旅行業務取扱管理者は独学可能?勉強方法・勉強時間からおすすめテキストまで紹介!

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「旅行業務取扱管理者をどう勉強すればいいの?」

「旅行業務取扱管理者の資格試験は?」

このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。

旅行業界や観光業界はコロナ禍の影響を受けて未曽有の不況状態に陥りましたが、コロナが落ち着いて以降はインバウンドを中心にむしろ大きな盛り上がりを見せています。

そこでここでは今まさに注目されている旅行業務取扱管理者の資格について、独学合格のために必要な勉強時間や試験対策のための勉強法を詳しく見ていきましょう。

旅行業務取扱管理者資格取得の勉強法についてざっくり説明すると

  • 国内は独学、総合は通信講座や通学講座が一般的
  • 国内なら130~180時間、総合なら230~280時間の勉強時間が必要
  • 独学に向いているのは、旅行会社で働いている人や関連資格を取得している人

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旅行業務取扱管理者は独学合格できるのか

旅行業務取扱管理者の独学表

旅行業務取扱管理者は、国家資格の中では独学で合格を目指す受験者が多い試験と言われています。

特に国内旅行業務取扱管理者試験に独学の受験者が多く、総合旅行業務取扱管理者試験については、独学よりも通信講座や通学講座で合格を目指す受験者が多いようです。

以降では、「旅行業務取扱管理者は独学合格できるのか」をテーマに、旅行業務取扱管理者資格取得の勉強に関して解説します。

国内は独学可能・総合はかなりの努力が必要

旅行業務取扱管理者資格は、だれでもが簡単に取得できる国家資格ではありません。

「旅行業務取扱管理者は独学合格できるの?」という問いに対しては「国内旅行業務取扱管理者は独学での合格が可能ですが、総合旅行業務取扱管理者は困難です」というのが答です。

ネット上には、総合旅行業務取扱管理者資格も独学合格が可能、とする情報は多く提供されています。

しかし、合格率10%程度の厳しさを考えれば、独学だけよりも専門家や専門教育機関の力を借りるべきと言えるでしょう。

以降では、総合・国内旅行業務取扱管理者資格試験に関して詳細を紹介します。

総合・国内旅行業務取扱管理者の試験内容と難易度・合格率

代表的な旅行業務取扱管理者資格は、国内と総合の2つあります。

1つは『一般社団法人全国旅行業協会』が運用する国内旅行業務取扱管理者資格で、国内旅行商品だけの企画・販売が可能な国家資格です。

もう1つは『一般社団法人日本旅行業協会』が運用する総合旅行業務取扱管理者資格で、国内旅行に加えて海外旅行商品の企画・販売も可能な国家資格です。

以降では、この旅行業務取扱管理者資格の試験内容や合格率などについて紹介します。

国内旅行業務取扱管理者の試験概容・難易度

国内旅行業務取扱管理者の試験の概要と難易度は、次のとおりです。

項 目 『国内』試験の概要
適用範囲 国内旅行のみ
受験資格 誰でも受験が可能
試験科目 旅行業法、これに基づく命令・旅行業約款・運送約款と宿泊約款・国内旅行実務
試験場 全国9都道府県
受験料 5,800円
合格基準点 各科目とも6割以上の得点
合格率 30〜40%
偏差値 47(難易度判定:簡単)

国内旅行業務取扱管理者の試験概容・難易度

総合旅行業務取扱管理者資格試験の試験概要と難易度は、次のとおりです。

なお、この試験には科目免除制度があることから、全科目受験者の合格率で示しています。

項 目 『総合』試験の概要
適用範囲 国内・海外旅行
受験資格 誰でも受験が可能
試験科目 『国内』試験3科目プラス海外旅行実務の4科目
試験場 全国8都道府県
受験料 6,500円
合格基準点 各科目とも6割以上の得点
合格率 10%前後
偏差値 57(難易度判定:普通)

