金融機関から中小企業診断士として独立 | 北村之寛様に直接取材してきました!

「中小企業診断士ってどうなの」

「中小企業診断士の資格取得が難しい」

企業の経営において直面する様々な問題を解決する知識を実践的に身につけることができる国家資格である中小企業診断士。人工知能(AI)に代替される可能性が低い資格としても話題になっています。

今回は、中小企業診断士資格の魅力や中小企業診断士としてのお仕事についてなど、受験を考えている方が気になるお話を中小企業診断士の資格を取得され、現在は株式会社SKYシナジーの代表を務める傍らYouTubeでも積極的に発信をされている北村之寛様に伺いました。

このインタビューを通じて

  • 中小企業診断士資格取得のための勉強
  • 中小企業診断士の仕事
  • 中小企業診断士として活躍するには?

などの気になるポイントについて、北村様ならではの貴重なお話を伺うことができました!

中小企業診断士の受験を考えている方必見です!

ぜひ最後までご覧ください。

中小企業診断士に挑戦された経緯

person1
北川

本日はお忙しい中取材に応じていただきありがとうございます。株式会社ベンドの北川と申します。

本日のインタビューでは中小企業診断士の 資格取得のための勉強方法や北村様の現在の仕事内容について詳しくお伺いできればと思います。

よろしくお願いいたします。

person2
北村様

株式会社SKYシナジー代表の北村之寛です。よろしくお願いします。

person1
北川

北村様は、中小企業診断士の資格を取得される以前には金融機関で15年間もご活躍されていたとお聞きしました。

そこから中小企業診断士資格の挑戦までの経緯について教えていただけますでしょうか。

person2
北村様

はい。私は、長く信用金庫の支店で営業部門におりまして、二店舗で営業課長など経験しました。

退職する1年半前に、本部に異動となり、定時退社ができるようになりました。

その結果、時間に余裕ができたことと、本部での業務をするうちに業界の将来性に疑問を抱いたことから、自分の武器となるものが欲しいと考えるようになりました。

資格挑戦を考え始めた当初は、転職が前提ではなかったのですけれども、仮に会社に残るとしても活かしていける資格ということで中小企業診断士を選びました。

person1
北川

ありがとうございます。

金融機関に15年間勤められ、ご家族もいらっしゃる中で転職などの大きなキャリアチェンジを決断されることのハードルなどはなかったのでしょうか。

person2
北村様

元々中小企業診断士の資格の勉強を始めたときは、独立などは考えていませんでした。

実際に通信講座に申し込んで勉強をしているうちに、この資格を使って独立できるかもしれないと考え始めるようになりました

その段階で家族に相談しました。支店で営業の業務をしている時には、直接お客様とお会いしていろいろなお話をしながら仕事をすることができました。

しかし、本部に移動してからそれまでのように仕事を楽しむことができなくなってしまいました。 直接お客様と接するような仕事が、自分のしたい仕事であるとはっきり気付くことができました

そのことを家族にも伝え、独立してみてダメだったら転職したい旨を伝えました。

幸いにも、家族も私の考えを理解し、背中を押してくれました。

person1
北川

ありがとうございます。

中小企業診断士以外にも、資格取得の選択肢はあったと思いますが、その中で中小企業診断士を特に選ばれた理由はあったのでしょうか。

person2
北村様

金融機関に勤めている中で、銀行の業務に関する資格試験などは多数ありました。

財務や、税務の試験など広く認知されてはいないものも含めて資格は多数あります。

ただ、全く違う業種に転職する際にも評価される国家資格という観点から、中小企業診断士の資格取得を目指しました。

加えて、仮にそのまま信用金庫に残るとしても、中小企業診断士資格は最後に目指すような難関の資格とされていて、保有している人は優遇されていました。

ですので、どの選択をするにしても潰しが効く資格ということで中小企業診断士を選びました

試験勉強の方法

person1
北川

膨大な試験範囲をインプット・アウトプットする上で北村様自身が工夫されたポイントなどございましたら教えていただきたいです。

person2
北村様

2019年の3月に講座を申し込み、実際に勉強を始めたのが2019年5月の下旬ごろからで,一次試験まで2ヶ月と少ししか時間がありませんでした。 ですので、正直一発合格は難しいと考えていました。

会社で働きながら、通信講座を一通りざっと全科目見たところ、それまで学んでいた経営の知識が多く、初めて学ぶことが意外と少なかったです。

いわゆる通信講座の座学は2週間程度しかやらず、全体的な問題の傾向を過去問を使って把握した後は、ひたすらアウトプット中心の勉強をしていました

person1
北川

それまでのお仕事の中で培われた知識があってこそ、一次試験の短期合格が実現したのですね!

