金沢検定ってどんな資格?難易度・過去問・独学勉強法まで全て解説!
「金沢検定を受けてみたいけれど、役に立つのかな?」 「難易度やメリットは?」
ご当地資格に興味がありながらも、内容がわからないと受験を躊躇してしまいますよね。
そこで今回そこで資格Timesでは、金沢検定の難易度やメリットをはじめ、どのように勉強すれば良いのかなどについて分かりやすく解説します!
ぜひあなたの資格取得にお役立てください!
金沢検定についてざっくり説明すると
- 金沢検定はご当地検定としてはトップクラスの人気検定である
- 金沢検定の難易度はかなり高めで勉強時間も多く必要
- 基本的に独学での対策となる
- 難関資格のため合格した場合のメリットはかなり大きい
金沢検定ってどんな資格?
最近流行りの「ご当地検定」の中でも受験者数が多く大人気の「金沢検定」。一体どんな資格なのでしょうか。
まずは金沢検定がどのような資格なのかをご紹介します。
金沢検定とは
金沢検定とは金沢に関する歴史や文化、経済、産業など、さまざまな分野において「金沢通」の度合いを認定する検定試験です。
近年は日本各地についての「ご当地検定」に人気が集まっているのですが、その中でも特に金沢検定は受験者数が多く、注目度が高い検定になっています。
金沢検定の主催団体
金沢検定は、金沢経済同友会が主催しています。
後援には石川県、石川県教育委員会、金沢市、金沢市教育委員会などがついている他、「石川県に世界遺産を」推進会議という団体も後援に参加しています。
さらに協力には金沢大学、北陸先端科学技術大学院大学など石川県内の大学も多く参加しており、非常に多くの団体から支援を受けています。こうしたことからもこの検定の人気度がうかがえます。
金沢検定はご当地検定ブームで注目を集めている
ご当地検定は日本各地に色々なものがありますが、金沢検定は平成17年からスタートしました。今までに15回の試験が実施されています。
検定の開始当初から徐々に人気を集めており、前回の2019年度の第15回試験では史上最多の3,203人の受験者が金沢検定に挑戦しました。
毎回2,500〜3,000人ものが受験するというのはローカル検定では非常に例が少なく、金沢検定にどれだけの注目が集まっているのかがこの人数から察することができます。
今「金沢」が注目されるワケ
金沢検定に人気が集まる理由の一つは、やはり「金沢」という地域自体に注目が集まっているということがあるでしょう。
2015年3月に北陸新幹線が開業し、東京だけでなく他の地域からも、金沢には新幹線で気軽に行けるようになりました。
魅力的な観光資源
石川県では新幹線の開通に合わせて観光産業にも力を入れており、例えば金沢駅前の「鼓門」はこれを見るためだけに金沢を訪れる価値があると言えるほどの壮大なものです。
有名スポットの兼六園も金沢駅から徒歩圏内にあり、観光地にありがちな「主要駅までは行ったけれど周囲には何もない」という不満が、金沢の観光地には少ないようです。
今後も金沢への期待は高まる
まだ新幹線の開通からは日が浅いですし、金沢を訪れたことが無い人も多いかもしれません。しかし新幹線でいつでも行ける場所になった金沢には、今後もますます多くの人が訪れるでしょう。
今後の金沢の発展にも非常に期待が集まっており、金沢検定の意義は今後ますます深くなっていくはずです。
金沢検定の難易度
金沢検定の難易度はどれくらいなのでしょうか。
試験範囲や合格ラインなどと共に詳しくご紹介いたします。
金沢検定の試験範囲と出題形式
金沢検定は、初級・中級・上級と3段階構成です。全ての級において、出題形式は四者択一・マークシート方式です。
出題範囲は歴史、文化、文学、寺社・建造物(神社・仏閣・史跡・庭園)、方言(言葉・伝説)、生活・行事(祭り・慣わし・料理・菓子)自然・地理(地名)、美術・工芸(伝統工芸・伝統文化)、芸能、産業・経済、その他(まちづくり、観光、ふるさとの偉人)といった分野から出題され、問題数は合計100問です。
