衛生管理者の試験は難しくなった?合格率や目安の偏差値・勉強方法についても解説
「衛生管理者の試験は難しくなったのか?」
「合格率や目安の偏差値はどれくらい?」
そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
巷では以前に比べて、衛生管理者は難しくなったと囁かれています。
この記事では衛生管理者の試験が難しさや合格率・偏差値などについても解説していきます。
衛生管理者の難易度についてざっくり説明すると
- 年々合格率が下がっているため、難易度は上がっている
- 第一種の偏差値は49とやや低い
- 近年、出題傾向に変化があるので注意が必要
衛生管理者の試験は難しくなった?
衛生管理者は、職場が安全・衛生的であるために作業管理などを行います。この資格習得者は専門家として業務を行うため、会社から必要な存在です。
近年、衛生管理者の試験の難易度は難しくなっていると言われています。難しくなったと言われる理由について、ここでは多様な視点から分析していきます。
第一種の合格率は10%以上低下
衛生管理者の試験の合格率は年々下がっています。試験の合格率が下がっているので、試験が「難しくなった」という言われる1つの理由でしょう。
過去5年の第一種衛生管理者試験の受験者数・合格者数・合格率は、以下のようになります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 68,210人 | 29,113人 | 42.7% |
2020年 | 43,157人 | 18,916人 | 43.8% |
2019年 | 68,498人 | 32,026人 | 46.8% |
2018年 | 67,080人 | 29,631人 | 44.2% |
2017年 | 65,821人 | 29,636人 | 45.0% |
第一種衛生管理者試験の受験者数は年々増えておりますが、合格者数に変化はさほどありません。
この試験の合格率は、変動はあるものの2017年から2021年の間で下がっています。この数字を見れば、「難しくなった」と感じる方も多いでしょう。
ただ、過去5年間の試験の合格基準が上がったわけではありません。試験で出題される問題に変化があり、難易度が上がったのです。
第一種の一発合格率は20%
第一種衛生管理者の試験を始めて受けた方の合格率は、20%と低い数値です。この試験を初めて受ける方の中で10人に2人が、1回で合格するようになっています。
第一種の試験の平均合格率が40%以上になっているため、難易度が高くなったと感じる方が多くなったのでしょう。1回で試験に合格したい方は、計画的に勉強をする必要があります。
第二種の合格率は一層低下
第二種衛生管理者の試験は、第一種以上に合格率が下がっています。今後も難易度が高くなることが予想されるでしょう。
過去5年の第二種衛生管理者試験の受験者数・合格者数・合格率は、以下のようになります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 36,057人 | 17,922人 | 49.7% |
2020年 | 22,220人 | 11,729人 | 52.8% |
2019年 | 33,559人 | 18,511人 | 55.2% |
2018年 | 32,985人 | 17,271人 | 52.4% |
2017年 | 31,537人 | 17,302人 | 54.9% |
試験の受験者数は年々増えていき、2017年に30000人以上が受験するようになっています。
第二種衛生管理者の試験の合格率は、2017年から2021年の間で約5%下がっています。
この数字を見ると、難易度の変化は第1種よりも第2種のほうが激しいと言えるでしょう。今後、更に第二種の合格率が下がる可能性があります。
しかし、第二種衛生管理者の合格率が50%以上もあるため、難易度の高い試験とは必ずしも言えないです。
受験者数は毎年増えており、今後も伸びていくでしょう。これから受験を検討している方は、一段と気を引き締めて試験に臨みましょう。
偏差値から見る衛生管理者の難易度
衛生管理者の偏差値は、第一種49・第二種45となっています。多くの国家資格がある中でも、衛生管理者の第一種・第二種の難易度は低くなっているのです。
この資格の偏差値を見ると、試験に合格しやすいと感じる方もいるでしょう。ただ、初めて受験する方の合格率が20%となっているため、数値は参考程度にしましょう。
落とす試験に変わっている?