国内・総合の旅行業務取扱管理者のテーマ別問題傾向

ここでは、旅行業務取扱管理者試験における試験科目別の問題傾向をざっくりと紹介します。

試験科目 問題傾向
旅行業法及びこれに基づく命令 ・ほぼ同じ出題傾向で、他科目に比べ低難度
・旅行業の定義、登録制度、旅行業務取扱管理者など、毎年似た内容から出題
・平成30年度からの試験に関しては旅行業法改正に注意
旅行業約款、運送約款及び宿泊約款 ・キーワードのすり替えパターンでの出題が多数
・出題割合は旅行業約款8割でその他の約款2割
・旅行業約款のほとんどは、募集型や受注型企画旅行の契約の部から出題
・運賃、料金の計算はJRからの出題が多く高配点
国内旅行実務 ・「国内運賃、料金」と「国内観光資源」の2つの分野で構成
・国内観光資源は出題範囲が限られていないので幅広い知識が必要
・出題傾向は変わらないので、過去問を繰り返し解くことが重要
海外旅行実務 ・国際航空運賃、旅行実務、語学など5分野の構成で、2割ずつの配点
・国際航空運賃では、与えられた条件に基づく運賃計算が出題

法令・約款は高得点が狙いやすいが、旅行実務が高難易度

法令・約款の出題の割合は「旅行業約款」が約8割、「その他の約款」が約2割です。

選択肢が長文ですがキーワードのすり替えがあるだけのパターンが多いので、過去問にしっかりと取り組めば高得点を狙えます。

また、旅行実務には運賃の計算や観光資源なども問題に含まれるので、演習だけではなく経験則がカギになる可能性があります。

旅行実務は難易度の高い出題が多いので、実際の経験や入念な対策が必要です。

国内旅行業務取扱管理者の合格率が高い理由

国内旅行業務取扱管理者試験の合格率は例年30〜40%で、国家資格としては偏差値47で「簡単」にランク付けされています。)

この試験の合格率が高い(合格し易い)理由は、次のようなことが要因と言えるでしょう

  • 国内資格取得者は総合資格受験の際に2科目免除されるので、総合資格を目指す人も多数受験する。
  • 試験内容の専門性が高くないので、旅行業や観光業の未経験者でも十分対応できる。
  • 観光業関係の専門学校などでは、まず国内資格を取得するよう推奨している。

この国内旅行業務取扱管理者試験の合格者の約8割は、観光関連以外の職業の従事者で占められています。

特に学生の受験者が多く、観光業関係の専門学校生が学校単位で受験するケースも多いようです。

旅行業務取扱管理者の勉強時間

旅行業務取扱管理者資格の取得に何時間程度の勉強を目安にするかは、勉強方法・1日当たり勉強可能時間・受験日までの日数などによって異なります。

ここでは、独学合格を目指す場合の一般的な勉強時間の目安について紹介しましょう。

国内なら130~180時間

国内旅行業務取扱管理者試験の独学に必要な時間は、130~180時間が目安とされています。

これを1日当たり1~2時間勉強するとして単純計算してみましょう。毎日1時間の場合は4~6カ月・毎日2時間の場合は2~3カ月必要であるということです。

以上のことを基本にして、受験日までの勉強スケジュールを立てます。

毎日の継続した勉強は大切ですが、毎日2時間で1日のブランクもないといったようなタイトなスケジュールではなく、余裕のあるスケジュールを立てることが重要です。

総合なら230~280時間の勉強時間が必要!

総合旅行業務取扱管理者試験の独学での勉強時間の目安は、230~280時間と言われています。

これは、毎日2時間勉強するとして4~5カ月必要であるということです。

なお、仕事に就いている受験者の場合は、勉強時間は2時間であっても勉強期間を7~8カ月掛けた余裕のある計画を立てます。

ここに、3カ月・250時間の独学で国内・総合両資格を取得した受験者の、勉強スケジュール例を紹介します。

なお、この勉強スケジュールは、毎日3時間勉強をすることを前提で立てられたものです。

時期 期間(週間) 勉強内容
7月 2週目 1 テキストの第1~4章(総合分)の全体像把握
7月 中旬 1 テキストの第1~3章(国内分)を精読
7月 後半 1 国内地理部分に特化(テキスト中の観光地・観光資源を暗記)
8月 1週目 1.5 解説付き問題集をやり込む(全問題を完璧に解けるように)
8月 中旬 0.5 テキストの第1~3章をもう一度復習
8月 後半 1.5 テキストの第4章(海外旅行実務)を精読
9月 1週目 1 第4章の問題集をやり込む
9月 2週目 1 国内分の復習と国内過去問(1年分だけ)
9月 以上を経て、国内旅行業務取扱管理者試験本番
9月 中旬 0.5 第4章の問題集の続きをやり込む
9月 中旬 1 海外地理部分に特化(第1~3章の問題集も定期的に復習)
9月 後半 1.5 過去問とテキストを使って理解と暗記の徹底
10月 試験日まで これまでやったことの徹底的な復習

独学で勉強するメリットは豊富?

