ふぐ調理師ってどんな資格?資格の取得方法・都道府県による違いまで全て解説!

更新日時 2020/05/30

「ふぐ調理師ってどんな資格?」

「ふぐ調理師の資格はどうやったら取得できるの?」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

ふぐ調理師は、ふぐを安全に食すための知識と技術があります。

ふぐにはテトロドトキシンという猛毒があり、素人が処理をするとふぐ毒を正しく除去できずに、ふぐ中毒を引き起こすこともあります。

ふぐを適切に取り扱うための知識とスキルを有する「ふぐ調理師」とはどのような資格なのかを見ていきましょう。

ふぐ調理師についてざっくり説明すると

  • ふぐはテトロドトキシンという猛毒を持っており、適切な調理が必要
  • 受検した県でのみ有効な資格である
  • 各都道府県ごとに資格の取得方法が異なる

ふぐ調理師ってどんな資格?

資格証明書

飲食店で料理をする人のことを、調理師と呼びます。調理師の免許は国家資格で、学習しないといけなことは、7科目あります。

同じく調理師という言葉がつく「ふぐ調理師」はどのような資格なのかを詳しく見ていきましょう。

ふぐ調理師とは

古来から高級食材として馴染み深いふぐは、猛毒をもっています。ふぐの持つ毒はふぐの種類によっても異なります

ふぐ中毒を避けるために、正しく除去して食べる必要があります。そのためふぐの種類とどこに毒があるのかをわかっている専門家が必要です。ふぐ調理師は、ふぐの種類の知識と的確にふぐの毒を取り除くスキルがある人に与えられている資格です。

ふぐ調理師の資格は各都道府県ごとに授与しているもので、取得の方法は自治体ごとに違います

ふぐ調理師は業務独占資格と呼ばれていて、資格を持った人だけがふぐの取り扱いができるという許可が下ります。

都道府県ごとに基準・難易度・資格名称はさまざま

先ほども述べたように、ふぐ調理師の資格は、各都道府県で取得方法が異なります。

国家資格ではないために、資格を授与する各都道府県が基準をきめており、受験した都道府県でのみ資格は有効です。

また、各都道府県ごとに資格の難易度が異なります。ある地域では筆記試験と実技がありますが、ある地域では試験はなく講義を受講するだけで授与されます。

ふぐ調理師の資格取得方法を簡単にまとめると下記のようになります。

  • 試験の実施→合格後、免許を交付
  • 講習のみ→登録済証・受講済証の交付
  • 都道府県によっては連携しているところもある

注意点

ふぐ調理師の資格を取得後、他の都道府県へ転勤したり、転職をしたりした場合は再申請をする必要があります。

その場合は、各自治体で対応が違います。ここでは埼玉県でふぐ調理師を取得したあと、東京都での勤務になった例をご紹介します。

  1. 埼玉県にてふぐ調理師試験を受験し、資格を取得する。

  2. 東京都に転勤となる

  3. 埼玉県で取得したふぐ調理師は失効する

  4. 埼玉県でふぐ調理師を取得したものは、条件を満たすことで東京都が実施する「ふぐ取扱者受け入れ講習」を受講するとふぐ調理師の資格を申請できる。

  5. ふぐ取扱者受け入れ講習を受講し、東京都ふぐ調理師免許交付される。

4番目の条件ですが、埼玉県のほかに、神奈川県、滋賀県、岡山県、徳島県、鹿児島県も同様に講習で資格を申請できます。

5番目の申請には手数料として4800円がかかります。

その他、写真2枚、返信用封筒(長形3号。郵便番号、住所及び氏名を記載し、404円分の切手を貼ったもの。)、埼玉県で取得したふぐ調理師の免許の本証とコピー、身分証明書が必要です。

都道府県ごとの資格の名称の違い

ふぐ調理師は、資格を取得した県以外に就職・転勤などがあると資格を取り直したり、申請したりする必要があります。

また、資格の名称も各都道府県ごとに異なります。

都道府県名 名称
仙台市 調理・加工・販売
東京都 ふぐ調理師
群馬県 丸ふぐ取扱者
大阪府 ふぐ処理登録者
神奈川県 ふぐ包丁師
愛知県 ふぐ処理師
福岡県 ふぐ処理登録者
広島県 フグ処理者

