食品衛生責任者資格の有効期限は?資格の取得方法と実用性も併せて解説!
「食品衛生責任者の資格には有効期限はあるのか?」
「資格を取得する方法と実用性はどうなの?」
そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
食品衛生責任者の資格が必要な方は、有効期限がどうなっているのか気になるでしょう。
この記事では食品衛生責任者の資格には有効期限について、紹介していきます。
また、資格を習得する方法や実用性も解説していきましょう。
食品衛生責任者資格の有効期限についてざっくり説明すると
- 食品衛生責任者には有効期限がない
- 養成講習を受けることで、資格を取得できる
- 果たすべき役割は主に3つに分けられる
食品衛生責任者になる方法・有効期限について
飲食店で働く人や経営する人に必要な資格として、食品衛生責任者が挙げられます。1店舗で1人以上の食品衛生責任者を置かなければなりません。食品衛生責任者の資格は、各自治体で認定される公的資格です。
この資格を取得後、更新や変更が必要となってくるのか気になる人もいるでしょう。
以下ではそれらの内容について詳しく解説していきます。
約6時間の養成講習受講が必須
食品衛生責任者を取得するには、養成講習会を受けなければなりません。
養成講座を受講後に、自治体に申請を行うことで食品衛生責任者の資格を取得できます。講座の修了証書を受け取るだけでは、食品衛生責任者にはなれません。自治体への申請(確認証の交付)が必要となりますので、注意しましょう。
受講者が自治体へ申請を行う際、確認証の交付で事務手数料が2000円ほどかかります。また養成講習会の受講料はテキスト代を含めて、10000円前後が必要です。この金額は自治体によって異なります。
受講料は養成講座に申込を行う時に支払うのではなく、養成講習会の当日に受講料を持参して渡すようになっています。
食品衛生責任者講習会で学ぶこと
食品衛生責任者の養成講習会は、朝から夕方の1日かけて行われます。講習会の時間は合計6時間で、内容は以下の通りです。
学習科目 | 時間 |
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衛生法規 | 2時間 |
公衆衛生学 | 1時間 |
食品衛生学 | 3時間(テスト含む) |
養成講習は3科目に分けて、それぞれの知識を深めていく形になっています。特に食品衛生学は全体の半分を占めており、重要な科目です。
最後に簡単なテストが行われ、学習した講習内容から出題されます。養成講習会の内容をしっかりと理解しておけば、十分解くことは可能です。
テストの方式は3択式で5問を解くようになっており、多くの対策は不要です。テストは本格的な試験のような形ではないので、安心して下さい。
対策では、養成講習会で配布されるテキストを使うとよいでしょう。
講習会の内容が体系的にまとまっており、学習材料や読み物として最適です。
養成講習会は月複数回ある地域も
食品衛生責任者の養成講習会は、月に複数回ほど行われています。定期的に養成講習会は開催されており、会場も複数ある場合があります。
養成講習会は各都道府県の自治体が管轄しており、講習会の頻度や内容は各自治体ごとで異なっています。詳細については、お住まいの自治体に問い合わせして、確認すると良いでしょう。
一部の資格保有者は養成講習会が免除される
養成講習会では、食品衛生責任者に求められる食品の衛生を学んでいきます。そのため、すでに食品の衛生に関する知識があると考えられる人は、受講が免除される場合があるのです。
以下に、養成講習会を免除される人を挙げておきます。
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栄養士
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調理師
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製菓衛生師
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船舶調理師
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医師
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歯科医師
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薬剤師
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食鳥処理衛生管理者
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作業衛生責任者
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食品衛生管理者
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大学(畜産学・水産学・農芸化学等)で所定の単位を取得した人
養成講習会を免除される人は各自治体で異なるため、必ずどの資格が免除されるかあらかじめ確認しておくといいでしょう。
食品衛生責任者資格は有効期限はない
食品衛生責任者の資格は、習得後の更新が不要となります。原則として、更新の手続きの義務がないため、食品衛生責任者を一度取得することで一生使うことのできる資格となっています。
この資格を取得して、個人で飲食店を開業しようと思っている方は早めに準備をして養成講習会を受けましょう。
また、社会人で資格を取得しようとしている方は、仕事の合間を縫って勉強をするので、時間の余裕を持ったうえで勉強するとよいでしょう。
この資格は飲食業界において非常に重要であり、食品衛生の管理を担う人材としての信頼と専門性を示すものですので、飲食店の経営者や従業員が保持していることは、顧客に対しても安心感を提供する要素となるでしょう。
各自治体が実施する実務講習会に参加しよう!
食品衛生責任者は更新する義務はありません。しかし、各自治体の管轄で実務講習会が行われますので、可能な限り参加するようにしましょう。
理由としては、食品衛生責任者の資格の習得後は更新の必要がないので、新たな情報を個人で収集をしなければならず、実務講習会に参加することで、最新の食品衛生管理や法律が改訂などを知ることができる機会になるからです。
注意点として、実務講習会は任意で参加をする地域と指定講習としている地域で分かれています。
よって、自らの飲食店を管轄する地域の実務講習はどうなっているのか日頃から情報を収集をするようにしましょう。
食品衛生責任者の役割は?