可能性 一般的には、難易度の高い資格や仕事に必要な資格の取得に向けては通信講座・通学講座が利用されますが、それ以外の資格に関しては独学が選らばれることが多いと言えます。

この独学による勉強のメリットは、次の4つです。

  • 費用を安く抑えられる
  • 通塾の時間がいらない
  • スケジュールを自由に設定できる
  • 自分の理解度に合わせた勉強が可能

以降では、これらのメリットを1つひとつ解説しましょう。

費用を安く抑えられる

独学の代表的なメリットは、「費用を安く抑えられること」です。

実際に掛かる費用は、テキスト代の1,500~2,500円程度と過去問集代が2,000~3,000円程度ですから、総額で10,000円あれば最低限必要な教材を準備できます。

なお、通信講座は月額5,000円程度で総額6万円程度の費用が必要ですし、通学講座は合格までに総額で10万円超の費用が掛かるのが一般的です。

通塾の時間がいらない

通学講座を選択した場合は、決まった日程や時間どおり教室へ足を運ぶことが必要ですが、独学であればその必要がないことがメリットです。

通学講座は資格取得に向けたモチベーションを維持する上では有効な勉強法ですが、既婚者やビジネスマンなどにはネックになる点があります。

それは、決まった日時に通学して講座を受講するには勤務先や家庭と調整をしなければならず、これが容易なことではないのです。

スケジュールを自由に設定できる

たとえば国内旅行業務取扱管理者を独学する場合、130~180時間を使い自分の好きなペースで勉強できます。

得意なセクションには時間をかけないで、苦手なセクションにはじっくりと時間をかけ、自分に納得できる時間配分で勉強できるのが独学です。

しかし、勉強がいくらペースダウンしても勉強の熱意を失っても、だれも注意や励ましをしてくる人がいないのも独学です。

自分の理解度に合わせた勉強が可能

すでに紹介したとおり、独学であれば、「自分の好きなペース」で勉強を進められます。

この「自分の好きなペース」の1つが、「自分の理解度に合わせたペース」です。

自分の理解度に合わせて時間配分の調整やテキストの見直しできるのは、独学のメリットの1つでしょう。

通信講座や通学講座では、個人の理解度に合わせた対応はあまり期待できません。

独学で旅行業務取扱管理者を目指すデメリット

計画失敗 独学にはメリットがある反面、次のようなデメリットもあります。

  • 理解が進まない時に人から直接教えてもらえない
  • 試験に関する情報が手に入りにくい
  • スケジュール管理とモチベーション維持が難しい

以降では、これら独学でのデメリットを1つひとつ解説します

理解が進まない時に人から直接教えてもらえない

独学のデメリットとしてよく言われるのは、「理解が進まない時に、人から直接教えてもらえない」ということです。

テキストを読み込んでも理解が進まないといったことは、それほど気にするようなことではありません。

この程度の問題への対処法はいくらでもあるのですから、人から直接教えてもらえないことを独学のデメリットとして気にする必要などないと言えるでしょう。

試験に関する情報が手に入りにくい

独学していると、受験予定の資格の試験内容や関連法規の変更や改正といった情報の収集が遅れる可能性があります。

関連法規の改正などがあると、それに関した出題がされることが多いことから、情報の収集には注意したいものです。

しかし頻度が低いことであり、試験実施団体や機関のホームページに常にアクセスしていれば、心配する必要はありません。

スケジュール管理とモチベーション維持が難しい

独学ではスケジュールどおり勉強が捗らなくても、だれからもとやかく言われないので、計画倒れになる可能性があります。

また、だれとも競い合いや励ましあえないことで、モチベーションを失ってしまう可能性もあります。

こうしたことは誰もがある程度経験することですが、余裕のある勉強スケジュールを立てれば、それほど心配するようなことではありません。

どんな人が旅行業務取扱管理者の独学に向いている?

