気象予報士の難易度が難しいって本当?合格率や合格点・勉強時間の観点から徹底考察!

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「気象予報士の難易度は高いのか?」

「合格率・合格点・勉強時間はどれくらいなのか?」

そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

気象予報士の難易度がかなり高いと言われていますが、実際にはどうなっているのか気になる方もいるでしょう。

この記事で気象予報士の難易度について、詳しく解説していきます。また、合格率・合格点・勉強時間も紹介してきましょう。

気象予報士の難易度についてざっくり説明すると

  • 気象予報士の難易度はかなり高い
  • 試験範囲は広い
  • 実技試験が最大の難関

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気象予報士の難易度はかなり高い

難易度は難しい

気象予報士は難易度がとても高く、他の資格試験と比べても難しい資格です。試験の合格率は5%前後となっており、他の国家資格よりも難易度が高いことが数値からも分かります。

難易度がとても高い資格のため、1回で合格することは難しいです。合格者の受験回数は平均で3回から5回となっています。

ここでは、気象予報士の難易度が高くなっている理由を説明していきましょう。

気象予報士は試験範囲が膨大

まず、気象予報士の試験は学科試験が一般試験・専門試験と実技試験の3つに分かれています。学科試験は一般試験と専門試験の2つがあります。

また、出題形式は学科試験がマークシート形式で、実技試験が記述式です。学科試験と実技試験では出題形式が異なっているので、覚えておきましょう。

学科試験(一般)

学科試験の一般は主に「大気構造」・「気象現象」などが問われるようになっています。気象の知識のみならず、物理学・化学の基礎的知識まで問われるでしょう。

他にも以下のような知識が求められます。

  • 降水過程
  • 大気における放射
  • 大気の力学
  • 気象現象
  • 気候の変動
  • 気象業務法その他の気象業務に関する法規

更に計算問題なども出題されるので、しっかりと試験対策をする必要があります。

学科試験(専門)

続いて、専門では気象予報をするための専門知識を必要となります。また、気象予報の業務の専門的な知識も問われるでしょう。

しかし、一般のように計算問題は問われないので安心しましょう。計算ではなく、多くの知識を求められるため、どれだけ暗記できるか重要なポイントです。

具体的に以下のような知識が必要となります。

  • 観測の成果の利用
  • 数値予報
  • 短期予報
  • 中期予報
  • ⻑期予報
  • 局地予報
  • 短時間予報
  • 気象災害
  • 予想の精度の評価
  • 気象の予想の応用

こちらでも多く知識が必要なため、暗記が大事です。

実技試験は最大の難関

実技試験に関しては、業務を想定した気象現象を予想・解析することが問われるます。出題形式は記述式で、天気図の解析から始まり予報の説明まで具体的な解答が求められるのです。

気象予報士の実技試験は、学科試験の知識と業務で使用する資料の読解能力も必要です。この実技試験が気象予報士で最も難関になっており、多くの勉強時間を必要となるでしょう。

具体的には「気象概況及びその変動の把握」・「局地的な気象の予報」・「台風等緊急時における対応」などが求められます。

気象予報士試験の受験資格は?

気象予報士の試験は受験資格はなく、誰でも受験が可能になっています。難易度の高い試験でも、受験資格がないので受験するタイミングを選ぶことができるのです。

過去の受験者の中には、11歳の方が試験に合格していることもあります。老若男女問わず多くの方が受験できる試験のため、気象予報士の試験は幅広い層の受験者がいるのです。

免除要件で負担が軽くなる場合も

試験を受ける方の中には、学科試験が全免状もしくは一部免除になる場合があります。

以下が気象予報士の試験の免除要件です。

免除条件 免除範囲(学科試験)
合格発表日から1年以内に行われる試験で、合格した科目がある方 全免除もしくは一部免除(学科試験)
防衛省・気象庁の養成課程を修了して、気象業務の業務経験が3年以上の方 全免除(学科試験)
気象事業者上級職員特別講習を修了して、気象業務の業務経験が3年以上の方 全免除(学科試験)
技術士の登録して、気象業務の業務経験が3年以上の方(※技術士の登録は応用理学部門に限ります。) 全免除(学科試験)
国の行政機関で気象庁長官が定めている予報業務を7年以上行った方 全免除(学科試験)
気象庁の養成課程を修了して、国の行政機関で観測業務を3年以上行った方 全免除(学科試験)
気象事業者上級職員特別講習を修了して、国の行政機関で観測業務を3年以上行った方 全免除(学科試験)
国の行政機関で気象庁長官が定めている観測業務を7年以上行った方 一部免除(学科試験)

免除要件の中にある「合格した科目の試験が1年以内は免除」に関して、複数回試験を考えている人は積極的に使うようにしましょう。

気象予報士の難易度は偏差値で言うと?

