食品衛生責任者って履歴書にどう書けばいいの?履歴書を書く一般的な注意事項まで解説!

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「食品関係の会社に就職したい!」「いずれは独立を目指して飲食店で働きたい!」

と考えて「食品衛生責任者」の資格を取得したのはいいけど、いざ履歴書に書こうとすると「どう書けばいいのかわからない!」という人はいませんか?

資格はそれ自体がとても強い自己ピーアールの武器になるものですが、書き方を間違えると「この人、ルールを知らないんだ・・・」などと逆にマイナスの印象を与えてしまいかねません。

この記事では、食品衛生責任者の資格についてと、履歴書への書き方、その他一般的な注意事項まで丁寧に解説しています。

せっかく資格も取得したのに書き方でミスしてマイナス評価・・・となるのを防ぐためにも、この記事を読んでしっかり対策をしましょう!

食品衛生責任者の履歴書についてざっくり説明すると

  • 飲食店・食品関係の会社に必須の資格
  • 自治体が実施する養成講習(一日)を受ければ取得できる
  • 場合によるが、食品衛生責任者の履歴書への書き方は「合格」ではなく「修了」が適切
  • 履歴書の書き方にはルールがある、反するとマイナスの印象を与えることもある

食品衛生責任者ってどんな資格? 

検索する赤ちゃん

「食品衛生責任者」は、飲食店や食品工場などを運営する際に、必ず取得しておかなければならない資格です。

「カフェをやりたい!」「ラーメン店を開きたい!」「居酒屋を出したい!」など、法人・個人に限らず飲食店を経営する際には必須の資格で、取得認定は各自治体が行うことになっています。

独立や飲食店の開業のために取得する人はもちろん多いですが、食品関係の企業や大手飲食店チェーンなどへの就職を希望する人なども多く資格を取得しています。

食品衛生責任者は、飲食系の企業において昇進の要件とされていたり、就職の時のアドバンテージになったりするため、将来的に食品関係の仕事に就きたい場合は、取っておいて損のない資格ということができるでしょう。

食品衛生責任者は履歴書にどう書けばいいの?

何かを書いている女の子

食品衛生責任者の資格を取ったは良いけど、いざ履歴書に書こうとするとどういう風に書けば良いのかわからない・・・という人もいるかもしれません。

食品衛生責任者の履歴書の書き方は?

まず、当然ですが、書くのは履歴書の「免許・資格」の欄です。履歴書の仕様にもよりますが、大抵の履歴書ではA3見開きの右側にあるかと思います。

そこに、まずは取得した年月を書きます。多くの場合は年月を書く枠があるので、そこに年月の数字を書きます。

そして資格欄に「食品衛生責任者 修了」と書きましょう。

「食品衛生責任者 合格」や「食品衛生責任者 取得」と書く人もいますが、本来この資格は、試験の合否で取得が決まるものではないので、「合格」といった表現は不適切です。

資格の取得方法によっては「取得」という書き方をすることもありますが、講習会を受講しての資格取得の場合は「修了」の表現が適当です。

資格を履歴書に書くべきかどうか悩む人も時々いますが、食品衛生責任者の資格を持っているなら、特にカフェ・飲食店・その他食品を取り扱う企業を受ける場合は必ず記載するようにしましょう。

開業のための資格ではない!

食品衛生責任者資格は、飲食店を開業する際に必須であることは間違いありませんが、開業の為の資格ということではありません。

食品衛生責任者の役割は、その店舗の衛生面について文字通り責任を負い、管理して衛生な状態を守ることです。

飲食店は各店舗に最低一人以上、食品衛生責任者を置かなければなりませんが、それは開業者や、店長である必要はありません。そのため、店舗の多いチェーン店では、食品衛生責任者は重宝される資格となっています。

また、そもそも、食品や食事を提供する店舗は顧客の生命や安全に対する責任があり、食品衛生について正しい知識やノウハウが求められます。そのため、店舗に一人と言わず、食品衛生責任者が多くいるに越したことはないのです。

従業員における食品衛生責任者の数が多いと言うことは、店舗全体の食品衛生に対する意識やクオリティも高くなると言えます。

企業(店舗)によっては、手当や給与に影響があることも多くなっています。

食品関係ではなくても書いてもいいの?

