宅建に独学3ヶ月で合格するのは無理?勉強法やスケジュール・やる気アップの方法を紹介
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宅建士
関口秀人
「宅建にチャレンジしたいけど独学で合格できるだろうか・・・」
「3か月で合格したいけどいい勉強法はあるかな?」
この記事を読まれているあなたはきっと上記のようなお悩みをお持ちの方ではないでしょうか?
宅建は人気の高い国家資格となっており、一般に合格までには200~400時間の勉強時間が必要になると言われています。
この勉強時間を消化するためには半年ほどの勉強が必要になるのが普通ですが、インターネット上では「3か月で宅建合格しました!」と謳っている内容が発信されていたりするため、どんな学習方法を取っているのか気になっている方もいらっしゃると思います。
そこでここでは、ネットに発信されている情報の信ぴょう性や実際に3か月の独学学習で合格することはできるのかについて解説します!
宅建試験は3ヶ月で独学合格できるのか
- 宅建試験に独学で合格することは可能だが、難易度が高い
- 3ヶ月での独学合格はかなり珍しいケースである
- ネット上の合格体験談の信憑性は全くと言って良いほどない
- 無理に短期合格を目指すのはデメリットが大きい
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宅建試験は3ヶ月で合格できるの?
宅建は毎年20万人以上が受験する人気の高い国家資格となっています。
宅建は士業系の国家資格の中でも、税理士や弁護士といった資格と比べると、比較的難易度の易しい部類に入りますが、それでも試験難易度は高く、試験の合格率は例年15%前後です。
このように毎年8割以上の人が不合格になってしまう試験であり、簡単には合格することができないと言えるでしょう。
さらに、合格している人の中には半年以上前から勉強をしていたり、前回不合格に終わってしまって再チャレンジする人も非常に多いです。
そのため、3ヶ月のみの勉強で合格することは難しく、実際に達成できている人はかなり少数派であることをまずは把握しておきましょう。
さらにそれが独学となると、一般的な受験生と比較してかなり不利と言わざるを得ません。独学3ヶ月を達成するためには、正しい知識をインプットした上で、3ヶ月毎日かなりの時間を勉強することが必須となります。
こういったことから、結論として宅建に独学3ヶ月で合格することは「不可能ではないがかなり難しい」と言えます。
3ヶ月で独学合格した体験記がアテにならない理由
宅建についてインターネット検索していると、「超短期間で独学合格しました!」というような合格体験談をご覧になったことがあるのではないでしょうか。
独学で学習を進めている又は検討されている人にとっては、とても気になる情報ではあると思いますが、この情報ははっきり言ってアテになりません。
以下ではその理由について具体的に解説します。
情報の信憑性はゼロに等しい
合格体験記の発信者はあなたにとって信頼できる人物でしょうか?
インターネット上の書き込みやブログはどこの誰が書いているかわかりません。極端な話、発信者が宅建に合格していなかったとしても、試験に合格した!と偽って情報を流すことがいくらでもできてしまうわけです。
それではもし発信者が実際に宅建を合格した人であった場合はどうでしょう?短時間で合格したノウハウを参考にできると飛びつく人もいらっしゃるかもしれませんが、こういった情報についても同様にアテになりません。
なぜなら自分のやってきたことを誇張して表現することができるからです。
実際にかかった勉強期間よりも短く伝えたり、ほとんど使わなかった難しい参考書を紹介したりすることは自分をよく見せるための手段として、むしろ普通でしょう。
注目を集めることでブログの集客数を上げることや、単純に合格したことを自慢したいというケースが大半であり、読者に真実を伝えることは後回しになっていることがほとんどです。
以上のことから、宅建を実際に3ヶ月で独学合格した人が合格体験記を発信している可能性は極めて低いということになります。
勉強時間を短縮する魔法の勉強法はない
宅建は各予備校の講師や通信講座の教材作成を担うスペシャリストが、日夜勉強法やカリキュラムを研究しています。そういったプロの方々が、初学者を合格にまで導くための勉強期間として300時間前後を想定しています。
独学で勉強することを選び、右も左もわからない手探り状態で勉強を進めていく中で運良く合格することができたとしても、結局300時間近くの勉強が必要になってきます。
