日本語教師の需要とは?現状やコロナ後の将来性・国内外での就職事情についても解説!
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「日本語教師の今後の需要や将来性について知りたい!」
「日本語教師は安心して働ける仕事なの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
日本語教師を目指していらっしゃる方の中には、日本語教師の仕事の需要や将来性について知りたいと考えている方も多いでしょう。
こちらの記事では、日本語教師の仕事の需要やコロナ後の将来性について、詳しく解説していきます!
日本語教師の今後の需要・将来性についてざっくり説明すると
- 現在は苦境だが、今後の見通しは明るい
- 外国人労働者の受け入れは重要な国策なので、日本語教師の果たす役割は大きい
- 今後はオンライン授業に対応することが重要
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日本語教師の需要は高い?
日本語を学ぶ外国人がいる限り、日本語教師の仕事がなくなることはありません。
しかし、現状はコロナの影響もあって日本語教師の仕事は減っているため、今後の活躍の場があるのか疑問に思っている方も多いでしょう。
今回の記事では、国内と海外における日本語教師の需要を解説していきます。
国内での日本語教師の需要
日本へ進学・就職を志す外国人留学生の増加
アジア圏の国々では日本企業に憧れを持っていたり日本で教育を受けたいと考えている方が多く、実際に日本に来る留学生も多いです。
当然のことながら、彼らにとって日本は馴染みが薄く文化も全く異なる国なので、様々なことで戸惑ってしまうでしょう。
彼らにとって日本語教師は頼りになる存在であり、今後も外国人留学生が存在する限り、仕事がなくなることはありません。
外国人労働者への期待
日本は深刻な少子高齢化の状況にあり、今後は労働力不足が大きな社会問題となるでしょう。
国は高齢者に働いてもらい労働力を増やそうとしていますが、すべての高齢者が健康というわけではありません。
そこで、国は外国人労働者に期待しており、実際に受け入れに積極的な企業も多くあります。
彼らにとって日本語教師は頼れる存在となるため、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
円滑なコミュニケーションに必須
仕事を進める上で、効率化を図ったり周囲と良好な人間関係を築くためには、円滑なコミュニケーションが欠かせません。
日本語は言語の中でも難しい部類に入ると言われており、外国人にとって日本語の習得はかなりの負担となります。
とはいえ、日本の言葉や文化を理解することは円滑なコミュニケーションを取る上で大切なので、日本語教師が外国人に伝えるべきポイントは多いです。
国内需要は高い
日本語教育を充実させるのが日本語教師の役割であり、外国人労働者の増加などを鑑みると国内での需要はかなり高いと言えます。
日本企業は相変わらず世界的に評判が高いため、アジア圏を中心に日本に憧れを持つ方は多くいます。
国の社会保険制度の根幹に関わる重要な仕事と捉えることもできるため、今後の需要や将来性に関しては申し分ないでしょう。
海外での日本語教師の需要
日本語学習の動機が多様化
「クールジャパン」という言葉があるように、日本のアニメや文化などに興味を示す外国人が増えています。
日本は世界でも有数の治安の良さを誇っており、またIT産業の発達も盛んなので、多くの外国人から注目を集めています。
「生活しやすい国」「働きやすい国」という印象を持ち、進学や就職のみならず趣味を楽しむために日本に興味を持つ外国人は多いため、国外における日本語教師の需要も高いと言えるでしょう。
日本語教育の国際的実施
日本語教育は142の国や地域で実施されており、東アジアと東南アジアが多くの割合を占めています。
世界的に日本語の教育が行われていることを考えると、今後の需要や将来性は高いと評価できます。
様々な国で日本語学校が構えられていることから、グローバルに活躍したい人にとって魅力的な仕事と言えるでしょう。
海外需要も高い
日本語を学ぶための施設や実際に日本語を学ぶ外国人は増加していますが、肝心の日本語教師の数はあまり多くありません。
つまり、需要に対して供給が追いついていないため、働き口は豊富にあると言えるでしょう。
日本語は難しい分、日本語を話せる外国人は少ないため、希少価値の高い人材として評価してもらえます。