上記の表から第一種・第二種衛生管理者の試験は、毎年合格率が下がっています。しかし、合格者数は大きな変化はなく、一定の人数が合格するように難易度を調整している面もあるでしょう。
試験勉強に関しては、過去問の繰り返し解くだけで合格するのが難しいです。衛生管理者の資格の内容をしっかりと理解していないと解けない問題も出題されています。
衛生管理者に対してより深く理解している人に活躍してほしいという出題者側からの意図が読み取れます。
試験に落ちた理由から難易度を考察
上記では衛生管理者の受験者数や合格率について、触れてきました。衛生管理者の第一種・第二種の試験の合格率は、過去5年間で下がっており「難しくなった」と言えるでしょう。
ここでは、衛生管理者試験に落ちた方の勉強方法・試験教材・学習時間などを見ていきます。そこから、衛生管理者の資格の難易度が高くなった理由を分析していきましょう。
落ちた人の勉強時間
試験に落ちた方の勉強期間は2ヶ月で、1日1時間ほど勉強をしていました。しかし、勉強できなかった日もあります。特に社会人や忙しい方は、時間を確保するのは難しいでしょう。
受験者の生活スタイルによって、勉強をする時間や日数は異なります。毎日勉強する方や休日に勉強する方など、自分に合った方法を見つけるべきです。
1日の勉強時間があまり取れない方は、勉強期間を長めに設定する方が良いでしょう。
不合格になった勉強方法
衛生管理者の試験に落ちた方の勉強方法としては、過去問を中心に何度も解く方法です。1つの例としては過去問の4年分を8回、ネット上の最新分の2回を何度も解いていました。徹底的に過去問を勉強する方法になります。
衛生管理者の過去問とネット上の最新の問題を解いた方が8割以上取れていたとしても、落ちています。
他の資格試験によっては、過去問を徹底的に解くことで合格を掴み取れる場合もあります。しかし、衛生管理者の試験は過去問を解くだけでは合格するのが厳しいでしょう。
出題傾向が変わり初見の問題も
近年、衛生管理者の試験の出題傾向に変化があります。そのため、過去問を何度も解いて、十分な点数が取れるようになったとしても合格できない可能性も出てきます。
これは過去の問題から「逸脱した問題」・「変形問題」・「マニアックやレアな問題」が出題されるようになったからです。
現在の衛生管理者の試験の出題問題の割合は、以下のようになっています。
- 頻出する問題:6割
- レア問題・変形問題:2割
- 新しい傾向の問題:2割
近年の衛生管理者の試験の頻出問題は、全体の6割に留まっております。残り4割に関しては、レア問題・変形問題・新しい傾向の問題が占めているのです。
これまでの形式とは変わったたため、今までの対策では不十分になったのです。
過去問だけを解く従来の勉強方法では、衛生管理者の試験に合格することが厳しくなっています。レア問題・変形問題・新しい傾向の問題にも、しっかりと対応できるように対策をしましょう。
過去問だけでは合格できない
現在の衛生管理者の試験は、マニアックな問題や新しいタイプの問題が出題されています。そのため、衛生管理者の過去問だけでは対策が不十分です。
従来は過去問を解くことで合格も可能でしたが、新たな対策方法が必要となります。
試験対策としては新たなテキスト・参考書・問題集などを購入して、理解をより深めるためことです。もちろん、過去問を解くことはとても大事で基礎を固めるためには必要です。
衛生管理者の基礎の部分を学んだ後は、新たなテキスト・参考書などで勉強が不足している部分を補うようにしましょう。幅広い知識が必要となる衛生管理者の試験は、コツコツと日々学習することが大切です。
変形問題も多く出題される
近年の衛生管理者の試験で出題される変形問題は、頻出される問題が形式を変えただけのものになります。今までとは形式が違うので、初めての問題だと感じてしまう方もいます。
このような問題を解けるようになるためには、出題される問題の意図や背景を理解する必要があるのです。
衛生管理者の基礎の知識を、しっかりと理解するようにしましょう。基礎の部分を分かっておけば、形式が変わっても対応できます。今まで解いたことのない問題が出た場合は、落ち着いて問題を読んでいきましょう。
