チーズプロフェッショナルの合格率はどれくらい?難易度や勉強のコツも併せて解説!

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「チーズプロフェッショナルってどのくらい難しいの?」

「試験対策はどうすればよいの?」

と疑問に思っている方はいませんか?こちらの記事では、チーズプロフェッショナルの難易度や試験の出題内容、対策方法について解説していきます。

おしゃれなレストランやバーでお酒を飲むとき、 「このワインなら、こちらのチーズがおすすめですよ」などと店員に選んでもらうのも良いですが、自分でチーズの違いを知って選べると、より自由に食事を楽しめます。

また、小売店でチーズを販売する側として働く方は、種類と味を把握していれば、買い物客の好みに応じたチーズを勧めることができます。

チーズプロフェッショナルの資格があれば、このような状況でも安心です。

チーズプロフェッショナルを取得すると、飲食店や小売店に勤める方は自信を持ってチーズの提供ができ、チーズの好きな方はタイプ別の食べ頃を知ることで、適した食べ方ができるようになります。

チーズプロフェッショナルについてざっくり説明すると

  • チーズプロフェッショナル協会(C.P.A)が主催のチーズソムリエ資格である
  • 試験範囲は公式テキスト「チーズの教本」と基本講習会の講義内容など
  • 覚えることが多く、記述式のため難易度は高め
  • チーズ認定講師資格取得を指導する講座も存在

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チーズプロフェッショナル資格認定試験の合格率・難易度は?

チーズの多いピザ

チーズの専門家といわれるチーズプロフェッショナルの資格認定試験は、一次試験と二次試験で構成されています。

試験がどのように行われるのか、合格率や難易度はどのくらいなのかについて見ていきましょう。

チーズプロフェッショナルの一次試験は幅広い知識が必要

チーズプロフェッショナルに合格するためには、チーズに関する幅広い知識を身につけている必要があります。

試験問題は、公式テキスト「チーズの教本」から出題されます。毎年最新刊が出るとは限りませんので注意しましょう。

チーズの教本2023~2025
4730円
チーズの教本2023~2025
4730円

なお、教本は4章で構成されており、文化史・原料・製造・生産と消費という知識面、世界で作られるチーズの数々、チーズの販売・サービス方法、栄養価と健康・テイスティング・料理・飲み物との合わせ方などが主な内容です。

一次試験は120分の試験時間で、チーズの種類や歴史・栄養などの幅広い問題が出題されます。問題の70%以上に正解すると、一次試験は合格です。

試験は記述式のため、正確さがもとめられる

試験問題のほとんどが選択問題ですが、マークシート方式ではなく全て記述式です。誤字や脱字についても厳しく確認され、誤字・脱字があると得点になりませんので、一字一句注意して正確に書きましょう。

例えば試験では、チーズの名前を原語で書く問題やチーズの製造に用いられる道具の名称などが問われます。また、殺菌する理由を簡潔に書くという問題も出題されるので、なんとなく知識を覚えているだけでは太刀打ちできません。

中には、指定された言葉をすべて使って200~250文字で説明するといった文章問題もあるので、問題を正しく把握できる読解力と、適切に答えられる表現力をつけておきましょう。

一次試験の合格率は45~60%

一次試験の合格率は、チーズプロフェッショナル協会(C.P.A)の公式サイトに掲載されています。

一次試験について、過去3回分の結果を表にしました。

受験者数 合格者数 合格率
第23回(2022) 442名 241名 54.5%
第22回(2021) 403名 176名 43.7%
第21回(2020) 347名 217名 62.5%

表から分かるように、 一次試験の合格率は45~60% と言えます。

二次試験はテイスティングが出題される

二次試験は、前年に行われた二次試験に合格できなかった人と、本年度の一次試験に合格した人が受けられます。前年の一次試験合格者は、本年度の一次試験が免除されます。

チーズプロフェッショナルの二次試験では、チーズのブラインドテイスティングと、客にチーズを販売する際の会話など、実務に関する論述問題が出題されます。二次試験でも一次試験と同様に誤字・脱字には注意しましょう。

