かごしま検定ってどんな資格?難易度・過去問・独学勉強法まで全て解説!
「かごしま検定」が気になってはいるものの、難易度もわからないし、取得したところで「就職に役立つのか?」「どんなメリットがあるのかわからない」などの理由で、受験するまでに至ってない人もいることでしょう。
今回資格Timesでは、そんな躊躇をしている人にむけて、かごしま検定について内容、勉強・対策から素朴な疑問にまで詳しく説明していきます。
かごしま検定についてざっくり説明すると
- かごしま検定はご当地検定としては人気で試験実施回数も多い
- かごしま検定の難易度はグレードが3つあり、それなりに難易度が高いのでしっかりとした対策が必要
- 公式テキストを使っての独学
- 試験は民間の人材育成教育にも採用されている
かごしま検定ってどんな資格?
かごしま検定とはいったいどのような資格なのでしょうか。まずは、かごしま検定について、かごしま検定が生まれた経緯なども含めて、かごしま検定の内容をご紹介していきます。
かごしま検定とは
かごしま検定とは、正式名称を「鹿児島観光・文化検定かごしま検定」と言います。
鹿児島に住んでいる人だけでなく、県外からも鹿児島に興味を持ってもらえるように行っている検定試験です。
このかごしま検定という試験を通して、鹿児島県の魅力を感じてもらうことが目的となっています。
そんなかごしま検定ですが、平成18年度から始りました。かごしま検定は、マスター、シニアマスター、グランドマスターの3のグレードがあり、もっともポピュラーなマスター試験は、令和2年2月2日で第40回目を迎えました。
かごしま検定はご当地検定ブームで生まれた
地域振興を目的としているかごしま検定試験は、鹿児島商工会議所が主催者です。
このかごしま検定は、2000年代に各自治体で起きたご当地検定のブームをうけて、鹿児島でも作られたものです。各自治体ごと、その地域の特徴を理解してもらために、工夫を凝らして作られています。
有名なご当地検定では、金沢検定、鎌倉検定などがありおよそ100を超えるご当地検定がブームとともに生まれました。
かごしま検定の特徴の1つに、他の地域のご当地検定よりも試験が実施されている回数が多いというのがあります。ご当地検定ブームが過ぎ去った今でも、かごしま検定は根強い人気があることが、試験回数の多さからも見て取れます。
かごしま検定の難易度
それではここからは、より具体的にかごしま検定の試験の内容や難易度、どのような問題が出題されるのかについてご紹介していきます。
かごしま検定の試験範囲と出題形式
かごしま検定は、前述したように、マスター、シニアマスター、グランドマスターの三つのグレードに分かれています。
もっと標準なのがマスターです。その上がシニア、さらにその上にグランドマスターがあります。
問題は、公式のテキストブックである「かごしま検定公式テキストブック」を中心に、鹿児島県の自然、歴史、文化、地域の特徴、政治・経済・産業の5分野からくまなく出題されます。
シニア、グランドマスターの上位級になるにつれて、試験の出題範囲は同じでも、内容は難しく細かい知識を必要とします。
各級の試験形式
標準級であるマスターは、全部で50問の試験問題が出題されます。試験時間は1時間で、回答方法は選択式です。
シニアマスターも試験時間は同じく1時間です。こちらも選択問題となっています。
最上級であるグランドマスターは試験時間が、2倍の2時間です。回答方法は今までと違い、小論文形式です。
小論文は分野別が4問、提案型の小論文1問の計5問からなっています。
かごしま検定の合格率、合格ライン
ここからは、各かごしま検定試験の合格ラインを見ていきます。
最初はマスターの合格ラインです。こちらは、100点満点中7割が合格ラインとなっていますので、70点以上が取れると合格です。
シニアマスターも同じくテストは100点満点です。こちらは、8割の80点以上が合格ラインです。
グランドマスターの合格ラインは、シニアマスター同様に8割が合格ラインのため、80点以上取れると合格です。
次に合格率ですが、かごしま検定の合格率は発表そのものが非公式となっています。そのため、何名合格者を輩出しているのか、合格率に関しても正確なことはわかりません。
マスター84.2%、シニアーマスター47.7%、グランドマスターが35.1%ほどではないかといわれていますが、あくまでも合格率は非公式なので、目安程度に考えておきましょう。
また、これらの合格率からかごしま検定の難易度を考えると、数あるご当地検定のなかでも、比較的難易度が高いものであるといえます。
とくに、グランドマスターは選択式ではなく小論文という記述式のため、難易度も高く、しっかりと対策を組んで臨まないといけない試験となっていると言えるでしょう。
かごしま検定を取ることをおすすめする人
難易度が他のご当地検定ものと比べて高いことが分かったかごしま検定ですが、どのような人におすすめできるでしょうか。
かごしま検定は、下記の様な人には受けるメリットがあり、おすすめできると言えるでしょう。
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鹿児島に興味があり知識としていろいろと学びたい人
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就職あるいは転職などの都合で、バスガイドになったり、旅行会社に勤めるため鹿児島についてある一定以上の知識を必要としている人
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友人や家族と鹿児島への旅行へ行くまでに詳しくなっておきたい人。
かごしま検定の勉強法
かごしま検定の勉強法は?独学は可能?
