家庭料理技能検定ってどんな資格?難易度・過去問・実用性まで公開!

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家庭料理技能検定とはどんな試験なんだろう?

と疑問をお持ちの方もいるでしょう。

家庭料理技能検定は、子供からお年寄りまでを対象にした試験で、様々な公的団体から後援を受けています。

今回は、家庭料理技能検定について、難易度や過去問、実用性などを詳しく解説します。

これを読めば、家庭料理技能検定の魅力がよく分かるはずです。

家庭料理技能検定についてざっくり説明すると

  • 2〜5級までは易しい試験で、1・準1級はプロ並み
  • 公式から過去問題集が発売されている
  • 家庭料理に関する知識と技術の両方が身につく

家庭料理技能検定ってどんな資格?

腕を組む少年 まずは、家庭料理技能検定の基本情報をお伝えします。

家庭料理技能検定とは

家庭料理技能検定の目的は「健全な食生活を支える家庭料理に係わる技能の普及を図り、健康と食生活の向上、食育の推進に貢献すること」にあります。

ちなみに家庭調理とは、日常生活で食べる料理一般を指します。また技能とは、家庭料理を調理する上で必要な、知識や技術全般のことです。

家庭料理技能検定、通称「料検」は、前身である「女子栄養大学調理技能検定」が1963年に実施されたのが始まりとなります。その後、1987年に「家庭料理技能検定」と改正され、今に至るというわけです。

家庭料理技能検定の主催団体

当資格試験は、学校法人香川栄養学園・家庭料理技能検定事務局によって主催されます。

この検定を後援するのは、以下のような省庁や団体です。

  • 文部科学省
  • 農林水産省
  • 厚生労働省
  • 全国連合小学校長会
  • 全国連合中学校長会
  • 全国学校栄養士協議会
  • 日本PTA全国協議会

これら多くの公的団体が支援する検定であることから、信頼性や権威性の高い資格試験であると言えます。

家庭料理技能検定は全世代に注目を集めている!

家庭料理技能検定の対象は幅広く、小学生から社会人、シニア世代までに役立つ資格です。最近では、女性人気のある資格でもあります。

家庭料理技能検定は、食生活に関する正しい知識だけでなく、調理に関する技術も身につく資格です。包丁の持ち方や味・見た目の整え方、栄養バランスに関する知識まで、家庭料理にまつわるあらゆることを学べます。

知識だけではなく、実践も含まれるため、健康にも良い資格です。

家庭料理技能検定を取ることをおすすめする人

家庭料理技能検定は、子供から大人まであらゆる世代におすすめな資格となります。各世代別のおすすめポイントは以下の通りです。

【小・中学生】

  • 食生活や健康に関する知識が身につく

  • 調理技術を高めることができる

  • 進学の際には、調査書に書ける資格

【高校生・大学生・短大生】

  • 実生活で健康的になれる

  • 進学や就活において、履歴書に書ける資格

  • 人に披露できるほどまでに調理技術が向上する

  • 栄養学や調理学の基礎が身につく

【社会人・一般の方】

  • 食生活や食全般に関わる知識が幅広く身につく

  • 就職・転職において履歴書でアピールできる

  • 調理技術を向上させ、料理教室の講師となることもできる

私生活でおおいに役立つ!

料理が趣味の方であれば、その延長として家庭料理技能検定を取得しても良いでしょう。料理好きであれば、楽しめる勉強内容です。

また、正しい知識を身に付けることによって、自分のためだけではなく、誰かの健康や安全を意識した料理を作れるようになります。

性別を問わず、将来の結婚生活でも役立つ資格と言えるでしょう。

仕事にも活かせる

家庭料理技能検定の取得が、昇格や昇給に直接結びつくことはありません。しかし、資格の知識や技術が仕事に活かされることは事実です。

栄養士や管理栄養士として働くならば、家庭料理技能検定を合わせて取得することで、仕事の幅を広げることができます。

また、家庭科の先生や介護士にも役立つ資格です。調理実習のクオリティを上げたり、施設のご飯調理を工夫することに役立つでしょう。このように、実際に調理をすることがある仕事であれば、必ずプラスになる資格です。

家庭料理技能検定の難易度

本を読む少年 あらゆる世代に役立つ家庭料理技能検定ですが、試験の難易度はどのくらいなのでしょう。

家庭料理技能検定は1~5級まで存在する

家庭料理技能検定には、準1級を含めて1〜5級までの6等級があります。

4、5級に関しては筆記試験のみで合否が判定される試験です。

1〜3級においては、一次試験と二次試験があります。一次の筆記テストに合格することで、二次の実技テストに進めるという仕組みです。実技テストに合格すれば、各等級の認定が受けられます。

