旅行業務取扱管理者の合格率や難易度は?過去問を用いた勉強方法から科目免除まで解説
「旅行業務取扱管理者の合格率・難易度はどれくらい?」
「過去問を用いた勉強方法・科目免除はどうなっているのか?」
このような疑問を感じている方もいるでしょう。
国家資格である旅行業務取扱管理者を目指している方は、どれくらい難しいのか知りたいはずです。
ここでは旅行業務取扱管理者の合格率・難易度について、項目に分けて紹介していきます。
また、過去問を用いた勉強方法から科目免除についても紹介します。
旅行業務取扱管理者の合格率や難易度についてざっくり説明すると
- 旅行業務取扱管理者資格は、旅行業界唯一の国家資格
- 総合旅行業務取扱管理者試験の合格率は国内試験と比べると低い
- 総合旅行業務取扱管理者の試験は4科目に分かれている
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旅行業務取扱管理者試験の難易度・合格率
旅行業務取扱管理者の難易度は資格の種類によっても異なります。
そこで、まずは資格の種類から整理していきましょう。
旅行業務取扱管理者の資格の特徴
旅行業務取扱管理者資格は、旅行業界唯一の国家資格になっています。この資格には「総合旅行業務取扱管理者」・「国内旅行業務取扱管理者」・「地域限定旅行業務管理者」の3種類があります。
この3種類は取り扱うことができる旅行の範囲は異なっているのです。以下が、「総合旅行業務取扱管理者」・「国内旅行業務取扱管理者」・「地域限定旅行業務管理者」のそれぞれの取扱可能な旅行の範囲になっています。
取扱可能な旅行の範囲 | 総合旅行業務取扱管理者 | 国内旅行業務取扱管理者 | 地域限定旅行業務取扱管理者 |
---|---|---|---|
海外 | 〇 | × | × |
日本全国 | 〇 | 〇 | × |
地域 | 〇 | 〇 | 〇 |
「地域限定旅行業務取扱管理者」は、地域限定旅行業を普及させることが目的となっています。地域限定旅行業とは、各地域の観光の資源・魅力を体験・交流型旅行商品として企画・販売など行う事業のことです。
「国内旅行業務取扱管理者資格」は、一般社団法人の全国旅行業協会が運営する資格試験で、国内旅行商品のみの販売ができます。
「総合旅行業務取扱管理者資格」は、一般社団法人日本旅行業協会が運営する資格試験で、国内旅行商品・海外旅行商品の販売ができようになっています。
今回は「総合旅行業務取扱管理者」・「国内旅行業務取扱管理者」の2種類について、詳しく解説していきましょう。
過去六年間の旅行業務取扱管理者の合格率
以下が、過去6年間の旅行業務取扱管理者(総合旅行業務取扱管理者試験・国内旅行業務取扱管理者試験)の合格率です。
年度 | 国内試験(%) | 総合試験(%) |
---|---|---|
2019年 | 39.1% | 13.0% |
2018年 | 38.3% | 11.0% |
2017年 | 36.0% | 8.8% |
2016年 | 32.1% | 12.8% |
2015年 | 27.8% | 12.2% |
2014年 | 28.1% | 16.4% |
国内旅行業務取扱管理者試験の合格率は総合旅行業務取扱管理者試験に比べて、高くなっています。また、2017年度の総合試験は8%台とかなり低い数字です。
難関国家資格に比べると難易度は低い
法律系の資格である「司法書士」・「社会保険労務士」・「行政書士」は専門用語・法律などの多くの専門知識が必要となる国家資格です。
このような資格と「旅行業務取扱管理者」の資格を比べると、「旅行業務取扱管理者」の方が難易度は低くなっています。
ちなみに「旅行業務取扱管理者」は、「宅地建物取引主任者」とは同じレベルの難易度になっているのです。国家資格である「旅行業務取扱管理者」を積極的に取得して、自らのスキルアップを図りましょう。
国内旅行業務取得者の8割は観光業務未経験者
「国内旅行業務管理者」の資格に関しては、合格者の8割の方が観光業務未経験です。観光業務未経験の方でも取得することができる資格になっているので、興味がある場合は積極的に受験しましょう。
また、全体の約半数が学生となっており、資格の取得に期待ができるでしょう。学生でも資格の習得が可能で、早い段階から受験をすると良いです。まず、「国内旅行業務管理者」の資格の習得を目指していきましょう。
総合旅行業務取扱管理者試験の合格率が低い理由
ここでは総合旅行業務取扱管理者試験が国内旅行業務取扱管理者試験に比べて、合格率が低くなっているのか理由を見ていきましょう。