なんといっても、かごしま検定を勉強する上で必要となるのは、公式のテキストブックです。出題問題はこの公式テキストブックをベースにしています。
シニア、グランドと級が高くなると出題される問題は難しくなっていきます。そのため、ある程度時間をかけてじっくりと取り組んだ方がよいでしょう。
また、テキストだけで勉強するのではなく実際に史跡を訪ねて歩き、そこがどのような場所なのかを体感することで知識がより定着しやすくなるでしょう。
公式テキストブックから出題されるとわかっているので、独学での勉強は可能です。
ただし、独学で不安な人は、セミナーなどに参加してみるも悪くはないでしょう。
かごしま検定公式テキストブック
かごしま検定試験を受ける人にとっては、必須アイテムのかごしま検定公式テキストブックを手に入れましょう。テキストの料金は2200円です。
こちらのテキストは鹿児島ですと県内の書店にて購入できます。東京の場合は、東京かごしま遊楽館3階にあるかごしまブランドショップにて購入が可能となっています。
その他、アマゾンなどのオンライン書店にて購入することが可能です。
テキストそのものは、280ページほどの厚さがあります。毎日1ページ読むだけで、280日かかります。かりに1ページ10分かかるとしたら、それだけで勉強時間は、2800分が必要です。
もし、1ページ読むのに10分かかり、勉強時間が毎日60分取れるとしたら、1日で読むことができるページ数は6ページです。
このペースで勉強時間をすると、46日間で読み終わることになります。
テキストは、一度読んで終了ということにはならず、内容を理解しているかどうかなど、確認作業のための勉強時間も必要となります。
一度通読し、2度目は熟読となると最低でも2ヶ月は必要となるでしょう。
試験を受けると決めたなら、それなりに、計画を立て読み進めていくことが必要となるでしょう。
テキストに寄稿している方々は、とても著名な人ばかりです。
鹿児島といえば、誰もが名前を思い浮かべる西郷さんから、一般的に奄美大島が生息地として知られる固有種のアマミノクロウサギなどまで、広く鹿児島に関する情報が網羅された内容となっています。
そのため、鹿児島について知識を得たい人にとっては、試験を受験する・しない関係なく、基本資料としてもおすすめの1冊です。
過去問は存在する
公式テキストを読んでいくうちに、実際のテスト形式で問題を解いてみたいと考える人も出てくるでしょう。そんな時に便利なのが過去問です。
かごしま検定の過去問題は鹿児島商工会議所のホームページに、第一回目からマスター、シニアマスター、グランドマスターと級ごとの正答が掲載されています。
過去問の使い方としておすすめなのは、一度実力試しを兼ねて第一回目の問題を解いてみることです。
その後、テキストを見ながら間違った場所について再確認をしていきましょう。
全ての間違った問題をテキストブックとともに見直したら、また同じ過去問を解きましょう。
一通り間違えた箇所を理解し終えたら、次はまた別の過去問を解き、同じように間違った箇所をテキストを使って見直しましょう。
過去問を解いてはテキストで再度見直すという、この繰り返しを行いましょう。
公式テキストを読み理解していたつもりでも、実際に問題を解くと、できない問題が出てくるでしょう。
それでは過去問の内容をご紹介しますので、どのような感じか見てみましょう。
例題 マスター1
トンボロという地形がみられる場所は、次のどれか。
①百合ヶ浜 ②知林ヶ島 ③五色浜
正解:①
例題 シニアマスター2
枕状溶岩を見ることができる場所として適切でない所は、次のどこか。
①屋久島 ②与論町 ③南種子町 ④徳之島町 ⑤奄美市
正解:②
例題 グランドマスター
西南戦争後の我が国の殖産事業、特に地方産業振興について、200字程度(160字以上240字未満)で説明しなさい。但し、以下の3つのキーワードを使用する。
「前田正名」 「興業意見」 「松方デフレ」
