専業主婦から社労士事務所を開業!| 秦優さんに直接取材しました
法律系の資格の中で特に人気が高い社会保険労務士(社労士)。
このインタビューを見られている方の中にも資格取得を考えられている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
社会保険労務士試験に合格するコツや社労士として働く魅力とは何なのかなど、受験を考えている方が気になるお話を、行政書士・社労士の2つの資格を取得し現在は個人事務所を経営する傍らYouTubeで積極的に配信をされている秦様に伺いました。
このインタビューを通じて
- 社労士に合格するにはどうしたらいいのか?
- 働きながら資格を取得するコツは?
- 事務所での仕事内容は?
などの気になるポイントについて、秦様ならではの貴重なお話を伺うことができました!
社労士の受験を考えている方必見です!ぜひ最後までご覧ください。
社労士を受けようと思ったきっかけ
本日はお忙しい中取材に応じていただきありがとうございます。株式会社ベンドの北川と申します。
本日のインタビューでは行政書士・社会保険労務士(以下社労士)の受験生時代や秦様の現在の仕事内容について詳しく伺いたいと思います。
よろしくお願いいたします。
YOU社会保険労務士事務所・行政書士事務所で所長をしております、秦と申します。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
早速質問させていただきたいのですが、まず行政書士、社労士それぞれの資格を取得した時期について教えてください。
行政書士は大学時代、社労士は個人事務所を開業する前に取得しました。
取得された時期は違うのですね。行政書士を大学時代に受験しようと思われた理由はなんだったのでしょうか。
大学の学部が法学部だったので周りで司法試験など法律系の試験を受ける人が多く、法律系の試験を私も受けようと思ったからです。
行政書士に特別関心があったわけではなく、当時就職氷河期だったので何らかの資格が欲しかったこと、行政書士という仕事がかっこよさそうだと思い行政書士を受けました。
周囲の影響が大きかったのですね。行政書士に合格された後は資格を活かして就職活動をされたのでしょうか。
行政書士が活かせる事務所ではなく、民間企業に就職しました。
民間企業へ就職した後しばらくしてから社労士を受験されていますが、その経緯についてお聞かせください。
仕事をする中で社労士の知識が必要だと感じたからです。
私は経理職で入社したのですが、私が入社した企業は急成長しているベンチャー企業だったため社員が足りておらず、総務のような仕事も私がだんだんとやるようになりました。しかし総務の仕事に関しての知識が全くありませんでした。
当時は、「源泉所得って何?」「出産一時金って?」と戸惑ってしまう程知識がありませんでした。
必要な手続きも従業員に言われて気づくことがありました。
==「このままではいけない、私が手続きを知らなければ従業員が本来もらえる給付金などももらえな区なってしまう」と感じた時に社労士の存在を知り、資格取得に向けての勉強を始めました。
社労士の受験生時代から合格後まで
行政書士と社労士はどちらも難関資格として知られていますが、合格された理由についてご自身ではどのように考えられていますか?
行政書士についてはたまたまだと思っています。私が受けた当時は試験科目に論文がありました。論文試験の点数が合否に大きくかかわるのですが、私は論文がうまく書けたのでそれが有利に働いたと思っています。
また、社労士試験は各科目の足切りがきつく、そこで落ちる人が多かったのですが、その足切りもなんとか突破できました。
社労士は「今年で絶対受かりたい」という思いで仕事を辞めたのがよかったのだと思います。
運や合格したいという強い意志が合格の決め手になったのですね。
秦様は社労士の勉強中、しばらくお仕事の方も続けられていたと思います。
当時のお仕事を辞められた時期について詳しくのお聞かせください。
私が仕事を辞めたのは試験の4か月前になります。
受験勉強を進めているうちにもっと勉強に集中したいと感じ、受験生時代の最後の方には仕事を辞め、受験勉強に専念しました。
社労士の資格取得を目指したのは会社で知識を活かすためでしたが、一方で社会人としても知っておいた方が知識を学べる資格だとも思っていたので仕事を辞めて受験勉強することには抵抗はありませんでした。
そうだったんですね。
社労士資格の取得後はどうされたのですか?
社労士の業務をしたり、社労士とは関係ない派遣の仕事をしたりしていました。
社労士とは関係ないお仕事もされていたんですね。
社労士の資格を取ってよかったと思われることはなんでしょうか?
資格を持っていればとりあえずそれを活かすことができるところです。
子供が幼稚園に入った頃に仕事をしたいなと考えていたのですが、仕事のブランクがあり子育てとの両立もしなければならなかったので普通の仕事は見つかりづらい状況でした。
そのため、「自分で事務所をひらけば子育てをしながらでも自分の裁量で仕事ができる」と思い事務所を開業しました。
この時に社労士の資格を取ってよかったなと思いました。
確かに社労士資格を持っていれば自分のペースで仕事ができるのでいいですね。
受験勉強のコツ
社労士の受験勉強は途中まで仕事と並行してされていたと伺いました。 働きながら受験勉強をするコツはなにかありますか?
ベタですが、スキマ時間にちょっとでもやることですね。
社労士の過去問を持ち歩き、少しでも時間があればやるようにしていました。
勉強はつらかったですが自分がやりたいことだったので継続して勉強することができました。
また、一日一日コツコツと勉強することで少しずつ模試の点が上がっていったこともスキマ時間の勉強がモチベーションに繋がりました。
社労士は試験科目が多いと思いますが、過去問の進め方で工夫していたことはありますか?