出題範囲や問題数も全ての級で共通になっており、難易度で変化がついているということになります。
金沢検定の合格率、合格ライン
金沢検定の合格率は、各級ともに8割以上の得点率で合格となります。なお、直近3回の受験者数や合格率などは以下の通りです。
- 第13回試験(平成29年11月12日実施)の結果
級 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
上級 | 137 | 17 | 12.4% |
中級 | 454 | 15 | 3.3% |
初級 | 1905 | 102 | 5.4% |
- 第14回試験(平成30年11月4日実施)の結果
級 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
上級 | 112 | 0 | 0.0% |
中級 | 379 | 3 | 0.8% |
初級 | 1914 | 48 | 2.5% |
- 第15回試験(令和元年11月4日実施)の結果
級 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
上級 | 109 | 21 | 19.3% |
中級 | 395 | 56 | 14.2% |
初級 | 2699 | 538 | 19.9% |
合格率を見ますと、上級だけでなく初級についても各年度2割以下となっています。つまりローカル検定という趣味の検定にしては、かなり合格率が低いと言えます。
特に上級については平成30年度の第14回試験では合格者0人(合格率0%)となっており、司法試験よりも受かる人が少ないという事態になっています。
なぜこんなに合格率が低いのか
非常に合格率が低い金沢検定ですが、これには難易度というよりも他の事情が関係していると考えられます。
ご当地検定というジャンルの資格試験はTOEICのような実務的な資格試験に比べると、気軽に受験する人がかなり多い試験です。
特に対策を立てず記念に受けてみようという人が多いため、ご当地検定は元から合格率が低くなる傾向があるのです。
ただ、そうした事情を考慮したとしても金沢検定の合格率はかなり低いと言えます。受験者の間でも金沢検定は「合格率が低くて厳しい検定」だと噂されているようです。
金沢検定を取ることをおすすめする人
かなりの難関資格とも思える金沢検定ですが、以下のような方にはぜひおすすめしたい検定です。
- 金沢に対して愛着がある方
- ふるさと(金沢)への誇りを再認識してみたい方
- 地元金沢の町おこしをしたいと考えている方
検定の難易度は高いかもしれませんが、金沢への愛情があり町おこしなどを考えている方にとっては、基本的な知識からの出題になります。
ぜひ受験を検討してみてください。
金沢検定の勉強法は独学
金沢検定の受験勉強は、基本的に独学となります。
どのくらいの勉強時間を取れば良いのか、また具体的な勉強方法などをご紹介します。
金沢検定の勉強時間は50時間
金沢検定の合格を目指すためには、市販の参考書を使っての対策がメインとなります。
金沢にゆかりのある人物の生涯、金沢に関する食べ物の原料など、かなり細かいところまで知識を付ける必要がありますので、勉強時間は最低でも50時間以上は確保するようにしましょう。
とは言え、金沢検定はかなり対策がしにくいことで有名な検定です。わざと難しい試験にして何度もチャレンジさせているのではないかという噂もあるほどです。
合格するためのコツ
金沢検定には過去問もありますが、実際の試験には過去問からそれほど出題されません。ですから過去問に頼らずご自身で対策を立てる必要があります。
ただし初級に限っては、過去に出題された問題がそのまま、もしくは多少のアレンジを加えて繰り返し出題されているようです。
つまり初級に関しては過去問をしっかりやっておくことで6割くらいの得点率までは目指すことができるでしょう。
しかし合格ラインは正答率8割以上となりますので、やはり過去問だけでは足りないという計算になります。
金沢検定の勉強法は?
