日本語教師はやめたほうがいいって本当?環境変化の実態や向いている人の特徴まで解説

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「日本語教師はやめたほうがいいって本当?」

「辞めたいと考えている日本語教師が多いのは何故?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

日本語教師は外国人に対して日本語を教える、社会的意義が大きい仕事です。

やりがいは大きいですが、「辞めたい」と考えている日本語教師が多い点は見逃せません。

こちらの記事では、日本語教師はやめたほうがいいという噂の真偽や向いている人の特徴について、詳しく解説していきます!

日本語教師の仕事についてざっくり説明すると

  • 時間外労働が多い環境が多いため「やめたほうがいい」と言われる
  • 非正規雇用が多く、収入も不安的になりがち
  • 仕事のやりがいは大きく、働き方も多様

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日本語教師はやめたほうがいい?

砂時計から落ちる男性

様々な要因から「日本語教師はやめたほうがいい」という意見があります。

まず、そのように言われている理由や背景について見てみましょう。

残業や時間外労働が多く辞めたいとの声も

日本語教師は授業を行う以外にも様々な付随業務があり、授業の準備などで数時間の時間外労働を強いられることは頻繁にあります。

このような業務の性質もあり、日本語教師を目指す場合は労働量が必然的に増えてしまう点を覚悟する必要があります。

特に、まだ経験が浅い時期は準備だけで多大な時間を費やしてしまい、それがストレスとなって「辞めたい」と考える方が多いのです。

その結果「やめたほうがいい」という声が目立ち、悪評が立ってしまっているのが現状です。

実際の時給・給料はかなり低い

日本語教師の給料面について見てみると、専任講師の場合は20~28万、非常勤の場合は時給1,800~2,000円が相場となっています。

実際、文化庁の「令和2年度日本語教師の資格創設に係る状況調査」によると常勤の日本語教師の年収最多価格帯は300~400万円未満で、次に多い価格帯は200~300万円です。

この数字だけ見てみると普通程度の収入を得られると思われがちですが、一般的なサラリーマンよりも給料が上がりづらいデメリットがあります。

その背景としては、高度なスキルを必要とせず誰でもできる仕事であるため「自分だけの強みや価値」を創造しづらい点が挙げられます。

また、前述したように準備時間などの時間外労働が多いことで単価が下がってしまい実質賃金は時給1,000円を割ることも珍しくないため、やめたほうがいいと言われてしまっているのです。