また、チーズについての時事問題も出題されることがあるため、常に新しい情報を覚えておくと良いでしょう。

後で二次試験の時間は一次試験よりも短く60分です。二次試験の合格ラインも一次試験と同じで、合格には70%以上正解する必要があります。

二次試験では表現力とアウトプット能力がカギ

ブラインドテイスティングでは2~6種類のチーズを試食して、外観・テクスチャー・風味を的確に表現できるかが問われます。

テクスチャーの欄には「しっとりしている」「硬くて割れやすい」といった触感と「口溶けがよい」「噛みごたえがある」などの食感を、風味の欄には香りと味の特徴を別々に書き出します。

その次に、テイスティングしたチーズについて乳種や保存方法、製造時の凝固方法などを記述しますが、受験する年によって問われることが変わるため、特徴から製造・保存方法などを幅広く押さえておきましょう。

ほかには、チーズの製造工程や歴史、専門店で接客する店員の言葉を穴埋めする問題などがあります。二次試験では特に、実務的な表現力と要領よく説明できるアウトプット能力が重要です。

二次試験の合格率は30~45%

二次試験についても一次試験同様に、過去3回分の結果を表にしました。

受験者数 合格者数 合格率
第23回(2022) 296名 99名 33.4%
第22回(2021) 190名 124名 46.6%
第21回(2020) 190名 122名 41.4%

表から分かるように、 二次試験の合格率は30~45% と言えます。

チーズプロフェッショナルの難易度は?

チーズプロフェッショナル試験では、知識に加えて、二次試験ではテイスティング能力も要求されます。そのため、対策することも多く、総合的に難易度は高いほうだと言えます。

合格率の割に難易度が高いのは、一次・二次ともにテストがすべて記述式で行われるためです。記述式では、制限時間内に自分自身で伝えたいことをまとめなければならず、選択式マークシートよりも格段に難易度が上がります。

記述式に慣れるためには、日頃から感じたものや触れたものについて、自分でどう表現するかを考えてアウトプットする習慣を身につけておきましょう。

チーズをお客様に提供する業務という前提から、真摯で適切な応対を求められるため、チーズプロフェッショナルはひときわ採点基準が厳しい試験です。

誤字脱字はもちろん、殴り書きや字数稼ぎのように冗長な文脈や回答枠からはみ出すなど、的確さや丁寧さに欠ける箇所がある場合は、記述内容が正しくても減点・不正解となることがありますので注意しましょう。

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チーズプロフェッショナルの実用性は?

チーズ専門店

ここで、チーズプロフェッショナルの資格が持つ実用性について触れていきます。

チーズプロフェッショナルが活かせる仕事は?

チーズプロフェッショナル資格認定試験を受験するのは、専門店やデパートなどでチーズ販売に携わる人や、チーズが好きでさらに専門的な知識を身につけたい人がほとんどです。

取得したチーズプロフェッショナルの資格は、チーズの販売店以外にも、チーズ料理を提供するレストランなどの飲食店や、バーなどで活かすことができます

チーズプロフェッショナルの資格は、チーズの製造過程、種類、風味の違い、ペアリングなどの深い知識を持つ証であり、その専門性はチーズ愛好者からの信頼を高め、ビジネスチャンスを広げるためにも有効です。

ダブルライセンスで需要UP

チーズプロフェッショナルのほかに栄養士・管理栄養士や、食育インストラクター、食育メニュープランナーといった資格を併せて取得すると、レストランや飲食店で、栄養バランスの取れたメニュー開発ができます。

さらに、チーズとセットで楽しむワインの関連資格であるソムリエやワインエキスパートを取得すると、バーなどでの活躍の場が広がります。

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チーズプロフェッショナル資格認定試験の試験概要

講義を受ける人々

この章では、チーズプロフェッショナル資格認定試験の範囲や日程、受験資格などを挙げます。しっかりと確認しておきましょう。

チーズプロフェッショナル一次と二次試験の試験範囲

一次試験と二次試験の試験範囲は以下のとおりです。

一次試験

  • 公式テキスト「チーズの教本(約240ページ)」の内容
  • 基本講習会の講義内容
  • チーズに関連する常識的な事項や、業界の時事トピックス

二次試験

  • 一次試験と同範囲(教本の内容など)
  • ブラインドテイスティングによるチーズの識別
  • チーズの販売やサービス現場で起こりうること

チーズの教本は、チーズプロフェッショナル協会の公式サイトでも直販しています。ただし、直販部数には限りがあるので注意しましょう。

チーズプロフェッショナル資格認定試験は年に一度

チーズプロフェッショナルの受験チャンスは年に一度です。例年、一次試験は7月頃、二次試験は10月頃に行われますが、社会情勢などで変更する場合もあるため、正確な日程は、協会公式サイトでご確認ください。