合格に向けた勉強方法・勉強時間
難易度が高くなっている衛生管理者の試験に合格するためには、しっかりとした対策を取る必要があります。苦手分野の対策をしないまま、試験に臨んだとしても合格することは難しいでしょう。
ここでは、衛生管理者の試験に合格するための対策を理解していきましょう。試験勉強に使用するテキスト・学習方法・学習時間など詳しく解説していきます。
テキストや参考書・問題集を反復する
まず、試験勉強を進めていく上でテキスト・問題集を何度も解いていきます。
衛生管理者について理解を深めるためには、テキスト・問題集を解くことが大切です。基礎的な知識を身に付けて、衛生管理者の本質を理解していきましょう。
勉強に使用するテキスト・参考書は、詳しく解説されているので何度も読み直すと良いでしょう。過去問を解くだけでは、理解しにくいことがあるはずです。その時は、テキスト・参考書を使用して理解を深めていきましょう。
もちろん過去問の反復も大事
衛生管理者の試験に合格するには、過去問を解くことも大事です。確かに過去問だけでは、試験に合格する事が難しいでしょう。これは出題形式が変わったことが理由です。
過去問は頻出する問題・基礎の知識を理解するために、何度も解くと良いです。
試験の合格を目指す方は過去問を解いて、確実に得点できる問題を増やしましょう。基礎の知識を学び、1点でも多く得点できるようにすると良いです。
幅広く苦手をなくす対策
衛生管理者の試験には、分野ごとの正答率が40%以上を超えない不合格になってしまいます。そのため、試験範囲を平均的に勉強する必要があります。苦手なジャンルを作らないようにしましょう。
また、レア問題・変形問題などにも対応しなければなりません。過去問のみならず、新たな傾向で出題される問題も解けるようにしましょう。
全体の4割を占めているレア問題・変形問題・新たな傾向の問題を解けないと、合格できないでしょう。
勉強時間は3ヶ月以上確保する
第一種の衛生管理者試験に合格する目安の勉強時間は、3カ月以上です。
また、第二種の衛生管理者試験に合格するためには1~2ヶ月の勉強時間gが必要になります。
この勉強時間は目安になるので、人それぞれ変わってくるので注意が必要です。
試験に合格する方法としては、テキスト・参考書を読んでいくことです。そして、過去問を解いてより理解を深めていきましょう。
勉強時間は少なくとも3ヶ月が必要で、基礎から知識を身に付けるようにしましょう。
衛生管理者の基礎部分を理解するために、1ヶ月間は覚えていく時間に充てるようにすると良いです。その後の勉強を行っていく上で、効率的に進めていけるはずです。時間や気持ちに余裕を持てるようにしておきましょう。
正解・不正解の理由を考える
過去問や参考書を解いていく時に、意識して行うと良いことがあります。それは、正解・不正解の理由をちゃんと理解する点です。
1つ1つの問題の中で押さえたい知識や背景をしっかり理解していくようにしましょう。これによって、頻出問題が変形形式で出題された時でも、落ち着いて解くことができるしょう。
最初は1問ずつに充てる時間は多くなって大変ですが、効率的な勉強方法になるはずです。
通信講座で確実な対策を
衛生管理者試験は近年難易度が高まり、試験傾向も変わっていることから独学での対策には不安を抱える人も多いでしょう。
その際には、最新の傾向も学習内容に反映させてあり、学習を効果的に進められる通信講座の受講がおすすめです。
通信講座の種類は数多くありますが、資格Timesではその中でも特にアガルートの通信講座をおすすめしています。
アガルートの魅力はなんと言っても非常に低価格で受講できることであり、独学で参考書や問題集を揃えるのとあまり変わらない値段で試験対策を行うことができます。
さらに安いにも関わらず講座内容は充実しており、アガルートの講義で学ぶことで独学よりも明らかに効率よく知識を吸収することができるでしょう。
衛生管理者試験の対策に不安を抱えている人は、ぜひアガルートの衛生管理者講座の受講を検討してみてください。
独学合格にはテキスト選びが大切
