衛生管理者試験の難易度や合格率は?第一種と第二種の勉強方法・過去問の使い方も解説

「衛生管理者試験の難易度や合格率はどれくらい?」

こんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

この記事では、衛生管理者試験の難易度や合格率・勉強時間や方法・過去問の使い方などについて分かりやすく解説します。

読みすすめていけば、衛生管理者について理解できるだけではなく、衛生管理者試験へどのように向きあえば良いかが分かります!

衛生管理者試験の難易度をざっくり説明すると

  • 衛生管理者試験の合格率は、第一種が44.2%・第二種が52.4%
  • 衛生管理者試験の偏差値は、第一種が45~49・第二種が40~45
  • 勉強時間の目安は、第一種が100時間程度・第二種が60時間程度

衛生管理者試験の合格率は高め

数字

衛生管理者とは、労働安全衛生法で定められている、労働者の健康障害や労働災害を防止するために事業場の衛生全般の管理をする者またはその資格です

一定数以上の労働者がいる職場では、衛生管理者を選任しなければなりません。

衛生管理者の資格を得るためには、第1種または第2種の衛生管理者試験に合格し、都道府県労働局長の免許を受けることが必要です。

この記事では、第一種と第二種に分かれそれぞれに合格率や難易度・試験内容などが異なる衛生管理者の資格試験に関して詳しく解説します。

衛生管理者は国家資格に属する

衛生管理者は労働安全衛生法で定められた厚生労働省認可の国家資格で、各都道府県の労働局長から資格の免許を受けます。

常時50人以上の労働者を使用する職場では、衛生管理者免許を持っている者のうちから労働者数に応じた一定数以上(最多は3,001人以上の事業場で6人)の衛生管理者を選任しなければなりません。

この衛生管理者の役割は労働者の健康被害や労働災害の防止をすることで、厚生労働省では代表的な仕事として次の4つを求めています。

もっとも、これら以外にも多岐にわたります。

  • 労働者の危険または健康障害を防止するための措置
  • 労働者の安全または衛生のための教育の実施
  • 健康診断の実施その他の健康の保持増進のための措置
  • 労働災害防止の原因の調査および再発防止の対策

第一種と第二種は業務範囲が異なる

衛生管理者の資格には第一種衛生管理者と第二種衛生管理者があり、衛生管理者になるためにはいずれかの資格を取得する必要があります。

どちらの資格が必要かは業種によって、次のとおりです。

・第一種衛生管理者は、有害業務を含むすべての業種の事業場において衛生管理者になれます。

・第二種衛生管理者は有害業務以外の金融、保険業、卸売、小売業などで衛生管理者になれます。

なお、有害業務とは放射線や化学物質の製造や取り扱う業務、工事現場など微粒な粉じんの中で行う業務(粉じん作業)などで労働者の健康に悪影響を与える可能性のある業務です。

ですから、労働者の命に関わる事故が起こりうる現場も多く、責任は重大です。

第一種衛生管理者の合格率・難易度

第一種衛生管理者の受験者や合格率は下表のとおりです。

実施年度 受験者数 合格者数 合格率
2018年 67,080人 29,631人 44.2%
2017年 65,821人 29,636人 45.0%
2016年 61,500人 28,003人 45.5%
2015年 55,129人 30,587人 55.5%
2014年 53,111人 29,922人 56.3%

第一種衛生管理者の資格試験の合格率は近年低下しており、45%前後で推移しています。

この合格率は、国家資格にしては高くありません。

また国家資格の偏差値も「45~49」であり、難易度としては「簡単」と判定されています。

第二種の試験の難易度は低い

実施年度 受験者数 合格者数 合格率
2018年 32,985人 17,271人 52.4%
2017年 31,537人 17,302人 54.9%
2016年 29,186人 16,189人 55.5%
2015年 25,716人 16,983人 66.0%
2014年 25,069人 17,365人 69.3%

