは法科大学院修了者か予備試験合格者に限られています。

司法試験の試験科目

司法試験の試験科目は下記の通りです。

<論文式>

  • 刑事系科目(刑法、刑事訴訟法)
  • 民事系科目(民法、商法、民事訴訟法)
  • 公法系科目(憲法、行政法)

<短答式>

  • 憲法
  • 民法
  • 刑法

司法試験の合格率

令和4年の司法試験合格率は45.5%という結果で、受験者の約半数が合格しました。

一見すると合格率が高いですが、そもそも司法試験を受けるためには非常に厳しい条件をクリアしなければならない点を忘れてはいけません。

また、令和4年司法試験の短答式試験の合格率は80.9%(2,494/3,082人)となっています。

出典:法務省「司法試験の結果について」

予備試験と司法試験の違いは受験資格

司法試験は、そもそも受験資格を得るのが非常に難しい特徴があります。

司法試験予備試験に合格するか、法科大学院修了のいずれかをクリアしなければなりません。

予備試験に合格する

司法試験予備試験は、毎年5月、7月、10月の年3回行われ、全てに合格する必要があります。

  • 短答式
  • 論文式
  • 口述式

上記3つの試験を順調に合格しなければならず、司法試験予備試験全体の合格率は3~4%程度と非常に難関です。

なお、予備試験ルートで司法試験の合格を目指す場合は、合格後5年以内に司法試験に合格する必要があります。

法科大学院を修了

様々な大学が司法試験の合格を目指す法科大学院を整備しており、法科大学院を修了して司法試験の合格を目指す方法があります。

法科大学院は

  • 法科既修者(法学部卒など)コース:2年
  • 法科未修者コース:3年

上記2コースに分かれています。

予備試験ルートよりも時間や学費はかかりますが、確実に司法試験の受験資格を得られるメリットがあります。

また、法曹として働くためには、法科大学院修了後5年以内に司法試験に合格する必要があります。

予備試験とは

予備試験は司法試験を受験する「前段階」の試験ではありますが、難易度が非常に高いです。

以下で、予備試験の特徴について解説していきます。

予備試験の試験科目

予備試験は短答式、論文式、口述の3つ全てに合格する必要があります。

<短答式試験(8科目)>

  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法
  • 民事訴訟法
  • 刑法
  • 刑事訴訟法
  • 一般教養科目

<論文式試験(10科目)>

  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法
  • 民事訴訟法
  • 刑法
  • 刑事訴訟法
  • 選択科目
  • 民事実務基礎科目
  • 刑事実務基礎科目

<口述試験>

  • 民事実務基礎科目、刑事実務基礎科目を基本として、法律基本科目の知識と理解が求められる

予備試験の合格率

令和4年の予備試験合格率は3.6%という結果でした。(合格者472人/受験者13,004人)