モチベーションを維持するためには

person1
北川

中小企業診断士は、お仕事と並行して試験勉強される方も多いです。学習のモチベーションを維持するために心がけていらっしゃたことなどがあれば教えていただきたいです。

person2
北村様

将来のゴールの設定が大事だと思います。資格を取得することをゴールとするのではなく、資格を活かしてどういう仕事をしていきたいのか、どのような人生設計をしたいのかを考え、その最初のステップを試験の合格にすることでモチベーションが維持できると思います。

私の場合は、「合格して独立したい」という思いが、強いモチベーションになったので、「今日はもういいか」という妥協が少なかったです。

person1
北川

資格取得によって現状の働き方や生活が大きく好転することをイメージすることが重要なのですね!

独立・開業に至るまでの流れ

person1
北川

資格合格後から独立開業に至るまでの流れを教えていただけますでしょうか。

person2
北村様

2019年の8月に一次試験に合格しましたが、2019年の二次試験は正直あまり勉強ができず、合格できませんでした。

一次試験の時点で、会社は辞めました。

2020年の4月からは、二次試験のための養成課程に通おうと考えていたのですが、コロナが始まり、2020年3月からの養成課程が開講されませんでした。

会社は2020年の7月末に退職しまして、7月の有給中に起業をしました。

8月末から、10月末の試験に向けて2ヶ月間毎日勉強だけをやって試験に臨み合格することができました。

10月の筆記の二次試験合格後に1月に口述試験があり、その後実務ポイントを貯め、2021年の4月に資格が付与されました。

口述試験合格後、資格付与がなされるまでの間は診断士としての仕事はないので、信用金庫に勤めていた際にお世話になったお客様に診断士として独立したことのご挨拶をしたり、Youtubeを開設したりしていました。

4月までの3ヶ月間の営業活動でお仕事を頂き、中小企業診断士としてのスタートを切ることができました。

person1
北川

詳しくお話しいただきありがとうございます。

中小企業診断士のみならず、士業で独立された方は「開業当初の営業に苦労した」というお話を伺うこともあるのですが、北村様の場合はその点で特に苦労されるということはなかったのでしょうか。

person2
北村様

そうですね。前職でも営業をしていた時期が長く、営業自体に慣れていたということもあると思います。

尚且つ、地元信用金庫に勤めており、地元でお付き合いさせていただいていた会社様が地盤としてあったというのが大きいですね。

前職での経験との繋がり

person1
北川

資格取得以前に勤務されていた金融機関でのご経験は、独立後の業務においてどのように役立っているか教えていただきたいです。

person2
北村様

前職での営業としての経験と財務に関する知識が役立っています。

営業活動を通して、人との接し方や話し方、どのような提案をしたらお客様が喜ぶのかといったことまでが自然とわかるようになりました。

また、信用金庫時代に経営改善の業務を行なっていたので、銀行からの資金調達などの財務的な部分に関して熟知することができました。

これらの経験や知識が企業のコンサルティングをする上で非常に役立っています。

加えて、営業として5店舗担当し、そのうち2店舗では営業課長を務めていたので、私が直接担当していたお客様だけでも数百社あり、部下の担当先を含めると、直接顔を合わせた経営者の方は1,000人以上いらっしゃいました。

独立するにあたり、その中で自分を必要としてくださる会社様はいるだろうと考えていました。

person1
北川

前職の経歴の中で得たスキルや経験、人脈が生かされているということですね!

