QC検定2級の難易度は高い?合格率から気になる勉強時間まで詳しく解説!
「QC検定2級ってどれくらいの難易度なの?」
「QC検定2級ってどのような勉強方法で進めればいいの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
QC検定は品質管理検定とも呼ばれており、その中でも2級はかなり専門性が高くなります。
難易度も上がり合格率も低くなりますが、しっかりとした勉強方法で進めていけば十分に合格は狙えます。
こちらの記事では、QC検定2級の難易度や必要な勉強時間、また合格基準などについて解説します!
QC検定2級についてざっくり説明すると
- 品質管理に関するマネージャー的なポジションの人を対象としている
- 出題範囲は3級よりもかなり広がるため、効率的な勉強方法が必要
- 必要な目安となる勉強時間は200時間程度
- インプットとアウトプットを交互に行う勉強方法が効果的
QC検定2級って難しい?
QC検定2級の難易度は高め
QC検定は品質管理検定とも呼ばれており、製造業などの業界では重宝される資格です。
その中でも、2級は3級と比べてはるかに難易度が高くなるため、当然価値も高まります。
2級の難易度が高くなる理由は、3級までは単に業務遂行ができるレベルしたが、2級の試験では自ら指導者的ポジションに立って率先して行動できるまでの高い知識レベルが求められるためです。
そのため、受験する際にはいきなり2級を受けるのではなく、3級から受験して品質管理検定に関する基本的な知識を身に着けておくべきです。
3級をクリアしてしっかりと基礎知識を身につけた後に、2級を受験するのがおすすめです。
2級に合格することで、品質管理のリーダーやマネージャー的な役割を担ることができる知識と能力を身に着けられるため、企業から高い評価を受けることができます。
どんな業務内容をイメージした試験なのか
QC検定2級に求められるレベルは、一般的な職場において品質関係の諸問題の改善・解決を自ら行うことスキルや知識の習得です。
基本的な品質管理に関する理解はもちろんのこと、得られた知識の理解を実戦形式まで落とし込んで応用を利かせた上で適切の行動できるようになることが求められます。
具体的には、品質管理に関する問題をQC7つ道具・新QC7つ道具・統計的な手法を用いながら、品質管理のリーダー的な立場となって解決できるようになるレベルが求められます。
おすすめ受験者
2級の取得をオススメする人は、主に自分の会社の品質管理についてリーダー的な役割を担っている人、又はこれから担うと見込まれている人です。
また、品質管理関連の部署において管理職の人が、立場にふさわしい知識を身に着けておきたいと考えている場合はぜひ取得を目指すべきです。
上の立場に立つ人が専門知識を持っていないと効果的な指示が出せなかったり、部下からの信頼が得られないなど、様々な問題が出てきてしまいます。
試験の申し込み方法
2級には受験資格が特に設けられていないため、経歴や実務経験を問われることなく誰でも受験が可能です。
4級や3級をスキップしていきなり2級の申し込みも可能です。
申し込みの方法や期日は、個人の申し込みと団体での申し込みでそれぞれ締め切りが異なるので注意が必要です。
なお、受験料は 2級単体で受験する場合6,380円、2・3級のダブル受験の場合は10,450円、1・2級のダブル受験の場合は15,730円となっており、それぞれを単体で受けるよりもちょっとお得になっています。
なお、一般受験会場で受験を行う場合は5名以上であれば団体Aとして、自主会場で30人以上の団体で行う場合には団体Bとして申し込みを行います。
団体Bの場合には受験料の割引がなされます。 団体Bの受験料は 2級単体で5,500円、2.3級併願で8,800円、3.4級併願で13,420円 です。
2級の出題内容・試験難易度
ここではQC検定2級の試験内容と合格率を確認していきましょう。
出題形式・出題範囲とその内容
出題形式はマークシート形式になっており、試験時間は90分間です。
出題範囲は主に品質管理の実践・品質管理の手法の2つに分かれています。なお、それぞれの出題範囲は以下の通りです。
〈品質管理の実践〉
-
QC的ものの見方・考え方
-
品質の概念(定義と基本的な考え方)
-
管理の方法
-
品質保証:新製品開発(定義と基本的な考え方)
-
品質保証:プロセス保証(定義と基本的な考え方)
-
品質経営の要素:方針管理(定義と基本的な考え方)
