枠にとらわれない中小企業診断士の魅力とは?平井東さんに直接取材しました!

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中小企業診断士

平井東

「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格ランキング」で1位に選ばれるなど、今注目を集めている中小企業診断士ですが、現在取得を目指して勉強されている方も多いと思います。

今回は、現役の中小企業診断士としてご活躍されている平井様にインタビューさせていただきました!

中小企業診断士試験に向けた勉強法や、日頃の業務内容についてお伺いしました。

資格取得までの道のりや、中小企業診断士の魅力について詳しくお聞きすることができました。

中小企業診断士の取得を目指している人は必読です!

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中小企業診断士取得までの道のり

話す様子

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石原

本日はお忙しい中、インタビューに応じていただきありがとうございます。資格Timesを運営しております、株式会社ベンドの石原です。本日はよろしくお願いいたします。

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平井様

中小企業診断士の平井です。よろしくお願いします。

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石原

まず平井様の学生時代のお話や、社会人になってからの職歴などこれまでの略歴についてお伺いしたいです。

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平井様

学生時代は、部活漬けで、野球ばかりしていました。

大学の進学の際も、野球をさらに極めるために強豪校を進学先に選びました。

ただ、怪我等もあってこのまま卒業後も野球を続けていくのはどうしても無理があるなと考えました。

大学4年の時に、「野球以外に心の底からやりたいことって何だろう」と考える時期があり、その際に年間200冊以上の読書で得た知見や、ヒッチハイクで様々な方からお話を得た経験から起業したいという思いが湧き出てきました。

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石原

起業をしたいという思いのもとで、社会人としてのキャリアを積まれたのですね。

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平井様

はい。

社会人になった時に中小企業の実態を知りたいと思い、中小企業の実態をよく知ることができる銀行に就職し、お金の勉強をしました。

さらに、企業に深く入り込んで経営コンサルのようなことをやりたかったので、税理士法人が母体の会社で事業計画書の作成を1人で担当させていただくなどの経験もしました。

その中で、中小企業診断士の資格を取得して、コンサルティング会社に入り、さらにそこでマーケティングの勉強をしました。その後、デジタルマーケティングの会社に移りました。

会社員としては4つの会社を経験した後に、起業という形になっています。

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石原

起業を志す中での資格取得でしたが、数ある資格の中で中小企業診断士を選んだ理由を教えてください。

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平井様

私の目指すものが、「個人の価値の最大化」でした。

独占業務のある仕事には興味はなく、枠にとらわれず活動したいという思いがありました。

ただ、最初から中小企業診断士の取得を考えていたわけではありませんでした。銀行で働く中で、「個人の価値の最大化」という目指すべきものを考えたときに、国家資格が欲しいなと思いました。

一方で、コンサルティングの仕事もしたかったので、これらを考慮すると中小企業診断士がぴったりだなと考え取得しました。

中小企業診断士ならば競合も少なく、また、現場を知らない診断士も多いので、銀行時代に培った知見など、自らの強みを生かせるのではないかと、活躍できるイメージが湧いていました

資格取得に向けた勉強の中での「前向きなマインド」

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石原

診断士の資格取得に向けた勉強で大変だったことを教えてください。

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平井様

学生時代にそこまで勉強をしていたわけではなかったので、勉強習慣を身に付けたり勉強の方法を見つけたりするのが大変でした。

しかし勉強に関しては、野球をしている時に日本一上下関係が厳しいところでやっていたので、それに比べれば全然苦ではありませんでした。むしろ、楽しみながら勉強を続けることができました。

3年間で、5300時間以上勉強しましたが、平日は、朝は6時前に起床して出社まで勉強、昼はご飯を5分ほどで済ませ残り55分は勉強、夜も勉強してカフェの閉店に合わせ帰宅という生活でした。土日も、もちろん朝から晩まで勉強でした。

土日に休むのはもったいない」と思ってしまうタイプで、土日こそ差をつけられるから頑張ろうというマインドでした。

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石原

終始前向きなマインドを感じますが、そういった「前向きマインド」は中小企業診断士のお仕事をする上でも大事になりますね。

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平井様

はい。仕事内容は、事業再生など後ろ向きなものが多いですが、やはり経営者の方を前向きにさせるなど、ポジティブなマインドがないと、うまくいくものもいかないかなと思います。

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石原

平井様が中小企業診断士の勉強を行っていくうえで重要だと感じる点についてお聞かせください。

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平井様

資格取得後に自分が活躍するイメージを勉強中から強く持っておくことだと思います。

自分自身と向き合いながら、何がしたいかを考えていくのは、勉強を続けていく上でも大事だと思います。

モチベーションを超える熱意

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石原

今のお話もそうですが、下積み時代から当然のように努力をされるなど、熱い思いは一体どこから出てくるのだろうと思っている読者の方も多いと思います。

モチベーションはどのように保たれているのですか?