このように名称も異なり、試験の内容も各自治体ごとに異なりますが、本記事では、「ふぐ調理師」という言い方で統一して書いていきます

ふぐについて知ろう

ふぐの毒は猛毒であることは知られています。この猛毒はテトロドトキシンといい、過熱調理だけでは取り除くことができません。

ふぐの毒はふぐの料理名にも影響しています。たとえば、大阪あたりではふぐの刺身を「てっさ」と呼びます。てっさは「てっぽうの刺身の略」です。ふぐを食べると”たまにあたる”を”弾に当たる”にかけた洒落が由来です。

ふぐの毒は、ふぐの種類ごとに毒がどこにあるのかが違うので、全て覚えるしかありません。ふぐの種類によって可食部と不可食部が異なるのです。

ただし、ふぐの種類に関係なく、絶対に食べてはいけない部位があります。それは卵巣、肝臓などの内臓です。

ふぐは日本にどのぐらいの種類が存在するのでしょうか。ふぐは、大きく「フグ目」と分類されます。3亜目9科101属で構成され、357種類存在しています。

世界には26属およそ180種類いると言われており、その内7属53種類が日本にいます

種類ごとに異なる毒を持つふぐの取り扱いは複雑です。そのため、ふぐの取り扱いや調理は、資格がないとできません。飲食店でふぐを提供する場合はふぐ調理師の勉強をするしかありません。

ふぐ調理師とふぐ加工製品取扱届出済票登録の違い

自治体によってはふぐを調理するのと、取り扱うのとではそれぞれ異なる資格が必要な場合があります。

東京都ではふぐ調理師とふぐ加工製品取扱届出済票の2種類の資格があります。

東京都では、以前はふぐ調理師以外はふぐを扱うことが不可能でしたが、ふぐ加工製品取扱届出済票によってふぐ調理師の資格がなくても加工・調理が可能になりました。

ふぐ調理師とふぐ加工製品取扱届出済票の違いはなんでしょうか。

資格 できること
ふぐ調理師 丸ふぐ(※1)の購入・除毒作業を行い、調理・提供できる
ふぐ加工製品取扱届出済票 除毒した見欠きふぐ(※2)を購入・調理できる

※1丸ふぐ:養殖・天然に関わらず、内臓などもついた状態でそのまま販売されているもの

※2身欠きふぐ:ふぐの有毒で不可食部位が切り取られた状態のふぐ

つまりふぐ加工製品取扱届出済票は、すでに加工されたふぐなら扱うことができる資格ということです。

つまり、2つの資格の大きな違いは除毒作業ができるかどうかです。

ふぐ調理師(東京都)の資格取得までの流れ・試験概要

ハイタッチ

各都道府県ごとに細かく条件が異なるため、この記事では東京都でふぐ調理師の資格を取得する方法について説明します。

受験は学科試験と実技試験の2種類

東京都でふぐ調理師の資格を取得するには、学科試験実技試験の両方を受験する必要があります。試験は年に一回・毎年9月に開催されます。

受験の申込日は、令和2年6月16日(火曜日)から同月18日(木曜日)までの3日間で、午前9時から正午まで及び午後1時から午後3時30分で受け付けています。

1日目の午前中に学科試験、2日目は実技試験です。

試験名 試験日 時間
学科 令和2年9月12日(土曜日) 午前10時から午前11時30分まで
実技試験 令和2年9月14日(月曜日)から同月18日(金曜日) 午前8時から午後5時までの指定した日にち及び時間

ふぐ調理師の受験資格

東京都でふぐ調理師資格の取り方は下記の2つの条件を満たす必要があります。

  • (1):調理師免許を保有

  • (2):ふぐ調理師の資格を持つ者の下で、2年以上ふぐの取扱いに従事した者またそれに同等する経験があると知事が認めたもの

ふぐ調理師に受験に関する費用

受験にかかる受験料、諸経費などを表にしたので見ていきましょう。

費用 概要
受験料 19,700円
発行手数料 4,800円

ふぐ調理師の受験料は、19700円と高額です。また、合格後に発行手数料がかかります。総合すると、ふぐ調理師になるには、最低でも24,500円が必要です

ふぐ調理師学科試験(1日目)の受験内容

ふぐ調理師の試験の出題内容について詳しく見ていきましょう。

試験名 概要 試験時間
学科 出題形式:マークシート方式30問 10:00~11:30の90分間

出題範囲

①東京都ふぐの取扱い規制条例および同条例施行規則に関すること

②ふぐに関する一般常識

ふぐ調理師実技試験(2日目)の受験内容

試験名 概要 試験時間
実技 ①ふぐの種類の鑑別(3分間)と②次のアとイ (合わせて20分) 受験票に記載された日付・時間に実施される(8:0~17:00)