4、5級は、主に小・中学生向けの試験です。子供たちにまずは「食」に関する興味を持ってもらうことを目的に実施されています。勉強内容は、日本の食文化の理解や食事の大切さ、作り方などです。

子供向けとはいえ、4、5級は社会人にも役立つます。義務教育で習う栄養や調理の基礎知識を、改めてブラッシュアップする良い機会になるでしょう。

一方で、1〜3級には実技試験もあります。栄養や料理の基礎を学べるだけでなく、それに応じた技術の習得が可能です。自分の目標に合わせて、取得する等級を選ぶと良いでしょう。

レベルごとの解説

各等級の勉強内容や主な対象者は以下の通りです。

【5級】(小学生程度)

  • 食事の役割や健康的で安全な食生活の基礎を学ぶ

【4級】(中学生程度)

  • 食事の基礎と健康かつ安全な食生活の実践方法を理解できる

【3級】(高校生・大学生・短大生・専門学校1年生程度)

  • 健康で安全な食生活に必要な知識を習得する

  • 基本的な家庭調理に必要な、「切る」・「剥く」などの基本的な工程を学ぶ

【2級】(食物系大学・短大・専門学校1~2年生程度)

  • 健康で安全な食生活に必要な専門的知識を習得する

  • 3級よりも発展した家庭料理を作るために、「魚をおろす」などの応用的な工程を学ぶ

【準1級】(食物系大学・専門学校2年生程度)

  • 健康で安全な食生活に関する高度な知識を習得する

  • 目的に応じて献立・調理ができるような知識や技術を学ぶ

【1級】(食物系大学課程卒業程度)

  • 健康で安全な食生活に関する高度な知識を習得する

  • 与えられた課題に応じて献立・調理ができるような知識や技術を学ぶ

家庭料理技能検定の一次試験(筆記)の出題形式・出題内容

一次の筆記試験は、全てマークシート方式で行われます。

出題内容は「食生活と栄養」(領域1)と「調理と衛生」(領域2)の2種類です。それぞれから半分ずつ出題されます。

各領域に関する詳細は以下の通りです。

領域 内容
食生活と栄養 食事の役割・マナー・5大栄養素・季節の料理・行事食・四郡点数法・献立・生活習慣病など
調理と衛生 身支度・食品の表示・調理工程・食材の保存・調理器具の使い方・食中毒・調味料・食品添加物など

また、等級ごとの問題数や試験方式、試験時間は以下の通りです。

出題問題数 試験方式 試験時間
5級 50問 二肢択一 45分
4級 60問 二肢択一 45分
3級 60問 三肢択一 45分
2級 60問 三肢択一 45分
準1級 60問 四肢択一 60分
1級 60問 四肢択一 60分

家庭料理技能検定の二次試験(筆記)の出題形式

以下が二次試験の主な調理課題です。課題や使用する食材に関しては、事前にホームページで公表されるため、必ず確認しましょう。実技試験のポイントも公表されるので、合わせて確認してください。

等級 調理課題
3級 【基礎技術(3~5分)】:皮むき・輪切り・薄切り・千切り・みじん切り 【調理技術(15~20分)】:①基本的な単品の調理(調味料の計量・火加減・彩り・味付け・盛り付け・衛生的な調理) ②だしの取り方
2級 【基礎技術(5~10分)】:千切り・皮むき・魚の下処理(つぼ抜き、三枚おろし(手開き、大名おろし)) 【調理技術(15~20分)】:①複合食材(下処理を含む)の調理 ②指定された材料と調理法による肉・魚料理等
準1級 【基礎技術(7∼10分)】:千切り・かつらむき・魚の下処理(三枚おろし、イカの下処理と切り方) 【調理技術(40~80分)】:①対象者・季節に合わせた日常の主菜・副菜の調理②指定された材料と調理法による料理を取り入れた日常献立調理
1級 【調理技術(80分)】:指定された材料と調理法による料理を取り入れた、おもてなし献立の作成

家庭料理技能検定の合格ライン

家庭料理技能検定の合格ラインは、どの級も同じです。一次試験(筆記)に関しては、60%以上の得点が合格基準です。

また二次試験(実技)の合格基準は、各級の出題問題のそれぞれの60%以上となっています。

実技試験は、基礎技術と調理技術の2種類です。基本はどちらからも1問のみ出題されますが、準1級に限り、基礎技術が2問あります。また、1級に関しては基礎技術の出題はありません。