当然普通は独学ではそこまでうまくいかないことがほとんどであり、非効率な勉強をしてしまいもっと長い時間かかってしまうことがほとんどです。
そもそも100時間程度の勉強で合格を目指せるような魔法の勉強法はありません。独学よりも遥かに効率的な学習を提供してくれる資格学校でも、そんな短期間での合格を想定していないことを考えれば明らかな話でしょう。
たとえそれで受かった人がいたとしても、よほどの強運の持ち主であったか、もともと宅建の知識を持っていたかという話になってくるのです。
或いは、難関大学を出ておりもともと勉強が得意な人や、大学生のように宅建の勉強だけに集中できる環境であれば、一般的に言われている勉強時間よりも短い期間で合格できる可能性はあるでしょう。
おかれている状況やバックグラウンドが全く違う
勉強の得意不得意、日々の忙しさなど、学習環境は人によって全く違います。
宅建試験は受験する方の多くが社会人です。平日や日中は仕事に明け暮れているため、勉強のことを考えている暇などありません。
ようやく仕事が終わり、夜遅く家に帰ってクタクタになった体にムチを打ちながら寝るまでのわずかな時間で学習をしなければなりません。子育て中の方であれば勉強時間の確保はさらに難しいものになるでしょう。
こうした方々は宅建受験者の非常に一般的な例ですが、この中でもやはりそれぞれの忙しさや知識のバックグラウンドなどは十人十色です。
勉強をする環境が人によってそれだけ違う中で、見ず知らずの人の合格体験記を参考にするというのは現実的ではありません。
短期間での合格を敢えて目指すメリットはない
もし短期間で試験を合格できるのであれば確かに魅力的ですが、短期間で合格するのと、しっかり時間をかけて合格するのとで、合格という結果は全く変わりません。
したがって、基本的には短期間で合格を目指す理由はないということです。
勉強期間を長く確保しておくのが最善の対策
独学を選択した時点で、勉強は手探りで進めていかなければなりません。予備校や通信講座のカリキュラム通り進める人と比べると、どうしても非効率になってしまうことをまずは認めることが重要です。
自分の学習が非効率だと認識しておけば、余裕を持った勉強時間を確保する動きが取れるようになります。早め早めに学習計画を立てることで自分のペースでも合格に十分な学習期間を確保することができるでしょう。
独学でも短期合格できるとタカをくくって、結局不合格になってしまうと次のチャンスは1年後です。
舐めてかからず自分にできる最大限の準備の上で試験に臨むのが一番なのは明らかでしょう。
短期合格を目指して失敗したら何も残らない
どんな勉強にも共通して言えることですが、短期間で詰め込んだ知識は短期間で消えていきます。学校の試験勉強で、一夜漬けで挑んだ内容を数日で忘れてしまうのと同じです。
あなたは宅建の資格をなぜ取ろうと思ったのですか?
宅建の資格に関する仕事に就くために取得を考えている人がほとんどだと思います。
宅建の知識を活かして活動する予定があるのであれば、宅建で学ぶ内容を理解することが重要です。宅建は試験に合格することがゴールではなく、あなたの人生にとってはそこからがスタートになるはずです。
よって、その後の動きを考えると資格を短期間でとることはデメリットが大きいといえるでしょう。
試験本番まで3ヶ月しかない場合はどうすればいい?
しっかりと準備した上で宅建試験に臨んだ方が良いと分かってはいても、今これをお読みになっている方の中には残り3ヶ月しか時間が残されていない方もいらっしゃるはずです。
このような場合は「独学でベストを尽くす」か「通信講座を利用してハズレのない効率的な学習をする」の2択となります。
多くの方におすすめしているのは、後者の通信講座を利用する道です。
なぜなら宅建資格を取得することにより「資格手当、転職のしやすさ、営業成績の向上」など、様々なメリットが見込めますが、万一独学で不合格になってしまった場合、これらのメリットを享受できるのが最短でも一年後になってしまうからです。
通信講座は確かに独学よりも多少費用はかかりますが、これらのメリットを得られないことによる機会損失の方が、受講にかける費用よりも遥かに大きいことがほとんどです。
もちろん今年合格できなくてもそれほど痛手ではない、という方であれば独学でのんびり勉強されるのも悪くはないですが、確実に一発合格を目指すのであれば通信講座のご利用をおすすめします。
通信講座を使えば本当に合格しやすくなるの?
