イタリア語の難易度は?文法の特徴や基礎・フランス語やスペイン語との比較まで解説!
「イタリア語の難易度は高いの?」
「テレビなどでイタリア語を聞いてみるとかなり難しい印象を受けるけど、本当に習得できるの…?」
このような疑問や不安をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
イタリアは毎年多くの日本人が観光に訪れる人気の国なので、イタリアを学びたいという方も増えています。
しかし、イタリア語を学ぶにあたってどのように学べばいいのか悩んでいる方も多いはずです。
こちらの記事では、イタリア語の難易度や基礎、またフランス語やスペイン語などとの違いについて詳しく解説していきます!
イタリア語の難易度・特徴についてざっくり説明すると
- 日本人にとってイタリア語は馴染みが薄く、勉強しづらい言語
- 他の言語と比較すると文法のルールが複雑
- 独学での習得は不可能ではないが、かなり難しい
イタリア語の難易度は高いの?
まずは、日本人にとってイタリア語は難しいのかどうかを見てみましょう。
イタリア語は日本人にとっては簡単ではない
イタリア語は英語と似ている部分が多くあるため、既に英語を習得している人にとっては習得しやすい言語です。
単語も英語と語源がかぶるものも多いため、英単語とうまくリンクさせながら覚えることが可能です。
更に、日本語は文字がひらがな・カタカナ・漢字の3種類あるという点で難しいですが、イタリア語はアルファベットのみで発音はほぼローマ字読みで対応することができます。
使用場所がない
フランス語であれば、フランス以外にもアフリカ諸国など多くの国で通用しますが、イタリア語が通じるのはイタリアだけです。
そのため、イタリア旅行に行かない限りは日本人がイタリア語と触れ合う機会はほとんどありません。
この点がイタリア語の習得を困難にしている1つの要因と言えるでしょう。
しかし、言語を学ぶ上でモチベーションを保つのは非常に重要なポイントなので、イタリア語を自発的に学びたいという強い意思を持っている方でなければ習得は難しいでしょう。
完璧主義者多い
日本人には完璧主義者が多く、間違いを恐れて完璧に理解しないとその言語を使わない人が多いです。
しかし、英語などの他の言語にも同じことが言えますが、実際には多少文法や単語のニュアンスが間違っていても通用します。(何より、相手側が意図をくみ取ってくれるケースがほとんどです。)
完璧に多言語を話せるようになるには、当然のことながら長い年月がかかってしまいます。
そのため、間違っていてもたくさんのアウトプットをこなすことが言語を習得する上で重要と言えるでしょう。
イタリア語で難しいポイント
日本人にとって、イタリア語を学ぶ際につまずいてしまうポイントはまず文法です。
基礎的な文法のルールは英語と重複する部分も多いですが、イタリア語は動詞の活用が多かったり英語にはない文法もあるため、この点が難易度を上げるポイントとなっています。
また、そもそもイタリア語話者が日本には少ないため、スピーキングの練習をするのが難しい点という点も習得を妨げています。
イタリア語の難易度を様々な側面から解説
こちらのトピックで、イタリア語の難しさを他の言語と比較してみましょう。
言語 | 内容 | 難易度(1が簡単で、5が難しい) |
---|---|---|
イタリア語 | 発音 | ★★☆☆☆ |
文法 | ★★★★☆ | |
リスニング | ★★★★☆ | |
リーディング | ★★☆☆☆ | |
ライティング | ★★★★★ | |
使用地域の広さ | ★★☆☆☆ | |
英語 | 発音 | ★★★★★ |
文法 | ★★★☆☆ | |
リスニング | ★★★☆☆ | |
リーディング | ★★★☆☆ | |
ライティング | ★★★★☆ | |
使用地域の広さ | ★★★★★ | |
フランス語 | 発音 | ★★★★★ |
文法 | ★★★★☆ | |
リスニング | ★★★☆☆ | |
リーディング | ★★★☆☆ | |
ライティング | ★★★★☆ | |
使用地域の広さ | ★★★☆☆ | |
スペイン語 | 発音 | ★★★☆☆ |
文法 | ★★★☆☆ | |
リスニング | ★★★★☆ | |
リーディング | ★★★☆☆ | |
ライティング | ★★★★☆ | |
使用地域の広さ | ★★★★☆ |
このように、イタリア語は発音は他の言語と比較すると難易度が低い特徴がありますが、文法やライティングに関しては難易度が高めです。
しっかりと言語の特徴を捉えておかないと学習するときに苦労してしまうので、注意しましょう。
発音 ★★☆☆☆
イタリア語の発音は簡単だと言われていますが、その理由はほとんどの単語が母音で終わり、それをそのまま読むだけで済むからです。
また、単語などは基本的にローマ字読みであるため、日本人でも発音しやすく間違えにくい特徴があります。
