VEリーダーってどんな資格?難易度・過去問・独学勉強法まで全て解説!
「VEリーダーってどんなことをする人?」
「VEリーダーの資格を取りたいけどどうすれば良いの?」
このような疑問を持っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
VEリーダーという言葉を聞いたことがあっても正確な意味を理解されている方は少ないでしょう。
そこで、この記事ではVEリーダーはどのような資格なのか、VEリーダーの仕事内容、またVEリーダーの資格を取得する方法などを詳しく紹介します。
VELについてざっくり説明すると
- VEとは「Value Engineering」の略
- VELは製品の価値を総合的に高めていく役割を担っている
- VELの受験資格はVE研修を受ける必要がある
VEリーダーってどんな資格?
VEリーダーには資格があることをご存知ですか?以下ではそもそもVEとは何なのかという基本的なところから、VEリーダーの仕事内容に至るまでVEリーダーについて詳しく解説します。
VEへの理解を深めることでVEリーダーの資格に興味が高まるでしょう。
そもそもVEとは
VEとはValue Engineeringの略です。直訳すると「Value」は「価値」、「値段」という意味があります。
そして「Engineering」は「工学」、「工学技術」という意味があります。VEという考え方は1960年頃から日本で浸透してきました。
VEは製品の「価値」を「機能」と「コスト」の組み合わせによって高めていく手法を表しています。
つまり、同じ価格なら高機能に、同じ機能なら低価格にという形式でシステム化さえた手順によって「価値」を向上する手法です。
VEの活用事例
VEを実際に活用した事例として「指示棒」を紹介します。「指示棒」を進化させた「レーザーポインター」がVEを活用したものになります。
まず第一に「レーザーポインター」を使うことで遠くからでも説明部分が指示でき利便性が向上し、使用者優先の原理が成り立ちます。
そして現在の「指示棒」にこだわらず機能は何なのかを考えるという機能本位の原則、「説明部分を指示する」という機能からアイデアの発想が生まれる創造による変化の原理などが成り立ちます。
これらはVEのシステム化された価値上向法から生まれたものです。
VEリーダーとは
VEについて理解したところで、続いてはVEリーダーとは何かを紹します。VEリーダーの資格はVEを職場内などで活用するリーダーとして必要な基礎知識を習得する人を増やすことを目的とした資格です。
VEという仕事は「価格」を下げたり「機能」を拡充したりと、製品の価値を総合的に高める役割を担っています。
言葉にすると簡単に感じますが製品の「価格」を下げることも「機能」を高めることも容易ではなく、VEという仕事は思いのほか大変です。
VEを実現させるためにはまず問題点を見つけて、問題点についての情報を集め解決策を考えて、そのことについてプレゼンするといった多くのビジネススキルが必要不可欠です。
そんな能力を身に付けた人に与えられる資格が「VEリーダー」となります。
VEリーダーの主催団体
VEリーダーの主催団体は「公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会」で略称「日本VE協会」と呼ばれている団体です。
日本VE協会の目的は外国のVEに関する情報を提供し、産業界におけるVE活動の促進とVEの成果の向上をはかることです。
株式会社IHIの斎藤保代表取締役会長が日本VE協会の会長に就任されています。
また日本VE協会はその他JR東日本執行役員などの経済界の重鎮が役員の職に就いており注目度の高い団体といえます。
VEリーダーの仕事内容
続いてはVEリーダーの仕事内容を紹介します。VEは大手のメーカーで推奨されています。
近年ではものづくりの業界で定着しつつありますが、ものづくりの業界だけでなく他の業界でもVEが注目を集めています。
VEの適用分野は幅広く様々な場所で活用します。例えば、新製品の開発や製造や物流などの業務行程の改善とコストの低減、管理部門の業務を見直すなどと、VEの活用の場が幅広いことが理解できます。
VEリーダーを取ることをおすすめする人
VEが様々な場所で活用できることが理解できたところでVEリーダーの資格を取ることがおすすめの人の特徴を紹介します。
まずコストの削減や機能拡充といった製品の価値を向上させたい人、また企業において製品の価値を向上するような有益な提案ができるようになりたい人がVEリーダーの資格を取ることに向いています。
更に就職活動などでVEリーダーの資格を取ったことをアピールしたい人にもおすすめです。
VEリーダーの資格を取得することで論理的な思考、また問題解決能力やプレゼンテーション能力などの提案能力があるということをアピールすることが可能になります。
VEリーダーの就職・転職・平均年収
以下ではVEリーダーの資格を取得することでメリットがあるのかを紹介します。
VEリーダーの資格を取得することで就職活動や転職の際などで有利になるのでしょうか?
また資格取得にあたり年収を今より上げることは可能なのでしょうか?