旅行 一般的に、旅行業務取扱管理者には旅行が好きで国内外のさまざまな場所を旅した経験がある人、特に、旅行を計画の段階から楽しめる人に向いています。

ただし、独学で資格取得を目指すのであれば、一定のセルフコントロール能力を備えていることが必要です。

以降では、旅行業務取扱管理者の独学に向いている人を具体的に紹介します。

旅行会社で働いている人

旅行業や観光業で働いている人の多くは旅行に興味があり、旅行が好きで国内外のさまざまな場所を旅した経験があるのが一般的です。

このような人たちは、日常的に旅行や観光の業務をするなかで、スタッフとしてキャリアアップすることで顧客により満足してもらえるサービスを提供したいと考えるようになると言われます。

そうしたことから、現在旅行業や観光業で働いている人には、仕事を続けながら独学での資格取得が向いているのです。

また、試験内容が実務に関連していることが多いので、旅行会社などで働いている人は旅行業務取扱管理者資格の取得に取り組み易いとも言えます。

資格の取得は業務のプロフェッショナリズムを高めるだけでなく、個人の興味や情熱に基づく成長を促進し、キャリアの拡充にも寄与するため、旅行業や観光業での長期的な成功にとって重要なステップとなるでしょう。

関連資格を取得している人

旅行を計画の段階から楽しみたい人や、すでに旅行業界に勤めている人ならキャリアアップとして旅行業務取扱管理者に向いている人と言えるでしょう。

旅行や観光関連の資格には、旅行業務取扱管理者資格以外に国家資格・準国家資格(公的資格)・民間検定資格など実にさまざまな資格があります。

例えば「旅程管理主任者」「旅行地理検定」「観光英語検定」などです。

それらの資格に加えて旅行業務取扱管理者資格を取得することで、ダブルライセンスが実現します。

ダブルライセンスを実現すれば転職にも有効ですし、独立の道も開けるのです。

試験対策におすすめのテキスト

テキスト 旅行業務取扱管理者試験の独学合格を目指す際には、まず、テキスト(教科書)・問題集・地図帳を準備する必要があります。

ここでは、勉強に必要なテキストなどの選び方について解説します。

おすすめはユーキャンの資格試験シリーズ

旅行業務取扱管理者試験用のおすすめのテキストは、『ユーキャンの国内・総合旅行業務取扱管理者 速習レッスン(ユーキャンの資格試験シリーズ)』です。

国内、総合旅行業務取扱管理者試験の両方に対応したテキストで、本シリーズは過去に何度も全国書店売上ナンバー1の実績があります。

過去問題の徹底的な分析にもとづいて、出題されることの多い重要な点は太文字や赤文字で記載されており、要点がキーポイントにまとめられたテキストです。

また、見やすい誌面構成での丁寧な解説や豊富な図解などが理解を助けてくれることから、初回受験者でも無理なく学習を進められるでしょう。

テキストを選ぶ際に注意するべき点

資格試験のテキストは、それぞれの出版社によってレイアウトや表現が異なります。

どのテキストを購入するかは合否に大きく関係することから、テキストを選ぶ際には、次の点に注意しなければなりません。

  • 大規模な書店で立ち読みし、構成・読み易さ・図表の多さなどで選択
  • ネットなどの評判も参考に、「これなら何カ月間も取り組める」と思えるテキストを1冊だけ購入
  • 問題集も同時購入する場合は、構成や表現方法が対応しているテキストと同じシリーズを選択

できれば最新版の物を選ぶ

旅行業務管理取扱管理者の試験範囲には、旅行業法や命令・旅行業約款だけではなく、JR運賃・料金、航空料金など、改正・変更されることの多い事項が含まれています。

それらの関連法律や制度内容が改正・変更された場合には、旅行業務管理取扱管理者試験ではその部分からほぼ間違いなく出題されるのです。

ですから、これらの改正・変更が反映されていないテキストを使っていては、合格は望めません。

同じ出版社の同じシリーズで統一する

教材を購入する際は、同じ出版社の同じシリーズの教材で統一します。

例えば国内・総合併用ではなく別冊で購入する場合などの基本です。

異なる出版社のテキストを選ぶと、構成・表現方法などに違いがあって情報の理解や記憶に支障を生じます。

また、内容が網羅できていない可能性や重複している可能性があるからです。

補助教材アプリも活用しよう

小中学校生向けの独学用のアプリが多数提供されていますが、そうした教材アプリは資格試験の教材でも商品化され、旅行業務管理取扱管理者試験用のアプリも提供されるようになってきました。

