販売士は役に立たない資格?取得メリットから試験の難易度・合格率まで徹底解説!

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「販売士は役に立たない資格なのか?」

「資格を取得した時のメリットは?」

このような疑問を感じた方はいるはずです。

販売士の資格は取得しても役に立たないとの意見があります

この記事では販売士が役に立つ資格なのか見ていきましょう。

また、資格のメリット・難易度・合格率まで紹介していきます。

記事を読み終わった頃には、販売士の資格を取ろうと前向きになっているでしょう。

販売士についてざっくり説明すると

  • 流通業界唯一の資格で、毎年3万人以上が受験
  • 販売士は業務独占資格ではない
  • 販売士は販売管理や店舗運営のスペシャリスト

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販売士資格は役に立たない?

資格は役に立つのか?

販売士は、1973年より日本商工会議所・全国商工会連合会が実施している検定試験です。流通業界唯一の資格で、毎年3万人以上が受験しているのです。また、「リテールマーケティング」とも呼ばれています。

この資格は、一部では役に立たない資格だと言われています。なぜ、役に立たない資格と言われているのか理由を見ていきましょう。

販売士は販売管理や店舗運営のスペシャリスト

販売士の試験は日本商工会議所・全国商工会連合会が実施しております。試験に合格した方には「販売員のプロ」として認められます。

この資格を習得すると販売・接客技術だけではなく、「在庫管理」・「マーケティング」・「労務」・「経営管理」など専門知識が身につくのです。販売管理ができるようになれば、職場でも責任あるポジションを任されるはずです。

また、販売・接客以外の幅広い専門知識を身につけられることは、自分にとって大きなスキルアップになるでしょう

会社によっては「社員教育」・「社員のレベルアップ」・「昇格要件」として、販売士の資格を習得を勧めています。昇給の条件として資格の習得になっていることもあります。

販売士は業務独占資格ではない

ちなみに販売士は資格を取得しなくても、仕事を行うことができます。販売士は「1級」・「2級」・「3級」と3つに分かれており、1級が最も難しい試験です。

販売士は税理士・宅建士などの資格と異なり、独占業務を持たない資格です。そのため、人によっては資格を持っていても意味がないと考えている方もいるのです。

しかし、独占業務を持たない資格でも、現場に必要な知識を身につけることができるでしょう。実際に業務に役立つ知識・技術を活かして、管理者・責任者になることも可能です。

販売士の資格を取得して、職場で働いていると責任あるポジションを任されるでしょう

資格が販売スキルを保証するわけではない

この資格を取得するために勉強していくと、業務に活かすことができる知識・スキルを身につけられるでしょう。仕事をする上で必要となる知識・スキルを身につけることは可能ですが、現場では他の能力も求められます。

それは商品を売り上げるために消費者のニーズを把握するなどの能力です。ただ、業務で活かすことができる知識・スキルは、接客する際に大きな武器になるでしょう。

現場の業務で役に立つ資格になるため、販売士の試験を受けても良いです。販売士の資格を習得できれば、自信もつくでしょう。資格の取得と実務経験の2つがあれば、大きな武器になるはずです

さらに、資格と実務経験を通じて培った専門的な知識と技術は、顧客に対して信頼性と信用を築く助けとなり、長期的な関係の構築にも貢献するでしょう。

資格だけでは独立が難しい

販売士の資格を取得しても、独立するのは難しいでしょう。仮に独立した場合、経営者として資金調達などのマネジメント力も必要となります。販売士の知識・技術だけではなく、他の能力も独立を考えている方には大事になるでしょう。

もし、販売士の1級を取得することができれば、経営者・小売業向けのコンサルタントとして活躍できるでしょう。また、中小企業診断士などの資格も取得すると良いです。

販売士の資格のみならず、他の資格も取得することで活躍の場が広がるでしょう。資格の取得も必要になってきますが、実務経験を積むことも大事になります。現場で経験を積みながら、自らの目指す道に進んでいきましょう。

資格更新の手続きが面倒

この資格には有効期限があり、5年間になっています。資格を習得して、5年後には更新をする必要があるのです。この手続きが面倒だと思う方もいます。

ちなみに資格を更新するためには、「資格更新講習会」・「資格更新通信教育講座」のどちらかを受講しなければいけません。「資格更新講習会」・「資格更新通信教育講座」を受講してそれを修了する必要があります。

主婦が販売士をとっても意味がない?