意識するべきポイントとしては「r」の巻き舌くらいで、これさえマスターできればイタリア人顔負けの発音を習得できるでしょう。
例えば、英語でfaceは「フェイス」と読みますが、イタリア人が読むと「ファーチェ」となります。
イントネーション ★★★☆☆
イタリア語の特徴として、抑揚が激しくアクセントも重要な点が挙げられます。
テレビなどでも聞いてみると分かるように、イタリア語は英語と比べてもイントネーションの癖が強く、これをマスターできれば流暢なイタリア語話者になれるでしょう。
日本人は抑揚をつけるのが苦手なので、この点で苦労する方は多いですがイントネーションや抑揚はイタリア語の特徴であるため、しっかりとマスターできるように頑張りましょう。
語彙 ★★★☆☆
イタリア語の語彙は、英語を既に学習している方にとっては比較的優しいと言われています。
その理由は、英語とイタリア語は共に同じラテン語から派生した言語なので、似たような単語が多いからです。
そのため、知らない単語が出てきた場合でもゆっくり発音してみると案外あっさりと理解できることが多く、語彙力を鍛えやすい言語なのです。
例えば、辞書はdizionario(ディツィオナーリオ)・病院はospedale(オスペダーレ) となりますが、これらの単語を複数形にする際も、規則性があるためそこまで難しくありません。
ただし、名詞一つ一つの性や変異同士を覚えるのは難しいポイントなので、この点は特に力を入れて学習すると良いでしょう。
文法や動詞 ★★★★☆
イタリア語を勉強する上で悩まされがちなのは文法で、イタリア語では日本に馴染みのない性名詞や動詞の活用が存在します。
性名詞は女性(italiana)と男性(italiano)の2種類でがあり、それぞれに合わせて冠詞や形容詞を使う必要があります。
なお、名詞の複数形を作る際にも性名詞が関わってくる上に、動詞の活用も覚えなければならないため、この点は学習する上で大きな負担となりがちです。
例えば、イタリア語で「愛している」という意味を持つ「amare」という原型を活用する際は、以下のような活用の種類があります。
人称・単複 | イタリア語 |
---|---|
原型 | amare |
一人称単数 | amo |
二人称単数 | ami |
三人称単数 | ama |
一人称複数 | amiamo |
二人称複数 | amate |
三人称複数 | amano |
このように活用の種類が非常に多く、すべての同士で覚えなければなりません。
規則はありますが、規則自体も複数あるため覚えるのに苦労する方は非常に多いです。
このように、日本語にはない文法もルールもある上にそもそもその意味を理解するのにも苦労してしまうため、文法の勉強をする際には特に力を入れて勉強すると良いでしょう。
リスニング ★★★★☆
イタリア語には馴染みのあるものが多いため簡単だと思われがちですが、イタリア語特有の巻き舌やアクセント・イントネーションを習得する必要があります。
日本語にはない要素なので、これらの兼ね合いを考えるとリスニングはかなり難関であると言えるでしょう。
単語も変化しており文法とセットで考えると理解がなかなか追いつかないこともありますが、日常会話においてはイタリア人は気を利かせてゆっくり話してくれる人が多いです。
イタリア人には友好的な人が非常に多く、理解できるまでコミュニケーションを取ってくれるため、そこまで難しく考える必要はないでしょう。
リーディング ★★☆☆☆
イタリア語は単語を見れば意味が大体理解できたり文法も英語に近しいものが多いため、リーディングに関しては比較的簡単にマスターできるでしょう。
ただし、文法の理解が十分にできていない方や英語を知らない方はスムーズにイタリア語を読むことはできません。
そのため、まずは基礎的な文法の理解を最優先して、その後に多くのイタリア語に触れてリーディングの訓練を重ねていきましょう。
ライティング★★★★★
イタリア語は文法のルールが複雑で、自分が伝えたいことを正確に伝えるのは難しいです。
実際に外国語を学習していると、読んでいる分には理解できても自分の伝えたいことを正しい文法に則った上で伝えるのは難しいものです。
単語はローマ字通りなのでライティングに関しては簡単ですが、正確に自分の伝えたいことを相手に伝えるためにも基礎的な文法ルールをまずは身に着けましょう。
他言語との難易度比較
こちらのトピックでは、同じヨーロッパの言語として大学の第二外国語としても人気のある言語を紹介していきます。
イタリア語との違いを把握し、学習の参考にしてください。
英語
語彙やスペルが似ていることからも分かるように、英語とイタリア語は近く相互に学習しやすい関係にあります。
語彙に関しては英語と通ずるものがありますが、イタリア語の文法は英語以上に複雑で多くのルールがあります。
また、イタリア語は英語と比較すると使用する頻度が非常に低く、活用できる場面も残念ながら少ないです。