こうしたアプリであれば、わざわざ重いテキストを持ち運ぶ必要がないことから、電車やバスでの通勤中といった隙間時間での利用が可能です。`

独学でおすすめの勉強方法・勉強スケジュール

スケジュール 旅行業務取扱管理者試験の合格基準点は、試験科目の合計点数ではなく、すべての受験科目で6割以上得点することが条件です。

ですから、1科目でも6割以上の得点を取れないと合格できません。

以降では、旅行業務取扱管理者の独学合格におすすめの勉強方法と勉強スケジュールについて解説します。

全体の流れをまず押さえる

ここでは、独学での勉強の流れの一例を紹介しておきましょう。

  1. テキストで全体像を把握:読み物くらいの感覚でテキスト内容を把握
  2. テキストを精読: 70~80%ほど理解できるようテキストをゆっくり精読
  3. 地図を用いて「地理領域分野」の概容を把握:テキストにある観光地や伝統・観光資源を暗記
  4. 解説つきの問題集で出題形式を把握:問題を全て完璧に解けるようにすることが必要
  5. テキストの復習:上記4.の際に正解できなかったことをテキストで復習して正しい知識を暗記
  6. 過去問5年分を使って暗記:過去問とテキストを、100点が取れるまで往復して必要な知識を暗記

試験日までの勉強スケジュールを立てる

独学を成功させ資格試験に合格するために必要なことは、「実行可能な勉強スケジュールを立てること」と「継続的に勉強すること」です。

そのためには、次の3つのポイントを押さえた勉強スケジュールを立てます。

  • 日当たりの勉強時間の目安は、70~80%レベルで設定する:試験日までに残された日数・1日当たり可能な勉強時間など、余裕をもったスケジュールでなければ、継続的な勉強は困難です。
  • 1〜2週に1日はフリーな日のあるスケジュールを立てる:このフリーな日は、休息に充てるための日ではありません。 原則として、計画どおりに勉強が進まなかった場合のリカバリーに充てるためです。
  • モチベーション維持のため勉強スケジュールを「見える化」する:独学は、モチベーションの維持が難しい勉強法です。 勉強の進捗状況や試験日までの道のりを「見える化」することで、自身を激励できます。

各科目の点数配分に注目

総合および国内旅行業務取扱管理者試験の各科目の点数配分は下表のとおりです。

●総合旅行業務取扱管理者試験(4科目)

科目 教科 問題数(問) 配点(点)
1.法令 旅行業法 合わせて25 合わせて100
旅行業法施行規則
2.約款 標準旅行業約款 20 80
国際航空約款 5 20
国内航空約款 3
宿泊約款 2
3.国内旅行業務 国内観光地理 20 40
国内運賃料金・JR 8 40
国内運賃料金・航空 3 20
国内運賃料金・宿泊 1
4.海外旅行業務 海外観光地理 20 40
海外旅行実務 8 40
出入国法令 8 40
国際航空運賃 8 40
語学(英語) 8 40

●国内旅行業務取扱管理者試験(3科目)

科目 教科 問題数(問) 配点(点)
1.法令 旅行業法 合わせて25 合わせて100
旅行業法施行規則
2.約款 標準旅行業約款 20 80
国内航空約款 各1 2
宿泊約款
フェリー約款
バス約款
JR営業規則
3.国内旅行業務 国内観光地理 25 50
国内運賃料金・JR 5 10
国内運賃料金・航空 4 12
国内運賃料金・宿泊 1 4
他文章問題 3 12

