気象予報士の独学は可能？独学時のおすすめ勉強法から気になる勉強時間まで徹底解説！

結論からお話しすると「気象予報士の独学はかなり難しい」です。

気象予報士の合格率は5％とかなり狭き門で、記述式の実技試験もかなり難しい内容になっています。

対策が難しいわりに合格ラインも高く、答案の完成度を高めるまでに挫折してしまう人も多いとされています。

独学の合格者もいる

気象予報士の独学は難しい要素も多いですが、独学で合格している人も少数ですが存在します。

100％不可能ということではありませんのでそこは安心してください。

とは言え、気象予報士の平均受験回数は3～5回とかなり多く、一発合格している人はほとんどいません。独学を続けた場合、何年にもわたって受け続けたとしても合格できない可能性も十分あります。

気象予報士の独学は決して不可能ではありませんが、かなり難しいです。この事実は覚えておいてください。

文系の独学はさらに厳しい

気象予報士は、基本的に理系向きの資格試験です。もし文系の人が独学で受験する場合、一般的な受験者よりもさらに難しくなるでしょう。

計算問題こそ出ませんが、気象予報士の基礎知識は完全に理系の内容です。文系出身の人がチャレンジする場合、知識の根本から徹底的に頭に叩き込まなければ、独学での合格は厳しいと言えます。

しかし、文系出身者であっても、適切な指導を受けたり、努力と時間をかけて専門的な知識と理解を深めれば、成功する可能性は十分にあります。挑戦と成長の機会と捉え、諦めずに取り組むことが重要です。

気象予報士の合格率は5%台

気象予報士の合格率は、近年は5％台が続いています。

難関国家資格として知られる税理士ですら合格率は12%～17%程度ですので、気象予報士の合格率がいかに低いかわかりますね。

気象予報士の合格率が低い理由は？

気象予報士の合格率がこれほど低い理由として考えられるのは、第一に実技試験の難しさです。合格点を超えるのがかなり難しいと言われていて、ここで挫折する人も多いです。

それ以前に、実技試験が採点されるためには学科試験の「一般」「専門」両方とも7割以上の得点を取らなくてはなりません。

学科で7割を切った場合、実技試験がどんなにうまくいっても採点されることはありませんので、これも高いハードルとなります。

ここまで難しい資格試験でありながら、気象予報士には受験資格がありません。子供から大人まで誰でも受けることができます。

中には全く勉強せずにとりあえず受けてみる人もいると思われますので、これも全体の合格率を下げる原因になっています。

独学の際の勉強時間は1000時間以上も珍しくない

初めて気象予報士の勉強をする場合、知識を身に付けるのに必要な勉強時間は800～1000時間程度が目安となります。

これだけの勉強時間を達成するには、1日3時間の勉強を休みの日も入れながら続けていって、9ヵ月～1年程度かかる計算です。かなりの長期間を勉強に費やさなくてはなりません。

また独学の場合は、疑問点が出てきた時の解決が難しいですよね。疑問点の解消に時間がかかった場合、予定通り勉強が進まない可能性もあるでしょう。

さらに気象予報士の試験は、不合格になる人のほうが圧倒的多数です。再挑戦する場合はまた半年以上の勉強期間を取る必要があります。

勉強期間はもっと長い

再受験の可能性を考えると、気象予報士の試験に合格するためには1000時間よりもさらに多くの勉強時間が必要です。

一般的に気象予報士の試験は、2年以内で合格できればかなり優秀だとされます。気象予報士の試験に挑戦する際は、何年も続けて挑戦する意気込みを持って頑張りましょう。

非常に難しい気象予報士試験ですが、独学で勉強するメリットもいくつかあります。

自分の都合で勉強量を調整できる

独学の大きな利点は、自分の裁量で勉強時間の調節ができることです。

予備校などに通った場合はカリキュラムが決まっていますので、個々のペースに合わせることができません。またスクールの場合、都合により授業に出られなければその分が無駄になってしまいます。

独学であれば、事前知識がある分野は簡単に済ませ、その分苦手な範囲に時間をかけるといった調整が自由にできますよね。

勉強量や時間配分を自分の予定に合わせられるのは大きなメリットと言えるでしょう。

ただし、自分で全てを管理するため、自己管理が求められるのも独学の特徴です。計画性や自己モチベーションの維持が不得意な人にとっては、この方法が効果的であるとは限らないため、自身の学習スタイルと目標に合った方法を選ぶことが重要です。