応募する企業が飲食店や食品関係でなくても、資格欄に記載して良いかどうかを迷うことがあるかもしれません。

基本的には、応募する業種や職種が食品関係などではなくても資格欄に記載して大丈夫です。

どんな資格でも、全くの努力や労力なしに取ることはできません。記載できる資格が多い方が、勉強熱心であると思われます。

ただし、取得した資格が多くある場合などは、応募職種に関連のあるものから優先的に、欄内に収まる数で書くようにしましょう。

食品衛生責任者の役割は主に3つ!

食品衛生法では、「飲食店に起因する危害の発生を防止し、よって国民の健康を図ること」と規定されています。それに基づき、食品衛生責任者の役割は主に以下の三つとなっています。

1. お店の食品衛生の管理・運営

従業員の手洗い・消毒の徹底、手指洗浄・消毒チェック表や清掃チェック表などの衛生管理表作成等があります。また、食材や調理器具の取り扱いに細心の注意を払うことや、従業員の体調にも気を配り、体調不良者を働かせないことなども食品衛生責任者の役割です。

2. 経営者と食品衛生上の事故の防止

事故や危害の発生を予防する観点から、職場で食品衛生上の問題が発生しそうな状況であれば営業者に対して改善を進言し、改善に努めます。

例えば、包丁やまな板などの調理器具、冷蔵庫などの機材の稼働状況が適切であるかを確認し、必要であれば修理や買い換えを経営者に促します。

3. 食品関連の法律を厳守

法令の改廃に気をつけ、違反行為が起きないようにします。自らが法律を守るのは当然ですが、他の従業員にもそれを守るように指導・徹底します。

一言で言えば、「食品衛生責任者」というのは店舗の“衛生管理”が仕事です。

食品衛生責任者資格があれば開業できる!

小規模(収容人員29人以下)の飲食店を開業する場合は、食品衛生責任者資格さえあれば十分です。

飲食店の開業には「営業許可」と「食品衛生責任者の設置」が義務付けられていますが、食品衛生責任者の資格に有効期限はないため、「いつか自分で飲食店を経営したい」と思っている方は余裕があるうちに取得しておくと良いでしょう。

尚、「営業許可」は、食品衛生責任者を1名以上配置した上で保健所に申請することで受けることができます。

ただし、食品衛生責任者がいればそれでOKということではなく、各自治体の食品衛生法執行条例で制定されている条件を満たしている必要があります。営業許可をもらいたい場合は、申請の前にあらかじめ保健所への相談を行うことをおすすめします。

食品衛生責任者のなり方

矢印と人物のシルエット

食品衛生責任者のなり方は2種類!

食品衛生責任者の資格を取得する方法は2通りあります。1つは養成講習を受講する方法で、もう1つは受講しないでそのまま取得する方法です。

  1. 特定の資格無し→食品衛生責任者養成講習を受講し、確認証の交付を受ける。

  2. 特定の資格あり→自治体に資格・免許を提出し、確認証の交付を受ける。

以下でそれぞれの方法の詳細を説明していきます。

①食品衛生責任者養成講習会に行こう!

基本的には、「食品衛生責任者養成講習会」を受け、自治体に申請し、確認証が交付されれば、食品衛生責任者となることができます。

養成講習を受講して、修了証書を受け取るだけでは、食品衛生責任者であるとは言えません。申請し、確認証の交付を受ける、ということが重要なので注意が必要です。

確認証の交付には事務手数料2,000円が必要になります。

講習会の受講料は自治体毎に多少差はありますが、テキスト代を含めて、大体10,000円前後です。受講料は、申込時ではなく、講習会の当日に持参することになっています。

講習会は一日(6時間)で終了!