日本語教師としての働き方
日本語教師の働き方は国内外に関係なく多様化しており、自分の希望通りに働けるチャンスが多くあります。
国内における仕事
活動場所
日本国内における日本語教師の活動場所としては、日本語を教えるスクールや高等教育機関への進学を目指した日本語学校が挙げられます。
また、学生の国際交流や留学サポートを行う大学の留学センターで活躍することもできます。
中には、ボランティアで個人レッスンを行ったり、フリーランスとして活動するケースもあるため、自分のペースで働ける点は大きな魅力と言えるでしょう。
採用の条件
日本語教師として働く上で、必ずしも資格や免許は必要ありません。
法務省が認定する日本語学校では、採用にあたって「日本語教育能力検定の合格」などの条件が設けられているところがありますが、基本的に資格や免許は必須ではないと考えて差し支えありません。
スキルや知識を身に着けておきたい方であれば、日本語教育能力検定の受験をおすすめします。
海外における仕事
活動場所
海外における活動場所は、海外の日本語学校や日本語教師を派遣する団体が代表的です。
海外の現地で日本語を正しく正確に教えることができる人材は貴重なので、重宝されるでしょう。
採用の条件
海外の日本語教師の採用条件は比較的多様で、活動する場所によっては経験が求められるケースがあります。
確実に合格したい場合であれば、国内と同じ要件を満たしておけば問題なく、日本語教育能力検定を受験して日本語教師としてのスキルを高めておくと良いでしょう。
資格の必要性
基本的に、海外であれば資格が無くても働くことができます。
海外では資格はそこまで重要視されていないので、自分の英語力を高めて海外でもスムーズにコミュニケーションを取れるようにしておく方が有意義です。
オンラインレッスン
日本語のオンラインレッスンを運営しているスクールも多くありますが、このようなスクールでは無資格でも働くことができます。
資格の有無よりも「分かりやすく教えてくれるか」「正しい日本語を伝えてくれるか」が重要なので、オンラインレッスンの講師として働きたい場合は「人に分かりやすく教えるスキル」を伸ばすことに注力しましょう。
教育機関などで働く際の資格の必要性
教育機関で働く際には資格が必須
無資格だと、その人の日本語に関するスキルを正確に把握できないため、教育機関で働く際には資格が必須となります。
日本語学校や企業では、資格の有無や大学での専攻科目が重要視されるので、目に見える結果を出さなければなりません。
クリアしなければならない基準の存在
留学生が国内の日本語学校で働く場合は、入国管理局が明示する「日本語教育期間の告示基準」をクリアする必要があります。
つまり、日本語を教えるための施設を運営する上で正しい知見を備えていなければならないため、体外的な証明となる日本語教育能力検定などの資格は必須なのです。
大学または大学院で単位を取得
大学や大学院で4年間に渡って日本語教育を学んだという実績は高く評価され、採用側にとって魅力的な人材に映ります。
また、学歴要件は海外で働く際には就労ビザの条件に入っていることもあるので、大学で日本語教育を学ぶメリットは非常に大きいです。
給料面でも有利に
一般的に、高卒や中卒の方よりも大卒の方が給料が高く、生涯賃金で比較しても大きな差が付きます。
また、大学や大学院でしっかりと学ぶことで確かなスキルを習得できるので、貴重な人材として厚遇される効果も期待できます。
給料が高いことで仕事へのモチベーションが高まる好循環も作れるので、単位を取得するメリットは絶大です。
420単位時間の日本語教師養成講座を修了
日本語教師養成講座を修了するのも有力な選択肢です。
これは文化庁がまとめた「日本語教員養成において必要とされる教育内容」に則っており、日本語教師として必要な知識やスキルを習得できると認定された420時間の講座です。
修了することで法務省告示校で就業することが可能となるので、働くチャンスを大きく広げることができるでしょう。
自分にあった講座を選択
大手の資格取得スクールでは、3ヶ月~1年程度の期間の日本語教育としての講座を展開しています。
受講料金や指導の内容に関してはスクール次第なので、自分に合った講座を選びましょう。
講座を受講することで効率よくスキルを吸収できるので、良さそうな講座があれば積極的に受講することをおすすめします。
日本語教育能力検定に合格