費用を抑えられる

資格取得において独学の最大のメリットと言えるのが費用面です。

通信講座や予備校を利用した場合、教材費以外にも人件費や交通費など、多くの費用がかかります。

対して独学の場合は、参考書やその他の教材を購入する必要がありますが、他に必要なのは模試の代金や受験料くらいです。

スクールを利用した場合との差額は一概に言えませんが、数万円以上の差があることは確実でしょう。

費用面で不安のある人にとっては、独学を選ぶことでマイナス要素がひとつ払拭できることになります。

気象予報士の独学のメリットは大きいですが、デメリットも存在します。こちらもしっかり知っておきましょう。

勉強計画を立てづらい

独学の場合、全ての勉強計画を自力で立てなくてはなりません。

自分でスケジュールを立てる時は、どうしても欲張りがちになります。実現できないほど詰め込んだスケジュールになったり、逆に演習の時間が不足していたりと、不完全な計画になることが多いでしょう。

結果として、試験の合格に必要な知識の吸収や問題演習が不十分なまま当日を迎える可能性も高いです。

特に気象予報士の試験対策は、長期戦になります。全て自力で計画を立てていった場合、かなり高い確率で壁にぶつかることが予想されます。このリスクはしっかり想定しておいてください。

やる気が続かない

気象予報士の試験対策は9ヵ月～1年とかなり長期間にわたります。この期間中ずっとやる気を持続するためには、かなり強い精神力が必要です。

一人で勉強していると、周りからの誘惑に負けそうになることも多いでしょう。難しい勉強内容に当たった時は心が折れそうになる瞬間もあると思います。

こうした挫折要因とどう戦いモチベーションを保つのかについては、事前にかなり覚悟を持って考えておく必要があります。

特に、周りに誰も気象予報士を目指す仲間がいない場合は孤独感が強まります。何のために気象予報士試験を受けるのかという目的が定まっていなければ、最後まで頑張るのは難しいかもしれません。

質問環境が整っていない

気象予報士の学科試験では、かなり専門的な内容が問われます。また、実技試験では的確な気象予報文を書かなくてはなりません。

こうした内容は普段の生活で身に付くことはほとんどないですので、独学を進める中では疑問点が多く生じてくることでしょう。

しかし独学だと、疑問点をどう解決すべきかわからないですよね。特に初学者の場合、調べ方すらわからない場合も多いと思います。

疑問点が解消されないと負債のように積み重なり、学習計画を圧迫します。気象予報士試験に独学で挑戦する場合は、こうした危険もあることを知っておきましょう。

気象予報士試験に独学で合格している人も、少数ながら存在します。

気象予報士の独学に向いているのはどんな人なのでしょうか。

理系の知識になじみのある人

気象予報士試験は、大気や力学に関する内容が多く出題されます。

これらは理系分野の知識ですから、理系の知識にある程度なじみがある人は気象予報士の勉強を有利に進めることができるでしょう。中でも、気象に関連する知識があると、専門試験や記述問題に活かされます。

逆に文系出身者などでこうした専門知識が全くない場合は、つまずく人も多いです。特に力学は、理系出身でも苦手とする人がいるくらいです。何も知らない状態で独学で勉強するにはかなりハードルが高いでしょう。

理系分野の知識面でアドバンテージがあるかどうかは、気象予報士の試験勉強を進める上ではかなり大きな差になると言えます。

難関試験に合格した経験のある人

仮に文系出身者でも、他の難関試験に合格した経験がある人は、気象予報士試験の勉強もスムーズに続けられるでしょう。

特に難関試験の合格を掴み取った経験があると、気象予報士の独学にもその経験が活かされます。

独学で難しい勉強をした経験があれば、知識をインプットするための勉強法やペース配分も身に付いています。試験直前の焦燥感なども経験していますから精神的な体力も備わっていることでしょう。

資格試験ではなく大学受験でも同じです。自力での勉強で実力をつけ合格をした経験のある人は、気象予報士の独学にも向いていると言えます。

気象予報士試験に独学で挑戦すると決めたら、まずはテキストを購入しましょう。

この段落では気象予報士試験の独学におすすめのテキストをご紹介します。

「気象予報士かんたん合格テキスト」シリーズ

「気象予報士かんたん合格テキスト」シリーズは、「学科・一般知識編」「学科専門知識編」「実技編」と、3冊の構成になっています。

＜学科・一般知識編＞

基本から気象学について解説されています。数学や物理も基礎から学ぶことができますので、初学者にも優しい内容になっています。

＜学科専門知識編＞

気象予報士試験の「学科専門知識」に特化した1冊です。改定された内容や新たに追加された分野も網羅されていますので、一般知識編と一緒にしっかり勉強してください。

＜実技編＞

天気図の読み方や作図対策など、気象予報士試験の実技対策ができる内容です。カラー問題や作図問題に対応できるように練習問題も充実しています。

それぞれ300～600ページ強とかなり厚いテキストになっていますが、気象予報士の膨大な試験範囲全てに対応した内容ですので、独学を進める上では心強い味方になってくれることでしょう。