最も大切なのは顧客の衛生を守ること
飲食店・食品工場など運営する際には必ず食品衛生責任者の資格が必要となります。
設置ルールは自治体ごとに若干異なりますが、基本的に食品衛生責任者は、大小問わず個人店やチェーン店で飲食の営業を行う上で1人以上置かなければなりません。
また食品営業施設の営業者は、食品衛生責任者を持っている人を「事業所の食品衛生責任者」として定める必要があります。
担当になった食品衛生責任者は、営業者の指示で食品衛生上の管理・運営を行うことが求められます。
この責任者が不在の場合、飲食店の許可が下りないこともあり、食品衛生管理の質を確保するための重要な役割を果たしています。
食品衛生責任者の果たすべき3つの役割
ここでは、食品衛生責任者の役割の詳細について3つの観点から解説していきます。
1つ目の役割は、お店の食品衛生の管理・運営 を担うことです。
具体例としては以下のようなものが挙げられます。
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従業員の手洗い
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消毒の徹底
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手洗いや清掃チェックなどの衛生管理表作成
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食材や調理器具の取扱いに細心の注意を払う
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従業員の体調に気を配り体調不良者を働かせない
このように食品衛生責任者は店の食品衛生の管理・運営を行い、様々なことに注意する必要があります。
2つ目の役割は、経営者と食品衛生上の事故の防止です。
担当者は仕事で{primary}(食品衛生上の危害の発生を未然に防止するため、営業者に問題点を指摘して改善していく役目があります。
例えば、「包丁やまな板などの調理器具の買い替え」・「冷蔵庫などの機材の稼働状況は適切か」・「修理・買い替えを経営者に促す」などを行う必要があります。
問題点を放置したままでは、食品衛生上の事故になる可能性もあります。事故を未然に防ぐための対策は必須です。
3つ目の役割は、食品関連の法律を遵守することです。
食品衛生責任者は法令違反を犯さないように、法令の改廃について日頃から確認しておく必要があります。
この確認によって、自分が法律違反しないようにするのはもちろん、従業員も法律をきちんと遵守するよう指導する必要があるのです。
食品衛生責任者の実用性
ここでは、食品衛生責任者の実用性を大きく2つに分けて、詳しく説明してきます。
仕事上の実用性の理解を深めて、食品衛生責任者が大事な立場であることを認識するようにしましょう。
①資格を持つことで飲食店を経営できる
飲食店の開業をする場合は「食品衛生責任者」と「営業許可」の設置が義務になっています。
このことから食品衛生責任者の資格を持っていることで、小規模の飲食店の経営できるようになります。
また、もし店の開業の準備をしている人が「営業許可」は取得できて、「食品衛生責任者」を取得出来なかった場合、「食品衛生責任者設置誓約書」を提出することで数ヶ月の猶予ができるのです。
このことから、開店するまでに食品衛生責任者の資格を取得するようにしましょう。時間がなくて、ギリギリで焦らないように余裕を持つことをおすすめします。
「食品衛生責任者設置誓約書」の猶予期間中に資格を取得しなければならないので、計画的に取得するスケジュールを組むと、スムーズに開業へと進めることができるでしょう。
②飲食店に1名以上食品衛生責任者を置く義務がある
飲食店を経営・運営する場合は、食品衛生責任者を1名以上いなければなりません。
これは食品衛生法では「飲食店に起因する危害の発生を防止し、よって国民の健康を図ること」と規定されており、安全性が求められていることから設置義務が設けられています。
飲食店は顧客の生命や安全性を守る義務があり、食品衛生に関する正しい知識やノウハウが求められるのです。
店内に食品衛生責任者のプレートを用意しよう
飲食店を営業する際、原則として経営者は店内の目につきやすい場所に食品衛生責任者の資格を記載したプレートを提示する必要があります。
プレートがあることで食品衛生責任者がいることをしっかり証明できるでしょう。
プレートの費用は800~1000円で、講習会場で手にすることが可能です。うっかり忘れることのないように覚えておきましょう。
食品衛生責任者をおいていないとペナルティがある
飲食店に食品衛生責任者が1名以上いる必要があることを伝えてきました。
もし、食品衛生責任者が不在や名義貸しで営業して場合は、処分を受けます。
行政処分としては、指示・営業停止・営業許可の取り消しの対象となる可能性があるのです。
場合によっては、2年以下の懲役・200万円以下の罰金が科せられることがあります。違反することがないように法令をしっかり守りましょう。
食品衛生責任者資格の有効期限についてまとめ
食品衛生責任者資格の有効期限についてまとめ
- 食品衛生責任者は更新が不要
- 食品衛生責任者の役割は顧客の衛生を守ること
- 資格があれば、飲食店を経営できる
この記事では食品衛生責任者資格の有効期限や講習内容について紹介してきました。
食品衛生責任者は資格の有効期限はありませんが、実務講習に参加する場合があるなど確認事項は多くあります。
これを機に今一度講習内容についてより理解を深める機会としましょう。