-
品質経営の要素:機能別管理(言葉として)
-
品質経営の要素:日常管理
-
品質経営の要素:標準化(言葉として)
-
品質経営の要素:小集団活動(定義と基本的な考え方)
-
品質経営の要素:人材育成(定義と基本的な考え方)
-
品質経営の要素:診断・監査(定義と基本的な考え方)
-
品質経営の要素:品質マネジメントシステム(言葉として)
-
倫理・社会的責任(言葉として)
-
品質管理周辺の実践活動(言葉として)
〈品質管理の手法〉
-
データの取り方とまとめ方
-
新 QC 七つ道具
-
統計的方法の基礎
-
計量値データに基づく検定と推定
-
検定・推定とは
-
計数値データに基づく検定と推定
-
管理図
-
抜取検査
-
実験計画法
-
相関分析
-
単回帰分析
-
信頼性工学
実践の範囲では、QC7つ道具など3級の範囲に加えて判断・監査など2級で新たに加わった範囲も出題されます。
また、長文問題も出題されるので文の読解が苦手な人は、過去問などで慣れておかないと苦戦するでしょう。
手法の範囲では、分散などの基本統計量、仮説検定や相関分析など統計分野での出題が多くなり、かなり専門的な知識が求められます。
計算式はただ覚えるだけでなく、それらを使いこなして基本的な計算ができるようにしておく必要があります。
計算や数字が苦手な人にとってはかなり難関分野となるため、十分に演習を重ねておきましょう。
QC検定2級の合格率・合格者数・合格ライン
QC検定2級の合格者は2022年9月の試験では2,231人で、合格率は22.96%
でした。
3級の合格率が約50%であることを考えると、合格率はかなり下がり難易度が上がっていることが分かります。
直近6回の合格率は以下の表のようになっています。
開催回数 | 合格率 |
---|---|
30回 | 27.63% |
31回 | 48.43% |
32回 | 44.33% |
33回 | 23.77% |
34回 | 25.23% |
35回 | 25.08% |
合格率は当初の頃と比べて徐々に下がってきており、近年では20%前後で安定しています。
難易度はかなり高く、しっかりと勉強する時間を確保して質の高い勉強をしていかなければなりません。
また、合格基準は品質管理の実践・手法の分野でそれぞれ50%の得点率を獲得し、かつ2つの合計が70%以上の得点が求められます。
合格基準に足切りが設定されていることには注意を払う必要があります。
勉強する内容に関しても、3・4級に比べると難化しているため、ケアレスミスやうっかり失点することは致命傷になります。
基本的な問題など、取るべき問題をきちんと取らないと合計で7割以上の得点を取ることは難しいでしょう。
2級受験者にお勧めの勉強法
難易度の高いQC検定2級を受験するのであれば、学習の基本的な流れやコツを把握しておくことが大切になります。
ここではQC検定2級の対策におすすめの勉強法をお伝えします。
まずは教科書の内容を理解
勉強を進めるときは、基本的にはテキストと過去問を使っていくことになります。
3級を取得した前提だと、まず過去問を解いて自分の現在地を確認しておくことが大事です。
「この問題は3級でもやったぞ」など思い出しながら2級の問題に取り組み、次にテキストの内容を読んでインプットしていきましょう。
テキストを理解したら、章末問題を解くなどして知識のアウトプットも行いながら進めていくと効率的です。
実践分野においては、頻出の知識を中心に暗記しておくことが大切です。
一方で、手法分野においては統計分野から多く出題されるので、統計学の概要を知ることが問題を解く際の根本となります。
統計に関しては公式たくさん出てくるので、公式をノートなどにまとめて覚えておくと良いでしょう。
ある程度勉強が進み、インプットに手応えを感じたら次のステップとして過去問を使って問題演習を行っていきましょう。
実践分野では例年長文問題が出題されるので、特に演習を通じて長文に慣れておくことが必要です。
また、問題を解いている過程で理解が不足している分野が出てきた場合、放置せずにテキストの戻ってインプットをやり直すことが重要です。
ここでしっかりと復習を行っておかないと知識が整理できず、後々苦労することになります。
おすすめの勉強順序
QC検定2級のオススメの勉強順序を紹介します。
-
まずは過去問で自分の実力を把握する
-
統計学2級の分野を中心に概要を網羅しておく
-
テキストを使い出題範囲を一周して問題演習を行う