予備試験は短答式、論述式、口述式のすべての試験に合格する必要があります。

もし短答式が不合格だと、次の試験である論文式試験を受けることができません。

なお、令和4年の各試験の合格率は下記の通りです。

  • 短答式合格率:21.7%
  • 論文式合格率:17.8%
  • 口述式合格率:98.1%

予備試験の最終合格率は3~4%程度で推移していることから、非常に難易度が高い試験であることがわかります。

予備試験合格者の司法試験合格率

予備試験合格者の司法試験合格率は、比較的高い傾向にあります。

過去5年の平均合格率で見ると、予備試験合格者の司法試験合格率は76.5%です。

一方で、法科大学院修了者の司法試験合格率は26.8%となっており、かなり差が付いていることがわかります。

実際に、予備試験ルートで司法試験の合格を目指す人が多い点や、法科大学院在学中に予備試験に合格する人もいる点が、大きな差を生む要因となっています。

予備試験の受験者に関するデータ

続いて、予備試験の受験者に関するデータを紹介していきます。

司法試験予備試験の全体像をイメージする際の参考にしてみてください。

受験者の年齢

令和4年度司法試験予備試験の受験者の年齢は下記の通りです。

年齢別 出願者 受験者 短答合格者 論文合格者 最終合格者
19歳以下 142 125 10 2 2
20~24歳 4,799 4,320 817 283 279
25~29歳 1,808 1,422 270 70 67
30~34歳 1,554 1,177 239 35 34
35~39歳 1,542 1,131 247 39 39
40~44歳 1,410 1,037 290 22 22
45~49歳 1,335 991 262 12 11
50~54歳 1,228 946 241 7 7
55~59歳 963 766 212 7 7
60~64歳 693 540 136 4 4
65~69歳 347 288 67 0 0
70~74歳 233 188 31 0 0
75~79歳 60 50 6 0 0
80歳以上 31 23 1 0 0
合計 16,145 13,004 2,829 481 471

出典:法務省「令和4年司法試験予備試験」

20~30代にかけてがボリュームゾーンとなっています。

受験者の職業

続いて、令和4年度司法試験予備試験の受験者の職業を見ていきましょう。

職業別 出願者 受験者 論文合格者 最終合格者
公務員 1,595 1,193 289 31
教職員 202 154 17 2
会社員 3,717 2,789 546 46
法律事務所事務員 328 267 60 7
塾講師 146 115 31 3
自営業 835 625 148 9
法科大学院生 1,246 1,067 255 130
法科大学院生以外大学院生 38 30 9 0
大学生 4,244 3,786 670 196
無職 3,186 2,514 685 49
その他 608 464 119 8
合計 16,145 13,004 2,829 481