販売士は様々なビジネスの場面で役に立ちますが、主婦の中には資格を取って良いのか迷う方もいるでしょう。実は、主婦でも資格取得する魅力が多い資格になっています

小売業・販売業ではアルバイト・パートの求人が多く、販売士の資格を活かすことができます。現在、消費者のニーズが多様化しており、会社はクオリティの高い接客ができる人材が求められています。

また、販売の仕事はエリアに関係なく求人のあり、多くの働き場があるでしょう。例えば、子供が小さい頃は自宅から近い場所で働くなど日々の生活スタイルに合わせることが可能です。

実際の販売士の価値・取得メリットは?

メリットは何か?

続いて、販売士の資格を取るメリットについて紹介してきます。販売士の資格には多くのメリットがあり、具体的に見ていきましょう。

難易度と成果は比例しない!どう活かすかが鍵

販売士の「2級」・「3級」の難易度は低く、資格を習得していなくても仕事ができるため、「役に立たない」と言われることがあります。

しかし、実際には「役に立たない」のではなく、ちゃんと活すことができれば大きな力になるのです。

例えば、専門店の販売員として、販売に必要となる知識・技術を活かすことができます。更に商品を仕入れ・在庫管理を行うなど、数字に基づいた判断もする場合もあり、現場でも学んだことを応用するようになるでしょう。

この資格は習得した後も現場で経験を積みながら、どう活かしていくのかが重要になってきます。

販売士資格を学ぶと実践的な知識が身に付く

この資格は「販売」・「会計」・「財務」・「マーケティング」・「生産管理」など、幅広い業種で役に立つ知識を身につけられます。また、ビジネスのスキルが高く・経営者の立場の方にはおすすめの資格でしょう。

このようなに経営者を中心に、幅広い年代の方から人気のある資格になっています。ビジネスにおいて、役に立つ知識を身につけられる資格になっているので、取得しても損はありません。

AI・商品多様化社会で潜在的なニーズ

次にAI・商品多様化社会での潜在的なニーズについて、見ていきましょう。時代の変化によって、現場で求められるニーズも影響を受けています。

販売員は商品を「売る」だけではなく、接客において丁寧で質の良い対応も求められるようになっています。また、商品の多様化によって在庫の管理・仕入れなどしっかりと管理・把握が出来るのか大事です。

また、現代社会はAI化が進んでおり販売士も影響を受けるのか、詳しく見ていきましょう。

販売士はニーズの多様化する時代に不可欠の資格

販売士は様々な価値観・ライフスタイルに対応できるスキルを持っており、今後も活躍できる資格です。

この資格を取得することで販売・商品管理に役立つ知識・技術を身につけられるため、店舗運営のスペシャリストとして評価を受けるでしょう。

現代社会は「売る」だけではなく、質が高い接客が販売員に求められています。

もし、販売士の資格を取得して場合、接客のマナー・商品知識・販売する技術などを身につけているため、接客では良い印象を与えることができるでしょう。これは売上にも関係する大事なことになります。

また、資格を習得しているとある程度の知識を身につけているので、現場で仕事をしながらでも十分に対応できるでしょう

販売士はAIに仕事を奪われる?

販売士は現場でお客様とコミュニケーションを取りながら、接客を行っていきます。接客をしながらお客様のニーズを把握して、おすすめの商品・困っていることを解決する提案をするなど、柔軟な対応する必要があります。

これは人間だからこそ可能なことであり、AIには対応できない部分の1つです。現在、コンビニ・スーパーでは無人店舗・レジの導入などの人手不足を補うためにAI化が進んでいます

今後、AIに人間の仕事が奪われてしまうとも言われています。確かにAI化は進んでいきますが、付加価値を提供する店舗では人間の質の高いスキルが求められてくるでしょう

これは人間がAIを上手く使って、サービス・質の向上を図ることが大事になってくると言うことです。販売士の仕事が無くなるのではなく、更にクオリティの高い人材が求められるでしょう。

販売士資格の活かし方・役立つ仕事

役に立つ方法とは?

販売士は小売業・販売業で働く方にとって有効な資格です。小売業には百貨店・スーパーなどがあり、幅広い商品を取り扱っています。商品を販売するだけではなく、在庫の管理など販売管理の能力が必要となってきます。

ここでは販売士の資格の活かし方・役立つ仕事について紹介していきます。

①社内で昇格

会社によっては、販売士の資格の取得を勧めており、昇給・昇格などの責任あるポジションに就くために求められることもあります。主任・店長などのポジションになる場合は、販売士2級の資格の習得が必須のこともあり得るのです。

例えば、家電量販店・化商品販売会社で働く方は販売士の資格の取得を求められるでしょう。販売士の資格を習得していることは、一定の知識・技術が身についていると言えるでしょう。

また、資格に加えて現場での販売管理の経験を積むことでクオリティの高い人材と評価を受けるはずです。現場で販売管理の経験を積むなど、資格・経験の両方を兼ね備えていると社内の昇格に大きく影響するでしょう。