日本語教育能力検定とは、日本語教育に携わる上で求められる講師としての基本的知識などを測る検定試験で、これに合格していれば自身の評価を大きく高めることが可能です。
試験は毎年10月に実施されており、合格率20%程度と比較的難しい試験なので、しっかりと準備してから受験しましょう。
採用条件になりうる
日本語教育能力検定の合格を採用条件としている教育機関やスクールは多く、日本語教師を目指している方であれば合格を目指すべきです。
日本語教育に関連する資格では最もポピュラーなので、合格率は低いですが頑張って勉強しましょう。
講座や通信教育を取るべき
合格率は低く簡単には合格できない試験であることを考えると、独学での勉強はおすすめしません。
講座や通信教育を利用することで合格の可能性を高めることができるので、日本語教師としてのキャリアを考えている方は、お金を払ってでも講座や通信教育を利用しましょう。
なお、試験に受験資格は無いので誰でも受験可能です。
日本語教師は国家資格化されうる
現在の日本語教師は資格や免許が無くても務めることが可能ですが、日本語教師が国家資格化される動きがあります。
文化庁が推進しており、将来的に日本語教師になるための条件に「4年制大学の学位取得」が盛り込まれる可能性が高いです。
これにより、日本語教育能力検定に合格するだけでは足りなくなってしまいますが、国家資格化前に日本語教師の資格を取得していれば経過処置として取得することが可能となる見込みです。
必要なスキルとは
コロナの影響で巣ごもり需要が増し、今後は新たにオンライン対応のスキルが必要になります。
基本的なPCスキルはもちろんのこと、ZOOMやSkypeなどを使いこなせる能力は必須となるので、早い段階から学んでおくことをおすすめします。
コロナが終息しても生活様式の変化により巣ごもり需要が蒸発することは無いと考えられるので、時代に適応することも意識しましょう。
日本語教育能力検定の合格率と難易度
合格率は26%ほど
先ほどからおすすめしている日本語教育能力検定ですが、直近3年の合格率は令和元年度が28.2%・平成30年度が28.3%・平成29年度が25.3%となっています。
平均すると27%程度になるので、4人に1人しか合格できない計算になります。
難易度は比較的高いと評価できるので、しっかりと準備して対策を練っておかないと合格できないでしょう。
難易度が高い理由
日本語教育能力検定の出題範囲は以下のようにかなり広く、対策にはかなりの労力を要します。
- 社会・文化・地域
- 言語と社会
- 言語と心理
- 言語と教育
- 言語一般
以上の5科目に分かれており、かなり細部にわたって日本語の知識が問われます。
また、リスニングもある上に70%以上の正答率をマークする必要があるため、レベルの高い試験なのです。
日本語教師の現状と今後
人手不足している日本語教師
日本語教育業界は人手不足の状況にあり、仕事の需要は非常に高いです。
現状の収入や待遇
日本語教師の待遇は恵まれているとは言えず、雇用条件は他の職業と比較すると見劣りしてしまうことが多いです。
さらに、非常勤講師として働く場合は収入が安定しない上に高年収も狙いづらいため、経済的要求が大きい方にとってはベストな選択肢とはならないでしょう。
実際に日本語教師は非正規求人が多いため、自分の要求を全て叶えられることは稀です。
縮小傾向
現在は入国管理局がビザの発給と更新を以前よりも厳しくしている影響もあり、留学生が大きく減少しています。
留学生の数が減れば、当然のことながら日本語教師の仕事も減ってしまうので、今は日本語教師にとって苦難の時期と言えるでしょう。
多くの学校は経済的な余裕が無いので、講師の雇用が完璧に守れないのが実情です。
日本語教師の将来性
日本の労働力は今後減っていくため、将来的には看護や介護の現場などで外国人労働者を長期雇用する流れがスタンダードになっていくでしょう。
つまり、将来的に見れば日本語教師の需要は高いと言えます。
スキル向上を目指す
日本語教師としてのキャリアを考えている方は、まずは日本語教師として働き始めることが重要です。
実務経験をしっかりと積んでから自分が目指している就職先にアピールすることで、徐々にスキルアップできるでしょう。
海外で働くことを検討している方も、まずは日本で日本語教師としての経験を積みつつ自身の英語力を伸ばし、コミュニケーション能力を鍛えることをおすすめします。
アフターコロナにおける日本語教師
新型コロナウイルスの影響で日本語教育業界は甚大な影響を受けていますが、日本語教師の将来性はどうなっていくのでしょうか?
