初心者向けのイタリア語独学勉強法は?習得方法やおすすめのテキストも紹介!
「イタリア語は、独学でも習得できるの?」
「イタリア語の勉強法は?」
さまざまな魅力にあふれた国であるイタリアに興味を持つ人やイタリアを訪問したいと思っている人の中には、こうした疑問を持っている人が多いようです。
イタリア語は、「母音が日本語と同じA・I・U・E・Oで単語の多くは母音で終わること」や発音がローマ字読みであることなどから、イタリア語は日本人向けの言語と言われます。
ここでは、独学でイタリア語を習得するためのさまざまな情報を提供しますので、イタリア語の習得を目指す際の参考にしてください。
イタリア語の勉強法についてざっくり説明すると
- 独学の勉強法:完璧を目指さずモチベーションを落とさない方式で行う
- 発音の勉強法:CDや動画などを教材にしたシャドーイング
- 文法の勉強法:文法の基礎的な参考書をマスターする
- 会話の勉強法:語彙を増やし、文法を気にしすぎず会話経験を積む
イタリア語は独学で習得できるの?
「イタリア」と聞いた時、最初に何をイメージするでしょう。
世界遺産・美術品・オペラ・料理・サッカーなどさまざまな魅力にあふれた国ですから、多くの人がイタリアに興味を持っています。
しかし、日本人が、英語や韓国語のように普段からイタリア語に触れることはほとんどありません。
それでも、イタリアに興味を持つ人の中には、イタリアに旅行に行きたい・好きなサッカー選手とイタリア語で話をしたいと考えている人は多いようです。
ここでは、イタリア語は独学で習得できるのか、をテーマに解説していきます。
イタリア語って難しいの?
そもそもイタリア語はラテン語から派生した言語で、英語と似たような単語もあります。
英語と同じように主語と動詞が先におかれる文章構成がされることから、英語習得者にとっては難易度が低いと言えるでしょう。
また、発音の仕方がローマ字読みのものが多いこともあり、アウトプットは難しくありません。
アメリカで外交官を養成する国務省機関FSIは、英語を母国語とする者にとってイタリア語は習得し易い言葉と位置付けており、習得に必要な時間は600〜750時間と想定しているようです。
なお、日本人の場合個人差はありますが、習得には1日10時間勉強しても、日常会話ができるまでに半年はかかると言われています。
毎日の積み重ねが重要
通算で3,000時間超の勉強をしても、多くの日本人は英語でのスムーズな意思疎通ができません。
それに比べて、イタリア語は英語ほど習得の困難な語学ではなく、独学であってもある程度は習得できます。
しかし、習得は英語ほど難しくないとは言え外国語ですから、毎日コツコツと勉強を積み重ねることが重要です。
なお、独学で語学を習得する際には、次のような心構えが求められます。
- 勉強は「手段」であり「目的」ではないということ
- 勉強を長期間継続するためには、「勉強を習慣化する」こと
- 日本人特有の完璧主義を捨て、実践的な学習に取り組むこと
イタリア語のおすすめ勉強法
残念ながら語学の習得に王道はありません。
そこで、ここでは4カ国語・10カ国語もしゃべれるといった語学の達人たちの外国語習得方法を参考にしながら、イタリア語のおすすめ勉強法を紹介していきましょう。
イタリア語の発音の勉強法
語学習得の際に重要なことは、まず正しい発音を身に付けることです。
イタリア語の発音のほとんどはローマ字読みでいいので、例外を覚えれば発音はマスターできます。
発音が簡単と言われるのは、「母音が日本語と同じA・I・U・E・Oで単語の多くは母音で終わる」からです。
アクセントには一定の規則があることから、最初はそれを含めて覚える必要があります。
なお、発音やアクセントに一番有効な勉強法は、CDや動画などを教材にしたシャドーイングです。
知っている単語の数を増やす
正しい発音の学習に続いて重要なのは、単語の数を増やすことです。
イタリア語は英語と同じラテン語の派生であることから英語に似た単語が多く、英語力のある人にとってイタリア語は理解し易いと言われます。
なお、名詞は「性」をセットで覚える必要がありますが、複数形はほぼ規則どおりなので、覚える必要はあまりありません。
また、イタリア語で厄介なのは活用を覚えなければならない「不規則動詞」で、初級のレベルで約44語あります。
基礎的な文法を把握する
日本人にとって、イタリア語の文法は英語の文法に近いと言えます。特に、文構造上において主語や動詞の位置が似ている点が大きいです。
そのため、それらの感覚に慣れていることもあり英語学習者は比較的イタリア語の文法を覚えやすいと言えるでしょう
近年は非常に分かりやすいイタリア語の文法の参考書が出版されていますので、それをひととおり勉強すれば、イタリア語の基礎的な文法の把握ができます。
日常会話の練習法
イタリア語の日常会話を習得するには、テンプレの会話表現を覚え、その表現を使えるように練習することです。
身近にイタリア人がいなくても、一人二役でアウトプットしながらの会話練習はできます。