金沢検定の勉強法としておすすめなのは、やはり一番の基本となる「参考書の読み込み」です。名所や旧跡には実際に足を運ぶことによって、より経験に基づいた知識を身に付けることができるでしょう。
歴史部分は書きながら覚える
過去問を解く時は苦手に感じる部分を書き出し、その分野を徹底的に追加学習していきましょう。
特に歴史については学校のテストと同じで、何度も書いて覚えることでそれぞれの内容を横のつながりで意識できるようになるはずです。
全ての内容が網羅できましたら、試験の1ヵ月前を目途に予想問題集で最終チェックをしながら、弱点を補強して完成となります。
おすすめテキスト・問題集
金沢検定のとしては、以下のテキストがおすすめです。
- 「金沢検定受験参考書」(時鐘社 1,540円)
- 「金沢検定予想問題集」(時鍾社 1,320円)
- 「デジタル書府太郎 石川県大百科事典」(北國新聞社 33,000円)
それぞれのテキストについてを解説いたします。
「金沢検定受験参考書」
「金沢検定受験参考書」は金沢検定に向けた参考書としては定番です。
加賀藩歴代藩主の詳細早見表や、「まちづくりと市政」の章を新設するなど、以前の版と比べてさらに内容が充実したものになりました。
金沢検定を受験する方だけでなく、一般の方が読んでも面白い内容になっています。
「金沢検定予想問題集」
「金沢検定予想問題集」は基本から上級までの300問が収録された問題集です。
収録分野は「最近の話題」「歴史」「史跡・庭園・地理」「寺社・建造物」「食文化・ならわし」「美術工芸」「芸能」「文学・文芸」「金沢ことば」「ゆかりの人物」などの10分野です。
先ほどご紹介した「金沢検定受験参考書」はあくまでも参考書ですので、問題演習を行いたい方は「金沢検定予想問題集」も併用すると良いでしょう。
「デジタル書府太郎 石川県大百科事典」
「デジタル書府太郎 石川県大百科事典」は、石川県の基礎知識を収めたDVD版百科事典です。北國新聞創刊125周年を記念して発刊されました。
単語や文章などの一部分だけ入力して検索するだけで瞬時に候補が表示されるので、金沢検定の勉強中に知りたいことがある時はすぐに調べることができます。
すべての項目の説明文には地元専門家ら2千名に及ぶ執筆者が明記されていますので、情報の信頼性は確実です。少々高い参考書ではありますが、金沢検定に確実に合格するためにはぜひ持っておきたいアイテムです。
過去問は存在する
金沢検定は、公式ホームページで過去問の一部を無料公開しています。
内容は以下のようなものです。力試しをしてみましょう。
問題1)
加賀藩祖・前田利家(まえだ としいえ)は15歳で織田信長(おだ のぶなが)に仕え、( )に抜擢(ばってき)されて、前田家(まえだけ)の家督(かとく)を継(つ)いだ。
( )に入る言葉を以下から選びましょう。
- 赤母衣衆(あかほろしゅう)
- 白母衣衆(しろぼろしゅう)
- 青母衣衆(あおぼろしゅう)
- 黒母衣衆(くろぼろしゅう)
答:1
問題2)
加賀麩(かがふ)は( )を原料として作られている。良質のタンパク質源であり、保存食品として藩政期から食されてきている。
( )に入る言葉を以下から選びましょう。
- 片栗粉(かたくりこ)
- くず粉
- 米粉
- 小麦粉
答:4
金沢検定の勉強をするメリット
金沢検定は合格率の低い検定であるにも関わらず、非常に人気があります。その理由としては、やはり勉強しておくと色々なメリットがあるからでしょう。
金沢検定の勉強をするメリットをご紹介します。
郷土愛に気づける
金沢検定を受けるメリットとして受検者の誰もが感じているだろうことは、やはり郷土愛に気付くことができるという点ではないでしょうか。
金沢検定の受験者の中には地元の方もかなり多くおられるのですが、これまでは単なる地元だと思っていた地域にも実は色々な魅力があったということを、金沢検定の試験対策をする中で多く知ることができます。
ご自身の知識欲を満たすためだけでなく、県外から友人や知人が訪れた時に地元をガイドすることができますので、これはかなりのメリットと言えるでしょう。
資格を持つ人同士で交流が生まれる
金沢検定の資格を持っている方同士はもちろんのこと、勉強して知識を持っているだけでも経験者同士、話のネタになることは確実です。
例えば検定直後の時期でも、当日の問題についてかなり話が広がることでしょう。もし合格者の方がおられた場合は、かなり賞賛されることは間違いありません。
人間同士の関係が希薄になっている現代では、親交を深めるきっかけというのは貴重なものです。ぜひお互いに金沢についての知識を交換し合ってください。
ガイドになれる
金沢検定に合格しますと、資格保有者であることを証明する認定証や合格証、合格バッジなどが贈呈されます。
ここまで何度も触れているように金沢検定は合格率がかなり低い難関資格ですから、資格保有者であることがわかれば周囲から一目置かれることは間違いありません。
観光産業への転職の際にも有利になることでしょう。
実際に金沢市をガイドする上でもかなりの箔づけになりますので、就職や転職を考える方はぜひ受験を検討してみてください。
金沢検定の試験日程・会場・申し込み方法
金沢検定の試験日程や申し込み方法、受験資格などをご紹介します。
金沢検定の試験会場や申し込み方法
金沢検定は、年に1回の実施です。今のところ毎年11月に試験日程が組まれています。
試験会場の一部は以下のような場所です。
- 石川県地場産業振興センター新館
- 金沢商工会議所会館
- 北國新聞会館・香林坊プラザ
- 金沢市文化ホール
- 金沢歌劇座/澁谷工業MCセンター
- 本多の森会議室
- アパ金沢ビル
- TKP金沢新幹線口会議室(井門金沢ビル)
- 野村證券金沢支店
- ITビジネスプラザ武蔵
- 石川県教育会館
- 金沢電気ビル
- センチュリーカレッジ
- 金沢学院大学
募集期間は6月~10月で、もしこの期間に申し込めなかった場合は当日受付もあります。諦めずに問い合わせてみてください。
金沢検定に受験資格はある?