基本情報:試験内容と試験日程
まず、総合旅行業務取扱管理者試験の基本的な情報について、確認していきましょう。「試験科目」・「試験日程」など、総合旅行業務取扱管理者試験・国内旅行業務取扱管理者試験ごとに紹介していきます。
試験科目
以下が、旅行業務取扱管理者(総合旅行業務取扱管理者試験・国内旅行業務取扱管理者試験)の試験科目です。
試験科目 | 国内旅行業務取扱管理者 | 総合旅行業務取扱管理者 |
---|---|---|
旅行業法及びこれに基づく命令 | 〇 | 〇 |
旅行業約款、運送約款及び宿泊約款 | 〇 | 〇 |
国内旅行実務 | 〇 | 〇 |
海外旅行実務 | × | 〇 |
国内旅行業務取扱管理者試験は「旅行業法及びこれに基づく命令」・「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」・「国内旅行実務」の3科目です。また、試験時間は合計120分、配点が各100点になっています。
合格基準に関しては、各科目6割を超える必要があります。
続いて、総合旅行業務取扱管理者試験は「旅行業法及びこれに基づく命令」・「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」・「国内旅行実務」・「海外旅行実務」の4科目です。
試験時間は「旅行業法及びこれに基づく命令」・「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」が合計80分です。また、「国内旅行実務」・「海外旅行実務」は合計120分です。
続いて、配点は「旅行業法及びこれに基づく命令」・「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」・「国内旅行実務」が各100点になっています。
ただ、「海外旅行実務」に関しては200点で、合格基準が各科目6割を超える必要があります。
試験日程
以下が、旅行業務取扱管理者(総合旅行業務取扱管理者試験・国内旅行業務取扱管理者試験)の試験日程になっています。
資格名 | 国内旅行業務取扱管理者 | 総合旅行業務取扱管理者 |
---|---|---|
願書配布 | 6月上旬~7月上旬 | 7月上旬~8月上旬 |
試験日 | 9月上旬~中旬 | 10月上旬~中旬 |
合格発表日 | 10月下旬〜11月上旬 | 11月下旬 |
国内旅行業務取扱管理者試験の「願書配布」・「試験日」・「合格発表日」の試験日程は、総合旅行業務取扱管理者試験より約1カ月ほど早くなっています。
国内に比較して学習範囲が広い
総合旅行業務取扱管理者試験の試験科目は国内旅行業務取扱管理者試験にない「海外旅行実務」をあるため、勉強する範囲が広いです。更に、「海外旅行実務」の科目は他の3科目に比べて、2倍の配点となっています。
また、全ての試験科目の合格基準が6割以上を超える必要があり、難易度を高くなっている原因と言えるでしょう。全ての試験科目が全体の6割以上を取る必要があるため、偏った勉強をしてはいけません。
試験時間の設定が厳しい
旅行業務取扱管理者(総合旅行業務取扱管理者試験・国内旅行業務取扱管理者試験)の試験科目の問題数について、紹介していきます。
まず、旅行業務取扱管理者(総合旅行業務取扱管理者試験)の科目・問題数です。
科目 | 問題数 |
---|---|
法令 | 25問 |
約款 | 30問 |
国内旅行業務 | 32問 |
海外旅行業務 | 52問 |
続いて、旅行業務取扱管理者(国内旅行業務取扱管理者試験)の科目・問題数です。
科目 | 問題数 |
---|---|
法令 | 25問 |
約款 | 25問 |
国内旅行業務 | 38問 |
旅行業務取扱管理者(総合旅行業務取扱管理者試験)の問題数は、約140問となっています。
ちなみに試験時間が200分で、1問あたりに1分弱で解かなければいけません。限られた時間の中で多くの問題を解くため、難しい試験と言えるでしょう。
正答率60%をとるのが難しい
試験の合格基準は、各科目ごとに正答率60%を取らなければいけません。1科目でも正答率が60%を超えていない場合は、合格することができないのです。
試験勉強をする際に、1つの科目だけに力を入れ過ぎてはいけません。勉強する科目が偏らないように、全ての科目をバランス良く行うようにしましょう。
限られた時間で合格基準に達するためには、かなり大変になっています。試験当日に1問あたりにかける時間を短くして、全ての科目を解けるようにしましょう。
旅行業務管理者資格は合格率は下がってきている?
