統計検定3級ってどんな資格?難易度・合格ラインからおすすめ勉強法まで解説!

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「統計検定3級ってどんな試験?」

「統計検定3級の難易度ってどのくらい?」

統計検定3級の受験を検討している方は、このような疑問をお持ちなのではないでしょうか。

この記事では、統計検定3級の試験内容、難易度、合格ラインなどを解説しています。

興味がある方は、ぜひ統計検定3級の勉強を始めて合格を目指しましょう!

統計検定3級についてざっくり説明すると

  • 統計検定3級の難易度は比較的易しい
  • 合格ラインは総得点の7割程度
  • 試験形式は筆記試験とCBT方式がある

統計検定3級の試験の概要

統計検定3級は、大学基礎統計学で学ぶ統計活用力があるかどうかが問われる試験です。

具体的には、統計リテラシー、統計的推論、統計的思考の3つが主に問われます。

出題される問題のレベルとしては、高校で学ぶ範囲から大学の統計学で学ぶ範囲までで、基本的な内容が出題されます。

統計検定は1級から4級までありますが、3級は2番目に簡単な試験です。

3級の試験では、一番簡単な級である4級の内容はすでに理解しているものとして4級の内容も出題されますが、4級は小中学生が学ぶレベルであるため、難しいものではありません。

開催時期は毎年6月と11月で、年に2回受験のチャンスがあります。また、試験時間は60分、受験料は4,000円です。

統計検定3級の受験者数

2011年11月から2019年11月までの統計検定3級の受験者数は以下の通りです。

年度 受験者数
2019年11月 1,907人
2019年6月 1,688人
2018年11月 1,391人
2018年6月 1,698人
2017年11月 1,352人
2017年6月 1,440人
2016年11月 1,473人
2016年6月 1,853人
2015年11月 1,647人
2015年6月 1,849人
2014年11月 1,011人
2014年6月 939人
2013年11月 1,217人
2012年11月 658人
2011年11月 197人

統計検定ができた当初は、受験者数は197人でしたが、2019年11月には統計検定が始まった当初の10倍ほどの受験者数になっています。

統計学や統計検定に関心を持つ方が増えていると言えるでしょう。

統計検定3級の受験者層

2019年11月度の3級の受験者について、12歳から56歳までの人数は以下の通りです。

年齢層 人数
12~14 88人
15~17 82人
18~20 873人
21~23 135人
24~26 108人
27~29 93人
30~32 129人
33~35 109人
36~38 76人
39~41 95人
42~44 74人
45~47 74人
48~50 51人
51~53 48人
54~56 30人

一番多い年齢層は18~20歳でした。統計検定3級は、高校生や大学生が多く受験していると思われます。

試験は筆記とCBT方式の2種類

試験は、会場で筆記試験を受ける方式と、コンピューターで受けるcbt方式の2種類があります。

cbt方式は、自分の都合のいい日時や試験会場を自由に選ぶことができる点や、解答をキーボード、マウスで簡単に入力できる点がメリットです。

試験会場は現在約230か所あり、行きやすい会場を選ぶことができます。ただ、cbt方式でも自宅などでは受験できず、必ず試験会場での受験になる点は注意してください。

試験科目と範囲

統計検定3級の問題数は30問です。試験形式はマークシート方式で、4~5個の選択肢から正解を選びます。

また、試験範囲は以下のようになっています。

大項目 小項目 具体的項目
データの種類 データの基礎知識 量的変数、順序尺度、比例尺度など
標本調査 母集団と標本 母集団、無作為抽出、国勢調査など
実験 実験の基本的な考え方 実験研究、観察研究、処理群と対照群
統計グラフ 1変数の基本的なグラフの見方・読み方 棒グラフ、円グラフ、ローソク足など
2変数の基本的なグラフの見方・読み方 モザイク図、散布図(相関図)、複合グラフ
データの集計 1変数データ 度数分布表、度数、階級など
2変数データ クロス集計表(2元の度数分布表)
時系列データ 時系列データの基本的な見方・読み方 時系列グラフ、指数(指標)、移動平均
データの代表値 代表値とその利用法 平均値、中央値、最頻値
データの散らばり 量的な1変数の散らばりの指標 最小値、最大値、変動係数など
量的な2変数の散らばりの指標 共分散、相関係数
散らばりのグラフ表現 ヒストグラム(柱状グラフ)、幹葉図、はずれ値など
相関と回帰 相関と因果 相関、擬相関、因果関係
回帰直線 最小二乗法、回帰係数、予測
確率 確率の基礎 独立な試行、条件付き確率
確率分布 確率変数と確率分布 二項分布、正規分布、二項分布の正規近似
統計的な推測 母平均・母比例の標本分布・区間推定・仮説検定 標本平均・比率の標本分布、母平均・母比率の区間推定、母平均・母比率の仮説検定