金沢検定は、初級と中級については受験資格は特にありません。どなたでも受験することができます。
強いて言えば金沢在住、もしくは金沢に興味や関心がある方ですと勉強中も楽しむことができるでしょう。
上級については、中級合格者であることが受験資格となります。この中級に合格することもかなりの難関ですので、上級資格を所持している方の知識量というのは相当のものになることが推察できます。
金沢検定の受験料
金沢検定の受験料は以下の通りです。
- 初級:大人/1,000円 中学生以下/500円
- 中級:大人/1,500円 中学生以下/800円
- 上級:大人/2,000円 中学生以下/1,000円
難関資格は受験料が高くなる傾向がありますが、金沢検定の受験料はかなりリーズナブルです。1回で合格できなくても、何度も受けることで経験値を積んで行くのも良いかもしれません。
金沢検定と合わせて取りたいおすすめ資格
最後に、金沢検定と合わせて取っておきたい資格についてもご紹介いたします。
金沢検定を受験する際は、こちらの資格取得も考えてみてはいかがでしょうか。
ジュニアかなざわ検定(子供向け)
ジュニアかなざわ検定は、金沢検定の子供版です。小学4年生から中学生を対象とした試験内容になっています。保護者も一緒に受けることができます。
大人向けの金沢検定は合格率も低く、小中学生が勉強するのはかなり大変です。
お子さんにとっては「たくさん勉強したのに合格できなかった」という悲しい思い出になってしまうかもしれませんので、まずはこちらの「ジュニアかなざわ検定」から始めてみてはいかがでしょうか。
ジュニア金沢検定についても、金沢についてを学びながら金沢を大好きになってもらうための検定になっています。金沢の歴史や文化、自然、産業、まちづくり、偉人などの分野から出題されます。
東京シティガイド検定
東京シティガイド検定は、東京観光財団により年に一回実施される試験です。
日本に訪れる外国人の方は年々増えており、首都東京にも多くの観光客が訪れます。東京は近未来都市のように思われがちですが、新しいものだけでなく古くから残る文化も決して少なくありません。
東京シティガイド検定の勉強をすることで、海外からだけでなく国内からの旅行客に対しても東京の色々な魅力を紹介することができるようになります。
都内にお住まいの方はもちろんですが、東京都内の観光施設にお勤めの方はぜひ持っておきたい資格です。
福岡検定
福岡検定は福岡市経済観光文化局 観光産業課により実施される試験です。福岡の魅力の数々をより広く、深く知ってもらうことで「福岡通」を世に多く生み出すことを目的として始まりました。
日本で東京に次ぐ大都市はいくつかありますが、中でも福岡は最近特に注目される都市のひとつです。
太宰府天満宮やヤフオクドームなどの観光地も有名ですし、博多ラーメンやもつ鍋、辛子明太子など福岡がルーツになっている食べ物は全国でも愛されています。福岡出身の芸人やミュージシャンも有名です。
地元の方だけでなく、福岡を愛する各地の方々におすすめしたい検定です。
金沢検定まとめ
金沢検定まとめ
- 金沢検定の難易度はかなり高く勉強時間は50時間以上必要
- 難関資格のため合格すればガイドなど観光に関する仕事で一目置かれるというメリットがある
- 中学生以下のお子さんには「ジュニアかなざわ検定」もおすすめ
金沢検定の合格率は低いですが、受験料はリーズナブルですし試験の内容も金沢への愛があふれた内容になっています。
本気で合格を目指す方もそうでない方も、ぜひ一度金沢検定にチャレンジしてみてください!