気象予報士の試験の難易度はかなり難しく偏差値になると64です。この数値を他の難関国家資格と比べると、社会保険労務士が65・中小企業診断士は67になっています。

難関国家資格の社会保険労務士・中小企業診断士と比較しても、気象予報士の資格の難易度はかなり高くなっています。この資格を習得するためには相当な時間と労力が必要になるでしょう。

難易度を他の観点から考察

他の視点から考える

気象予報士の資格の難易度はかなり難しくなっていますが、他の視点から見るとどのように感じるのか気になるでしょう。

ここでは、気象予報士の試験の合格率・合格点・勉強時間について解説していきます。難易度以外を見ていくことで、試験に対する捉え方がかわってくるでしょう。

気象予報士の合格率は5%前後

気象予報士試験の第40回~59回(2013年~2022年)までの合格率の推移は以下のとおりです。

データ出典:一般財団法人 気象業務支援センター

難関国家試験の気象予報士の合格率は5%前後の数値です。例を挙げると受験者が100人の場合、5人しか合格しない計算になります。この試験が狭き門であることが伝わってくるでしょう。

近年ではこの数値を推移しており、安定した合格率になっています。今後の気象予報士試験の合格率が上がる傾向は見られないでしょう。そのため、合格率5%前後の数値はこれからも続くはずです。

この試験は合格率がかなり低く、合格するのは大変でしょう。気象予報士の資格を習得したい方は現状を把握して、試験勉強に臨むようにしましょう。

気象予報士の合格点は高い

学科試験の一般と専門の合格基準は両方とも15問中11問以上になっています。この基準を得点率にすると約73%で、他の試験に比べると高い数値になっているでしょう。

一方、実技試験に関しては合格基準が総得点の70%以上です。学科試験の一般と専門とも7割を超えているので、ハードルが高いことが分かります。高い基準に達するためには相当な努力が必要になるでしょう。

合格点は試験の難易度によって、調整される場合があるので多少変わる可能性があります。

必要な勉強時間は長い

気象予報士の試験を初めて受ける方が勉強するべき時間は、800時間から1000時間が目安です。これは1日3時間ほど勉強を勧めた場合、9カ月から1年ほどかかるようになります。

試験勉強を毎日続けていくことが難しい方もいるはずなので、休みを考慮すると最低でも9カ月の期間は必要でしょう。ちなみに学科試験の理系の知識や気象の知識をすでに学んでいる方は、目安の勉強時間よりも短くなります。

他の国家資格と勉強時間の目安を比べてみると、社会保険労務士が800時間から1000時間、中小企業診断士が1000時間以上です。気象予報士の試験は、他の難関国家資格と同じぐらいの勉強時間となっています。

気象予報士の受験年齢層は高い

この試験は幅広い層の方が受験していますが、複数回受験していることが多いです。1度で合格することは難しいため、2回以上の受験が当たり前になっています。

また、年齢層の高い方は仕事やプライベートの両方で忙しくなるため、合格率が低くなっています。一方、気象予報士の試験勉強に集中できる方は合格しやすいでしょう。

気象予報士の難易度を他の国家資格と比較

他の資格と比べる

難関国家資格である気象予報士ですが、他の国家資格と比べると難易度はどうなっているのか見ていきましょう。

同じ国家資格である「行政書士」・「社会保険労務士」・「中小企業診断士」の3つについて、それぞれの情報を説明してきます。

行政書士

難易度の高い国家資格である行政書士は合格率が10%前後です。一時期の合格率は1桁となっており、低い数値が続いていました。しかし、近年では合格率が2桁を継続しているのです。

この試験の難易度を偏差値で表すと60で、勉強時間の目安が600時間ほど必要です。初めて受験する方は、勉強時間を800時間ほど確保すると良いでしょう。

行政書士の試験は「法令科目」と「一般知識」の2つに分かれています。合格基準は「法令科目が122点以上」・「一般知識等科目が24点以上」・「全体が180点以上」と3つです。