実技試験の内容①と②についてそれぞれ説明をします。

①は5種類のふぐから種類を答えます。

②の実技は下記の通りです。

ア:ふぐの内臓の識別および毒性の鑑別

ふぐには食べることができる部分と食べることができない部分があります。それを見分ける試験です。

イ:ふぐの処理技術

丸ふぐから毒を除去してふぐちりの材料、皮引き(背皮・腹皮)を行い、刺身を調します。そして実際に料理として提供する状態まで審査します。

免許取得までの流れ

試験後に受験者全員に合否関係なく、受験票に記載の住所に結果通知表が送付されます。およそ2ヶ月後をめどにして通知が届きます。

合格をしていた場合は、下記の手続きを取り資格申請をしましょう。

東京都庁に必要書類を持参し資格の登録申請をします。

  • 申請書
  • 証明写真
  • 医師の診断書など

登録申請には、4,800円かかりますので忘れずに持参しましょう。

登録申請をしておよそ1週間後に東京都庁より、資格を交付できる旨の通知が届きますので、指定された日付以降に都庁へ交付を受けに行きます。

他県の方で東京でふぐを取り扱うためには

ふぐ調理師の資格は、受験した都道府県でのみ有効であることは上記に書いた通りです。

しかし、東京都では条件つきで資格を交付してくれます。

この制度は平成13年より始まったもので、下記に該当する場合は、東京都のふぐ調理師の資格を取得できます。

  1. 調理師免許を所有している

2.東京都のふぐ調理師と同等の資格を持っている

  • 埼玉県ふぐ調理師(昭和62年4月以降)

  • 神奈川県ふぐ包丁師

  • 滋賀県ふぐ調理師

  • 岡山県ふぐ処理師

  • 徳島県ふぐ処理師

  • 鹿児島県ふぐ調理師(昭和58年4月以降)

3.健康基準を満たす者

4.東京都が実施するふぐ取扱資格受入講習会を受講

各都道府県ごとによる資格認定の違い

日本地図

東京都を例として述べてきましたが、他の都道府県での資格認定に関しての差異を簡単に紹介します。

神奈川県ふぐ包丁師は受験資格無し

ユニークな例の代表として、神奈川県のふぐ調理師の取り方をご紹介します。なんと神奈川県では受験資格の制限を設けていません

ただし、東京都と同様に学科試験、実技試験の2つの試験があります。受験資格の制限はなくても、学科、実技の2種類の試験を受験しなければならないので、決して資格取得が楽という訳ではありません。

試験日程は東京都と同様に、各1日ずつ試験日が設けられています。試験の手数料は15,400円です。

学科試験と実技試験の概要を表にまとめると下記のようになります

試験名 概要 受験料金 受験資格
学科 公衆衛生・栄養および調理理論・ふぐに関する知識・衛生法規の知識 - 制限なし
実技 ふぐの種類鑑別・ふぐの臓器鑑別・ふぐの取扱い実 学科+実技合わせて15400円 同上