このような資格取得と実務経験の積み重ねは、顧客との信頼関係の構築にも寄与するとともに、他社との競合状況においても個人として、また企業としても優位に立つための重要な要素となりえるのです。

②中小企業診断士とまとめて取得

「販売士1級」・「中小企業診断士」の資格試験の内容は重複している部分があります。そのため、どちらかの勉強をしたとしても両方の資格に役立つのです。

中小企業診断士の試験科目である「運営管理」・「企業経営理論」・「財務・会計」などが販売士の試験にも出題されます。また、販売士1級で必要となる知識は、中小企業診断士の試験勉強をすればカバーできるようになっています。

このように「販売士1級」・「中小企業診断士」の両方の資格に共通している部分があるため、同時に取得を考えても良いでしょう。ダブルライセンスを持つことは自分にとって、大きな武器になります

③コンサルタント事務所を開く

「販売士1級」・「中小企業診断士」の両方の資格を習得すると、小売業に特化したコンサルタントとして働くことも可能になるでしょう。これは、両方の資格を習得した方にしかできない仕事とも言えます。

上記でも紹介しましたが、「販売士1級」・「中小企業診断士」の両方の試験には共通する科目があり、どちらの資格の勉強をしたとしても役に立ちます。可能であれば、両方の資格の習得を狙ってみましょう。

そして、ダブルライセンスを取得してコンサルタント事務所を開いてみるのも良いです。今までの働き方と違い、新たな仕事の道を進むことも可能になります。

④転職でも有利になる

小売業・販売業で役立つ資格の「販売士」ですが、他の業種でも活かすことが可能です。例えば、卸売業・製造業・サービス業など人と関わる仕事でも身につけた知識・技術が役に立つでしょう。

小売業へ就職・転職する場合は、役に立つ資格と言えます。特にデパート・スーパーで販売員として就職するためには、販売士の資格はアピールポイントになります。

更に、資格に加えて実務経験があると会社からは重宝されるでしょう。質の高い接客を求めている会社にとって、資格・経験の両方を持っている方は貴重な人材です。その分、責任あるポジションに抜擢される可能性もあるでしょう。

⑤副業を行うことも可能

昼間にメインで働いている仕事とは、別の仕事でも販売士の資格を活かすことができます。例えば、週末だけ接客業で副業する場合などは販売士の資格を持っていた方が良いでしょう。

販売士の資格を習得していることで一定の知識・技術を持っていることが証明されるため、仕事に役立つはずです。また、ビジネスに関する知識も得られるので、幅広い職業で活かすことも可能になっています。

もし、副業をする場合はそこで培った経験・スキルを本業の方でも活かせるようにしましょう。本業での仕事にも良い影響を与える可能性が十分にあります。

副業で販売業の経験を積むことは、人間関係やコミュニケーション能力の向上にも寄与します。これらのスキルはどの職業にも役立つものであるため、自己の成長にも貢献するでしょう。

役立たないという噂に対する現場の声

現場の声は?

販売士の資格を取得した方の中には、「役に立たない」との声もあります。しかし、実際に資格を取得した方は「社内の業績アップに貢献」・「異動になる」など確実に状況が変化しているのです

販売士に独占業務がないため、資格を取得した後の変化をあまり感じず、独占業務があり独立しやすい資格に比べると、はっきりとした変化を感じることができないしょう。

しかし実際には販売士の資格に価値がないと感じている方は、ほとんどいません。積極的に資格を習得して、自らのスキルアップ・会社での昇進・昇格などに直結させていきましょう

取得のための対策と勉強方法・コツ

勉強する方法とは?

販売士の試験は「1級」・「2級」・「3級」の3つの級があります。「2級」・「3級」に合格することは難しくなく、勉強期間も約1ヵ月になっています。

しかし、「1級」は「2級」・「3級」に比べると難しいです。また、試験内容も筆記試験だけではなく、面接試験があるのです。

そのため、販売士の試験に合格するためにはしっかりとした試験対策が必要となります。勉強する方法としては「独学」・「講習会」・「通信講座」などがあり、自らの生活スタイルに合うものを選びましょう

販売士試験の合格率と難易度

販売士の「2級」・「3級」の合格率は約50%で、受験者の2人に1人が合格しています。ただ、近年では「3級」の受験者が減少しており、合格率も約40%~60%と開きもあるのです。

また、「2級」の合格率が約50%と、近年では上昇しています。ちなみに「2級」の試験の回数は年2回と以前に比べて、回数が増えています。受験できる機会が増えていることも、試験の合格率に影響している可能性があるでしょう。