家庭料理技能検定の合格率データ

家庭料理技能検定の合格率は以下の通りです(データは2019年時点のもの)。なお、試験は基本的に年2回の実施ですが、1級・準1級は1回しか行われません。

各級の上段が2019年第1回試験、下段が第2回試験のデータです。

【4・5級】

合格率 実受験者数
5級 98.7% 226人
96.4% 329人
4級 99.4% 618人
98.1% 484人

上記から分かるように、4・5級ではほとんどの受験者が合格します。

【1〜3級】

一次試験(筆記) 二次試験(実技)
合格率 実受験者数 合格率 実受験者数
3級 75.7% 452人 94.1% 341人
77.6% 1,040人 97.6% 801人
2級 91.4% 512人 93.2% 443人
90.8% 617人 91.1% 572人
準1級 84.3% 223人 38.8% 201人
1級 100.0% 7人 15.4% 13人

1〜3級においても、筆記試験の合格率は軒並み高水準です。実技試験に関しても、2・3級は高い数字です。

しかし、1・準1級の実技になると、合格率がかなり下がっていることが分かります。そのため両者はプロ並みの試験と言えるかもしれません。

家庭料理技能検定の勉強法 

本を読む子供 家庭料理技能検定に合格するには、どのような勉強法が有効なのでしょうか。

家庭料理技能検定の勉強法は?

家庭料理技能検定の勉強は、独学で行うのが一般的です。合格率の高い試験なので、難易度はそこまで高くありません。コツコツと試験範囲の勉強を継続すれば、十分合格できる試験です。

独学での勉強法は、テキストの読み込みが基本ですが、それだけでは実力がついているか分かりません。そのため問題演習も取り入れるようにしましょう。

まずはテキストでインプットし、問題演習でアウトプットを行うことがおすすめです。分からない問題はテキストに戻って復習し、確実に知識を蓄えていきましょう。

おすすめテキスト・問題集

独学で家庭料理技能検定に挑む場合は、「家庭料理技能検定公式ガイド」を用いることをおすすめします。女子栄養大学出版部から出されているテキストです。

各級ごとにテキストが刊行されており、実技用のものもあるため、このシリーズを使えば効率的に勉強ができます。

公式テキストというだけあって、試験範囲の内容が網羅的に収録されているため、良い本だと言えるでしょう。

過去問は存在する

家庭料理技能検定の過去問演習をしたい場合は、「家庭料理技能検定過去問題集」を使いましょう。こちらも女子栄養大学出版部のテキストになります。

1〜5級まで、全ての過去問が収録されているため、お得な一冊です。

全国の書店やネットから購入できます。

以下が公式テキストの一覧です。全て女子栄養大学出版部方から発行されています。

表題 定価(税別)
家庭料理技能検定公式ガイド5級 1,400円
家庭料理技能検定公式ガイド4級 1,600円
家庭料理技能検定公式ガイド3級 2,400円
家庭料理技能検定公式ガイド1級・準1級・2級 筆記試験編 2,200円
家庭料理技能検定公式ガイド1級・準1級・2級 実技試験編 1,500円
家庭料理技能検定過去問題集2020 1,600円
家庭料理技能検定過去問題集2019 1,600円
家庭料理技能検定過去問題集2018 1,500円
家庭料理技能検定 公式ガイド 5級 改訂版
1760円
家庭料理技能検定 公式ガイド 5級 改訂版
1760円
家庭料理技能検定過去問題集2020
1760円
家庭料理技能検定過去問題集2020
1760円

料検の対策講座も存在

家庭料理技能検定には、公式の対策講座も存在します。独学での学習に不安を覚える方や、さらなる知識や技術を獲得したい人は活用するのも良いでしょう。

会場に足を運んで受講するものもあれば、オンラインの通信講座もあるようです。

また公式ホームページには、簡単な模擬問題も掲載されており、ここで試験内容の概要を確認できます。

家庭料理技能検定の試験日程・会場・申し込み方法

崖に立つ人 ここからは、家庭料理技能検定を受ける際に必要な情報を紹介します。

家庭料理技能検定の基本情報

先述した通り、家庭料理技能検定の試験は年2回の実施です。ただし、1・準1級は年1回しか行われません。

主な年間スケジュールは以下の通りです。

時期 内容
6月中旬 1~5級全ての一次筆記試験
9月下旬 1~3級の二次実技試験
11月下旬 2~5級の一次筆記
2月下旬 2・3級の二次実技試験

試験会場ですが、一次試験に関しては全国各地で実施されます。二次試験は主要都市のみで開催され、1級に関しては東京のみの実施です。

なお、一次試験の合格は1年間有効となります。よって1年間は筆記試験が免除されます。

家庭料理技能検定に受験資格はある?