大阪府ふぐ処理師は講習のみでOK

大阪府ではふぐを扱う資格は「ふぐ処理師」という名前です。試験はなく講習のみで資格を取得できます。

指定の講習の受講後、ふぐ処理師に登録すると資格が授与されれます。

講習会は2日間に分けて開催されます。講習の内容は学科と実技にわかれており、それぞれ所要時間は3時間です。

学科講習で学ぶことは、食品衛生学・食品衛生関係法規・ふぐの処理です。講義が終わった後には、確認テストがあります

実技講習では、ふぐの処理に関する実技審査と、口頭諮問が行われます。

山口県ふぐ処理師は3年以上の実務経験が必要

ふぐで有名な山口県ではふぐを取り扱う資格は「ふぐ処理師」とよばれます。山口県では受験資格が大きく異なり、受験資格に3年以上の実務経験が要求されます。

詳しい条件は下記の通りです。

  • 学校教育法第57条に規定する高等学校入学資格を有する者かつ3年以上ふぐの処理の業務に従事した者

正社員以外でも実務経験としてみなされますが、パート・アルバイトの場合は原則週4日以上1日6時間以上の勤務が必要という条件になっています。

東京都よりも長い3年以上の実務経験が必要とされますが、調理師免許の有無は問われません。

ふぐ調理師の勉強方法

ノートブックとペン それではふぐ調理師の資格を取得するためには、具体的にどのようにして勉強をすれば良いのかを説明します。

学科試験、実技試験それぞれの勉強対策を下記にまとめましたので見ていきましょう。

ふぐ調理師の学科の試験対策

各都道府県ごとに教材があるので、まずは公式サイトでそちらを手に入れましょう。ここでは東京都を例にして紹介します。

東京都のふぐ調理師の学科対策は、「ふぐ調理師教本」と過去問題集(5年分)を手に入れましょう

教材名 定価
ふぐ調理師教本 4000円
2020 ふぐ調理師試験最近5年間の問題と解答 2200円

東京都内5か所にある東京都食品衛生協会の事務所で購入をするか、郵送での購入になります。

過去3年分の過去問は公式サイトに掲載されています。都庁第一本庁舎3階の都民情報ルームでも利用できます。

過去問はここから平成29年から平成31年までを利用することができます。

東京都のふぐ調理師に関する教材はこちらより確認することができます。

ふぐ調理師の実技の対策

実技は、すでにふぐ調理師の資格を有している人から学ぶのが良いでしょう。職場の有資格者に教えてもらうか、市場のレッスンをうけましょう。

旧築地市場などの「ふぐ除毒所」ではレッスンを開催していますので、各自治体で実技レッスンがないかを問い合わせて受講するとよいでしょう。

「冷凍の練習用トラフグ」を市場や鮮魚店入手し、有資格者から教えてもらいつつ実際に手を動かし繰り返し練習しましょう。

勉強には王道はありませんが、実技は練習が基本です。何度も繰り返し練習をすることでフグの毒の除去を体得できるでしょう。

ふぐ調理師と合わせて取りたいおすすめ資格

チェックリスト

飲食に関する資格はふぐ調理師の他にも色々あります。ここではふぐ調理師の方におすすめできる「調理師」の資格と、同じ飲食でもお菓子や製パンの技術に関する、「製菓衛生師」の資格についてそれぞれご紹介します。

調理師

調理師は名称独占資格に分類される国家資格です。調理師の資格を取る方法は、試験に合格するのと、調理師養成施設を卒業して無試験で取る方法があります。

どちらの方法でも、食文化概論、衛生法規、栄養学、食品学、公衆衛生学、食品衛生学、調理理論について学習する必要があります。

食の安全、健康などに留意した料理を作り提供できるだけのスキルが身につきます。

ふぐ調理師の受験資格条件に、都道府県によっては調理師免許取得者があります。ふぐ調理師の資格を取りたい方は調理師の資格を取得しておくとスムーズです。

調理に関わる仕事を希望している場合は、調理師資格の取得を目指しましょう。

製菓衛生師

製菓衛生師は、厚生労働省が認定している国家資格です。製菓製パン業に携わる人におすすめな資格です。

資格を取るためには、栄養学、食品学、公衆衛生学、衛生法規、食品衛生学、製菓理論と実技を学びます。

これらの学習を通じて、製造業者としての資質を高めるだけでなく安全性の高い食を作ることができるようになります。

試験を受験するには実務経験などの受験条件がありますが、厚生労働省が認可している指定の養成機関で知識技術を学ぶことでも受験資格は与えられます。

扱う食材が異なる資格ですが、食品衛生学、栄養学、食品学、公衆衛生学などはふぐを取り扱う上でも役立つ知識です。これは、調理師免許の取得時にも役立ちます。

ふぐ調理師まとめ

ふぐ調理師についてまとめ

  • ふぐ条例に基づき安全にふぐを調理できる
  • 東京都は筆記、実技の両方あり難易度は高めである
  • 講習のみで試験がない地方公共団体もある

現在のふぐ調理師の資格は、各都道府県にゆだねられているため試験を実施する地方公共団体もあれば、講義の受講のみで取得できるところもあります。

全日本ふぐ連盟では試験の統一化を要請しています。そのため、資格の取り方はいつ変更になるかわかりません。**資格を取得する時は最新の情報を入手しましょう。

資格取得の際に最も気をつけないといけないことが、受験した都道府県でのみふぐ調理師の資格は有効であるという点です。そのため受験・受講の会場は勤務先や、ふぐの調理をする飲食店・食料品店の自治体が属した場所を選びましょう。

ぜひ積極的にふぐ調理師の資格を取得しましょう。

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