また、ネイティブとの会話ではテンプレどおりには進まないことも多いです。対策としては、語彙を増やし、文法を気にし過ぎないで話すことです。
文法を気にせず、知っている単語を並べながらでも、とにかく話してみるのが日常会話上達の秘訣 と言えます。
モチベーションを落とさないことが大切
語学を勉強する人のモチベーションは、学習計画を立てる時が一番高いことが多いです。
最初こそやる気満々なものの、途中から飽きる・時間がかかる勉強に心折れてしまう、といった人も一定数います。
独学者の多くがモチベーションを落とす要因は、一般的には「正しい目標を見失ってしまう・勉強法が合わない・ 成長度が分からない」と言われます。
モチベーションを維持するには、これらの要因が生じないよう適切な予防対策が必要です。
動画サイトでの学習も可能
近年の語学習得法は、自宅やスクールなどで紙教材のテキストや参考書での勉強にとどまりません。
パソコンやスマホなどの端末があれば、時間に制約されないで、動画サイトやアプリなどでイタリア語に触れられるのです。
特にネイティブの話すイタリア語を日常的に耳にできない人には、正しい発音やアクセントの理解・リスニングの上達に必ず役立ちます。
タブレットを使用して勉強すれば、時間や場所を問わず勉強可能になるので、皆さん一度は使ってみましょう。
ABCのうた
『きらきら星』の替え歌として英語のアルファベットを覚えるための『ABCの歌』がありますが、これにはイタリア語版があります。
アルファベットとそれから始まる単語を一つずつ読み上げるシンプルなものですから、一緒に声に出すことでイタリア語のアルファベットをすぐに覚えることが可能です。
幸せなら手を叩こう
『ABCの歌』に続き、日本でも有名な『幸せなら手を叩こう』のイタリア語版についても紹介しておきます。
中級者向けの歌ですからそのままのスピードでは、簡単には覚えられないかもしれません。
そこで、再生速度を変えるなどの工夫をしながら、挑戦するというのがおすすめです。
完璧を目指さない
「毎日の積み重ねが重要」の記事で紹介したとおり、語学の習得を目指す際には完璧を求めるべきではありません。
これについては、だれもが肝に銘じておきたい心構えといえます。
語学の上達には、ネイティブとの会話が最高の勉強機会です。
しかし、日本人の多くは完璧を求めるあまり、勉強中の語学を流暢に話せるようになるまで会話に挑戦しません。
これでは、実践的な語学を習得する機会を失ってしまいます。
語学の学習に当たっては完璧を目指すのではなく、少しずつでも実践的な会話を進めていきましょう
イタリア語を独学で学ぶメリット
ここからは、イタリア語を独学で学ぶ際のメリットとデメリットについて紹介します。
まず紹介するのは、イタリア語を独学で学ぶ際のメリットです。
お金をかけずに学べる
独学の最大のメリットは、費用が参考書などの購入費だけに抑えられることです。
独学ではなく語学学校に通ったり講座を利用したりすれば、料金はさまざまですが、平均すれば1レッスン当たり2,000~4,000円が標準的な価格と言えます。
一例をあげると、有名語学学校のイタリア語のレギュラーコースの料金は、週1回・80分・40回で月額21,080円ですから、約10カ月で20万円強の費用が必要です。
独学と語学学校の10カ月の学習成果の違いは一概に言えませんが、独学の方が出費を抑えられるのは間違いありません。
自分のスケジュール
独学のもう1つのメリットは、自身の都合に合わせて柔軟な学習スケジュールを立てられることです。
会社員や家庭を持っている人は、語学学校に通ったり講座に出席したりするために会社や家族と日程の調整をしなければなりません。
当初都合がついても、その後、会社や家庭の都合で通学や出席が出来なくなることもあります。
しかし、独学であれば、会社員や家庭を持っている人であっても会社や家庭と調整する必要がないのです。
イタリア語を独学で学ぶデメリット
ここからは、イタリア語を独学で学ぶ際のメリットに続き、デメリットについても紹介します。
あまり活用の場がない
イタリア語を学ぶうえでのデメリットは、イタリア語をある程度習得しても、日本では就職や転職で役立つことはほとんど期待ができないことです。
日本ではイタリア語を使ってビジネスをするのはイタリア人だけですから、英語などのようにあらゆるシーンで使活用できる訳ではありません。
世界的に見てもイタリア語を使っているのはイタリアのみです。そのため、スペイン語やフランス語などに比べると役立つ機会は少ないと言えます。
練習方法が限られる
イタリア語を勉強する際には、すでに紹介した「あまり活用の場がない」ことに加え、「会話の練習方法が限られる」デメリットがあります。
イタリア語の会話を習得には、イタリア人講師のいる語学学校やイタリアへ語学留学して、ネイティブからイタリア語を学ぶとともに会話の練習をするのが上達への近道です。
しかし、独学の場合は特に会話能力の上達に限界があります。イタリア人から細かいニュアンスの違いやミスをダイレクトに訂正してもらうことはできません。
イタリア語の独学が向いている人はどんな人?