科目によって脳みその使う部分が違うと感じていました。よって、1科目ずつ一定の期間内で一気に極め、試験の1、2ヵ月前の直前期になってから全科目をバランスよく復習しました。
なるほど、試験範囲が広くなると勉強も「バランスを考えて幅広く」となりがちですが、浅く広くのままだと細かい知識を十分に詰めきれないこともあります。
その点、一科目ずつ集中して取り組むことでそれぞれの科目の細部まで勉強することができそうですね。試験の直前期には、それぞれの範囲を復習するのもポイントですね。
社労士の膨大な試験範囲を勉強する上で秦様が工夫されていたことはありますでしょうか?
こちらもベタではありますが、よく目につくところに表を貼ることですね。
失業保険の表など、とにかく暗記するしかないというような表を勉強机などに貼っていました。
勉強机以外にも、トイレの扉など日常生活で目につくところに暗記したいものを貼っていました。
目につく回数が多いほど暗記しやすいですよね。モチベーションが高くない時には、テキストを開くのも少し億劫になってしまいがちですが、受動的に目に入るような仕掛けをしておくのも勉強を継続させるスキルですよね。
モチベーション維持のコツ
社労士の試験勉強をしている中で勉強が嫌になることも多々あったと思うのですが、秦様の勉強のモチベーションを維持するコツがあれば教えてください。
悔しいことを思い出してそれをモチベーションにすることですね。
他には社労士として働いている自分や社労士の合格体験記でしゃべっている自分をイメージすることです。
社労士は実務に結びつく資格なので理想の自分がイメージしやすそうですね。
その他に、勉強のテクニック面でモチベーション維持のコツがありましたら教えてください。
「いつまでにこれをやる」というような勉強計画を立てる方が多いと思います。 私の場合は、勉強計画をかなりゆるめに立て、その計画よりも頑張る余裕があると思ったらもう少し勉強を増やすやり方をしていました。
というのも、自分で決めた目標を達成することができずに、やらなくてはならないことが溜まっていくとそれがストレスになってしまうからです。
勉強を無理なく、継続させるためにこのやり方をしていました。
社労士試験に向けて勉強されている方には、お仕事と両立されている方や、子育てとお仕事と並行して勉強されている方も多くいらっしゃると思います。そんな中、社労士試験の勉強にどうしても時間を割くことができない時もあるかと思います。勉強を継続させるためにも、短いスパンの目標は高すぎない方が良いかもしれませんね。
現在の仕事について
秦様は社労士として独立されていますが、社労士試験合格から独立までの経緯をお話しいただけますか?
はい。私は社労士試験には受かったものの独立する勇気がないまま、結婚・出産を機に仕事を辞めました。
しかし、子育てがひと段落したあたりで仕事を復帰しようとしたものの雇ってくれるところがなかったのでまずは社会保険労務士として開業し、ある程度仕事が軌道に乗ってきてから、行政書士登録もしました。
現在、事務所ではどのようなお仕事をされていますか?
主に法人のお客様向けに仕事をしており、お客様の労務管理、相談業務などを行っています。
また、障害年金関係のお仕事も一部お引き受けしています。
法人向けに仕事をされているとおっしゃっていましたが、契約されている企業の人数はどの程度なのでしょうか?
色々な規模のお客様がいらっしゃいます。中には従業員が5~10人くらいの、就業規則を作るか作らないかくらいの規模の企業もいらっしゃいます。
労働条件の改正は従業員が10人程度になって仕事が少し回らなくなってきたあたりで就業規則などを早めに変えておくのがおすすめなのですが、最近はこのような企業が多くいらっしゃいます。
お客様とのコミュニケーションで気を付けていること
お客様とのコミュニケーションで気を付けていることについてお聞かせいただけますでしょうか?
お客様には色んなタイプの方がいらっしゃり、同じ対応をしてはいけないと考えています。そのため、連絡の頻度は多めがいい方か、何事もきちっとしたい方かなどその方のタイプを見極めることを意識しています。
お客様の"タイプ"はどのように把握されているのでしょうか?
お客様と話をする中で、その方が従業員に対して何を思っているか、何を大事にしているか、社労士には何を求めているかなどを理解しようとします。
お客様が社労士に求めることは、さまざま異なります。例えば、必要な手続きだけしてもらえればいい方、一緒に会社をよくしていって欲しい方など色々な経営者の方がいらっしゃるので、お話しする中で自分の対応を考えています。
経営者の方のスタイルは本当に千差万別ですので、どのような考えを持っていらっしゃるのかを把握することは本当に重要ですね。
社労士を目指されている方へメッセージ
それでは最後に、社労士の受験を考えている方に向けてのアドバイスをお願いします。
社労士は将来有望な仕事です。AIが活躍する社会になっても人間が働く限り、人間同士の問題を解決する社労士は絶対になくなることはありません。
試験勉強は大変ですが、受かった時は大変だった時を忘れるくらいに嬉しいです。
また、社労士は将来自分自身に活かせる勉強内容なので勉強して損はないと思います。
特に今まで職場で色んな思いをしてきた方であれば社労士を勉強していて楽しいと感じると思います。
そのような方と従業員が楽しく働ける職場作りを一緒にしていけたらいいなと思っています。
本日は貴重なお話をいただきありがとうございました!
秦さまの社会保険労務士事務所はこちらをチェック