そのため、イタリア語の学習を本格的に始める前に、まずは英語をマスターするとスムーズに理解できるようになるでしょう。
ラテン語
イタリア語は最もラテン語の要素を後継している言語と言われており、ラテン語を学ぶメリットは大きいです。
なお、ラテン語は様々な言語の根源となっているため、ラテン語を学ぶことでイタリア語のみならず様々な言語を網羅できるようになるでしょう。
しかし、今現在ラテン語を母国語としている国は無く、学んだところで生かす場面はありません。
そのため、勉強するモチベーションの維持が難しい点が大きなデメリットと言えるでしょう。
フランス語
フランス語の発音やスペルはイタリア語からだいぶ変わっており独特な要素が強いです。
しかし、文法に関してはイタリア語とかなり共通している点が多いため、フランス語を習得することでスムーズにイタリア語の文法を理解することに繋がります。
つまり、どちらかの言語の文法ルールをマスターすれば自然ともう片方も理解できるようになるでしょう。
なお、フランス語の話者はイタリア語の話者よりも多く、カナダやフランス、スイスなどのヨーロッパの一部で使われています。
また、アフリカの多くの国でもフランス語は使われているため、学ぶモチベーションを維持しやすいでしょう。
スペイン語
スペイン語の発音はイタリア語と同じくらい動詞の活用が多く、習得するのが難しいと言われています。
単語の見た目や発音はイタリア語と最も近い現代語であり、同時に学ぶことでそれぞれの言語を理解する助けとなるでしょう。
また、スペイン語は世界的に見ても話者が非常に多く、英語に次いで2番目くらいに多い地域で使われています。
スペイン語は英語話者にとっての第二外国語としても使われているため、マスターするメリットは非常に大きいです。
イタリア語の勉強方法
こちらのトピックでは、イタリア語の勉強方法を各ステップごとに紹介していきます。
ネイティブの先生が多い
イタリア語の話者は日本にほとんどおらず、世界的に見てもイタリアにしかいません。
つまり、日本でイタリア語を教えてくれる方はほぼネイティブのイタリア人に限られるため、本場ならではのニュアンスや文化そのものを教えてくれるでしょう。
ネイティブ講師からレッスンを受けることで、イタリア語を話せる日本人と比較すると圧倒的に効率よく言語をマスターできます。
つまり、学習効果が非常に高く上達するスピードが早くなるメリットがあります。
さらに、イタリア人は陽気でイメージ通り褒め上手な方が多く、楽しくコミュニケーションを取ることができます。
また、オーバーリアクションを使って学習者のモチベーションを高めてくれるため、ネイティブ講師から学ぶメリットは非常に大きいのです。
しかし、ネイティブ講師から学ぶ場合には、コミュニケーションのスタイルや教育方法に慣れる必要があることもあるため、自分の学び方に合うかどうかをよく考慮することも重要です。
イタリア旅行が身近なものに!
イタリアに旅行をする日本人は非常に多く、毎年人気のある国として有名です。
イタリア料理やイタリアの文化に憧れる日本人は少なくなく、自分の趣味をより深めるためにイタリア語を学ぼうとする方も多いです。
イタリア旅行を旅行する際は、当然のことながらある程度イタリア語が分かれば非常に楽しいものになるでしょう。
言葉が通じない不安が解消できる上にコミュニケーションを取ることで現地の人と距離が近くなり、貴重な体験ができる可能性があります。
イタリアは日本からの直行便もあり安いツアーも組まれているため、思っている以上に気軽に訪れることができます。
そのため、イタリア文化に興味があったり現地で楽しく滞在したいと考えている方は積極的にイタリア語を学ぶと良いでしょう。
さらに、イタリア語を学ぶことで、観光地だけでなく地元の人々と深く交流する場所へ足を運ぶことも可能になります。
これによって、観光ガイドブックには載っていない、本当のイタリアを感じる機会が増え、旅行の魅力を一層高めることができるでしょう。
一度習得すれば一生ものになる
言語は一度取得してしまえば、一生自分の貴重なスキルとして残ります。
人生を通して使える言語が増えることは、仕事の面だけでなく様々な価値観を変えることができます。
また、多くの言語を使いこなすことで人間関係を広げることにも繋がり、より人生を豊かにできるでしょう。
特に、現代においては海外進出する企業も増えていることもあり、グローバル化がどんどん進んでいます。
そのため、外国語に対する需要も広がっている傾向にあるので、少しでも外国語に精通しておくことで市場価値の高い貴重な人材として評価してもらえるメリットがあるのです。
イタリア語を学んでいる方はフランス語やスペイン語の学習者に比べて少ない分、しっかりと習得すれば貴重な人材として評価されるでしょう。
自分のキャリアや趣味に合った新たな道が開かれることもあるので、挑戦する価値が非常に高いと言えるでしょう。
イタリア語は独学でマスターできる?