食品衛生者養成講習は1日、6時間で行われます。

講習内容は以下のようになっています。

  • 衛生法規  2時間
  • 公衆衛生学  1時間
  • 食品衛生学  3時間(テストを含む)

テストと言っても難しいものではなく、その日の講義の内容から出題されるため、身構える必要はありません。3択式の5問で、事前勉強は不要です。

講習会で配布されるテキストは体系的に良くまとめられており、学習材料としてはもちろん、読み物としても満足できるものとなっています。

講習会は月に複数回行われている

食品衛生責任者養成講習会は各自治体が管轄しているので、自治体毎に開催日程が異なりますが、ほとんどの自治体で月に複数回、定期的に開催されています。

会場も、一か所だけではなく、複数ある場合もあります。

開催頻度や要件など各自治体で異なるのでお住まいの自治体に確認し、自分のスケジュールに合わせて参加すれば良いでしょう。

講習会に必要な持ち物

講習会に必要なものは各自治体で異なりますが、東京都食品衛生協会が指定しているものは以下の通りです。

  • 受験票
  • 筆記用具
  • 受講料 約1万円
  • 受験票に記載の名前が確認できる身分証

申込は早めに、当日キャンセル待ちも可能

多くの自治体では月に複数回開催しており、開催頻度は高いものの会場の規模が小さい場合などは、早めに満席となってしまう可能性もあるので、受講を希望する場合は早めの申込がのぞましいでしょう。

多くの場合、開講日の約1ヶ月前から申込の受付が行われています。また、会場によっては、当日のキャンセル待ちも受け付けているところがあります。

➁特定の条件を満たせば講習会は免除される

食品衛生責任者養成講習会は、食品の衛生に関して学ぶものであるため、既にその知識があると考えられる人に対しては受講が免除されるようになっています。

ただし、受講免除の条件(受講免除者)は各自治体で異なるため、受講前に確認が必要です。

受講免除となる例を挙げておきます。

  • 栄養士・調理師・製菓衛生師・船舶調理師・医師・歯科医師・薬剤師の免許保有者
  • 食鳥処理衛生管理者・作業衛生責任者・食品衛生管理者の資格保有者
  • 大学(畜産学・水産学・農芸化学等の課程)で所定の単位を取得した人

などです。

上記の条件を証明するにあたって、当該資格の免許証(資格者証)、受講修了証・大学の卒業証明書などが必須になります。

重複しますが、自治体によって受講免除として認めている条件が異なるため、注意が必要です。例えば、東京都の食品衛生協会は「ふぐ調理師免許」は受講免除になりませんが、横浜市の食品衛生責任協会では「ふぐ包丁師」の受講免除を認めています。

ふぐ調理師やふぐ包丁師、ふぐ処理師などは、もともと各自治体の基準に基づいて認可されたものであり、全国的に標準化されていないため、こういうことがあります。

自分の持つ資格や免許が受講免除に該当するかどうかは、事前にしっかりと確認を取るようにしましょう。

一般的な履歴書の免許・資格の書き方

○×ゲーム

履歴書の免許・資格欄の書き方にはいくつかのルールがあります。就職活動で履歴書を書く際には、以下のことを意識して書くようにしてください。

免許→資格の順に記載する

履歴書の仕様によって異なりますが、「免許・資格」の欄がある場合はその欄に免許→資格の順に記載します。

細かな欄分けがない場合は、学歴・職歴から記載し、その後に免許・資格を書くようにします。その際、各項目の先頭に「学歴」「職歴」「免許・資格」と書いてから続けるようにします。そして、一番最後には「以上」を忘れないように書き添えます。

履歴書記載で気をつけるべき注意点

以下、履歴書に免許・資格を記載するときに気を付けるべき注意点について解説していきます。

注意点①:西暦or元号で統一しよう

履歴書には年月を記載する箇所が多くありますが、その全てを西暦か和暦(元号)のどちらかで統一します。

生年月日や学歴・職歴を西暦で書いているのなら、免許・資格欄も西暦で合わせます。免許や資格の種類によっては有効期限があるものもあるため、取得月も書くようにしましょう。

注意点②:正式名称で書こう!