気象予報士と比べると、行政書士の方が全体的に見ると易しくなっています。

社労士

社会保険労務士は合格率が約6%で、偏差値が62です。近年、合格率が2桁を超えたことがなく、「行政書士」・「宅地建物取引主任者」よりも難易度が高い試験になっています。

ちなみに2015年の社会保険労務士の試験は合格率が2.6%と、かなり低い数値です。

合格ラインについては「選択式試験」・「択一式試験」で分かれています。

「択一式試験」の合格ラインは40点中23点前後と得点率が70%以上です。科目別で見ると各科目で5点中3点が合格ラインになっています。

「択一式試験」の合格ラインは、総合得点の70点中で41点から49点の間です。「選択式試験」と同じく70%以上の得点率が合格ラインになっています。また、科目別では、10点中4点が合格ラインです。

勉強時間の目安としては、1000時間ほどとなっています。社会保険労務士の試験は試験範囲が広いため、相当な期間を確保する必要があるのです。

社会保険労務士と気象予報士の難易度を比べると、合格率では気象予報士の方が難しくなっています。

しかし、勉強時間は社会保険労務士の方が長くなっているのです。どちらの試験も難しいといえるため、同じレベルになるでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士の試験の合格ラインは、700点中420点以上の60%以上になっています。更に、1科目でも得点率が40%未満があってはいけません

この試験は「1次試験」・「2次試験」があり、両方とも合格率が20%前後です。試験全体の合格率としては4%前後で、難易度が難しい資格といえるでしょう。

勉強時間の目安は「1次試験」・「2次試験」の両方を合わせて、1000時間ほどです。

気象予報士と比べると、合格率・勉強時間の面では中小企業診断士の方が難しくなっています。しかし、合格点に関しては気象予報士の方がハードルが高いです。

総合すると「中小企業診断士」・「気象予報士」とも同じぐらい難しい資格と言えます。

気象予報士の取得は今がおすすめ

おすすめの理由

難易度の難しい気象予報士試験の受験者数は減少しています。それには理由があり、資格取得したとしても仕事に繋げにくいとイメージが強いからです。実際には、気象予報士の資格を取得すると多くのメリットがあります。

気象予報士の資格を習得した時のメリットについて、説明していきましょう。

つける仕事は多くある

この資格を習得後に仕事に活かせる機会が意外と多くあります。「気象予報会社」や「お天気キャスター」のみならず、他にも活かせる仕事を紹介しましょう。

「お天気キャスター」は、気象予報士の仕事として最も有名な仕事です。この仕事は、気象庁から送られてきたデータを視聴者へ伝えます。

「民間気象予報会社」は、民間の気象予報会社で「気象予報業務」・「気象予報のためのシステム構築」・「新たなサービスの考案」の仕事を行います。

「環境コンサルタント」は、環境保全に必要な情報を提供する仕事です。

他にも「地方自治体」・「気象情報サービス会社」・「セミナー講師」・「製品開発」・「気象予報士受験者向け家庭教師」などの仕事に活かすことが可能になっています。

顔を覚えてもらえる

難関国家資格の気象予報士は知名度が高く、取得していると注目を受けやすくなっています。合格することが難しい資格のため、資格の保有者は一目置かれやすくなるでしょう。

仕事をする時に気象予報士の資格を持っていると名前・顔を覚えてもらいやすくなるでしょう。営業で様々なクライアントと交渉する場面では、アピールするポイントや信頼性が高くなるはずです。

他の営業担当者と差をつけるためにも、気象予報士の資格は絶大な効果があるでしょう。

話題作りにも最適

気象予報士の資格を習得していると、話題作りとしても最適になっています。当日の天気の話など、何気ない会話から話を盛り上げることが可能です。会話の内容に悩む場合があると思いますが、天気のことなら話しやすくなります。

また、具体的なことを質問された場合に的確な返答ができれば、相手からの信頼度も上がるでしょう。

気象予報士の独学は厳しい

独学は難しい

ここまで気象予報士の試験について、様々な項目に分けて説明してきました。難関資格で合格するためには専門的な知識を学ぶ必要があります。そのため、他の資格試験に比べて独学での合格が難しくなっています。