なお、統計検定3級では4級の範囲はすでに学んでいることを前提とした内容になっていますので、注意が必要です。

統計検定3級の試験の難易度は?

統計検定3級の難易度は比較的易しいと言えます。合格率は60~70%の間で推移しており、合格しやすい検定です。

また、受験者層の多くが高校生、大学1・2年生であることから、受験者のレベルはあまり高くはありません。

さらに、3級では高校数学のデータ分析の範囲を勉強すれば解ける問題が多くなっています。

これらの3点から、統計検定3級は難易度が易しめの検定であると言えます。

統計検定3級の合格率の推移

2015年6月から2019年11月までの合格率を見てみると、2016年11月の59.5%以外は60%台と、高い数字で推移しています。

全体としては60%台前半になることが多いですが、2018年6月には67.2%、2019年6月には69.0%と合格率が例年より高くなることもあります。

合格ラインは7割が基準

統計検定3級の合格率は60%台であることが多いことから、総得点の7割を取ることが合格ラインの目安になっています。

ただし、7割の得点を取ることはあくまでも目安であり、そのときの試験の難易度によって合格ラインは変わってきます。

試験の難易度が低かった場合には、合格ラインはさらに高い点数になります。

確実に合格したければ、7割以上の得点を取ることを目標にした方がよいでしょう。

受験資格はなく誰でも受けられる

統計検定は受験資格がありません。誰でも受験することができます。

実際に、受験者は10代から70代まで幅広い年齢の方が受験しています。

また、試験の内容は高校・大学の数学レベルですが、受験するにあたって学歴の要件もないため、高校・大学を卒業しているかいないかは関係がありません。

小・中学生の方が受験をしてもよいですし、中学を卒業してから社会人として働いている方でも受験することができます。

統計検定3級のおすすめ勉強方法

勉強方法としては、独学と講座の2種類があります。ここからは、それぞれの勉強方法をおすすめする方の特徴を解説します。

独学での学習がおすすめの方

独学で学習することをおすすめできる方は、以下のようなタイプの方です。

高校数学の知識をある程度持っている方

統計検定3級では、高校で学ぶデータ分析にかかわる内容が主に出題されます。

そのため、高校数学の知識をすでに持っている方は、独学でも試験勉強をスムーズに進めることが可能です。

高校数学の知識が十分にあるかわからない方は、一度統計検定3級の過去問を見て解けそうかどうかチェックしてみることをおすすめします。

独学での勉強に慣れている方

受験の際独学で勉強していた経験がある方は、独学での勉強で有利になると言えます。

独学で成果を出したことがある方は、モチベーションの維持の方法や、どのくらいで知識のインプット・アウトプットが完了するかなどが感覚としてわかっています。

そのため、どうすれば独学で成果を出せるかを考えなくても勉強を進めることが可能です。

独学に慣れている方は、統計検定3級の勉強でも独学で勉強を進めることができるでしょう。

講座を使った勉強がおすすめの方

ここまでは独学に向いている方の特徴をご紹介しました。次に、独学ではなく講座を受講して学ぶ勉強方法が向いている方の特徴をご紹介します。

数学が苦手な方

統計検定3級では、高校や大学の数学の内容が出題されます。

そのため、数学が苦手で独学では勉強できないと感じる方は、独学で勉強しようと努力することは難しいでしょう。

数学が苦手だと、自力で学ぼうとしても抵抗感が邪魔をして内容が入って来にくくなります。

一方、講座は数学が苦手な方でもわかりやすい内容になっており、効率よく学ぶことができます。数学が苦手な方は、講座を活用することがおすすめです。

効率よく勉強したい方

講座は、学ぶ内容を本番の試験で出やすい重要な部分に絞り、わかりやすく説明してくれます。

数学が苦手な方や、統計学の知識がない方など初心者の方でも理解しやすいような講義になっており、受講すれば統計検定3級に必要な知識を得ることができます。

独学で統計検定3級を勉強する場合