免許や資格は普段の会話では略称などが用いられることが多いですが、履歴書には略称や通称を用いずに、正式名称で書くようにしましょう。

略称・通称では、他の類似資格と混同する場合があるため、履歴書に書く前に自分が取得している免許・資格の正式名称をきちんと調べるようにしましょう。

自分が資格を取得したときと資格の名称が変わっている・・・ということもあるかと思います。その場合は、「〇〇検定(現:□□検定)」の様に、自分が取得した当時の名称のあとに現在の名称を書いておくと親切です。

また、免許・資格の種類によって、「取得」「合格」「修了」などの文言が異なるため、きちんと使い分けるようにしましょう。

食品衛生責任者で言うと、養成講習受講の場合は「修了」、受講免除で申請してなった場合は「取得」が適切です。

注意点③:階級・スコアを正確に

「食品衛生責任者」はその名称がそのまま一つの資格を表すものなので「食品衛生責任者 修了(取得)」の記載で問題ありません。

しかし、語学検定や簿記検定のように階級があるものや、危険物取扱者のように種別がある資格は、資格の名称だけではなく、階級や種別までしっかり書く必要があります。

「実用英語技能検定 ○級 合格」「日商簿記検定 □級 合格」「危険物取扱者 乙種四類 取得」のように記載します。

また、TOEICやTOEFLのようにスコアが重要なものについては、「TOEIC Listening&Reading Test △点 取得」のように、スコアをしっかりと記載するようにしましょう。

その他の注意事項

「運転免許」については、持っているのが(半ば)当然であるというような感覚もあり、わざわざ履歴書に書かなくても良いのではないか、とお考えの人もいるかもしれません。

しかし、運転免許については採用後の通勤手段や職種によっては社用車の使用可否にも繋がるため、担当者としては知っておきたい情報の一つです。持っている場合はきちんと書いておきましょう。

また、この記事の最初の方で「応募職種に直接関係のない資格であっても記載して良い」「勉強熱心であることが伝わる」と説明しましたが、それは「持っているものは何でも、書かないより書いた方が良い!」ということではありません。

学生時代に学校で「英検」や「漢検」を集団受験した、という方もかなりいるのではないかと思いますが、英検・漢検はともに2級以上からが評価に繋がるとされています。

それ未満の級は「高校在学レベル」や「中学卒業レベル」となるため、就職時の履歴書に書いても特技とは見なされないでしょう。むしろ、「そのレベルで止まってしまった」「チャレンジをしなかった」などとマイナスの印象を持たれかねません。

履歴書を見る人へのピーアールとなる部分なので、「自信がある」と自分でも思える資格(階級)を記載するようにしましょう。

食品衛生責任者の履歴書の書き方まとめ

食品衛生責任者の履歴書の書き方まとめ

  • 食品衛生責任者は試験の合否で取得する資格ではないため(養成講習)「修了」と書く
  • 他資格等の保有により講習免除で取得した場合は「取得」と記載して良い
  • 履歴書にはその免許・資格の「正式名称」で書く
  • 階級・スコアがある資格の場合はそれもしっかりと書くが、レベルがそれほど高くない資格の場合は持っていても書かない
  • 西暦・和暦は全体で統一する

資格の種類にもよりますが、食品衛生責任者の場合は、「食品衛生責任者 修了」と書くのが適切です。栄養士等の免許保有者で養成講習の受講免除の場合は「取得」で問題ないでしょう。

履歴書に免許・資格を書く場合には、必ずその正式名称で記載します。普段は通称や略称を使うことも多いので、正式名称がわからないという場合はきちんと調べて書きましょう。

また、階級やスコアがあるタイプの資格であれば、それもしっかり書く必要があります。

資格はもっているだけでは意味がなく、使うことで効力を発揮しますが、その最初が履歴書への記載かもしれません。

せっかく取った資格を自分の武器として存分にピーアールするためにも、履歴書はルールに則ってしっかりと記載しましょう。

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