一次試験は札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5都市で開催します。しかし、二次試験は東京か大阪のどちらかを選ぶこととなるので、移動時間や交通費も考慮に入れておきましょう。

チーズプロフェッショナルの受験資格は協会会員となること

チーズプロフェッショナル資格認定試験を受けるには、受験する年度のC.P.A.全期会員となることが必須条件です。半期会員や賛助会員の場合は受験できません。

また、「チーズ検定」に合格している「コムラード・オブ・チーズ」の人でも、チーズプロフェッショナルを受験するには、全期個人会員の登録を済ませる必要があります。

二次試験は、その受験年度と前年度の一次試験合格者が受験できます。前年度の一次試験に合格して本年度の二次試験を受ける方も、全期会員登録を忘れないようにしましょう。

チーズプロフェッショナルの受験料

チーズプロフェッショナルの一次試験の受験料は、税込11,000円です。

二次試験の受験料は、その年度の一次試験合格者は不要ですが、前年度の一次試験合格者は6,600円かかります。

二次試験の合格後、認定登録料11,000円を支払うことで「認定チーズプロフェッショナル」としての活動ができるようになります。

チーズプロフェッショナルの合格者特典

チーズプロフェッショナル認定試験に合格したあと、認定証明書が交付され、資格者としての登録が行われます。認定登録料を支払うと、デュプロム(※)と呼ばれる認定証や銀色のおしゃれなバッジを入手できます。

資格認定者の氏名・店舗情報などをC.P.A.に伝えると、公式サイトに掲載され、チーズプロフェッショナルが在籍することを示す店舗用ステッカーが届きます。

そのほか、チーズ講師としての道も広がり、C.P.A.のイベントなどで活動する機会も与えられます。

※デュプロム:「資格」を意味するフランス語。

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チーズプロフェッショナルの合格率UPの勉強のコツ

考える少年

最後は、チーズプロフェッショナル資格認定試験の対策方法を3つご紹介します。普段の勉強に取り入れてみましょう。

①問題をたくさん解く

公式テキストはチーズにまつわる基本的なことを網羅しています。そのため、チーズプロフェッショナル資格認定試験は、公式テキストの内容を十分理解していると合格圏内に入ることができると言われています。

しかし、約240ページにわたる公式テキスト・チーズの教本は情報が豊富で、読み込もうとしても覚えきれない方が多いのではないでしょうか。

チーズの教本で勉強するときには、いきなりすべてを覚えようとはせずに、まずは全体を大まかに捉えておきましょう。テキストを数回通読したあとに問題を多く解くことで、苦手分野がわかってきます。

苦手分野がわかったら、チーズの教本をよく読んで知識を蓄えましょう。問題を解いてわからない箇所を確認していくうちに、教本に書かれている知識を定着させることができます。

チーズプロフェッショナルの受験勉強では、さまざまな問題を何度も解くことがポイントです。

過去問を有効活用しよう

問題を解くのに最適な教材は、やはり過去問です。しかし、チーズプロフェッショナルの過去問題集などは通常、販売されていません。その代わり、一次試験・二次試験の過去問題はC.P.A.の公式サイトで閲覧可能です。

過去問は年度ごとに3回以上は繰り返し解きましょう。過去問を使うと、頻出問題や重要ポイントが把握でき、多様な形式で出題されていることもわかります。

たとえば、枠内にチーズの形状を書く、空欄を埋めて工程のフローチャートを完成させるなどというケースに応じた解答方法もつかめるのでおすすめです。

②テイスティング能力は質と量

ウォッシュタイプやシェーブル・青カビ・白カビなど多種多様なチーズのテイスティングは、すぐに身につけられるものではありません。

輸入されているだけでも500種類以上あるといわれ、国内でも相当数生産されているナチュラルチーズの銘柄を当てるのは困難です。

このブラインドテイスティングは、銘柄を当てるのではなく、チーズの表面や中身の様子といった外観・テクスチャー・香り・味を適切に表現できることが重要です。

特に、実際の感覚は人それぞれ違うため、一般的にそのチーズの特徴であると言われる表現からはずれてしまうことも考えられます。

テイスティングを実践する際には、評価ポイントやキーワードから極端にはずれないように、自分の感覚と教本に書かれているチーズの特徴をすり合わせておくことをおすすめします。