第二種衛生管理者の合格率も近年は下がっており、50~55%で推移しています。

とはいえ第一種衛生管理者試験よりも約10%高く、受験者の半数以上が合格できる状況です。

また、国家資格の偏差値も第一種衛生管理者よりも低く「40~45」で、難易度は「簡単」と判定されています。

衛生管理者資格の試験内容

試験

衛生管理者試験には第一種と第二種の2種類あり、取得できる「資格内容」も「試験内容」も異なるものです。

この記事では、2つの資格試験の内容を取り上げて解説します。

第一種の試験範囲・試験時間

第一種衛生管理者試験の試験科目や試験範囲、出題数や配点は下表のとおりです。

試験科目 試験範囲 出題数(問) 配点(点) 試験時間
労働衛生 有害業務に係るもの 10 80
労働衛生 有害業務に係るもの以外のもの 7 70
関係法令 有害業務に係るもの 10 80 関係法令全体で13:30~16:30の3時間
関係法令 有害業務に係るもの以外のもの 7 70
労働生理 10 100
合計 44 400

上表のように、第一種衛生管理者の試験では労働衛生2科目・関係法令2科目・労働生理1科目の計5科目が試験範囲で、44問・400点満点で出題されます。

なお、試験形式は五肢択一のマークシート方式で、試験時間は3時間です。

第二種試験の問題数は少ない

第二種衛生管理者試験の試験科目や試験範囲、出題数や配点は下表のとおりです。

試験科目 試験範囲 出題数(問) 配点(点) 試験時間
労働衛生 有害業務に係るものを除く。 10 100 関係法令と合わせて13:30~16:30の3時間
関係法令 有害業務に係るものを除く。 10 100
労働生理 10 100
合計 30 300

上表のとおり、第二種衛生管理者試験の試験範囲や出題数などは、第一種衛生管理者試験よりも狭く少ないのですが、試験時間は3時間です。

このことから、第二種は第一種よりも取り組み易い試験と言えるでしょう。

科目免除も存在する

第一種および第二種衛生管理者試験の受験する際、次の要領で科目免除を受けられます。

  • 対象者:船員法の衛生管理者適任証書を交付され、その後1年以上労働衛生の実務経験を有する者
  • 免除科目:労働生理 10問(1 00点)
  • 手  続:受験申請書B欄の学科「一部免除」を○で囲み、「労働生理」と記入
  • 添付書類:受験資格の証明が添付されていれば不要

なお、科目免除により、試験時間は45分短縮され、13:30~15:45の2時間15分に変更されます。

合格基準や受験料は同様

衛生管理者試験の合格基準は第一種・第二種の試験共通で、「各科目40%以上の点数をとり、合計点が60%以上の正答率」です。

従って第一種は「各科目40%以上の点数をとり、合計点が60%以上(240点以上)」、第二種は各科目40%以上の点数をとり、合計点が60%以上(180点以上)」なら合格します。

なお、受験料についても第一種・第二種の試験は同額で、労働安全衛生法関係手数料令による6.800円(税抜き)です。

試験日程や合格発表日は地域で異なる

衛生管理者試験は、厚生労働大臣の指定を受けた(公財)安全衛生技術試験協会が運用を担っています。

試験実施などの実務を日常的に行っているのは、試験機関として全国7カ所(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州)に設けられている安全衛生技術センターです。

衛生管理者の試験は各安全衛生技術センターで毎月1〜5回行われているほか、遠隔地在住の受験者のために出張試験も行われています。

試験日程や合格発表日など実施要領は各センターで異なることから、詳細は安全衛生技術試験協会または各安全衛生技術センターのホームページで確認が必要です。

衛生管理者試験の受験資格

バランス

衛生管理者試験には受験資格が設定されていますので、申し込めばだれでも受験できるということにはなりません。

とくに衛生管理者試験の受験資格は多岐にわたっていることから、自分が受験資格を満たしているかどうかのしっかりとした確認が必要です。

この記事では、衛生管理者試験の受験資格に関して解説します。

学歴と実務経験の両方が必要

衛生管理者の試験を受験するには、受験資格として設定されている「学歴」と「労働衛生の実務経験」の要件を満たしていなければなりません。

代表的な受験資格は、次のとおりです。

  • 大学または高等専門学校を卒業し、その後1年以上労働衛生の実務経験がある者
  • 防衛大学校防衛医科大学校などの省庁大学校を卒業し、その後1年以上労働衛生の実務経験がある者
  • 高等学校または中高一貫教育学校を卒業し、その後3年以上労働衛生の実務経験がある者
  • 高等学校卒業程度認定試験合格者で、その後3年以上労働衛生の実務経験がある者