イタリア語は独学でもマスターすることが可能ですが、簡単ではありません。
効率よくマスターするためには、講座を受講することがおすすめです。
独学で勉強する際に気を付けるべきポイント
長い期間に渡ってイタリア語の勉強を一人で続けるのは非常に大変です。
独学だと目標を共有できる人もおらず、またモチベーションを保つことが出来ずに途中で挫折してしまう人も少なくありません。
せっかく勉強に着手したのに途中で挫折してしまうのは非常にもったいないので、独学者は特にモチベーションの維持に努めるべきです。
英語をはじめとして、母国語以外の言語を勉強した経験のある方であれば、新たに言語を習得するときに注意するべきポイントや勉強のコツを心得ているケースが多いです。
学習慣れしていることで独学でも効率的に勉強を進めることができる強みがあるため、このような方は独学でも対応できるでしょう。
長期間の学習スケジュール作成が必須
新たな言語を習得するためには、かなり長期的な学習計画を立てた上で勉強を継続する必要があります。
日本にいながら勉強してイタリア語を習得するためには、基礎から学んで最低でも2年はかかることを覚悟しておきましょう。
また、独学だとスクールに通うよりも非効率な勉強になりがちで、学習ペースが掴めず勉強期間がダラダラと長引いてしまいがちです。
質の低い勉強をしていても無駄な時間を過ごしてしまうため、要注意と言えるでしょう。
アウトプットをする機会を作る
言語を習得するには、定期的なアウトプットが欠かせません。
参考書を読んだだけでは概要や基礎を理解しただけで終わってしまい、言語の本質であるコミュニケーション能力が磨かれません。
そのため、実践的なイタリア語を習得するためにも、実際に自ら文章書いてそれを声に出して読んでみたり、イタリア人の知り合いが入ればイタリア語で会話をしてみるなどの積極的なアウトプットを心掛けましょう。
独学者向けのテキストは?
イタリア語を学ぶ際におすすめのテキストを一冊選ぶとすれば、「辞書なしで学べる 入門イタリア語の最初歩」です。
このテキストはイタリア語の文法事項を特に丁寧に説明していますが、音声CDもついており、発音と覚えておきたい重要例文なども豊富です。
また、文法学習用の一冊の他に語彙の補強のために、「キクタン イタリア語【入門編】基本単語500レベル」などを使用して、繰り返しインプットを行うとよいでしょう。
アルクのキクタンイタリア語シリーズは初中級編も出版されており、単語のダブりなく単語をレベルさせられる点が魅力と言えるでしょう。
イタリア語の上達には講座がおすすめ
イタリア語は独学でもある程度のレベルに達することはできますが、ネイティブのイタリア人講師から直接レッスンを受けた方が格段に早く上達可能です。
イタリア語のレッスンを提供しているところは限られますが、ベルリッツには全員がイタリア語ネイティブという業界最高水準の講師陣が揃っています。
ベルリッツではイタリア語初心者の方が日常会話を学べるコースから、仕事で使えるレベルのイタリア語まで学ぶことが可能です。そのため、イタリア語を学ぶほぼ全員の方に幅広くおすすめできます。
イタリア語の難易度・特徴まとめ
イタリア語の難易度・特徴まとめ
- 文法などの難しいポイントは特に力を入れて勉強しよう
- 英語学習者はスムーズにイタリア語をマスターできる可能性が高い
- 積極的に話してアウトプットすることが重要
イタリア語は日本人にとって難しい言語ですが、基礎的な内容から丁寧に学べば習得することができます。
まだまだなじみが薄い言語ではありますが、習得するメリットは非常に多いので、興味がある方はぜひ積極的に勉強してみてください。
言語学習をするときは楽しみながら行うことが上達の近道なので、ぜひ楽しみながらイタリア語の学習をしていきましょう!