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平井様

逆に言うと、モチベーションをもつのは良くないと思います。

モチベーションって上下するじゃないですか。ああいうものに自分の叶えたい夢を後押ししてもらうのは良くないと思います。

それを超えるものを糧に頑張った方が良いのではないかなと思っています。

「今日やる気ないな」っていうのは一番ダメですよね(笑)

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石原

そういった強い思いも、学生時代に培われたものなのですか?

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平井様

そうかもしれないです。ピッチャーだったので、自分を追い込んで自分を見つめ続けるというのをずっとやっていました。

そのように自分に対してストイックになることはやはり野球部での経験が大きいですね。

中小企業診断士としての業務内容

平井

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石原

現在はどういった会社を経営しておられるのですか?

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平井様

法人向けの事業と個人向けの事業の二種類を展開しています。

法人向けには経営コンサルティングとデジタルマーケティングの事業を展開しており、事業計画書の作成などをしています。

また、社長さん自身のコンサルティングもしています。 最近は、現場での業務量が多くて経営まで頭が回っていない社長さんが多いので、そういった方の仕事の配分や優先順位の付け方などの業務内容の見直しを行なっています。

マーケティング戦略の面でも、商品やサービスの再設計や戦略の立案などを行っています。Webマーケティングに注力しており、SEO対策・MEO対策なども行っています。

個人向けには起業塾やWebマーケティングの「SEMアカデミー」を展開しています。

また、最近、こうした起業塾等で成長した個人を法人の経営支援の現場に派遣する仕事も合わせて実施しています。

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石原

ベンチャー企業で習得した業務と経営コンサルティングのお仕事はどういった感じの配分になっていますか?

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平井様

正直、切り分けできないことが多いです。

中小企業の課題は様々なところにあるので、経営戦略から施策まで一貫してやることがほとんどになります。

平井様が経営されている会社のHPはこちらをチェック!

中小企業診断士資格の強み

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石原

中小企業診断士の資格が現在のお仕事にどのように生かされているのかお聞かせください。

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平井様

まず、独立の背中を押してくれたのは資格でした。起業したのは20代でしたが、その時に資格の存在を最も強く感じました。

起業後には、公的機関との関係のつくりやすさや、社長さんとお話しする際にもある程度勉強したのだという証明になるので、間接的に診断士資格の存在が大きいと感じることができました。

また、Webマーケティングをしている人はたくさんいますが、資格のおかげで差別化を図ることができています。

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石原

診断士資格のための具体的な勉強内容や知識が役に立ったことはありますか?

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平井様

勉強内容でいうと、2点あります。

一つ目は、経営マーケティングの知識で、これは直接的に役立っているなと思います。

二つ目は、社長さんと他愛もない話や雑談をする際に、共通言語を持っていることの強みです。よくわからないカタカナの経営用語はたくさんありますが、勉強したことで共通言語で話せるようになったかなと思います。

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石原

診断士の資格が今の平井様の下地をつくっているのですね。

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平井様

はい、間違いなくそうです。

ただ、今に繋がっているというと、独立前の会社での経験も大きいです。

中小企業に興味を持ったきっかけ

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石原

銀行に入行される際に、中小企業を支えたいという思いは既に持たれていたということですが、その思いはどこから来ているのですか?

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平井様

まず、数字で言うと99.7%が中小企業になるので、圧倒的に多いですよね。日本の経済を支える根幹となる企業を支えたいという思いがありました。

ただ、一番の理由は大学時代にしたヒッチハイクの際に中小企業の社長さんとお話をする中でかっこいいなと思うようになり、一緒に仕事をしたいと思い始めました。

中小企業の社長さんは、自分で全部意思決定ができて、現場のこともある程度わかっていて、そこに特に魅力を感じたのです。

成長し続ける組織を支援したい、その中に居続けたいというのがありますね。

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石原

ヒッチハイクで中小企業さんとお話したエピソードについてより詳しくお伺いしたいです。

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平井様

ヒッチハイクでは、地元のタクシー運転手にビジネスマンが集まる場所を聞いて、そのお店でビジネスマンに話しかけました。

その時に、中小企業の社長さんは僕のような大学生の話もきちんと向き合って聞いてくださいました

あと、サラリーマンとの違いでいうと、職場のネガティブな話を一切しないんですよね。将来の話、明るい話をずっとされていて、すごく前向きだったので、「こんな大人になりたい」と強く思いました。

個人的に、子供ができた時に、つまらなそうな顔をして家に帰ってくるお父さんって嫌だなと思っています。仕事に明け暮れて楽しんでいる社長さんになりたいなと思いますよね。