なお、最終学歴に関係なく労働衛生の実務経験が10年以上ある者も受験資格を満たします。

このように、学歴によって労働衛生の実務経験も変わるので、自分がどれに当てはまるかをしっかりと確認をする必要があるのです。

労働衛生の実務に該当する業務

衛生管理者の受験資格には実務経験、それも「労働衛生の実務経験」が設定されており、その条件をクリアしなければ受験できません。

この労働衛生の実務経験としてカウントできる業務は、13種類あります。

代表的な業務をいくつか紹介すると、次のとおりです。

  • 健康診断実施に必要な事項または結果の処理の業務
  • 作業条件、施設などの衛生上の改善の業務
  • 労働衛生保護具、救急用具などの点検および整備の業務
  • 衛生教育の企画、実施などに関する業務
  • 保健衛生に関する業務

これらの実務経験を有していることを事業場の代表者(社長・人事部長・総務部長・支店長など)に証明してもらうことで、受験資格が認められます。

なお、担当している業務が労働衛生の実務経験に該当するどうかか分からない場合は、労働衛生技術協会に問い合わせて確認しましょう。

第一種と第二種の勉強時間の目安

時間

衛生管理者試験に合格するために必要な勉強時間は一般的には1~2カ月、時間にして60~100時間程度です。

もっとも、第一種と第二種によって難易度も試験範囲も違いがありますし、合格するのに必要な勉強時間には個人差がありますから、あくまでも目安でしかありません。

ここでは、第一種と第二種に分けて、勉強時間について解説します。

第一種の勉強時間は100時間程度

一般的な目安から言えば、第一種衛生管理者試験合格に向けての勉強時間は100時間です。

つまり、毎日1時間勉強するとして、3カ月程度の学習期間を目安として学習計画を立てればいいということになります。

これを基準にして、1日当たりの勉強時間を増やすことで学習期間を短縮できますし、学習期間を延長することで1日当たりの勉強時間を短くできるのです。

なお、7つの安全衛生技術センターによって違いがありますが、衛生管理者試験は月に何回も実施されることから、学習期間が少し長くなっても受験のチャンスはそれほど遠のくことはありません。

第二種の勉強時間は60時間以上

第二種衛生管理者試験合格に向けての勉強時間の一般的な目安は、60時間とされています。

毎日1時間勉強すると2カ月、2時間勉強すると1カ月程度の学習期間を目安に学習計画を立てればいいのです。

第二種衛生管理者試験の合格率は50%を超えていますから、国家試験としては簡単な試験といえます。

過去問を解いてみたりテキストに目を通したりしてみれば、60時間で合格できそうもないと思う人は少ないでしょう。

また、机の前での勉強よりも、早起きや通勤電車に乗っている時間を活用するなど、いわゆるすきま時間を利用しての勉強で合格する人は多いようです。

なお、衛生管理者の資格試験は月に何回も行われるので、学習の進み具合や自分の力量と相談して受験日を調整することをおすすめします。

衛生管理者合格までの効果的な勉強方法

勉強法

衛生管理者試験の合格基準は、第一種・第二種とも「各科目40%以上の点数をとり、合計点が60%以上の正答率」です。つまり、得意科目や苦手科目を作ってしまうと合格が難しいことを示しています。