販売士の「1級」の合格率は約20%と「2級」・「3級」に比べて、大きく低くなっています。受験者5人に対して、合格できるのは1人なので難しい試験と言えるでしょう。

販売士試験の受験者データ

試験の受験者の男女別割合は「男性8割」・「女性2割」となっています。男性の方が女性よりも販売士の試験を受けているのです。

受験者の年齢層としては、「20代」・「30代」・「40代」の割合が多くなっています。また、「40代」・「50代」の受験する割合が上昇しています。

受験者の職業としては、「小売業」で働いている方が多いです。また、小売業の中でも「一般小売業」で働いている方の受験が多いです

これは販売士の資格を習得することで、「知識・技術の向上」・「昇進」・「昇格」などに良い影響を与えると言うことでしょう。

販売士試験の基本的な情報

続いて、販売士の試験の基本情報について、紹介していきます。

試験日程と実施要項

以下に販売士試験の前期・後期の「試験日」・「申し込み期間」・「合格発表日」・「実施資格」について、まとめています。

試験日 申し込み期間 合格発表日 実施資格
7月(第2週土曜日) 4月下旬、5月上旬頃~ 8月上旬、中旬頃~ 2級・3級のみ
2月(第3週水曜日) 12月上旬頃~ 3月上旬、中旬頃~ 全級

販売士の「2級」・「3級」のみ、年に2回試験が行われています。

販売士に特別な受験資格はない

試験の受験資格としては「学歴」・「年齢」・「性別」・「国籍」による制限はありません。誰でも受験が可能で、受験しやすくなっています。

また、「3級」を受けずに「1級」・「2級」からの受験、「2級」・「3級」の併願の受験も可能です。場合によっては、試験科目が免除になることもあり得ます。

1級・2級・3級の試験内容とレベル

販売士の1級は経営に関する知識を身につけて、「商品計画」・「マーケティング」・「経営管理」などを適切に行えるようにします。これは「責任者」・「コンサルタント」の人材を目指しているのです。

続いて、「2級」は「マーケティング」など小売業などにおける専門知識を身につけます。ちなみに「3級」では、「マーケティング」の基本的な考え方・知識・技能を理解を深めます。

販売士試験の出題方式として「2級」・「3級」はマークシート方式、1級が「客観式選択問題」・「記述式問題」となっています。また、「1級」は筆記試験・面接試験の2つがあります。

以下が、販売士試験の各級の「筆記試験」・「面接試験」の内容について、まとめています。

各級 筆記試験 面接試験
1級 「小売業の類型」・「マーチャンダイジング」・「ストアオペレーション」・「マーケティング」・「販売・経営管理」 「表現力」・「説得力」・「問題意識について」
2級 「小売業の類型」・「マーチャンダイジング」・「ストアオペレーション」・「マーケティング」・「販売・経営管理」
3級 「小売業の類型」・「マーチャンダイジング」・「ストアオペレーション」・「マーケティング」・「販売・経営管理」

「2級」・「3級」の試験範囲は、ほとんど同じです。ただ、「2級」に関しては「マネジメント」の分野も含まれています。

合格基準は「1級」が5科目とも100点を満点で、「全科目の平均点が70点以上」・「50点未満の科目がない」の2つの条件をクリアすれば、合格できます。

また、試験に不合格の場合でも得点が70点以上の科目は「科目別合格証明書」が発行されるようになり、科目免状を受けることができるのです。

ちなみに「2級」・「3級」は5科目とも100点を満点で、「全科目の平均点が70点以上」・「50点未満の科目がない」の2つの条件をクリアすれば、合格できます。

狙い目は販売士2級

これまで、「1級」・「2級」・「3級」について紹介してきました。基礎的な知識・技術は「3級」、専門的な知識・技術を身につける場合は「2級」となっています。

「1級」は経営者・小売業向けのコンサルタントを目指せるようになっているため、難易度の高い資格と言えるでしょう。資格を習得するには、しっかりとした試験対策をする必要があります。

この3つの級の中で狙い目の級は「2級」です。これは「3級」と比べると合格率に大きな差がなく、取得しやすくなっているからです。

販売士についてまとめ

販売士についてまとめ

  • 資格を取得した後の変化をあまり感じないため、「役に立たない」との声があるが実際取得メリットはある
  • 資格だけでは独立が難しい
  • 試験の受験者の男女別割合は男性8割

この記事では販売士が役に立たない資格なのか、様々な角度から見てきました。

また、資格を取得するメリットか・試験の難易度・合格率も紹介してきました。

販売士は、様々な業種で働く方に役立つ資格です

現場での経験だけではなく、資格も習得してしっかりと知識・技術を身につけましょう。

資格を習得して販売管理ができるようになれば、新たな働く道が開ける可能性があるでしょう。

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