テキスト選びで気を付けたい点

資格試験全般に言えることですが、テキストは自分の事前知識に見合ったものを選びましょう。

特に初学者の場合は、くれぐれも難しい参考書を選ばないように注意してください。はじめから難しい内容に触れてしまうと、専門用語の言葉のニュアンスを取り違えてしまう危険があります。

まずは簡単な参考書を手元に置いて、基礎知識を身に付けることに集中してください。

最新版を必ず買う

気象予報士試験に限らず、資格試験は毎年傾向が多少なりとも変化します。中古などで前年度以前のテキストを買ってしまうと、古い知識が定着してしまい、不本意な結果になることもあるでしょう。

テキストは必ず最新版を購入して、最も新しい知識を身に付けてください。

同一シリーズを使う

資格試験の勉強をする際、できる限り同じシリーズの教材を揃えることをおすすめします。

他のシリーズの教材を混ぜると、内容に重複や漏れが出る原因になります。解説の方向性も異なりますので、混乱してしまうかもしれません。

気象予報士試験については、先ほどご紹介した「気象予報士かんたん合格テキスト」シリーズが最もおすすめです。もし他のシリーズで気に入ったものがあれば、そちらで統一してそろえてください。

勉強補助アプリはスキマ時間の学習に有効

最近は気象予報士試験の教材アプリが色々と配信されています。ぜひ活用しましょう。

学習補助用のアプリを使うと、スマホでいつでも勉強することができます。通勤や通学中の電車、バスでも手軽に勉強できますし、重くてかさばる参考書を持ち歩く必要もありません。

学習アプリは、長時間考え込むような問題ではなく一問一答で構成されているものも多いです。知識の定着や確認に限定されますが、かなり効率良く勉強できるでしょう。

ここでは、気象予報士試験の独学をする際に最もおすすめの勉強法をご紹介します。

スケジュールを立てる

気象予報士試験の独学を行うには、最低でも1年ほどの期間をかけなくてはなりません。

かなり長期間の計画になりますので、まずは「やるべき内容」と「こなさなければならない勉強量」を明確にすることから始めてください。

全体の勉強量が見えたら、3ヵ月単位でどこまで進めるか区切っていきましょう。その後で1ヵ月単位、1週間単位と細かく割り振っていくことで、綿密なスケジュールを立てることができます。

余裕を持ったスケジュールを

長期にわたる勉強ほど、計画どおりにいかないものです。

スケジュールを立てる時は時間に余裕を持って組み込んでいってください。途中で遅れが出た時に調整できるよう、一定期間ごとに数日のバッファー（余白）を作っておくと安心です。

ただし、期間を長く取るあまりモチベーションが維持できないことのないように気を付けてください。ある程度進んだら出かける予定を作るなど、自分へのご褒美を設定すると良いでしょう。

気象知識を中心にインプット

気象予報士試験は基礎知識のインプットが非常に大切です。ここでどのくらいインプットできるかが、以降の勉強の進み具合に大きく関わります。ある程度長い時間をかけて良いので、腰を据えて勉強してください。

まずは1冊テキストを決めて、2～3周程度くりかえしながら気象学の原理をしっかり理解していきましょう。

気象学はかなり専門的な内容になりますので、初めて学習する人は易しい内容のテキストで勉強を始めるのがおすすめです。

細かい部分で立ち止まらない

参考書を初めて読む時には、わからない内容もかなり多く出て来ると思います。しかし最初はあまり気にせずに最後まで読み切ってください。

全体像が一通り目に入れば、細かい部分の理解度も上がってきます。2回、3回とテキストを読んでいくうちに、疑問点は徐々に解消されていくでしょう。

演習問題への挑戦はテキストを何周かして、ある程度知識が身に付いた後にすることをおすすめします。

学んだ知識をアウトプット

テキストの内容が身に付いてきたと思ったら、練習問題でアウトプットをして確認しましょう。

ある程度理解できたと感じていても、いざ問題を解いてみると知識の抜けや解釈の間違いに気付くものです。

間違った問題やわからなかった範囲については、もう一度テキストを読み返して理解を深めましょう。次に同じ問題が出た時に絶対に間違えないようにすることが大切です。

このアウトプットにもできるだけ時間をかけてください。ここにどのくらい時間を割けるかが合否を分ける大きな要因と言われていますので、はじめからスケジュールに組み込んでおきましょう。