合格率が高いのですが専門的な知識が問われる試験ですから、しっかりとした勉強が必要です。

ここでは、衛生管理者合格に向けた効果的な「反復学習法」について解説します。

参考書と問題集の反復勉強をする

この参考書なら読み易いと思える参考書(テキスト)と問題集を、各1冊だけ購入しまず。

入手したら、まず問題集に挑戦してみます。誤って解答した問題や理解しづらい問題があると、参考書を辞書のように使い正しい知識の確認です。

最初は何も覚える必要はないので、「どのようなことが書いてあるか、どのようなことを覚えなければならないのか」と言った程度でざっくり目を通します。

問題集を一周したら引き続き二周目に取り組んでください。

2回目でもまだ解答できないことや参考書で確認することが多いでしょうが、1回目よりは確実に少なくなります。

3度目・4度目になるとさらにはやく解けるようになり、5回目のころには「完全に理解している」と思えるくらいスラスラと解答ができるはずです。

問題を繰り返し解き参考書を何度も読み返すこの勉強法は、「反復学習法」と呼ばれます。短期間で多くの情報を記憶する際には、非常に効果的です。

過去問のやり込みが結果を決める

問題集と参考書の反復が終わったら、次は過去問とテキストによる反復学習のスタートです。

とくに衛生管理者の試験は毎年出題傾向が似通っていることもあり、過去問を徹底的に攻略すれば、本番の試験でも問題を解くことができます。

過去問をとくことで、知らなかった知識や誤って記憶していた知識を確認できるので、そのタイミングでテキストを使って必要で正確な知識を記憶し直すのです。

この過去問とテキストによる反復学習の3往復するころには、テキストに記載された内容のほとんどは記憶できていると言ってもいいでしょう。

人の記憶はその8割が1週間程度で消えてしまうと言われますが、同じ情報を繰り返し確認するすことで、その記憶は脳に「定着」します。

通信講座で確実に対策しよう

衛生管理者試験は実務経験がある人が受験しても合格率が50%以下という難易度の試験であるため、しっかりと対策して臨むべき試験難易度となっています。

市販のテキストを読みこむ以上に、プロの講師が解説している講義を視聴した方が早くしっかりと要点を抑えて内容を理解することができるという方が多いです。そのため、通信講座を受講する方が確実に合格するための戦略しておすすめです。

特にユーキャンの衛生管理者講座はメインテキストがわかりやすいだけでなく、副教材として提供される「合格問題集」をやりこむことで格段に試験での得点力がつきます

また、記述問題の添削指導も充実しているため、実力を確認しながら受験勉強が進められます。さらに、ユーキャンの方からの励ましの言葉もモチベーションの維持につながったという受講者の声も聞かれました。

衛生管理者は需要のある資格

成功

常時50人以上の労働者が働く事業所では、衛生管理者を選任することが義務づけられています。

しかも、労働者が多い職場では、複数の衛生管理者を選任しなければなりません。

そのため、衛生管理者は大企業ほど需要が高い資格といえます。

ところが資格を持っている人が少ないこともあり、供給が需要に追いついていない状況が続いているのが衛生管理者の現在の需給状況です。

衛生管理者の設置義務が存在

常時50人以上の労働者が働く事業所では、一定数の衛生管理者を必ず選任しなければなりません。

具体的には従業員が50人以上~200人以下なら1人以上、200人超~500人以下なら2人以上、500人超~1,000人以下なら3人以上、1,000人超~2,000人以下なら4人以上の衛生管理者の選任が必要です。

適切な選任をしていない場合には罰則が科せられることもありますが、近年は、職場の衛生管理や適切な労働環境作りが行き届いていない企業はブラック企業とみなされます。

そのことで社会的な信用を失い、求職者にも選んでもらえない可能性があるのです。

こうしたことから、衛生管理者の資格に対する世の中のニーズはますます高くなっています。

就職・転職時にもメリットが多い

衛生管理者は、管理系セクションで働いている人や就職・転職時にメリットがあるといわれます

衛生管理者は性別や年齢を問わない資格ですから、企業の中には総務・人事系でキャリアを磨いたシニアや女性を選任することは珍しくありません。

また、昇進昇格の条件にしたり資格手当支給したりする企業もあります。

大規模企業や大型事業場ほど衛生管理者のニーズは高いのですが、事業所の掛け持ちでの選任は認められないことから、中途採用で衛生管理者の有資格者を求める企業が多いのです。

さらに、衛生管理者の有資格者数が少ないことから、中小企業からのニーズも続いています。

こうしたことから、資格を持っていれば、就職や転職で大いに有利なのです。

衛生管理者の難易度や合格率はどれくらい? についてまとめ

衛生管理者の難易度や合格率はどれくらい?についてまとめ

  • 合格率は第一種が44.2%、第二種が52.4%で、国家試験としては合格しやすい試験
  • 偏差値は第一種が45~49・第二種が40~45で、難易度の判定は「簡単」な試験
  • 勉強時間は第一種が100時間程度・第二種が60時間程度の独学での合格が可能

衛生管理者の難易度に関連してさまざまな側面から解説してきました。

現在、衛生管理者の絶対数は不足していますから、衛生管理者資格を持っていれば、どの企業でも重宝されます。

是非資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?

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