インプットとアウトプットのやり方を押さえる

効率的で効果的な独学をすすめるには、知識のインプットとアウトプットを繰り返します。

特に過去問を利用しての資格試験の勉強では、絶対に取り組みたい学習方式です。

具体的には、次のよう手順で行います。

  • テキストを精読して知識をインプットする。
  • 過去問を解く(アウトプットする)ことで、知らなかったことや誤解していたことを確認する。
  • テキストに戻って正しい情報を確認し、それを吸収暗記する。

このサイクルを3~5回繰り返すことで、確実に100点を取れるようになります。

この方法は自己学習の進行を計測する良い指標となり、自分自身の弱点を明確に理解し、それを克服する方向へと導いてくれるでしょう。

各科目の勉強法

以降では、旅行業務取扱管理者試験における各科目の勉強のポイントを紹介します。

①旅行業法及びこれに基づく命令

旅行業法とは、旅行業務に関する公正な取引・旅行の安全の確保・旅行者の利便の増進などを目的に定められた法律です。

試験では旅行業の登録、旅行管理業務、広告や取引内容の交付などについて出題されます。

出題範囲は限られていて出題数や問われるテーマは例年ほぼ同じですから、過去問を繰り返し解くことで効率の良い勉強が可能です。

なお、毎年同じような問題が出題されることから、過去問を繰り返し解くことで知識の習得と試験対策が同時にできます。

②旅行業約款、運送約款及び宿泊約款

旅行業約款、運送約款及び宿泊約款はある程度問題パターンが決まっているので、過去問を繰り返し解くことがポイントと言えます。 問題全体の約8割が「旅行業約款」からの出題なので、この旅行業約款をしっかりと勉強することが必要です。

旅行業約款は毎年同じような問題が出題されますから、過去問題を解けば出題傾向をつかめます。

なお、「運送約款及び宿泊約款」では国内旅客運送約款やモデル宿泊約款、貸切りバス約款などから1問ずつの出題が最近の傾向です。

③国内旅行実務【運賃、観光地理】

国内旅行業務取扱管理者試験においては最難関で、合否の決め手になる科目です。`

「国内旅行実務」は、「国内運賃・料金」と「国内観光資源」の2つの分野で構成されています。

国内運賃・料金ではJRからの出題が多く配点も高いので、JRの攻略がポイントです。

観光資源では、日本全国の自然資源、観光施設、民芸・工芸品、芸能、行事などについて出題されます。

出題範囲が限られていないので地図を用意しておき、観光地や名所などは地図での確認が必要です。

④海外旅行実務

「海外旅行実務」は、次の5分野の構成です。

  • 国際航空運賃
  • 旅行実務
  • 語学
  • 出入国関係
  • 海外観光資源

5分野は均等配点であることからどの分野も満遍なく勉強することが必要で、合格のカギとなる科目です。

なお、国際航空運賃では出発地や目的地など、与えられた条件で運賃計算を行います。

また、旅行実務では「海外旅行実務」の基礎的な知識である時差の知識や計算、航空時刻表の見方、航空・鉄道・ホテルの知識などの出題が多いようです。

試験当日の流れ

ここでは、試験当日のことに関連して注意しておきたいことを、列挙して紹介しておきます。

  • 車イスや点字での受験を希望する場合は受験者対応係に事前連絡が必要です。
  • 試験場への電卓やスマホなどの情報通信機器の持ち込みはできません。
  • 欠席する場合の連絡は不要ですが、受験手数料返金や不合格通知書送付はありません。
  • 国内試験の場合は難易度が低い第1科目と第2科目から解くのがおすすめです。
  • 回答は試験終了後に持ち帰る問題用紙にも記載しておけば、後で答え合わせに利用できます。

旅行業務取扱管理者資格を取るメリットは?