実技試験はとにかく量をこなす

実技試験では、実際の気象予報士の業務を想定した内容が出題されます。気象現象を予想したり解析するといった特殊な内容になりますので、しっかり時間を割いて練習量をこなしましょう。

内容は全て記述式で、天気図の解析や予報の具体的な説明など、かなり詳細に論じなくてはなりません。

学科試験で身に付いた知識をフルに使って、わかりやすくアウトプットする能力が求められます。

実技の能力を身に付けるコツは、天気予報に関する実際の文章を見ながら真似をして練習することです。どのように表現すれば伝わるかが体で理解できるまで、繰り返し実践してください。

難関資格に挑戦するからには、資格を取った後にメリットが欲しいですよね。

気象予報士の資格を取ることのメリットも知っておきましょう。

初対面にも覚えてもらいやすい

気象予報士はかなり有名な国家資格です。一般的にも難関資格であることが知られていますので、「気象予報士の資格を持っている」と言えばかなり注目されることでしょう。

仮に気象関係の企業で働くわけではなくても、「気象予報士の○○です」と自己紹介をすれば、名前と顔を覚えてもらいやすくなります。特に営業の仕事に就く場合などは、大いに役立つことでしょう。

このめだけに気象予報士の資格を取るわけではありませんが、結果として仕事の場面で有利になります。合格した際にはぜひ活用してください。

また、気象予報士の資格は専門的な知識を持つ証でもあり、信頼性や誠実さを示す要素となるため、多岐にわたる業界でのキャリア形成に寄与する可能性もあると言えるでしょう。

話題作りがしやすい

雑談の基本は天気の話だと言われるように、気象については多くの人が関心を持っています。誰かにとって気まずい情報でもありませんので、多くの場面で話題作りに役立つでしょう。

初対面でも「私は気象予報士です」と言われれば、天気について質問したくなりますよね。今日これからの天気や、明日、明後日の天気、夏冬の気温など、話題がなくなることはありません。

気象予報士ならではの面白い視点で天気を解説することができれば、好感度が上がることは間違いないでしょう。

多様な職種につける

気象予報士というと「お天気キャスター」や「気象予報会社」への就職が一般的ですが、実は気象予報士が就職できる業種は他にも数多くあります。

「環境コンサルタント」「気象予報士受験者用の家庭教師」といった気象に関する仕事はもちろんのこと、地方自治体でも災害防止の部署で活躍できます。

また、気象の変化は色々な商品の売れ行きに関わると言われています。

傘を始めとした雨具の生産・販売業者でも気象予報士の力は活かされますし、「天気予報をもとに服のコーディネート情報を提供する」というようなビジネスも展開できるでしょう。

気象予報士の資格は希少価値がありますから、貴重な人材として良い待遇で迎えてもらえる可能性が高いです。

ぜひ幅広い業種で、気象予報士の資格を生かしてください。

ここまで独学での勉強法について詳しく紹介してきましたが、気象予報士は試験の難易度が高く合格率は5%程であるため、これらの方法を実践しても合格するのはかなり難しいのが現状です。

また、上記の方法を実践するのは初心者の方ではハードルが高すぎることから、試験での合格を狙うなら基本的には通信講座の受講をするのが無難でしょう。

通信講座なら、合格に必要な知識をもれなく身につけられるように随所に工夫がなされており、初心者でも合格に近づきやすいです。

また、費用面でもネックにならない価格で受講できる講座もあることから、費用面で独学に切り替えようとしていた人も安心できます。

ユーキャンの通信講座がおすすめ

気象予報士試験の通信講座を受講するならユーキャンの気象予報士講座がおすすめです。

ユーキャンは講座価格が69,000円（税込）と、相場の半分程度の価格で受講できる点が大きな強みです。

また気になる教材のクオリティも高いものとなっており、テキストはイラストや図を豊富に用いて解説がなされており、知識を理解するための工夫が随所に施されたものとなっています。

他にも魅力の詰まった講座となっているので、ぜひユーキャンの気象予報士講座を受講してみてはいかがでしょうか？

気象予報士は受験資格がなく、誰でも受けられる試験です。その代わり合格率は5％と非常に低いですので、独学の場合は長期戦を覚悟の上で勉強に向き合いましょう。

どうしても一人での勉強法が難しい場合は、通信講座も検討してみてくださいね。

計画的に勉強を進めて、素敵な気象予報士になりましょう！