独学での勉強には向き不向きがあり、統計検定3級の場合も独学がおすすめできる方とできない方がいます。

独学をするかどうかは、自分の状況を踏まえしっかり考えた上で決めることをおすすめします。

ここからは、独学をすると決めた方に向けて、具体的な勉強方法をご紹介します。

費用はかなり抑えられる

独学での勉強の場合、参考書と問題集を両方買った場合でも、費用は3,000円台で抑えることが可能です。

参考書や問題集は、何冊も買って大量の情報を得ようとするよりも、同じ本で何度も勉強する方が知識の定着がしやすくなります。

そのため、まずは参考書と問題集を一冊ずつ買い、それぞれ何度も勉強する方がよいでしょう。

そうすると最低限の費用で済み、3,000円程度しかかからないということになります。

このように、独学の場合手頃な価格で勉強できる点は大きな魅力であると言えます。

主に参考書を使ってインプット

インプットをするときは、初心者用の参考書を使うのがおすすめです。

すでに知識がある方の場合でも、苦手なところや知識が足りないところがあるはずですので、初心者用の参考書をおすすめします。

勉強方法としては、テキストを読んでインプットをし、その後で該当箇所の練習問題を解いてアウトプットをすることで知識の定着を図る方法がよいでしょう。

一度テキストを読み問題を解いただけでは知識が定着しにくいため、2、3回繰り返すことで知識をしっかり定着させましょう。

おすすめの参考書

統計検定は公式のテキストもありますが、わかりにくいという評判が多いため、テキストは公式のものではなく別のものを使った方がよいでしょう。

おすすめできるものは『マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説』です。

マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説 (サイエンス・アイ新書)
1047円
マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説 (サイエンス・アイ新書)
1047円

この本は、統計学とは何かという基本から学ぶことができる統計学の入門書です。初心者が理解しにくいポイントを踏まえて、マンガでわかりやすく解説されています。

マンガはタイトル通りゆるくて可愛らしいものなので、統計学は難しそうだと感じてしまう方でもリラックスして楽しみながら学べます。

どの方法でも過去問は大事

過去問を解くことで試験の傾向を知ることができ、どの範囲を重点的に勉強すればよいかがわかるため、問題集は必ず解く必要があります。

『日本統計学会公式認定 統計検定 3級・4級 公式問題集[2018〜2021年]』で実際に出題された問題を解き、試験対策を進めるのがおすすめです。

日本統計学会公式認定 統計検定 3級・4級 公式問題集[2018〜2021年]
1980円
日本統計学会公式認定 統計検定 3級・4級 公式問題集[2018〜2021年]
1980円

問題集は、一度解いただけで終わるのではなく、何度も復習するようにしましょう。

復習をしないと苦手な部分がそのままになり、あとで困ってしまいます。何度も復習し、苦手な部分を克服することが大切です。

統計検定3級についてまとめ

統計検定3級についてまとめ

  • 合格ラインは7割が基準となっているが、試験の難易度によって合格ラインは変わる
  • 独学は高校数学の知識がある方、もともと独学に慣れている方におすすめする勉強方法
  • 数学が苦手な方や効率よく勉強したい方は、講座を利用した勉強方法がおすすめ

合格率が60%を超えており、難易度は高くない試験です。高校数学の知識がある方は、受験を考えてみてはいかがでしょうか。

初心者の方でも、今回ご紹介したテキストでは統計学の基礎を学べますので受験が可能です。

ただ、初心者の方や時間をあまりかけずに効率的に学びたい方は、統計検定3級の講座を受講することをおすすめします。

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