次には旅行業務管理者資格の合格率について、見ていきましょう。この試験の合格率が下がってきているとも言われていますが、実際にはどうなっているのか解説していきます。
総合旅行業務管理者の合格率は低いまま
総合旅行業務管理者資格の難易度に関しては、国内旅行業務管理者資格と比べると高くなっています。また、近年の合格率が約10%となっており、難しい試験と言えるでしょう。
ちなみに総合旅行業務管理者資格の合格率は年々下がっています。ただ、2018年には10%台まで上がりましたが、難しい試験であることは変わりません。
総合旅行業務管理者の試験は4科目の試験科目があるため、全ての科目の勉強をしなければいけません。また、試験当日の時間も足りなくなる可能性があり、合格率が低くなる原因です。
国内旅行業務管理者の合格率は大きく上昇
近年では、国内旅行業務管理者の合格率が10%ほど上がっています。この資格は合格率が年々上がっており、約4人に1人が合格できるようになっています。近年、合格率が上がっていることから難易度も変わっているようです。
「国内旅行業務管理者」・「総合旅行業務管理者」の合格率は、それぞれの試験で大きく異なっています。そのため、「旅行業務取扱管理者」の試験自体が難しいとは言い切れないでしょう。
このことから、旅行業務管理者の試験に合格することを諦める必要はありません。「国内旅行業務管理者」・「総合旅行業務管理者」の2つの資格とも、試験対策を行えば十分に取得が可能です。
旅行業務取扱管理者に簡単に合格する方法
ここでは難易度の高い旅行業務取扱管理者に出来るだけ楽に合格するための方法を紹介します。
総合旅行業務取得には免除という裏ワザ
「総合旅行業務管理者」の試験には、特定の科目に合格すると免除が受けられる制度があります。
もし、試験自体が不合格だった場合でも「国内旅行実務」・「海外旅行実務」の2つの科目は合格していれば、翌年の試験のみ科目の免除を受けられるのです。
また、「国内旅行業務管理者」の資格を取得している場合は「法令」科目の免除を受けることが可能です。
おすすめの勉強法・合格のコツ
ここでは、「旅行業務管理者」の試験の勉強法・合格のコツについて紹介していきましょう。
過去問の反復が重要
「旅行業務管理者」の試験で出題される範囲は広くなっており、合格基準である6割を超える必要があります。そのため、頻出する試験範囲をしっかりと覚えておくことが大事になります。
特に「法令」・「約款」は出題される問題数・テーマに関して、毎年同じなっているのです。
このことから過去問の演習して、出題傾向を把握するようにしましょう。ちなみに過去問は旅行業協会で公開しているため、確認すると良いです。
試験対策におすすめの過去問題集
ここでは「2020年版 ユーキャンの国内旅行業務取扱管理者 過去問題集」について紹介しましょう。
この問題集は、増税に伴うJR・航空各社の運賃・料金改定など最新の情報が入っています。
受験生が無理をしないように、基礎・応用を学ぶことが可能です。また、確実に合格基準を超えられるように重要な点がまとめられています。そのため、短期間で合格を目指す内容になっているのです。
問題集の内容として、各テーマごと過去の問題を解けるようになっており、各試験科目が効率良く勉強できます。
通信講座なら高い確率で合格できる
上記のように、試験範囲が広く、モチベーション維持も困難であるため、旅行業務取扱管理者の独学合格は難易度が高いです。
そのため、通信講座を利用して効率よく合格を目指すことがおすすめと言えるでしょう。
資格Timesのおすすめする「フォーサイトの旅行業務取扱管理者講座」では、総合試験の合格率77.8%、国内試験の82.8%という驚異的な数字を残しています。
加えて、業界最安水準の価格設定でもあるため、大変魅力的な通信講座と言えるでしょう。
旅行業務取扱管理者を取得するメリット
続いて、旅行業務取扱者の資格を取得するメリットについて、見ていきましょう。資格を習得して、どのようなことに活かるのか確認すると良いです。もしかすると、新たな目標ができる可能性もあります。
就職やキャリアアップに有利というメリット
