神社検定ってどんな資格?試験概要・過去問・難易度まで全て解説!
神社ブームが起きている昨今。
「もっと神社のことを知りたいな」
「神社検定ってどんなことが学べるの?」
と思っている人はいませんか?
この記事では年々人気が高まっている神社検定の説明だけでなく、難易度や勉強時間・勉強方法、さらに受験するメリットや神社検定と合わせて取得するのにおすすめな資格まで詳しく丁寧に解説します。
この記事を読めば神社検定のことが分かるはずです。
神社検定についてざっくり説明すると
- 神社に関する正しい知識が学べる
- 参級・弐級・壱級があり、参級が最も合格率が高い
- 独学する環境が整っている検定
- 受験資格はなく、試験は年1回、例年6月に実施される
神社検定ってどんな資格?
神社検定は有名な神社の由来や参拝方法などの神社にまつわる知識を学べる資格です。「神道文化検定」ということもあります。
神社巡りや御朱印集めなどの神社ブームとともに注目を集めていて、神社が好きな人はもちろん、「古事記」や「日本書紀」などに興味がある人にも人気があります。
神社検定の主催団体
神社検定は平成24年から公益財団法人日本文化興隆財団が主催で始まりました。民間資格ではありますが、全国8万を超える神社をたばねる神社本庁の監修のもとに実施されています。
近年、御朱印集めなどの影響によって神社ブームが起きています。そこで「より多くの方に神社に関する正しい知識を学んでほしい」「日本のこころを再発見して欲しい」という思いから神社検定は始まりました。
一般財団法人神道文化会と株式会社桑社が後援であり、2019年の試験では3,466人が受験申し込みしていることからも、その注目度がうかがえます。
神社検定の合格特典
神社検定の合格者は全員、自分の名前と合格認定番号が刻まれた木製の絵馬型認定証をもらうことができます。
別途料金が掛かりますが、希望すれば認定証・認定ホルダー・認定バッジ・オリジナル御朱印帳などを手に入れることも可能です。
さらに合格者優待企画の神社巡りツアーなどが開催されているほか、合格者100名限定ですが、毎年10月15日に斎行される「初穂曳(はつほびき)」に参加することもできます。
神社検定の合格者しか手に入れられない物があったり、体験できないことが体験できたりするのも神社検定を受けるメリットのひとつです。
神社検定の難易度
せっかく興味が湧いても、もしも難関試験だったら挑戦する気持ちがしぼんでしまいますよね。
ここからは出題形式や合格率など、神社検定の難易度について説明していきます。
神社検定の出題形式
神社検定には参級・弐級・壱級の3段階あり、数字が小さくなるほど難易度が上がります。どの級も4択マークシート方式で100問出題されます。
神社検定の問題はどの級も100%公式テキストから出題されるようになっています。
試験時間は参級が70分、弐級と壱級は90分です。
神社検定の合格率、合格ライン
神社検定の合格率は壱級と弐級がおよそ40%、参級でおよそ70%です。ただし年度ごとに多少のばらつきがあり、壱級は25.6%、弐級は17.3%だったこともあります。
決して適当に勉強をして合格できる簡単な試験とは言えません。
合格ラインはどの級も100問中70問以上の正解と定められています。参級だけは70問以上正解した方が全体の70%未満だった場合、全体受験者の上位70%を合格とすることもあります。
2019年度の各級の受験者数・合格者数・平均点は以下の表を参考にしてください。
級 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 平均点 |
---|---|---|---|---|---|
参級 | 1936名 | 1565名 | 1135名 | 72.5% | 78.7点 |
弐級 | 1095名 | 846名 | 342名 | 40.4% | 64.4点 |
壱級 | 435名 | 388名 | 167名 | 43% | 66.9点 |
神社検定を取ることをおすすめする人
先ほども触れたように昨今、神社ブームが起きていますが、神道は日本文化の起源でもあり、日本全国にある約8万の神社にはひとつひとつに由々しき歴史があります。
神社検定の勉強をすることで、これまで当たり前だと思っていたり、逆に知らなかった日本文化を深く知ることができます。
神社検定は神道について知識を深めたい方、神社巡りを趣味にしたい方、身近な人をガイドしたい方、うんちくを知りたい方に特におすすめの検定です。
また観光業などへの就職・転職を目指す人にもおすすめです。
神社検定の勉強法