外国の文化に興味がない人は厳しい

日本語を学ぼうとする生徒は様々な文化やバックグラウンドを持って入学してくるため、相手の価値観を受容するおおらかさも求められます。

異文化や他国の生活習慣などに興味が無いと生徒と円滑なコミュニケーションが取れず、信頼関係を築くこともできません。

特に、異国で生活する外国人にとって「信頼できる現地人」は非常に貴重な存在なので、様々な文化を受容するように心掛けなければなりません。

非常勤で採用されるケースが多い

日本語教師は非正規雇用の割合が非常に多く、上述の文化庁の調査によると74.9%は非正規で就労しています。

つまり、労働時間が少なく賃金も低い・雇用が不安定で景気の影響を受けて解雇されやすい、などのリスクを孕んでいるため、この点を不安に感じる方も多くいます。

非常勤ならではのフットワークの軽さは魅力ですが、安心して働きたいと考えている方にとっては魅力的な選択肢とは言えないでしょう。

ステップアップには大学院に行く必要あり

日本語教師としてのステップアップを目指して大学で講師をしたいと考える方もいるでしょう。

この場合は修士以上が必要となるため、大学院に通う必要が出てきます。

また、大学院で修士を取得したからといって必ず大学で働けるわけでも無いため、かけたコストの割にはリターンが小さいとも言われています。

日本語教師に向いている人の特徴

グッドマーク

前述したように、日本語教師として働くデメリットは多くありますが、デメリットを補って余りあるメリットが存在します。

こちらのトピックでは、それらのメリットと日本語教師に向いている人の特徴を紹介していきます。

仕事にやりがいを求める人

日本語教師は、待遇面や労働環境面だけ見ると「報われない」と感じることが多い仕事ですが、仕事のやりがいは非常に大きいです。

日本語を学ぶ生徒は真剣に勉強する意欲がある方が多いので、自分自分が熱意を持って教えることで生徒も学習を頑張ってくれるでしょう。

日本語のスキルが高まれば最終的に感謝されることも多いため、長い目で見たときの仕事のやりがいは大きな魅力です。

これは教師業の最大の魅力とも言えるので、仕事にやりがいを求めている方は日本語教師の仕事がおすすめです。

海外で経験を積みたい人

日本語教師の仕事の特性上、アジア圏を中心とした海外からの案件・求人が多く、時折英語圏からの求人も出てきます。

もちろん日本にいながら外国人に日本語を教える選択肢もありますが、海外に移住して生活したい方にとっては魅力的な仕事と言えるでしょう。

また、海外の分野に興味がある方にとっても、海外で経験を積めるチャンスがある日本語教師という仕事は有力な選択肢となるはずです。

非常勤で自分のペースで働きたい人

非常勤は雇用が不安定になってしまうリスクを孕んでいますが、自分のペースで働くことができるメリットも兼ね備えています。

また、フットワークが軽く他に良い求人があれば容易に転職することもできる上に労働時間を柔軟に調整できる点も強みです。

特に、家事や育児で忙しく、なかなかフルタイムで長期的に働くのが難しい女性の方にはおすすめできる仕事と言えるでしょう。

いつまでも働き続けたい方

日本語教師は定年が設けられていないケースも多いことから、何歳になっても生涯現役で働き続けるチャンスがあります。

60歳を超えた後も、自分のやりたいことをやってお金を稼ぐことができる方は多くありません。

自分のペースでいつまでも長く働くことで、老後の生活に安心をもらたすことができるメリットもあるので、年金不安も解消できるでしょう。

日本語教師を取り巻く環境は大きく変化

グラデーションと蝶々

日本語教師を取り巻く環境は、留学生の増加や新型コロナウイルスの影響により大きく変化しています。

こちらのトピックで、具体的に起きている環境の変化や影響について、解説していきます。

近年日本語教師の活躍の場は拡大中

日本語教師の働き方は多様化しており、自分のニーズに合わせて柔軟に対応することができます。

オンライン教師

新型コロナウイルスの影響もあり、在宅で有意義な学びができるオンライン学習の需要が高まっています。

個人で講座を受講するスタイルやオンラインスクールに属して指導に受けるスタイルがあり、受け手の選択肢は増えているのです。

コロナ禍の収束にはまだまだ時間がかかることを考えると、これからますます需要が高まっていくでしょう。

人気のある講座であれば求人も増えるため、こまめにチェックしておくと良いでしょう。

企業内勤務

近年はアジア圏をはじめとして外国人労働者が増えており、その方たちをスムーズな就労をサポートするために企業内に日本語教師を雇用する企業も増えています。

現在は委託で非常勤という働く形態が多いですが、今後はグローバル化の影響もあり外国人労働者が増えていくことが予想されています。

ニーズが高まれば正社員雇用も狙えるため、安定した雇用も期待できるでしょう。

フリーランス

フリーランスという働き方の魅力も高まっています。

厚生年金と健康保険に加入できないデメリットがありますが、最も軽いフットワークで働くことができるので、自由度を最優先している方にとってはベストな選択肢と言えるでしょう。

多くの仕事を受けるには確かな実績と評判が欠かせないので、自己研鑽を怠らないようにしましょう。

環境の変化で日本語教師は茨の道に

新型コロナウイルスの影響で国との往来が制限されることになり、日本語教師の仕事にも大きな影響を与えています。

それに伴い、残念ながら日本語教師の需要は大きく減少してしまっているのが現状です。

コロナ禍が終息した後も以前と同じように需要が回復するとは必ずしも言えず、場合によっては悪い方向に転がるリスクも否定できないため、しばらくは様子を伺いながらキャリアについて考える必要があります。

非常勤での働き方の波が来ている

コロナ禍で日本語学校の経営は厳しくなっており、人件費を削減するためにコストが高い常勤講師を解雇するケースが多くあります。

人件費を抑えてシフトをコントロールしやすい非常勤講師の価値が高まっているため、非常勤としての就労を考えている方には追い風と言えるでしょう。

今後数年はこの動きが継続することが予想されるので、注意を払っておくと良いでしょう。

環境の急速についていけないと厳しい

コロナウイルスの影響で、日本語教師として求められるスキルも変化しています。

今後も需要が高いスキルは常に同じではなく、時代の変化に伴って流動的となるでしょう。

しっかりと時代の変化に適応できないとすぐに仕事が無くなってしまうので、資格を取得しても宝の持ち腐れとなってしまいます。

日本語教師の需要のピークはすぎるとの声も

既に「日本語教師の需要のピークは過ぎた」という声もあります。

この背景として、日本政府が発給するビザを緩和していた影響が挙げられ、「日本で働きやすくなったから日本語を学ぶ」と考える外国人が多くいました。

しかし、日本はこれから少子高齢化がますます進んでいき、日本で就労するメリットは薄くなっていくでしょう。

つまり、それに伴って日本語を学ぶ需要も減っていくと考えられるので、日本語教師の活躍の場も失われてしまうと考えられているのです。

日本語教師の仕事まとめ

日本語教師の仕事まとめ

  • 安定雇用や高収入を目指す場合は、やめたほうがいい
  • 国外の文化を知りたい方や長く自分の好きな分野で働きたい方にはおすすめ
  • 働き方は多様なので、自由度が高い天は魅力

日本語教師を辞めたいと考えている方がいるのは事実ですが、やりがいは大きく様々な文化に精通できる点は大きな魅力です。

やめたほうがいいという意見は鵜呑みにせず、自分の得意分野や長所を伸ばせそうであれば、ぜひチャレンジしましょう。

日本語教師はメリットや魅力の多い仕事なので、ぜひ目指してみてください!

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