枠にとらわれない、中小企業診断士の魅力

平井

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石原

独立士業の独占業務に魅力を感じておられる方も多いと思いますが、あえて独占業務を持たない中小企業診断士を選んだ理由を詳しくお聞かせください。

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平井様

独占業務がある資格の場合、その枠に当てはめられるのつまらなく感じ、成長が止まってしまうのではないかと感じています。

もちろん、合う合わないがありますが、個の成長と、世の中を巻き込めるかという路線で行くと独占業務は自分の中では無いなと思いました。

色々な情報を入手できて、新しいものを生み出すことのできる診断士の資格は、私にとって非常に魅力的でした。

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石原

独占業務という殻を破ることで幅広く中小企業の支援ができるようになるということですね。

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平井様

そうですね。

私は、自分の中の大きなものを捨てると、さらに大きなものが返ってくるという考え方を持っており、むしろ資格をとった瞬間にこの資格をいかに捨てて仕事ができるかということを考えていました。

もちろん、資格は十分に役に立ちますが、それくらいの気概がないと突き抜けられないのが士業かなと思います。

自己成長につながる資格

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石原

改めて、中小企業診断士の魅力や資格取得のメリットを教えてください。

person2
平井様

まずは自己成長です。診断士は、法律の勉強は一定数にとどめて、あとはない答えを探し続けるというものになるので、ビジネスマンとして成長できるなと感じます。

また、掛け合わせという面では、今持っているスキルやノウハウを生かしつつ仕事ができるのも良い点だと思います。

さらに、色々な会社に深く入りこんで仕事ができるのも魅力かなと思います。

社会人も学生も、全員におすすめしたい資格です。

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石原

様々なメリットが存在するのですね!

一方で、弁護士資格などと比べるとどうしても使い所に困る資格であるとも言われていると感じています。

この点についてはどうお考えですか?

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平井様

「使えない資格」というのはよく言われますよね。

中小企業診断士にのみ与えられた独占業務がないからこそ、自分の強みを作らなければならないということが、資格取得後には非常に大切になってきます。

そういう点では、コンサルタントだけど事業家っぽくもあるのかなと思います。

「使えない資格」と言われる現状のイメージを圧倒的に払拭し、「診断士ってかっこいい」と言われるような資格にしていきたいという思いは私自身強く持っております。

ちょうど取材の前週にタワマンに引っ越したのですが、それもタワマンに住みたいというよりはイメージ作りですかね(笑)

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石原

診断士の良いロールモデルを作るために日々様々な奮闘をなされているのですね。

世間的な中小企業診断士のイメージよりは稼げるのですか?

person2
平井様

今、稼げる人・独立する人は増えています。というのも、コロナ禍で打撃を受けた企業に対して事業再構築を支援する「事業再構築補助金」の給付があり、その支援をすることで中小企業診断士界にはバブルが来ています。

ただ、その補助金がなくなった時に仕事をどう続けていくかは非常に大事になってきます。

そういった意味では、私は補助金関連の仕事はもうしていなくて、向こう一年で終わるかもしれない短期的なビジネスにベットしないようにしています。一つの業務に頼ったり給付金に依存したりすることのないように心がけています。

自分で答えを生み出さなければならない

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石原

少々答えづらい話かもしれませんが、中小企業診断士取得のデメリットや向いていない人の特徴などはありますか?

person2
平井様

人によると思いますが、他人に答えを求める人は向いていないかなと思います。

法律の中に答えがあるわけではないので、自分で発想ができない人は厳しいかなと思います。

person1
石原

ただの「勉強」だけではやっていけない、自分で正解を生み出すことが求められる仕事ということなのですね。

person2
平井様

間違いなくそうです。

診断士の資格は、活躍するための最低限の切符を渡された状態かなと思っています。それをどう活用していくかは人それぞれなので、いかに資格の上に積み上げていけるかが大事かなと思います。

新しい分野への投資や、新しい業務を年に複数個立ち上げることも継続してやっていきたいですね。

person1
石原

お話を聞いていると、経営者に近い印象ですね。

person2
平井様

知識系の仕事はいつかAIに代替されるかもしれません。AIをいかに使っていくかというのは大事になってくるのではないでしょうか。

ビジネスを自分で作っていくというのは現在の変化の激しい社会を生き抜いていく上で、非常に大事だと思います。

診断士を目指されている方へメッセージ

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石原

最後にまとめとして、中小企業診断士を目指している方、目指そうか悩んでいる方に対するメッセージをお願いします。

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平井様

周りからその資格は意味がないと言われ、揺らぐ方もいらっしゃるかと思いますが、全くそんなことはありません。合格した後にどれだけ頑張れるかで活躍できるかどうかが決まります

周りから何を言われても諦めず、一生懸命勉強してください。待っている未来は明るいです。

合格した暁には、一緒に中小企業を支援していきましょう!

person1
石原

貴重なお話をありがとうございました。

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