QC検定4級は簡単?4級の難易度から試験の合格率・合格ラインまで詳細解説!

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「QC検定4級ってどんな資格なの?」

「QC検定ってどんな場面で役に立つの?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

QC検定は品質管理検定とも呼ばれており、多くの企業で活用することができる非常に魅力的な資格です。

4級が最も簡単な試験で3級2級になるにつれて難易度が上がります。

品質管理検定はまだまだ知名度が高い試験ではないため、試験の概要やどのようなテキストや過去問を使うべきか知らない人は多いと思います。

こちらの記事では、QC検定(品質管理検定)4級の概要や活用方法について解説します!

QC検定4級についてざっくり説明すると

  • 品質管理検定とも呼ばれており、多くの業界で生かせる
  • 4級は難易度が低いため、手始めに挑戦するのにぴったり
  • 学生でも気軽に受験できる
  • 過去問を使ったオーソドックスな勉強法で対応可能

QC検定4級の概要

笑顔の女性たち

QC検定とは?

QCは英語でQuality Controlの略称であり、日本語に翻訳するとと品質管理検定となります。

QC検定(品質管理検定)とは、品質管理に関する知識をどれくらい持っているかを客観的に評価することを目的とした資格で、製造販売などの業種では特に重要視されます。

日本では厳しい基準の品質管理が幅広く行われており、これを適切に実施するためには労働者の意識とスキルの向上、品質改善能力などが必要となります。

QC検定を持っていることで、品質管理に関するスキルを身に着けて知識も高いレベルで備えていることの証明となります。

QC検定4級は登竜門の試験

QC検定4級はQC検定の中でも一番難易度が低い試験であり、品質管理の知識が全くない人も多く受験しています。

4級に合格したらステップアップを目指して3級・2級に挑戦する人が多くいます。

4級は品質管理の基本常識を中心に学習するため、企業で勤めるうえで最低限知っておくべき品質管理の知識を問われます。

難易度もそこまで高くないため、まずは4級の合格を目指して頑張ってみると良いでしょう。

試験の受験者は、知名度の高まりもあり近年は1万人を突破しています。

今後ますます価値が高まり、会社で働く人を中心に受験者は増加していくと考えられています。

どの仕事をイメージした試験?

QC検定4級は、実務の中で品質管理業務を管理者からの指示を受けた状態で、どのように実行していくべきかを想定している試験です。

品質管理は消費者が求める質の高い商品を効率的に製造する方法を考え、実際の製造においてしっかりとその方法を実践していくことが基本です。

なお、品質管理業務は製造業を中心に行われ、製品の品質を管理するシステムの整備や点検などを行い品物の質を保っています。

品質管理が雑でしっかりと行われないと品物が消費者の手元に届いたときに問題が発覚し、企業の評判を大きく落としてしまうことになります。

知識を身につけるという面だけでなく、実務の中で教えられた業務の意味をしっかり理解するためにも、4級の資格を取得することは非常に有効なのです。

受験者は学生も多い

品質管理に関する勉強を経験したことがある人は少ないため、主に品質管理の分野に初めて触れる人が多く受験しています。

新入社員はもちろん、品質管理を学んで就活に生かそうとする学生なども多数受験する試験であり、非常に幅広い層の人が試験に向けて勉強しています。

就活に向けて何か資格を取得して自信を付けたい人にもオススメの資格です。

4級の受験者数

ここで、4級の受験者数の推移を見てみましょう。

開催回数 受験者数
29回 中止
30回 8,039人
31回 6.973人
32回 4,935人
33回 7,620人
34回 7,926人
35回 7,541人

受験者数は当初から比べると大幅に増えているため、企業としても品質管理管理検定に合格している人を重宝する風潮が高まりつつあります。

4級を受験するにはどうすればいい?