-
統計の公式はきちんとノートのまとめて理解したうえで覚える
-
過去問を解いて試験形式に慣れていく
このように、現状を把握した上でインプット→アウトプットの順番で行うと良いでしょう。
テキストを読んで分からない論点も、実際に問題を解いてみると「こんな感じなのね!」と手応えを感じることもあります。
このような勉強方法で行うことで、知識がスムーズに入りアウトプットもスムーズにできるのでオススメです。
勉強時間は200時間以上確保する
勉強時間は人によって異なりますが、品質管理の知識が全くない人が勉強する場合、インプットとアウトプットで200時間程度の勉強時間が必要になるでしょう。
1日あたり3時間勉強できた場合は2か月程度の勉強期間となり、目安としてその程度を見積もっておくと良いでしょう。
なお、2級に関しては初学者ではなく職場で既に品質管理の経験を持つ人が受験するパターンもあります。
この場合は、勉強時間は100時間程度こなせば合格ラインに到達することができるでしょう。
テキストは1冊に絞る
学習の際には、テキストと問題集がセットになっている「1回で合格 QC検定2級テキスト&問題集」がオススメです。
出版社は成美堂出版社、著者は高山均で価格は1980円のテキストです。
このテキストは内容が分かりやすくまとまっており、なおかつ問題演習でアウトプットもできる構成となっているため効率的な勉強ができます。
また、過去問に関しては日本規格協会が公式で出版している過去問題集を用いると、本番レベルの知識が身に着くためオススメです。
また、2級に関しては統計が手法分野でよく出題されるため、詳しく対策したい人は「入門統計解析法」などの統計の教科書を使ったり、統計検定2級の問題集で演習すると十分な対策ができます。
テキストを購入する際の注意点としては、テキストは何冊も買わないことです。
自分が最初に決めた1冊を試験本番までやり通す方が論点が整理できる上に、効率的な勉強となるため、自分が勉強しやすいと感じた教材を使いこなすようにしましょう。
電卓は使いやすいものに
2級の試験では計算問題が出てくるため、電卓を使用して解いていくことになります。
特に統計分野を中心に複雑な計算が絡むことも多いため、電卓を使いこなせることは解くスピードを上げるだけでなく点数確保のためにも必須となります。
自分の使いやすい電卓を1つ購入しておき、それを使って問題演習などをしっかり行いましょう。
とにかく使い慣れてスムーズに叩けるようになるまで演習すると良いでしょう。
通信講座を活用した対策もおすすめ
難易度の高いQC検定2級の対策の際には、ぜひ通信講座を活用してみてはいかがでしょうか?
特に大手予備校LECがリリースしている講座はベテラン講師からのわかりやすい講義の基知識をスムーズに吸収することができます。
独学での内容理解につまずいている方はこの機会にぜひLECのQC検定2級対策講座を受講してみてください。
QC検定2級の取得メリット
日本の多くの企業では品質管理業務が行われているため、誰もが知っている大企業でもQC検定の受験が推奨されています。
機械の製造や食品製造など、QC検定を生かすことができるフィールドはかなり幅広いです。
特に、2級を取得できると転職で活用できるだけでなく社内でのキャリアアップや昇給にもつながりやすいため、多くのメリットがあります。
元々マネージャー職の人を対象としている資格であるため、2級受験者は品質管理に関して豊富な実務経験がある人が多いです。
管理職クラスでなければ扱わないような統計学やデータ解析ができるようになるため、自分のスキルを向上させて市場価値を高めることができるでしょう。
このように、2級の取得はキャリアアップなどを目指す上で非常に多くのメリットがあるのです。
QC検定2級のまとめ
QC検定2級のまとめ
- 2級を取得しておくと転職や昇給などのチャンスが広がる
- 統計に関する出題などがあるため、工夫をこらした対策が必要な
- 勉強時間はなるべく多く確保して、質の高い勉強を意識することが重要
- 過去問題を多く取り組んでおくと、本番での対応力も鍛えられる
QC検定2級は3級と比べるとかなり難易度が上がり勉強時間も必要になる分、取得できたときのメリットも大きいです。
製造業など、品質管理がとても重要な業界で働いている人にとってはQC検定の価値はとても大きいと言えます。
働きながら勉強もするのはかなり大変な作業にはなりますが、ぜひQC検定2級を取得してキャリアアップを目指しましょう!