現在の事務所のお仕事について

person1
北川

現在の事務所でメインに据えている業務内容を詳細に教えていただきたいです。

person2
北村様

主に、顧問契約をしている企業様の顧問契約をしている企業様の、売上拡大・資金繰り改善・補助金など様々な業務に携わってます。

例えば、例えば具体的なケースとして、金融機関からの借入の返済ができなくなってしまったという相談を受け、売上の回復・人件費等の固定費削減・業務の効率化等を経営者と一緒に考え、伴走支援をしたりしています。

時には、従業員の採用面接をしたり、逆に退職勧告をすることもありました。顧問契約をしている会社の社長とともに、取引先の会社様に原材料費の高騰や人件費の高騰から単価アップの交渉をしたりしています

person1
北川

コンサルティングというと業務の改善の提案をしてあ終わりというイメージがあったのですが、実行まで北村様ご自身が取り組まれているということなのですね。

person2
北村様

そうですね。計画を作るだけなら誰でもできるんです。

作成した計画を行動に移し、結果を出すことが大事です。一方で、行動に移すという第一歩を踏み出せないことが非常に多いです。リソースの問題・モチベーションの問題など様々な原因がありますが、「なぜできないのか」という原因を社長と一緒に探り、一緒に1つずつ問題解決をしていくことが大事だと考えてます

お客様とのコミュニケーションについて

person1
北川

お客様とコミュニケーションをとられる上で意識・気をつけられていることを教えていただきたいです。

person2
北村様

信頼関係をすごく大事にしています。嘘をつかないことと自分がわからないことは正直にわからないといっています。

会社の看板を背負っていたときは、トラブルを恐れたりすることはありました。

独立してからは全て自分の責任の範囲なので、下手に気を遣って現状を紛らわすよりは、「ここが良くないですよ」ということは全部伝えています。

あとは、本当に最低限の人としてのマナーを守ることだと思います。

中小企業診断士の仕事のやりがい

person1
北川

経営コンサルタントとしてクライアントの企業様を支援することのやりがいについて教えていただけますでしょうか。

person2
北村様

売り上げを上げたいという相談をされた時にも、売り上げが上がらないことの問題がどこにあるのかを深く掘り下げて、発見することにやりがいを感じています

会社の内部の人間ではないからこそ見えてくる部分があると思います。

問題の所在を見つけた後に、どのような対策を取るのかというところは、答えがない部分です。

社長と一緒に考えて、具体的な目標を立て、管理・モニタリングして結果が出始めるところはやはり楽しいです。

person1
北川

北村様ご自身で結果を出していくのは、信用金庫に勤められていた時とは違った面白さがあるのでしょうか。

person2
北村様

金融機関では、目先の融資を実行するまでに注力している部分がありました。本来であれば、融資を実行した後の、そのお金がどのように活用されどのよう企業が成長していくのかが必要なんですけれども、その先に深く携われることができるのは、やりがいがあります

中小企業診断士の魅力

person1
北川

中小企業診断士に独占業務に関する規定はありません。それでも中小企業診断士に挑戦するメリットや資格の魅力について教えていただきたいです。

person2
北村様

個人的な考えですが、独占業務があると仕事のパイが決まっていて、価格設定も標準的な金額に固定化するというデメリットもあると考えています。

ですので、独占業務がある職種でも自分に付加価値がないと一定以上の収入を得るのは難しいと思います。

中小企業診断士の資格を取得して、診断士協会に入らなければ受注できない仕事もあるため、実質的には協会からいただいたお仕事で生計を立てていくことは可能です

その先の、資格を取ることのモチベーションのところで言えば、資格をとって何をしたいのかというゴールを具体化させておくことが必要だと思います。

それまでのキャリアの中でできた人脈や知識を活かして、自分の付加価値を高め、自分にしかできないことができる資格だと思います

サラリーマンとしてキャリアアップしていくのにも、独立するのにもすごく役に立つ資格だと思います。

person1
北川

どのようなキャリアの方にもとても魅力的な資格であるということですね!

中小企業診断士に挑戦される方へ

person1
北川

最後に、資格取得へ向けて頑張る受験生の方へのメッセージをお願いします。

person2
北村様

必要な勉強時間は、その人によって全く違うと思います。 短時間で合格したといった情報に惑わされずに、今の現状の知識と向き合いながら勉強してほしいと思います

勉強すれば一次試験は必ず合格することができる試験ですが、目安とされる1000時間勉強するのは本当に大変だと思います。

だからこそ、資格をとった先の将来を具体的にイメージし、モチベーションを維持して頑張っていただきたいと思います

person1
北川

本日は貴重なお話をいただきありがとうございました!

北村様の株式会社SKYシナジーHPYouTubeをチェック!!

資格Timesは資格総合サイト信頼度No.1