どの級にも受験資格が設けられていないため、実務経験などを問わず誰でも受験することが可能です。

QC検定の申し込み期間は、個人と団体によって異なるため注意が必要です。

日本規格協会のホームページによると、直近で開催される試験日は2024年3月17日(日)と2024年9月1日(日)とされています。それぞれの申込受付期間は2023年12月上旬と2024年6月下旬に予定されています。

受験会場・受験料・実施時期

受験会場は全国120か所となっており、主な主要都市で受験することが可能です。

日本規格協会のホームページで受験地の案内が掲載されているので、確認してみてください。

受験料は4級単体で3,960円、3.4級併願で8,250円です。

なお、一般受験会場で受験を行う場合は5名以上であれば団体Aとして、自主会場で30人以上の団体で行う場合には団体Bとして申し込みを行います。 団体Bの場合には受験料の割引がなされます。 団体Bの受験料は4級単体で3,300円、3.4級併願で6,930円です

QC検定は級に関係なくな年2回実施されており、毎年3月と9月に実施されています。

4級の出題範囲・難易度

難易度

出題形式・出題範囲・内容

出題形式はマークシート形式で、記述問題などはありません。

試験時間は10:30~12:00までの90分間で行われます。

出題範囲は、主に品質管理の実践・手法と企業活動の基本の3つに分かれており、論点などは以下の通りです。

実践の出題範囲

  • 品質管理

  • 管理

  • 改善

  • 工程

  • 検査

  • 標準・標準化

手法の出題範囲

  • 事実に基づく判断

  • データの見方と活用

基本の出題範囲

  • 製品とサービス
  • 職場における総合的な品質(QCD+PSME)
  • 報告・連絡・相談(ほうれんそう)
  • 5 W 1 H
  • 三現主義
  • 5 ゲン主義
  • 企業生活のマナー
  • 5 S
  • 安全衛生(ヒヤリハット、KY活動、ハインリッヒの法則)
  • 規則と標準(就業規則を含む)

以上のように、4級では品質管理についての様々な基礎知識を中心に問題が出題されます。

基礎の出題範囲を見ればわかるように、具体的にはマナーや報告・連絡・相談(ほうれんそう)に関することなど、組織で実施する品質管理活動の理解が求められます。

実際にネット上の過去問や書店の過去問題集を見てみると、組織の中で働く上での業務方法や、やり取りに必須な品質管理の専門用語についての理解を問う問題が中心に出題されています。

ちなみに、出題傾向に関しては日本規格協会が公式に出しているテキストからもある程度読み取ることができるため、ぜひ有効的に活用しましょう。

QC検定4級の合格率・合格者数・合格ライン

QC検定4級の合格者は、2023年3月の試験でみると7,541人でした。

合格率は約84%と、非常に多くの人が合格していることが分かります。

近年の合格率の推移は以下の表の通りです。

開催回数 合格率
30回(2020年9月) 84.96%
31回(2021年3月) 85.07%
32回(2021年9月) 85.15%
33回(2022年3月) 85.05%
34回(2022年9月) 85.89%
34回(2022年9月) 84.95%

出典:日本規格協会グループ QC検定

合格率は初めのころから安定して85%前後と高い率で推移していることがわかります。

難易度はかなり低い試験であり、テキストや過去問題をしっかりと取り組んで基本的な知識をきちんと押さえておくことで十分合格が狙える試験と言えます。

また、合格のためには試験の総合得点がおおむね70%以上であることが求められますが、過去問題を見たらわかるとおり問題の難易度は高くありません。

そのため、過去問題を見ながら頻出範囲の問題を押さえれば、自然と得点できるようになります。

4級に向けた勉強法

勉強する男性

勉強法はオーソドックス

勉強法はオーソドックスに、日本規格協会から出されている対策テキストを中心に内容を学習すると効果的です。

まずはテキストの内容をざっくり読んで要点などをノートにまとめて、2周目以降の読み込みで細かい論点をしっかりと押さえながら勉強していけば穴が無くなり安定的に得点できるようになります。

内容をある程度理解した後は、過去問題などを使って問題演習に取り掛かるようにしましょう。

過去問題に取り組むことで本試験レベルの知識と応用力が身に着くため、過去問題集を使ったアウトプットは必ず行いましょう。

アウトプットの際に分からない問題が出てきたら、一旦テキストに戻って知識を確認するのがおすすめです。

勉強時間は50時間が一つの目安

合格までに必要な勉強時間は人によって異なりますが、品質管理の知識が全くない人であればインプットとアウトプットの時間を含めて50時間程度の勉強をすれば問題無いでしょう。