3ヶ月で独学合格を目指すのが難しいのは理解できるとして、本当に通信講座は独学よりも効率的なのでしょうか。
もちろん通信講座によって良し悪しがあるのは事実ですが、フォーサイトの通信講座のように受講生の合格率が全国平均の4.41倍という圧倒的な合格実績を叩き出している通信講座も存在します。(全国の平均合格率17.0%に対して、フォーサイトの合格率は75.0% 2022年度の試験結果)
さらにフォーサイトでは「不合格者への全額返金保証制度」も実施しているので、受講料が無駄になる可能性はゼロだと言えるでしょう。
講座の学習クオリティも非常に高いため、確実に合格を掴みたい方は、ぜひ一度チェックしてみることを強くおすすめします。
3ヶ月合格のための勉強方法・スケジュール
3ヶ月合格に向けて、まずは学習スケジュールを決定しましょう。必要な勉強時間から逆算すると、90日間で以下のような勉強時間を設ける必要があります。
- 平日3時間以上の勉強を60日で180時間以上
- 休日5時間以上の勉強を30日で150時間以上
これで合計300時間以上の勉強をすることができますので、一つの目安にしてください。これなら社会人の方でもある程度実践可能だと思います。
また、具体的にやるべき学習内容は「科目全範囲を勉強をして全体像を掴む段階」と「科目別の学習をして得点をしっかり取れるようにする段階」に分けて考えましょう。
特に、宅建業法と民法は全体に占める割合が大きいですので、科目全体の学習を終えたらできる限り早く着手し、安定して得点を取れるようにすることが3ヶ月での学習方法として非常に大事です。
当然ですが、宅建業法・民法ばかりを勉強して、「法令上の制限」「税・その他分野」が手付かず、という事態にならないよう注意してください。これらで半分以上は取れるように、計画を立てて勉強をしましょう。
このように、科目ごとの計画を立てやすくなるという点でも、最初に全体像を把握しておくことは大事です。
分野ごとの勉強法
宅建業法
宅建業法からは全体の4割出題出題されます。ここを得点源にすることができれば大きく合格に前進します。
宅建業法は比較的とっつき易いので、一番初めに勉強を開始するのにうってつけでしょう。
宅建業法では20問全問正解を目指して学習を進めていきましょう。
権利関係
以前法律に関しての勉強をしたことがある人にとっては馴染み深いです。ただし、全く法律の勉強をしたことがない人からすれば、条文などの文言の使い方に慣れない部分があるかもしれません。
50問のうち14問が出題されますが、合格のためには7問以上正解することが一つの目安となります。
法律問題は、条文や判例を丸暗記するだけでは対応できません。また、わからない問題に深入りして、時間を浪費することがないようにしましょう。
法令上の制限
法令上の制限の分野からは50問のうち8問出題されます。 この分野は特に暗記がものをいう分野です。ただし、込み入った細かい知識を問う問題だけに時間をかけるのは得策ではありません。
比較的基本的な知識の部分の欠損がないかを確認しながら過去問演習などに当たりましょう。
税・その他
税・その他の科目では50問のうち8問が出題されます。このうち5問については事前に登録講習を終了することにより免除となります。
この登録講習に参加するためには以下の2つの条件を満たす必要があります。
1つ目は宅地建物取引業に就いていること 2つ目は従業証明書を持っていることです
この従業証明書については、派遣社員やアルバイトとして宅地建物取引業に従事している場合でも発行されます。
残り3問については、過去の頻出分野などを参考にして、確実に得点を重ねたいところです。
宅建3ヶ月合格を目指す際の注意点
ここまでご紹介したように、3ヶ月での合格は非常に難しく達成するのは困難です。
そのため、以下のような注意点も押さえておく必要があるでしょう。