ここでは、どのような人にイタリア語の独学が向いているかを解説します。
他の言語を既にある程度習得した経験がある人
イタリア語の独学が向いているのは、これまでにイタリア語以外の外国語を独学で習得した経験者です。
そうした経験者は、外国語を学ぶ際の文字・単語・文法などのペース配分や必要時間などに関する感覚を身に付けています。
また、独学におけるモチベーションの維持の仕方を分かっていることもその理由です。
なお、イタリア語を習得していなくても、大学受験など自分の力だけでタスクやペースを管理し、勉強したという経験がある人も独学に向いていると言えます。
イタリアが好きな人
「イタリアが好きな人」というのも、イタリア語の独学が向いている人です。
イタリアが好きな人の多くは、世界遺産・オペラ・セリエAなどをより楽しむという目的があります。
そのように目的がある方が、イタリア語の習得が早い傾向にあります。
また、イタリア語で会話をするのはイタリア人にほぼ限られるので、イタリア語を少しでも話せると、それだけでとても歓迎されます。
イタリアが好きな人はぜひイタリア語を習得するのがおすすめです。
独学初心者におすすめなイタリア語のテキスト
ここでは、独学でイタリア語の習得に取り組む初心者におすすめの教材を紹介します。
テキスト選びで押えたいポイント
テキストは基本的に気に入ったものを選べばいいのですが、字が大きくイラストなどが多めで頭に入りやすいものがおすすめです。
初学者がいきなり難しい参考書を使っても全く理解できず、無駄になったり独学の挫折につながったりする危険性があります。
特に文法はかなり複雑ですから、文法の基礎をしっかり理解できて、更に複雑な活用形もマスターできるテキストを選ばなければなりません。
なお、テキストを選ぶ際は自分で手に取り、これなら長期間頑張れる!という確信を得てから購入しましょう!
教材は同じシリーズで揃える
市販の教材は、それぞれの出版社が独自の切り口で編集しています。
そのことから、教材の多くは同じシリーズ名のもとに、試験内容のリスニング・文法などのセクションに分けて提供されているのが一般的です。
したがって参考書などの購入の際は、切り口を揃えるため「同じシリーズ」の教材を購入します。
おすすめの参考書
ここからは、イタリア語を独学で勉強する人におすすめの参考書を紹介していきます。
「CD付辞書なしで学べる 入門 イタリア語の最初歩[改訂版] 」
イタリア語の初心者・入門者向けに出版されている参考書で、文法解説がていねいで動詞活用の覚え方のコツも載っているので、辞書なしでイタリア語を学べます。
また、単語にはカタカナが振ってあるうえCDにはこの本に載っているほぼ全ての例文や単語などの発音が収録されており、発音に不慣れな初心者でも負担を感じないで学習できる参考書です。
あなただけのイタリア語家庭教師
家庭教師のマルコと会話しながら自然に学んでいける会話スタイルの参考書です。
書き込みができるようノートスペースがありますし、学習中に出てくる単語はノートの中の単語帳・動詞の活用などは巻末にまとめられています。
アルファベットの発音からCDを使いながらイタリア語の習得ができ、1レッスン毎に区切られているのでメリハリのある勉強が可能です。
イタリア語辞書を買うタイミングは?