1日3時間ほどの勉強時間を行うと仮定すると、半月ほどの期間が必要となります。

勉強期間としては半年くらいを見積もっておけば十分に合格ラインに到達することができます。

品質管理検定に関する予備知識が無く、全くわからない状態からのスタートとなる人が多いため、知識の暗記のみならず意味も含めた理解に時間を割くことが重要です。

テキストは協会のものを中心に勉強

4級の勉強に関しては、日本規格協会から出ている公式テキストを基本的に使うことになりますが、協会テキストだけでは不安な場合や理解できない場合は市販のテキストも併せて使うと良いでしょう。

特に、「よくわかる 4級QC検定合格テキスト」を使って勉強すると非常に効果的です。

なお、テキストは何冊も買うのではなく、最初に選んだものを使い続けた方が完成度が高まります。

また、問題集に関しては「QC検定4級模擬問題集」を使用すると着実にアウトプットができるためオススメです。

問題集で演習を重ねて丁寧に解説を読み込んでいけば、試験本番でも十分に対応できるようになります。

実際の問題はこう出される

日本規格協会から過去問題を見ることができます。

参考までに、何問かこちらで紹介します。

<平均とばらつきの概念>

[問]母集団の性質(姿)を知るために、一般にサンプルを取ってデータが採取される。このデータを用いて母集団の傾向をつかむときのポイント(検討事項)で最もよいと思われるものはどれか。

a. 算術平均等で平均的(中心)傾向だけを検討する。

b. 範囲等でばらつき傾向だけを検討する。

c. どんなデータであっても数値そのものだけで検討する。

d. データは必ずばらつくので、平均的(中心)傾向とばらつき傾向の両面を検討する。

e. データにはばらつきがないので、データの数値そのものだけで検討する。

<データ>

[問]データを大きく分類すると計量値と計数値のデータがある。次のデータ(特性項目)の中で計量値データはどれか。

a. 毎月のクレーム件数

b. 部品の寸法

c. 使用設備の停止回数

d. 1 製品あたりのキズの数

e. 毎月の不適合品率

<データの取り方>

[問]日常いろいろなデータが取られている。データを取る目的で正しいものはどれか。

a. データそのものの性質を知るため。

b. データそのものを知るためでなく、母集団の性質を知って処置(アクション)をとるため。

c. データを採取した場面の状況を知るため。

d. データを採取する人に責任をもたせるため。

e. データを取る目的はなく、場当たり的にデータを取ればよい。

このような問題を解いてみて、自分の実力を確認しておくと良いでしょう。

苦手分野があれば徹底的に潰しておくと、安定して高得点が狙えます。

QC検定4級の取得メリット

はしゃぐ女性

手始めに4級を取得するの、3級・2級と徐々にステップアップしていくモチベーションになり、品質管理のスキルを伸ばしていくことにつながります。

階級が上がるにつれて求められる知識の幅は広がっていくため、特に製造業などに勤める場合などには自分の価値の高さアピールできるようになります。

また、基本となる知識を理解して実務経験を積んでいくことにより、机上の知識だけでは身に着けることができない充実したスキルが身に着くため、ぜひ積極的に活用していきましょう。

これにより、就活の際の選考時に有利になるメリットがあるだけでなく「スキルアップを目指して3級にも挑戦しようと思っている」などの向上心がある性格がアピールできるでしょう。

QC検定4級のまとめ

QC検定4級のまとめ

  • 難易度が低いため「とりあえず何か資格を取る」と考えている人にピッタリ
  • 品質管理を行っている会社は多いため、多くの業界で役立つ
  • 基本的なマナーなども問われるため、就活を控えている学生にもおすすめ
  • 過去問を使って対策すれば十分に合格を狙える

QC検定4級は難易度が引く試験であるため、興味がある人はとりあえず受験してみると良いでしょう。

まず4級に合格することで、ステップアップを目指すやる気も出てくるためその後のキャリアにいい影響を与えてくれるでしょう。

今後も高い需要が見込まれる資格なので、ぜひ積極的に合格を狙ってみてください!

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