神社検定のテキストは書店やインターネットなどで購入できます。神社検定の問題は100%公式テキストから出題されるので、テキストを使ってしっかり勉強しましょう。
このように、神社検定は独学で勉強できる環境が整っている検定です。
神社検定に合格するための勉強時間はもともと持っている知識などによっても異なりますが、参級なら1カ月前から勉強を始めて合格する人も少なくありません。
レベルごとの出題範囲と参照テキスト
神社検定は級によって使用するテキストが異なり、それぞれのテキストから出題される割合が決まっています。
参級で使用されるテキストと試験での出題割合は以下の通りです。
使用テキスト | 出題割合 |
---|---|
神社のいろは | 約70% |
神社のおへそ「日本書紀」編 | 約30% |
弐級で使用されるテキストと試験での出題割合は以下の通りです。
使用テキスト | 出題割合 |
---|---|
神社のいろは 続 | 約60% |
神話のおへそ | 約30% |
季刊誌の「皇室」83~86号 | 約10% |
壱級で使用されるテキストと試験での出題割合は以下の通りです。
使用テキスト | 出題割合 |
---|---|
神社のいろは用語集 宗教編 | 約50% |
神話のおへそ「日本書紀」編 | 約30% |
神社のいろは特別編 伊勢神宮と、遷宮の「かたち」 | 約10% |
季刊誌の「皇室」83~86号 | 約10% |
過去問は存在する
神社検定には過去問もあり、こちらも書店やインターネットで購入できます。
神社検定の過去問は年度ごとにまとめられているため、複数の級を勉強するなら1冊購入するだけで良い反面、どれかの級の過去問が数年分欲しいという場合は何冊か購入する必要があります。
過去問を使えば神社検定の頻出問題や重要ポイントを把握するのにとても役立ちます。ぜひ活用して効率的に勉強することをおすすめします。
DVD事前対策講座もある
書店では購入できないものの、神社検定には各級のテキストに準拠して読み方のポイントなどを説明するDVD事前対策講座もあります。
神社検定の勉強では聞きなれない言葉や名前がたくさん登場します。このDVD事前対策講座は各テキストをより理解できるように作られているため、勉強の取り掛かりにおすすめです。
神社検定の公式サイトから購入できますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
各級ごとでセミナーも行われている
神社検定では教養講座もおこなっていて、各級ごとに勉強会や神社ツアー、体験ツアーなどをおこなっています。座学だけでなく、見たり触れたりすることでより知識が深まるきっかけになります。
また参加することで共通の趣味を持つ仲間と出会えるというメリットもあります。
興味がある方は公式ホームページをチェックしてみてください 。
神社検定の勉強をするメリット
神社検定を受けるために勉強する知識は、日常生活や神社巡りなどをする中でも活用することができます。
神社巡りがより楽しくなる!
神社検定の勉強では正しい参拝方法のほかにも、神社境内にある鳥居の形式や社殿の種類なども学ぶため、神社巡りがより楽しくなるはずです。
全国的に有名な社殿の由来や言い伝え、御祭神(ごさいじん)についても学ぶので、次はどこに行こうかと考えるのも楽しくなります。
さらに古事記や日本書紀の日本最古の文化を学ぶことで、ゆかりの地を巡ったり、エピソードを知ったうえでその場所を楽しむこともできます。
日常のイベントに詳しくなれる
神社検定では神社そのものに関することだけでなく、七五三・節分・神前結婚式・家などを建てる前の地鎮祭などのイベント事についても学ぶことができます。
これらのイベントはよく分からずになんとなく形だけ済ませている人も少なくありませんが、きちんと意味や内容を知れば形式的な文化から脱して、より興味を持って参加できるのではないでしょうか。
日本で古くから伝わる文化を身に付ければ、日常生活やイベント時に役立つことがあるはずです。
神社検定の試験日程・会場・申し込み方法
神社検定は年に1回、例年6月に実施されています。第9回神社検定は2020年6月28日(日)に予定されていましたが、自粛の影響で中止になりました。
申し込み期間は約半年で、一例として2020年試験の申込期間は2019年12月16日~2020年5月11日でした。
試験は全国各地の神社庁や、神道に縁のある大学などで実施されます。詳しい試験会場は神社検定を受験したい場所の神社庁のHPを確認しましょう。
申し込み方法は郵便振替とインターネットの二種類があります。
神社検定に受験資格はある?