出典:法務省「令和4年司法試験予備試験」

会社員や法科大学院生、大学生の割合が多いことがわかります。

社会人が司法試験・予備試験を受けるメリット

社会人が法曹を目指す場合、法科大学院ではなく予備試験を受験するルートがメジャーです。

また、社会人経験を通じて法曹に必須なコミュニケーション能力や文書作成能力が培われており、重要な論文式試験で有利に作用するメリットがあります。

法学部卒でなければいけないのか

司法試験や予備試験は、法学部以外を卒業している人でも合格できます。

司法試験の合格率を見てみると、法学部卒の合格率30%前後であるのに対し、非法学部卒の合格率は20%程度です。

数字上は法学部卒の方が合格率は高いものの、圧倒的な差がついているわけではありません。

予備試験に独学で合格した人の特徴

予備試験に独学で合格する人はほとんどいませんが、0ではありません。東大や京大の法学部生などで、ごく少数ですが予備校や通信講座を使わずに合格している人もいます。

そういった方々は生まれながらに極めて学習能力が高いというのが前提としてありますが、それに加えて一定の特徴があります。

以下で、予備試験に独学で合格した人の特徴を紹介していくので、独学での合格を目指している方は参考にしてみてください。

短期間合格

半年から一年程度、集中して勉強する期間を設けて短期間合格する独学者がいます。

心理学の世界では「エビングハウスの忘却曲線」という研究結果がありますが、これは時間が経てば経つほど記憶が抜け落ちていくことを意味しています。

つまり、学習が長期化すればするほど忘却した記憶を取り戻す時間が必要となるため、短期間で集中することで知識を定着させる方法は理にかなっていると言えるでしょう。

司法試験予備試験に合格するためには膨大な暗記量が必要となるため、短期間で集中的に学習を繰り返せば記憶を定着させ、効率よく知識を吸収できます。

独自の勉強法を確立している

予備試験に独学で合格した人は、勉強することに慣れており独自の勉強法を確立しているケースが多いです。

自分に合った勉強方法や集中力の持続方法を熟知しており、独学でも効率よく知識を吸収する術を知っている人が該当します。

インプットとアウトプットの最適なバランスを把握したうえで、試験問題を意識した効率的な学習を研究・実践できる方は独学でチャレンジする価値があります。

在学中に合格

大学在学中は勉強時間が確保しやすいメリットがあるため、在学中の強みを活かして独学で合格する人もいます。

大学の図書館など勉強に集中できる場所も確保しやすいことから、在学中に集中して勉強するのは合理的な判断です。

また、先輩に予備試験合格者がいる場合は効果的な勉強法などを直接アドバイスしてもらえるため、価値のある情報を収集できるメリットも期待できます。

社会人が働きながら予備試験に合格するためのポイント

司法試験予備試験の合格を目指している社会人の方も多いでしょう。

以下で、社会人が働きながら予備試験に合格するためのポイントを解説していきます。

勉強法に悩んでいる社会人の方などは、参考にしてみてください。

合格目標期間を決める

社会人として予備試験に合格するのは容易ではないため、モチベーションを保つためにも合格目標期間を決めましょう。

実際に司法試験に合格し、法曹の資格を得た先のことを考えることも、過酷な状況の中でモチベーションを保つコツです。

少し負荷をかける程度の勉強スケジュールを立て、メリハリをつけながら勉強をしましょう。

これにより、結果的に効率的な勉強となり、合格に近付くことができます。

過去問の研究

本試験レベルの学力を効率よく習得するためにも、過去問の研究が欠かせません。

イメージとしては、論文式に8割程度、短答式に2割程度の時間を割くイメージで過去問対策を進めましょう。

論文式と短答式をリンクさせることで、効率的に学習を進めることができます。

ある程度のインプットが終わったら、積極的に過去問を研究して演習のトレーニングを重ねていきましょう。

試験を想定した勉強を

本試験を想定した勉強を行うことで、集中力を高く保って質の高い学びを得られます。

予備試験合格は、結局のところ司法試験の受験資格でしかありません。

合格ラインを超えれば満点でもギリギリ合格でも同じなので、完璧な出来を目指す必要はありません。

また、インプットではなくアウトプットに重きを置いた勉強を行うことで、本試験で初見の問題に対応できるスキルが習得できます。

隙間時間の使い方を工夫する

社会人は専業受験生より勉強時間の確保が難しいハンデがあるため隙間時間の使い方が非常に重要です。

隙間時間を用いた勉強の仕方を工夫し、積み重ねることで合格に必要な知識を習得できます。

持ち運びに便利な参考書や過去問題集、スマホアプリなどを活用しながら、寸暇を惜しんで勉強する意識を持ちましょう。

学習する教材の取捨選択

自分に合った教材を厳選して、無闇に他の参考書に手を付けないことも大切です。

多くの教材に手を出しても、結局は記載されている内容が同じなので大してメリットがありません。

インプット用教材とアウトプット用教材は取捨選択し、繰り返し使うことで効率よく勉強を進めることができます。

独学にこだわりすぎない

近年は、インターネットや動画などで司法試験を効率よく勉強するための情報があふれています。

現代は、長期間にわたって努力を継続できれば、誰でも予備試験に合格できる環境と言えるでしょう。

しかし、独学にこだわりすぎると非効率な勉強になってしまうため、独学にこだわりすぎるのはおすすめしません。

必要に応じて予備校を活用するなど、勉強方法を柔軟に変えることで合格に近付きます。

予備試験が無理ゲーと言われている理由まとめ

予備試験が無理ゲーと言われている理由まとめ

  • 合格率が3~4%と非常に低く、モチベーションを保つのも大変
  • 短答式・論文式・口述のすべての試験に合格しなければならないため「無理ゲー」と言われる
  • 独学にこだわりすぎず、通信講座や予備校を活用するのがおすすめ

予備試験は難易度が非常に高い試験で「無理ゲー」と言われることがあります。

実際に、勉強する範囲が広範で3,000~10,000時間程度の勉強が必要になるため、モチベーションを保ちながら対策しなければなりません。

しかし、合格目標期間を決めて通信講座などを活用すれば、効率よく予備試験の合格を目指すことができます。

予備試験の合格を目指している方は、「無理ゲー」という外野の声に惑わされることなく、努力を継続しましょう。

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