(解答例)237文字 明治政府が官営模範工場の建設など先進的な西洋技術の導入を進めていたころ、松方正義が推進した財政政策の松方デフレによって、鹿児島を含めた地方は不況に陥っていた。
地方の衰退を目の当たりにした政府内の前田正名は、国内産業の実情や地方産業の優先的近代化策などを興業意見としてまとめ、政府に具申した。
興業意見が受け入れられないとみるや、農商務省次官まで務めた官吏の座を捨て、全国の農業事情を詳細に視察し、農業こそが殖産興業の基本と説いて、みずから根占用水の開設や開墾事業に力を注いだ。
実際に過去問を解くことで、どの程度まで理解をしていたのかが、客観的にわかります。
ぜひ、過去問題をフル活用して、知識をしっかりと定着させましょう。
セミナーも存在
かごしま検定を受ける人は、セミナーが開催されているので活用してみましょう。
NPO法人かごしま探検の会主催による東川龍太郎氏によって、毎年1月と5月に検定向けのセミナーが開催されます。
セミナーが開催される場所は、鹿児島商工会議所です。セミナーが実施される期間は、3日間となっています。
この3日間のセミナーで、第1章自然から第5章の産業・経済までの全分野を網羅します。定員が50名ですので、早めに申し込むといいでしょう。
セミナーそのものの受講料は無料ですが、受験料代金と公式テキストを持っていない場合はその料金2200円が別途必要となります。
すでに持っている人、受験を別途申し込んでいる人は、実質無料でセミナーを受講できます。
かごしま検定の勉強をするメリット
かごしま検定を取ることで鹿児島を再発見
かごしま検定を受験するメリットの1つに、今まで知らなかったような鹿児島の歴史を系統立てて学ぶこととができるというのがあります。
かごしま検定を受験するにあたりしっかりと学ぶことによって、友人が鹿児島を訪れた時などに、観光名所案内をすることができます。
また、会社の接待などで地方から訪れた人をもてなすこともできます。会社において自分をアピールできるとてもよいチャンスで、大きなメリットと言えるでしょう。
また、純粋に知的欲求を満たしてくれるメリットもあるでしょう。
かごしま検定を受ける最大のメリットともいえるのは、検定のために勉強をすることで、鹿児島県の魅力を再発見ができるということでしょう。
かごしま検定の取得で観光業に就ける
このかごしま検定という資格を受験し、合格したからといって就職が確定するわけではありません。
しかしながら、観光業に就きたいと考えている人にとって、かごしま検定を受験しマスターやその他の級に合格しているということは、就職の際に武器の1つとなるでしょう。
観光業に転職を考えている人にとっても、検定を受験し合格していることで、あなたの転職に対しての思いが伝わります。
かごしま検定を受験して得た知識は、観光業に就いた場合は、すぐに活かすことができる知識なため即戦力にもなります。
その点をアピールすることで、観光業界へ就職する時の近道となるでしょう。
また、このかごしま検定は、鹿児島県内のいろんな企業で人材育成として活用されているものです。
それらを考慮すると鹿児島県内で就職を考えている人にとって、検定を受験し取得しておくことは決して損にはならないと言えるでしょう。
文化施設の割引が受けられる
かごしま検定に合格すると、合格者特典というものが存在します。これは、関係機関及び観光施設において入場料などの割引になるという特典です。
合格者の方々が、施設を利用することでより鹿児島に関する知識を深めたり、さらなる上の級を学ぶための自己研磨につながることを願って、とられている措置です。
ぜひ、受験合格者は特典を上手に利用し、テキストの上だけでなく、実際に現地に赴いて知識をより深めましょう。
かごしま検定の試験日程・会場・申し込み方法
かごしま検定の基本情報
マスターとシニアマスターは、年に3回試験が開催されています。
実施されている時期は、例年2月上旬、6月上旬、9月上旬頃です。グランドマスターのみ、年に2回しか試験は実施されず、2月と6月に開催されます。