「国内旅行業務管理者」の試験を受験する方が多くなっている理由として、「インバウンド」・「ツーリズム」の高まっていることです。
近年では、旅行業界のみならず宿泊・観光業界の方も受験するようになっており、需要が高まっています。
現在では新型コロナウイルスの感染症拡大で、旅行業・観光業に大きな影響を与えています。
このため、新たな人員を採用する企業が少なくなっているのです。厳しい状況で就活する中で内定を取るためにも、資格の取得で企業にアピールできるでしょう。
また、グローバル化が進んでいるため、将来的に役に立つ可能性があります。
旅行会社の独立・企業も可能
「旅行業務取扱管理者」の資格を取得すると会社に勤めるのではなく、旅行会社を起業することができます。独立を考えている方は、「旅行業務取扱管理者」の資格を習得しても良いでしょう。
しかし、会社を起業する際には「営業保証金」・「基準資産」などある程度のお金が必要となります。また、会社の経営には失敗するというリスクもあるため、失敗した時の覚悟が必要です。
一生涯効力を持つ国家資格
この資格は難易度がかなり高いとは言えませんが国家資格であるため、印象に残りやすいでしょう。また、「旅行業務取扱管理者」は、とてもコスパの良い資格になっています。
この資格を取得していると会社で昇進しやすくなり、旅行会社では支店長も目指すことができます。資格の習得は昇進にも大きな影響するため、人気を集めている理由の1つといえるでしょう。
国内旅行業務と総合旅行業務どっちがおすすめ?
まず、「国内旅行業務管理者」の資格を取ると良いでしょう。その理由としては、2つほど挙げられれます。
1つ目は難易度が低く、取得後のメリットが多いからです。
2つ目は、「総合旅行業務管理者」の資格の取得がしやすくなります。「国内旅行業務管理者」の資格を取得している場合は「法令」の科目の免除を受けられるのです。
また、「国内旅行業務管理者」・「総合旅行業務管理者」の両方の試験は共通している科目が多く、将来的に資格の取得がしやすくなっています。
国家試験の取得のために高いモチベーションが必要
国家試験で旅行業界唯一の「旅行業務取扱管理者」を習得することは、大きなメリットがあることを紹介してきました。この資格は「インバウンド」・「ツーリズム」の高まりもあり、今後も人気のある資格になるでしょう。
ただ、現在は新型コロナウイルスの影響を受けて、旅行・観光業界が厳しい状況になっていますが、この業界が無くなることはないでしょう。寧ろ、新たな旅行・観光業界のスタイルが確立してくるはずです。
この資格を習得を目指している方は、高いモチベーションを持って勉強を進めていきましょう。まずは、「国内旅行業務管理者」の資格を習得するようにすると良いです。
「国内旅行業務管理者」の資格を習得することができれば、「総合旅行業務取扱管理者」を目指してみましょう。この2つには共通している科目があり、1から勉強する必要はありません。
他の科目を勉強していると、新たに科目「海外旅行実務」を学ぶ際にスムーズに進めることができるはずです。この資格は試験範囲が広くなっているため、時間に余裕を持って勉強するようにしましょう。
また、自らの生活スタイルに合った勉強計画を立てるようにしていきましょう。無理が無いように時間・気持ちに余裕を持って、勉強すると良いです。試験日程に合わせて、計画を細かく立てるようにしましょう。
更に、将来の目標を設定するなど、明確な目標を持つと高いモチベーションのまま勉強ができるはずです。高いモチベーションを持って、資格の習得を目指していきましょう。
旅行業務取扱管理者の難易度まとめ
旅行業務取扱管理者まとめ
- 難関国家資格に比べると難易度は低い
- 旅行会社の独立も可能になる
- 資格を習得すると就職・キャリアアップに有利
この記事では、旅行業務取扱管理者の合格率・難易度について、項目に分けて紹介していきました。
また、過去問を用いた勉強方法から科目免除まで解説してきました。
旅行業界唯一の国家資格である旅行業務取扱管理者資格ですが、難易度はそこまで高くありません。
「国内旅行業務管理者」・「総合旅行業務取扱管理者」の試験は、試験日程が異なっているため、しっかりと確認しましょう。
一生役に立つ資格になるため、積極的に受験して合格を目指しましょう。