家庭料理技能検定には、受験資格がありません。学歴や年齢、性別などを問わず、誰でも受験ができます。ただし、1級だけは準1級の合格者のみ、受験が可能です。

試験時間が異なる等級であれば、併願することもできます。一次試験に合格すれば、二次試験に進むことが可能です。

つまり、準1級にいきなり挑戦することもできます。

家庭料理技能検定の受験料

各等級の検定料は以下の通りです。

一次試験(筆記) 二次試験(実技)
5級 2,000円 -
4級 3,000円 -
3級 4,000円 5,000円
2級 5,000円 7,000円
準1級 6,000円 8,500円
1級 7,000円 10,000円

家庭料理技能検定のさらなる情報

キーボードを打つ手 最後に、家庭料理技能検定のさらに詳しい情報を紹介しましょう。

成績優秀者は表彰を受ける

家庭料理技能検定では、年に1回、成績優秀者表彰式を行っています。表彰式には個人賞と団体賞があり、表彰状や記念品が贈呈されるようです。

各賞には以下のようなものがあります。

【個人賞】

対象者 人数
文部科学大臣賞 合格者の中で最上位者 1〜3級の各級1名
全国検定振興機構理事長賞 合格者の中で成績上位者 1〜3級の各級若干名
香川栄養学園 優秀賞 合格者の中で成績上位者 1〜3級の各級若干名
香川栄養学園 優良賞 合格者の中で成績上位者 1〜3級の各級若干名
家庭料理技能検定会長賞 併願受験者合計点上位者 4つの併願パターンから各若干名
生涯学習奨励賞 合格者の中で成績優秀な60歳以上 1〜5級の各級若干名
料検満点賞(満点者は料検プラチナ賞も表彰) 満点達成者 4・5級の満点達成者全員
料検プラチナ賞 90%以上の得点合格者 4・5級の90%以上の得点者全員

特に「料検満点賞」と「料検プラチナ賞」に関しては、対象者全員がもらえるので、ぜひ挑戦してみてください。

【団体賞】

対象団体 団体数
文部科学大臣賞 合格者数が3名以上の平均点最上位団体(1級)、合格者数が10名以上の平均点最上位団体(準1級)、合格者数が20名以上の平均点最上位団体(2級)、合格者数が30名以上の平均点最上位団体(3〜5級) 1団体(4・5級に関しては各回)
成績優秀団体賞 合格者平均成績優秀団体 各級複数団体
食育推進奨励賞 受験者数が多い団体(100名以上) 4・5級の各級複数団体

小学生やお年寄りの合格者は本当にいるか?

子供からお年寄りまで幅広く対象にしている家庭料理技能検定ですが、実際に小学生やお年寄りの合格者は存在します。

公式ホームページの「合格者の声」では、小学2年生や還暦を過ぎた合格者のコメントが掲載されています。前者は5級、後者は3・4級の合格者です。

料検の申し込み方法

申し込みは、公式ホームページに表示された申込み期間に行うことができます。

申し込み方法は、インターネットもしくは郵便局です。郵便局から申し込む場合は、専用の振込取扱票(願書)を使用します。

願書は料検事務局のホームページ、もしくは電話にて入手可能です。

受験には、個人受験と団体受験があり、団体受験の申し込みに関しては、公式ホームページの「団体受験をお考えの方へ」を参考にして下さい。

試験当日の持ち物について

一次試験と二次試験の持ち物は以下の通りです。

試験 持ち物
一次試験(筆記) 受験票(証明写真貼付)・身分証明書(運転免許証、健康保険証、学生証・生徒証など:3級~1級のみ)・筆記用具(HBかBの鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)・上履き・下履き入れ・座席座面調整用座布団またはクッション(個人受験の小学生)
二次試験(実技) 受験票(証明写真貼付)・身分証明書(運転免許証、健康保険証、学生証・生徒証など:3級~1級のみ)・筆記用具(HBかBの鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)・包丁・胸あてつきエプロンまたは白衣・三角巾または調理帽子・手ふき・上履き(底が滑りにくいもの)・下履き入れ

家庭料理技能検定についてまとめ

家庭料理技能検定まとめ

  • 2〜5級までは取得しやすく、1・準1級は難しめ
  • 公式の過去問題集には1〜5級までの過去問が収録
  • 知識だけでなく、調理技術も身につく試験

家庭料理技能検定について解説しました。

料検は小学生からお年寄りまで、全ての世代に役立つ試験です。知識と技術の両方が身につくため、挑戦する価値は十分でしょう。

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