更に独学は、1人で勉強するのでモチベーションを保つことが大事です。自らスケジュールを管理しながらし勉強を進めていかなければなりません。

独学の場合は複数回受験することになってしまう可能性が高いため、通信講座・予備校を利用して一発で合格を目指すと良いでしょう。

続いて、気象予報士の試験勉強で大事なポイントを紹介していきます。

気象予報士の勉強をする際に押さえるべきポイント

気象予報士の試験勉強をする時には、抑えておく大事なポイントがあります。そのため、やみくもに勉強を進めては合格することが難しいでしょう。

大事なポイントをしっかりと抑えて、計画的に試験勉強を行うようにしましょう。

学習スケジュールを守って勉強

予備校・通信講座を利用すると、すでにある程度のスケジュールを立てています。やみくもに試験勉強をするのではなく、スケジュール通りに勉強ができるためストレスが軽減するでしょう。

試験に合格するのに大切な点は、継続的に勉強を行っていくことです。勉強のスケジュールが決まっていることで合格までの道筋ができており、勉強がしやすい環境にも繋がるでしょう。

気象予報士の試験に合格するには、継続的な勉強が必要となります。

モチベーションを保ち続ける

この試験の勉強期間の目安は、9か月から1年ほどになっています。短期的ではなく、長期的な期間が必要となるので明確な意思を持っておきましょう。それは合格するという目標を持つことです。

試験勉強を継続的に行っていく時は、高いモチベーションを維持する必要があります。モチベーションを維持することができなければ、試験前に挫折してしまう可能性もあるでしょう。

モチベーションを維持していく方法としては、ライバルとなる存在や短期的な目標を見つけていくことです。

網羅的な学習を心がける

気象予報士の試験には、大きな特徴が2つあります。

それは「過去に出題されていない問題を出す傾向」・「入手困難な資料を使った出題を出す」です。過去の問題が出題されてにくく、試験対策が簡単ではありません。

頻出する問題を絞ることが難しく、全体的に多くの知識を覚える必要があるのです。多くの知識を覚えるために多めの時間を確保するようにしましょう。

過去問をやりこむ

気象予報士の試験対策として、問題の傾向に慣れることが大事です。本試験で自らの実力を存分発揮するためには、1問でも多く問題を解いておくべきです。

過去問を何度も解くことで本試験のペースや苦手な部分を把握することができます。出題範囲が広くなっているので、苦手な分野を作らないように全体的に知識を身につけるようにしましょう。

また、実技試験に関しては時間内で終わらないことが多く、過去問で慣れることが大事になります。

気象予報士対策におすすめのテキスト

気象予報士試験のおすすめテキストとして、「気象予報士かんたん合格テキスト」シリーズをおすすめします。

気象予報士かんたん合格テキスト 〈学科・一般知識編〉
2398円
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このシリーズは一般知識・専門知識・実技試験の合わせて3つに分かれており、特に学科試験の2冊では、初めての人でもわかりやすく解説されている点が大きな強みでしょう。

また、文系の受験者も想定して、抵抗感を強く持ちがちな物理や数学の基礎も丁寧に解説してあることから、基礎を身につけたい多くの人におすすめできる1冊です。

通信講座はユーキャンがおすすめ

気象予報士試験は合格率5%の難関なので、独学での合格は非常に厳しいでしょう。よって、基本的には通信講座で確実に合格を狙いに行くスタイルをおすすめします。

わかりやすい解説はもちろん、実技試験で必須の添削指導や質問対応などを受けることができるなど、通信講座には多くの魅力が存在するのです。

資格Timesでは、通信講座の受講の際にはユーキャンの気象予報士講座の受講をおすすめしています

ユーキャンは初心者でもわかりやすい図表を豊富に使ったテキストや、充実の実技試験対策が大きな売りであり、基礎知識習得から実技試験における応用的な実力錬成までまで幅広く対応できます。

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ぜひ気象予報士対策を始める際には、ユーキャンの講座を使ってみてください!

気象予報士の難易度についてまとめ

気象予報士の難易度についてまとめ

  • 勉強時間の目安は、800時間から1000時間
  • 独学での合格は難しく、通信講座・予備校がおすすめ
  • 気象予報士の資格を活用できる仕事は多くある

この記事では気象予報士の難易度について、詳しく解説してきました。

他の難関国家資格と同じぐらい難しい気象予報士の試験に合格するためには、相当な努力が必要になるでしょう。

試験勉強の期間が長くなるので、モチベーションを保ち続けることが大事です。

難関国家試験の気象予報士の資格を習得できるように、頑張っていきましょう!

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