ハイタッチ 旅行業務取扱管理者資格は旅行業界唯一の国家資格で、この資格を取得することのメリットとしては、次の4つを挙げられます。

  1. 就職・転職に役立つ
  2. スキルアップとキャリアアップに繋がる
  3. 旅行会社の起業やツアー企画が可能
  4. 通訳案内士資格の取得に有利

以降で、それぞれのメリットについて解説します。

就職・転職に役立つ

旅行業務取扱管理者の資格は、「旅行会社が営業所などを開設する際には、1人以上の旅行業務取扱管理者を選任しなければならない」という『旅行業法』の定めに基づいて作られたものです。

ですから、旅行業務取扱管理者資格取得者を雇用できなければ、選任できないばかりか旅行会社や営業所などを開設できません。

しかも近年は急増するインバウンド観光に対応するため、旅行業務取扱管理者の求人需要は旅行業界だけでなく観光業界でも即戦力の人材として高まっています。 そうしたことから、この資格を取得していると就職や転職の際に非常に有利です。

スキルアップとキャリアアップに繋がる

多くの旅行会社や観光会社では、旅行業務取扱管理者資格を取得すると、取得時に祝い金が支給されたり取得後から毎月手当が支給されたりする制度があります。

こうした給与アップではなく、総合旅行業務取扱管理者の取得を昇進昇格の際の要件に設定している会社もあります。

たとえば、支店長に昇格するためには総合旅行業務取扱管理者資格の取得者でなければならない、といったように昇進昇格制度にリンクさせている会社も多いようです。

旅行や観光業界で働きながらスキルやキャリアアップを目指す人には、旅行業務取扱管理者は必須の資格と言えます。

この資格は、法規制の遵守や業務遂行の能力を証明するものとなり、業界内での信用向上にも寄与します。旅行業界での長期キャリアを積みたいと考える人々にとっては、取得が強く推奨されるでしょう。

旅行会社の起業やツアー企画が可能

旅行業務取扱管理者資格を取得すると、旅行会社を起業して独自に企画した旅行商品を販売できます。

旅行業法には、「旅行業者が営業所を立ち上げる際は、旅行業務取扱管理者資格取得者を1名以上選任しなければならない」との定めがあるのです。

これは「旅行業務取扱管理者資格を取得していれば、1人でも旅行会社を立ち上げられる」ということででもあります。

旅行業務取扱管理者資格を取得すれば、旅行会社を立ち上げて自分好みの旅行ツアーを企画できるのです。

また、添乗員やガイドなどのダブルライセンスを取得して、オリジナルのツアーも実施できます。

通訳案内士資格の取得に有利

急増するインバウンド観光客のガイド役を行うのが、「通訳案内士」です。

通訳案内士は外国人相手に観光案内をするだけでなく、旅行スケジュール管理・宿泊先確認、荷物管理、買い物アドバイスなどもこなします。

この通訳案内士資格の取得には、最終合格率が1桁台の難関試験に合格しなければなりません。

通訳案内士の1次試験は5科目ですが、国内旅行業務取扱管理者資格取得者は、この試験の最難関科目と言われる「地理科目」が免除されるのです。 このことで、国内旅行業務取扱管理者資格取得者には、通訳案内士1次試験の通過がぐっと近づきます。

独学と通信講座はどっちがおすすめか

education

試験範囲が広く、効率的な勉強がしづらい旅行業務取扱管理者の試験対策をするには、やはり通信講座を利用することがおすすめと言えるでしょう。

また、独学ではモチベーション維持が難しく、また学習スケジュールも自分で組み立てる必要があります。

一方で通信講座を利用すれば、プロの講師が組み立てたカリキュラムを基に勉強をすることができるため、安心して合格を目指せるのです。

こういったことから、独学者に比べて講座の受講者の方が、試験の合格率が高い傾向にあります。

特に「フォーサイトの旅行業務取扱管理者講座」は国内試験の合格率78.7%、総合試験の合格率51.9%と驚異的な数字を叩き出しています。

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旅行業務取扱管理者資格の独学についてまとめ

旅行業務取扱管理者の独学まとめ

  • 国内は独学合格が可能ですが、総合は通信講座や通学講座で専門家の教えを受ける方が効率的
  • 国内130~180時間、総合230~280時間を目安にしても、余裕のある日程と継続的な勉強が必要
  • 独学する際のポイントは、余裕のある日程と継続的な勉強に加え、徹底的な過去問の利用

旅行業務取扱管理者の資格試験の概要や合格に向けた勉強法について解説してきました。

現在日本は観光立国としての道を進み始めています。こうした時期だからこそ、難関と言われる総合旅行業務取扱管理者の取得を目指し、勉強を開始すべきではないでしょうか。

まずは国内旅行業務取扱管理者資格取得へ向け、具体的行動を開始されることを期待しています!

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