自分が達成可能か冷静に分析する
自分が3ヶ月で宅建合格可能かどうか、まずは冷静に分析して判断しましょう。以下に当てはまる人は、正直厳しいと言えます。
- 平日に3時間の勉強時間が取れない人
- 勉強に苦手意識がある人
- 休日に6時間勉強できるような集中力がない人
- 正直すぐに宅建を取る必要がない人
こういった人は、半年などのより長い時間の学習期間を設定したり、来年度の試験に照準を定めた方が安全に合格を目指せるので、そちらの方がおすすめです。
できる限り早く独学か通信講座か判断する
3ヶ月での合格を目指す際に、まず最初に判断すべきは「独学でいくか、通信講座を利用するか」という点です。自分の今後の予定や、勉強の得意さなどを総合的に考え、独学で合格できるのかを判断しましょう。
3ヶ月合格を目指せる通信講座も、様々な会社から開講されているので無理に独学で目指す必要は当然ないです。
一人でもメリハリをつけて学習を進められるのか、自分のこれまでの経験をもとに冷静に分析をする必要があります。
宅建3ヶ月合格には環境づくりも大切
独学であっても通信講座であっても「学習に集中できる環境を作ること」は非常に大事です。1日1日を無駄にできない3ヶ月合格だからこそ、意識的に環境づくりを行いましょう。
スマホやテレビから距離を取る
当然ですが、スマホやテレビなどの勉強の集中を削いでしまいかねないものとは距離を取りましょう。
間取りにもよりますが、自宅の場合はこういったものが置いてある部屋とは別の部屋で勉強をするようにしてください。
また、学習でスマホを利用するタイプの通信講座の場合は、YoutubeやNetflixなどの娯楽系アプリをアンインストールするのも一つの手です。
自宅ではなく、カフェなどにいって勉強すると自然に集中できるので、このようにして環境を変えるのも良いでしょう。
一緒に資格勉強をする仲間を見つける
一人ではなく、一緒に目標達成を目指す仲間がいるとモチベーションを高く保ちやすくなります。SNSなどを利用して、勉強仲間を積極的に見つけるようにしましょう。
最近ではラインのオープンチャットなどで、今資格勉強を行っている人のコミュニティを見つけることもできます。
また、こういった勉強仲間に「今日は何時から何時まで、この分野を勉強する」と約束を決めることも、やる気アップに効果的です。
その他モチベーションアップに効果的な方法
以下のような方法もモチベーションアップに効果的であり、メンタルが生み出すパワーを最大限勉強に向けることができるようになります。
- なぜ宅建を取りたいのか、目的を明確にする
- 宅建を取得したらどんなメリットがあるのか振り返る
- 「宅建取る」と言ったにも関わらず失敗した時の恥ずかしさ
など、「実際に取得した時のこと」「取得できなかった時のこと」をそれぞれ想定すると、勉強のやる気が出やすくなるでしょう。
サボりそうになった時は、ぜひ上記事項を振り返ってみてください。
宅建に3ヶ月で独学合格する方法まとめ
宅建の短期間合格についてまとめ
- 最短合格の合格体験記はアテにしなくてOK
- 学習環境は人によって違うので、人の体験記は参考程度に
- 勉強時間を大幅に短縮できるような美味しい話はない
- 短期間で合格できるかではなく、確実に合格できるかを考える
宅建の独学合格の難しさや合格体験記の信憑性、3ヶ月で合格を目指す際の勉強法などについて解説しました!
短期間で合格しようが、じっくり時間をかけて合格しようが、最終的に得られるものは全く変わりません。
3ヶ月で合格は不可能ではないですが、実現するのはかなり難しいです。事前にしっかりと情報を集めたり、しっかりとした学習スケジュールを組むことが必要になります。
無理に3ヶ月合格を目指さず、やはり確実に合格するための準備を行うことが非常に重要だと言えるでしょう。