神社検定は年齢や実務経験などの受験資格がないため、だれでも受験することができます。
また参級と弐級は併願受験することも可能です。ただし壱級の受験だけは弐級の合格が必要なため、 いきなり壱級を受験したり他の級と併願することはできません。
神社検定はだれでも気軽に受験できる検定ですが、神社に対する愛情を持っているとより意欲的に勉強に取り組めるでしょう。
神社検定の受験料
神社検定は参級・弐級・壱級ごとに受験料が異なります。また参級と弐級は併願することで受験料が安くなり、お得に受験することができます。
具体的な金額は下記の表を参考にしてください。
級 | 受験料(税込) |
---|---|
参級 | 5,000円 |
弐級 | 6,100円 |
壱級 | 7,200円 |
参級・弐級併願 | 10,000円 |
受験料の割引もある!
神社検定は参級・弐級の併願受験以外にも 早期申込割引・リピーター割引・再挑戦割引があります。
早期申込割引とリピーター割引はWebからの申し込みのみ対象となります。
いずれも併用はできませんが、せっかくなら上手に活用してお得に受験しましょう。
神社検定の受験者・合格者の口コミ
ここでは神社検定を受験された方・合格された方のリアルな口コミを見ていきましょう。
縁あって五年前に伊勢神宮を初参拝、その荘厳さに感激し、より深く神社について知りたいと考え神社検定を受検しました。今回、神社の奥深さや記紀に描かれた古からの日本人の心の成り立ちを学ぶ機会に恵まれたことで、地元宮崎に点在している多くの神社をまた違った視点をもって参拝することが出来るようになりました。近くの神社巡りをしながら、その由緒に思いを馳せ、静謐な社に深呼吸する、そんな週末を楽しんでいます。 神社検定 受験者の声
神社が好きでよくお参りします。今まで読んだことのないような本に、神道の歴史やお祭りの意味、古の歌の言葉の美しさ、琴線を震わす歌の力、言霊、祈りの大切さを知りました。本を開くのが幸せの時、清らかなオアシスを掘り当てた気がします。親から頂いたこの命、先祖にたくさんの命に支えられ、今生かされている命を大切にすることを学び、感謝して、天地自然の誠の道を歩んでいけたら幸いと思っております。 神社検定 受験者の声
神社検定の受験者の声からは、学びを通じて心を豊かにする精神を感じ取ることができました。
神社の奥深さを感じ、新しい視点を得たいとお考えの方は、ぜひ神社検定にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
神社検定と合わせて取りたいおすすめ資格
最近流行りの検定の中に「ご当地検定」があります。東京・京都・福岡・金沢・鎌倉などの観光地等、さまざまな場所に関する検定が実施されています。
学ぶことでそれぞれ土地の神社なども知ることができます。
東京シティガイド検定
東京観光財団が年に一回実施しています。「東京の魅力を理解して国内外問わず東京を訪れる旅行者をガイドすることができるか」について知識や理解度を測るための検定です。
観光関係の仕事をしている人から、仕事でお客様に東京を案内することが多いビジネスマン、観光地などでボランティアをしている人など、さまざまな人が受験しています。
京都・観光文化検定
京都商工会議所が主催で年に1回実施しています。京都通度を測る検定で、京都の歴史・文化・産業などを幅広く学ぶことができます。
京都・観光文化検定を通して京都のことをより深く知ることで、より京都の魅力を再確認できるはずです。
京都は観光地としても根強い人気があります。京都に住む人はもちろん、京都観光や京都の文化が好きな人にもおすすめな検定です。
福岡検定
福岡市経済観光文化局観光産業課が実施しています。東京シティガイド検定とともにご当地検定の先駆けとして知られている検定です。
長い歴史の中で培われた伝統と文化、そして都市と美しい自然の魅力を併せ持つ福岡のことを学ぶことで、福岡通になって欲しいという思いから始まりました。
福岡検定のホームページでは、検定の情報以外にも楽しみながら福岡のことを勉強できる情報が満載です。
神社検定まとめ
神社検定まとめ
- 難易度は比較的低く、合格率は40~70%である
- 公式テキストから100%出題されるためテキストを中心に独学で学ぶ
- 合格するとさまざまな特典を受けられる等メリットがある
- 神社検定の知識を身に付ければ日常生活で役立つこともある
神社検定は公式テキストや過去問をしっかり勉強すれば合格を目指せる検定であり、難易度はそこまで高くありません。
知識を身に付ければ神社巡りがより楽しくなったり、日本の文化をより理解したりすることができるでしょう。
神社や御朱印、日本の文化に興味がある人はぜひ受験を検討してみてください。