イタリア語の習得に取り組む人の中には、紙製の「イタリア語辞書」を購入すべきかどうか悩む人は多いようです。
結論から言えば、独学をしていて参考書やパソコン、スマホでは物足りなさや不便を感じるようであれば、紙製の辞書を購入すればいいでしょう。
手元に辞書がなくてもパソコンやスマホがあれば何の問題もありませんが、英単語を辞書を使って暗記した経験のある人の中には、紙の辞書を使った方が頭に入るという人も少なくないようです。
紙の辞書を使うことには、ページをめくりながら単語を探すプロセスがあるため、その行為自体が記憶に残りやすいとされます。このように、自分の学習スタイルに合った方法を選ぶことが、効率的な学習へと繋がるでしょう。
スマホアプリも有効活用しよう
語学の習得を目指す場合、参考書だけではカバーしきれないのがリスニングとスピーキングです。
このリスニングとスピーキングを同時に鍛える方法としては、「シャドーイング」をおすすめします。
ネイティブのイタリア語を聞き、同時に発音・アクセントを真似て声出しをする学習法で、この学習法で得られる成果は、実に大きいものがあります。
このシャドーイングの手法を使いながら、スマホのアプリやラジオ、動画サイトを活用できるとよいでしょう。
イタリア語検定に挑戦するメリットは豊富
日本における民間団体による「イタリア語検定試験」は、代表的なものに次の2つがあります。
- 日本のイタリア語検定協会主催で外務省が講演する「実用イタリア語検定」
- 国際的公式資格試験としてイタリア外務省認定のペルージャ外国人大学主催の「CELI(チェリ)」
ここでは、「実用イタリア語検定」に挑戦するメリットについて紹介します。
勉強のモチベーションにつながる
語学の習得には長い期間を必要とすることから習得のモチベーションが失われやすいことや、独学をするだけではどの程度語学力が上達したかの判定ができません。
こうした失われ易いモチベーションを維持する上でも語学力の上達レベルを判定する上でも一番有効な方法は、勉強の進捗度合いに応じて次に示すような検定試験に挑戦することです。
日本で一番メジャーな『実用イタリア語検定』は次のような概要で実施されています。
- 実施回数:6等級に分け、1級・2級は年1回でそれ以外は年2回、各都市で試験を実施
- 試験内容:リスニングと読解に、3級以上は作文・2級以上はスピーキングも含まれる
- 試験時間:80~120分
- その他 :受験料は等級によって4,000円から15,000円・合格率は各等級とも概ね70%程度
検定合格を目指すことで基礎が身につく
イタリア語の学習においては、独学の進捗状況に応じてイタリア語検定を受験することが重要です。
検定を受験する1つの理由は、すでに情報提供したとおり長期にわたってイタリア語を勉強する際のモチベーション低下を予防することにあります。
さらにもう1つの理由は、検定の合格を目指して勉強をすることで、基本的なイタリア語の知識を頭に入れることができるからです
検定試験を受けてアウトプットする機会を設けることで、自分がどの程度のレベルに到達したのかが分かるようになります。
独学以外のおすすめ勉強法
すでに紹介したとおり、イタリア語の勉強法は、独学に限定されたものではありません。
ここからは、独学以外のおすすめ勉強法について解説していきます。
通信講座が最もおすすめ
独学以外の勉強法として最もおすすめなのは、通信講座です。
通信講座では、場所・時間的に自由度が高いことが一番のメリットです。 イタリア語の通信講座ではベルリッツが最もおすすめです。
ベルリッツでは、全員がネイティブで厳しい採用と洗練された研修を受けてきたプロ講師が指導します。その講座の内容と講師の質は業界最高水準です。
また、コースとしても初心者向けのものから上級者向けのものまで幅広く提供しているため、どんなレベルの方にもおすすめできます。
語学学校に通う
通信講座に続いてのおすすめは、語学学校に通ってイタリア語の勉強をすることです。
語学学校に通うことで、同じイタリア語を勉強しようという仲間や競争相手ができ、独学において低下しがちなモチベーションを維持することが可能になります。
しかし、学校に通う人の全てが、真剣にイタリア語の習得を考えているわけではありません。あまり高くないモチベーションで勉強している人もいるのです。
そうした受講者に惑わされないで根気強く勉強を続けられる人には、語学学校での勉強をおすすめします。
加えて、専門の教師からの直接の指導を受けることができるため、自分の弱点を克服し、効率的にイタリア語のスキルを高めることが可能となります。
プライベートレッスンを受ける
この勉強法は、イタリア語の習得に最も有効な方法ですが、最も高額な費用を必要とします。
マンツーマンレッスンは全ての語学学校で行っているわけではありませんが、お金と時間さえかけられるのであれば、活用したい勉強法です。
自分に足りないところをマンツーマンで教えてもらえますが、一対一で進めていくのですから、受講者は予習や復習で手を抜くことなどできません。
ある有名語学学校のマンツーマンレッスンの授業料は、月4回28,000円・8回50,000円・12回70,000円で 設定されています。
この料金設定は高額に感じるかもしれませんが、真剣にイタリア語を習得したい人にとっては十分に価値のある投資と言えるでしょう。
イタリア語の勉強法のまとめ
イタリア語の勉強法のまとめ
- イタリア語の独学での習得は、アプリの活用やシャドーイングの徹底で可能になる
- 費用や時間の問題がクリアできれば、独学よりも通信講座やマンツーマンレッスンがおすすめ
- モチベーションの維持と習得状況確認のためには検定の受験も視野に入れよう
イタリア語の勉強法について、さまざまな側面から解説してきました!
イタリア語は、日本では就職や転職で役立つことはほとんど期待できません。
しかし、もし現地を訪問すればイタリア語を少しでも話せる人は大歓迎されるでしょう。
もし、魅力のあるイタリアの言語習得を思いたったのであれば、是非ともそれを完遂しましょう!