コロナウイルスの影響
外国人留学生の状況
日本で緊急事態宣言が発令された影響で、外国人の入国規制が加えられています。
入国規制は多くの国を対象に継続しているので、日本への留学を考えていた外国人は入国できない状況です。
今後、感染者が減少して緊急事態宣言が解除されれば徐々に規制解除の動きが出ていくと考えられますが、本格的な入国規制の解除は7月以降になる見通しです。
また、緊急事態宣言中は日本語学校での授業ができず、また国や自治体の要請に従って休業する店も続出していることから、収入が無くなり生活に困窮する留学生が多くいます。
つまり、先立って日本に入国している留学生の生活も脅かされているため、コロナの影響は甚大と言えるでしょう。
日本語学校の状況
4月期の外国人留学生の多くが入国できておらず、この後7月~10月の入学を予定していた生徒が入国できるか否かも不透明な状況です。
その結果、生徒数がこれまでの1割に満たずに経営が悪化する日本語学校もあるため、かなり厳しい状況と言えるでしょう。
さらに、これまでは取り入れていなかったオンライン授業を導入したところ、やり方に慣れておらず「思うように授業が進まない」という問題も発生しており、現場もかなり混乱しているのが実情のようです。
外国人労働者の状況
現在、全国で約25万人の外国人が技能実習生として働いていますが、コロナの影響で経営が悪化してしまったことで技能実習生の雇止めが発生してしまっています。
将来的な日本での活躍を支援するための制度であるにも関わらず雇い止めをしてしまうのは、本来あってはならないことです。
また、今年の4月から入国予定だった技能実習生は来日できず、介護や農業などの元々人手不足だった職種の状況が深刻化するなど、制度のひずみが浮き彫りになっていると言えるでしょう。
政府の対応
上記のような状況下で、政府も様々な救済策を出しています。
- 学生支援緊急給付金
- 雇用調整助成金
- 在留資格の申請の期間を延長
- 在留資格の認定証明書の有効期間の延長
- 国民健康保険料の減額や、支払いの免除
- 公共料金の支払い猶予
- 公営住宅等の入居者等への柔軟な対応
- 在留資格の審査結果の交付期間の延長
以上のような取り組みや制度を打ち出して、自治体と連携しながら柔軟な対策を進めています。
制度がより浸透していけば救済される外国人もいると考えられるため、今は我慢の時期であると言えるでしょう。
日本語教育業界の今後
現状はネガティブなニュースが多い日本語教育業界ですが、悲観的なことばかりではありません。
外国人留学生の動向
Guidable株式会社が独自で行ったアンケートによると、日本に在留している外国人の6割以上が「母国に帰りたくない」と回答しています。
これは「日本の住みやすさ」「生活のしやすさ」を表していることに他ならず、このように考えてくれている外国人をしっかりと日本でサポートすることが非常に大切です。
外国人をサポートする上で、日本語教師の果たす役割は大きいので、アフターコロナでは活躍が期待されています。
日本語学校の今後
コロナの影響で日本語学校も厳しい状況に置かれていますが、今後入国規制が緩和されて留学生の入国手続きが再開すれば、学校運営もコロナ前に戻っていくでしょう。
また、留学生の出身国の割合が2番目に多いベトナムの入国規制が緩和されたため、国内でのワクチン接種が進んで感染状況が改善すれば授業を再開できるはずです。
求人の変化
2020年からまともに授業を行えない状況が続いたため、日本語教師の求人数もかなり減少していました。
しかし、徐々にではありますが経済活動再開の動きと共に求人が戻りつつあるので、今後の見通しは明るいと言えます。
日本語教師の数はコロナ前でも不足していたため、今後も売り手市場であることに変わりはありません。
とはいえ、生活様式の変化に追い付くべく、今後はオンライン授業に対応できるスキルが求められる可能性が高いため、その準備は怠らないようにしましょう。
日本語教師は今から目指すべきなの?
結論から言うと、日本語教師を目指している方はできるだけ早く行動することをおすすめします。
現在は苦しい状況にあるのは確かですが、見方を変えれば「準備するのに絶好のタイミング」と捉えることもできます。
また、日本の将来や外国人の動きなどを鑑みて長期的な視点で見ると、日本語学校と日本語教師の需要は今後も高い状態が続くでしょう。
経済活動が再開したときに遅れを取らないように、様々なスキルを伸ばして早い段階から準備しておきましょう。
日本語教師の今後の需要・将来性まとめ
日本語教師の今後の需要・将来性まとめ
- 外国人の数だけ需要があるため、将来性は高い
- 柔軟な働き方が可能なので、自分のペースで働ける点は大きな魅力
- アフターコロナに備えて様々なスキルを伸ばしておくことが大切
コロナ禍において日本語学校や日本語教師は苦境にありますが、今後の経済活動の復活と共に活躍の場も増えていくはずです。
日本において外国人労働者の重要性は非常に高いので、日本語教師が頼られる場面は間違いなく増えていくでしょう。
日本語教師を目指している方は、この準備期間を有意義に使って需要の戻りに対応できるようにしておきましょう!