かごしま検定は、全国で10ないし11の会場で受験することができます。実施される地域は、鹿児島、薩摩川内、鹿屋、枕埼、奄美大島、南さつま、指宿、いちき串木野、霧島、東京、大阪です。
ただし、実施回によって会場数が変わるので注意してください。また、オンライン開催はされていません。
試験の申込は、試験が実施される2ヶ月前から、1ヶ月前が目途となっています。
かごしま検定に受験資格はある?
試験を受けたいと考えていても、受験資格に満たしていないために、受験できない資格も数多く存在します。
かごしま検定の受験資格はどのようになっているのでしょうか。うれしいことに、かごしま検定には受験資格というものがなく、誰でも受験が可能です。
ただし、マスター、シニアマスター、グランドマスターの順に受験をしていかないといけません。
つまり、最初からグランドマスターを受験することはできません。
級が最下位のマスターから順に受験し、マスター、シニアマスターを合格したあとに、グランドマスターをうける受験資格を得ることができます。
かごしま検定の受験料
2020年3月現在、かごしま検定の受験料金は下記のようになっています。
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マスター 受験料3300円税込み
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シニアマスター 受験料3300円税込み
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グランドマスター 受験料4400円税込み
かごしま検定と合わせて取りたいおすすめ資格
ここではかごしま検定以外のおすすめのご当地検定について3つご紹介します。
福岡検定
福岡通になってもらうための、福岡がほこる魅力をしってもらうための検定試験です。伝統・文化など長い歴史がある福岡市について学ぶことで、より一層福岡を好きになってもらいたいという思いで作られている検定試験です。
2020年2月の段階で、7回試験が実施されています。検定試験を実施ているのは福岡市経済観光文化局観光産業課が主宰しています。
金沢検定
金沢検定は、ご当地検定受験者全国3位という人気のご当地検定の1つです。石川県の県庁所在地であり、過去には加賀100万石という華やかな歴史がある場所です。
それだけに歴史、文化、経済、産業などについて学ぶ部分が多く、金沢の知識がどの程度あるのかを客観的に示すのにも、金沢検定試験は有効です。
試験の主宰者は、金沢経済同友会です。
鎌倉検定
鎌倉検定も人気があるご当地検定の1つで、受験者数が全国で7位にランクインしています。
鎌倉検定は、100問出題されその中身は、文化、歴史、史跡、神社、寺院、まつりと行事、暮らし、文学、文士、自然、観光などと多岐に及ぶのが特徴です。
こちらの検定試験を主宰しているのは、鎌倉商工会議所です。
かごしま検定のまとめ
かごしま検定のまとめ
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かごしま検定は級が進むにつれて問題が難しくなるので、しっかりとした対策が必要
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鹿児島県内では人材育成にも使われており、観光業に就職・転職を考えている人にとっては資格取得は良いアピール材料になる。
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今回は、ご当地検定の1つであるかごしま検定について試験の内容、難易度や勉強の方法などを含めてご紹介しました。
かごしま検定を受験しようと考えている方は、今回の記事を参考に綿密な試験計画をたてて、最上級のグランドマスター取得を目標に頑張ってみてはいかがでしょう。