衛生管理者の試験の合格を目指す方は、一定の勉強時間を確保しましょう。しかし、社会人や忙しい方は勉強時間を多く確保するのが、難しい場合もあるはずです。
勉強時間や勉強の時間帯は、人それぞれ異なってきます。効率的に勉強を進めていく方法の最初として、適切なテキスト・参考書・問題集を選ぶことです。
もしこの段階で自分に合ったテキストを見つけられないと合格は一気に遠ざかってしまうので、しっかり考えた上で決めるようにしましょう。
また、衛生管理者の試験に合格を目指す方に向けて、テキスト選びのポイントを説明していきましょう。どのテキストを使用するかによって、試験勉強の進み方が大きく変わるはずです。
最新版のテキストで法改正の対策
まず、受験をする方は試験を受ける年に最新の改訂版が出ていないか、ちゃんと確認をしましょう。
テキストの中には、何度も改定をしているものがあるので要注意です。近年改定がされていない場合もあるので、自分が使用するテキストがどのようになっているのか、見ておきましょう。
最新の改訂版を選ぶ理由は、最新の頻出傾向を分析しているテキストが多いからです。近年の頻出問題を理解することで試験に合格できる可能性が高まるので、必ずチェックすることがおすすめです。
古い過去問とは出題傾向が変わる
衛生管理者を過去に受けたことのある方は、以前に使用した過去問を使わない方が良いでしょう。自分が受験する年に対応している最新版の過去問を購入して、試験勉強を行うべきです。
最新版のテキストは頻出傾向を分析しているので、本試験の時に役に立つでしょう。本試験で1問でも多く得点できるように最新情報を知るとべきです。
図や表が多いテキストを使おう
試験勉強で使用するテキストで図解や表が多いものは、頭の中で内容をイメージしやすいはずです。
解説の部分が文章だけでは理解しにくいこともあります。そのため、試験の問題集を選ぶ時に図解や表が多いテキストを選ぶと良いです。
試験内容の労働衛生に関する問題は解剖生理学に関連しているため、理解するのに時間がかかります。
現在、試験勉強を行っている方で労働衛生に関する部分が苦手な場合は、図解・表が多いテキスト・問題集・参考書を選びましょう。
また、図解・表の多いテキスト・問題集・参考書もそれぞれ複数あるはずですが、自分にとって見やすくストレスがかからないものを探しましょう。
重要な点や頻出事項が明確か
テキストを選ぶポイントの1つとして、要点が絞られていて頻出する点をしっかりと解説しているものもおすすめです。平均的な試験勉強が求められるので、確実に要点を抑えておくべきです。
衛生管理者の試験は「労働生理」・「関係法令」・「労働衛生」の3つが出題されますが、全ての項目を覚えることは難しいでしょう。しかし、試験では大事な科目になるため、1つもおろそかにしてはいけません
おすすめの勉強方法は、毎年の試験の傾向を分析しているテキストを使用することです。このテキストを使用すれば、ある程度覚える部分が絞られてくるでしょう。
おすすめのテキストを紹介
上で解説した要素を踏まえて、資格Timesでは「この一冊で合格!村中一英の第一種・第二種衛生管理者テキスト&問題集」の2冊を試験対策の際に使用することをおすすめします。
このテキストの大きな特徴として、図表が多く見やすい点・出題頻度別に重要度がわかりやすく示されている点の2つが挙げられます。
学習内容を学ぶ際に特に重要な要素を高いレベルで押さえられている点は、おすすめポイントです。
また、知識をインプットするだけでなく、それをすぐに確認できる体制を取っている点も高評価のポイントです。
これによって、知識を実際に使える形に持っていきやすくなるでしょう。
衛生管理者の難易度についてまとめ
衛生管理者の試験についてまとめ
- 衛生管理者の難易度は近年上がっている
- 過去問を回すだけでは通用しなくなってきているので要注意
- 細心の出題傾向を理解したうえで対策を打っていくことが大切
衛生管理者試験の難易度や合格率・偏差値・勉強方法についても解説してきました。
以前よりも衛生管理者の試験の難易度は高くなっています。
独学や通信講座など、自分のスタイルに合った勉強で合格を目指しましょう。