ブラインドテイスティングに使われるチーズはバラエティに富んでいるため、数種類ずつ買って練習しましょう。テイスティングとともに、自分好みのチーズも見つけられるので一石二鳥です。

テイスティング後には、チーズの色など、その特徴は何に由来するものかといったことや、製法・乳種・発酵方法・地域性の違いなどが問われるため、関連情報も把握することが必要です。

チーズプロフェッショナル二次試験で求められるアウトプット能力を磨くには、家族や友人を顧客に見立ててチーズの説明をする、あるいは、チーズの特徴や生産地などを書きだすなどして練習しましょう。

③講習会に参加しよう

よりチーズプロフェッショナルの合格に近づける手段として、C.P.A.主催の講習会に参加するのもおすすめです。講習会に参加する際は、公式テキストであるチーズの教本が必要なので忘れないようにしましょう。

チーズの教本に基づいた講義だけではなく、前年度の過去問題についての解説も行われるため、チーズプロフェッショナル資格認定試験対策として役に立ちます。会場で行われる講習会の場合は、テイスティングも実践します。

以下の4講座を、約6時間30分かけて受講します。

  1. チーズの文化史・原料と製造方法
  2. テイスティング方法について
  3. 世界各国のチーズについて
  4. チーズの販売・サービス、チーズの栄養、料理

なお、2020年の基本講習会はオンラインによる講義です。約半月の受講期間中に、4講義を視聴する形です。オンラインのため、チーズのテイスティングは行われませんが、受講期間中に各講義を3回ずつ視聴できます。

講義内容は、変更になる場合もあります。申込締切日や受講期間などについては公式サイトで確認しましょう。

講習会の受講料は以下のとおりです。講座の料金は高めですが、チーズの教本を理解しやすい構成になっています。

受講希望者 受講料
C.P.A.会員※1 19,800円
非会員 25,300円
ブラッシュアップ受講※2 9,900円

※1:入会金・年会費を払って会員登録をしている人を指します。協会への入会と受講申込みを行いたい場合は、先に入会登録を済ませましょう。

※2:受講年度のC.P.A.全期個人会員で、チーズプロフェッショナル認定を受けている人が、ブラッシュアップ受講資格を持ちます。

通信講座の利用もおすすめ

従来は本を読んだり、自分でテイスティングするなどしてチーズに関する知見を深めるという方法でチーズについて学ぶ方が多くいました。

しかし、近年では通信講座を利用してしっかりと体系的にチーズに関する資格を学ぶ方が増えてきています

PBアカデミーでは返品期間を設け、不合格の時には受講料を全額返金するという制度を導入した良心的な講座なので、受講することがおすすめです。

このような返金制度は、初心者や自信のない受講者にとってもリスクを軽減するものであり、チーズプロフェッショナル資格の取得を目指す人々にとって、気軽に学び始める一助となっています。

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チーズプロフェッショナルについてまとめ 

チーズプロフェッショナルについてまとめ

  • 合格ラインは一次・二次試験ともに70%の正答率である
  • 採点する人が読みやすいように、文章は丁寧かつわかりやすくまとめよう
  • 受験の際は、その年度のC.P.A.全期個人会員登録を忘れずに

今回は、チーズプロフェッショナル協会(C.P.A)が主催するチーズソムリエ資格のチーズプロフェッショナルにスポットを当てて解説しました。

記述式で行われる試験の場合は難易度が上がるため、総じて合格率も高くはありません。しかし、教本の理解を深め、さまざまな種類のチーズを味わって特徴を覚えることで資格の取得が可能です。

飲食店や販売店での業務に活かせるのはもちろん、日々の食生活がより充実するチーズプロフェッショナル資格に興味を持った方は、ぜひ挑戦してみましょう。

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