そんな疑問をお持ちの方のためにVEリーダーの就職、転職、平均年収など詳しく紹介します。
VEリーダーを取ることで就職・転職に繋がる
現在、VEリーダーの資格される方の多くは自主的に資格を取得するのではなく会社の命令により受験される方になっています。
VEリーダーの資格は建設業界でとても重宝されており、建設業界に就職や転職をする際には資格を取得しておくと若干のアドバンテージになる場合があります。
またVEリーダーの資格を取得しておくことで、エンジニアや営業職に就職や転職する際にもプラスに働く可能性があるでしょう。
VEリーダーの求人状況
VEリーダーは近年注目されている資格ですが、資格を自らの意志で取得する割合は少なく、求人サイトや求職サイトでVEリーダーの資格を取得していることを積極的に採用条件に打ち出している企業は数少ないのが現状です。
しかし、VEリーダーの資格を取得することで学生がビジネススキルを身に付け、オリンピック後に来るであろう不景気と就職氷河期を勝ち抜く材料になるため、VEリーダーの資格は取得していて損はないと言えます。
またVEは様々な場面で活用されるので、建設業界や電気機械メーカーの研究開発、構造設計事業、VE活動を推進する企業、建設会社のコンサルタント部門などへ就職活動する際には有利になる可能性もあります。
VEリーダーの年収
VEリーダーの活用される職種などVEが活躍する場を紹介しましたが、VEリーダーの収入はいくらなのでしょうか?
先ほども解説しましたがVEの資格を取得者を積極的に採用している企業は数少なくVEリーダーの資格を取得している方独自の給料が存在するわけではありません。
そこでVEリーダーの資格取得者の給料の目安としてVEリーダーの資格が活きてくる職業の給料として生産技術の管理者、土木系の技術者、研究開発技術者などの年収を紹介します。
これらの職業の年収はおおよそ400万円から550万円と言われています。400万円から550万円という年収は日本の平均年収と同じになっています。
ただVEリーダーの資格を取得することでどのような職種でも業務を遂行する際は物事の考え方に活用できます。
なので仕事で経験を積み実績を出すことで昇進に繋がりVEの考え方をヒントに昇進する可能性もあるでしょう。
VEリーダーの難易度
VEリーダーの資格を取得するにはどのような勉強が必要なのでしょか?
VEリーダーの資格を取得するときの難易度や合格率、勉強方法などVEリーダーの資格について詳しく解説します。
VEリーダーの試験範囲と出題形式
まずVEリーダーの試験内容について紹介します。VEリーダーの試験では、VEでどれだけの成果が上がるのか、VEとはそもそもどんなことなのか、VEをどのような手順で進めるのか、などが問われます。
VEリーダーの認定試験で出題される問題は大半がVEリーダーの公式の研修テキストから出題されます。
VEリーダーの認定試験はコンピューターによる試験であるCBTの形式で行われ、試験時間は90分となています。試験は複数選択式で100点満点で採点されます。
VEリーダーの合格率・合格ライン
VEリーダーの合格ラインは100点満点中70点以上となっています。
VEリーダーの認定試験はグラフから分かるように合格率が7〜8割となっており、あまり高い合格率とは言えません。きちんと勉強しなければ資格を取得できない場合もあるということです。
またVEリーダーの勉強はおおよそ10〜20時間勉強することでVEの試験に必要な知識が学べると考えられています。
VEリーダーの勉強法
VEリーダーの資格を取得する試験の概要が分かったところでVEリーダーの資格を取るためにはどのような勉強が必要なのでしょうか?
VEリーダーの資格取得に向けての勉強方法やVE研修、おすすめのテキストなどVEリーダーの試験対策について紹介します。
VEリーダーの勉強法は?独学は可能?
VEリーダーの資格を取得を目指す多くの人は日本VE協会の行う講習を受講します。
VEリーダーは受験資格が存在し、「社内研修、通信教育、学内での授業を含む12時間以上のVE研修の受講者」という規定があります。
なので資格を取得したい多くの方が日本VE協会が主催で行っている講座を受講することで受験資格と試験の勉強を一気に済ませるという方法を取っています。
もちろん日本VE協会の行っている講座を受講しなくても受験資格を満たすのであればVEリーダーの試験を受けることができます。
VE研修ってどんな感じ
先ほど説明したようにVEリーダーの資格を取るためには受験資格が存在し、まずVE研修を受けなければなりません。ここではVE研修の内容を紹介します。
VE研修には通学と通信の2種類があります。通学では「VE初級コース」という名前で開講されてており、2日間かけてVEに関する基本的な知識をインプットします。
研修内容はまず1つ目にオリエンテーションが行われます。オリエンテーションの内容はVEの概要の解説とチーム活動の進め方について説明を受けます。
そして2つ目はVEの研修の実施手順に沿って行われます。
まずVE対象の情報の収集、次に機能の定義、機能の整理、機能別のコスト分析、機能の評価、対象分野の選定、アイデアの発想、概略評価、具体化、詳細評価、提案と提案発表会という流れで実施されます。
最後に3つ目として「まとめ」があり、この3つを学ぶのが通学の研修とされています。
続いては通信について説明します。通信講座は自分のペースで学ぶことが可能です。講座の費用は一般で35,200円、会員は27,500円、学生は27,500円となっています。
しかしVEリーダーの受験料とセットになっているお得なプランもあります。その場合の料金は一般で53,900円、会員は47,300円、学生は36,300円になっています。
一般と会員の違い
VEリーダーの受験料など費用のところで一般と会員の値段をそれぞれ紹介しました。会員とは日本VE協会の会員のことを指します。
VE協会の会員ではない方は一般になります。日本VE協会への入会には年間費がかかりますが先ほど紹介したように講座の費用など割り引かれるものもあります。
VE協会の会員に関してはVEリーダーの主催団体である「公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会」の公式サイトに詳しく記載されているので興味のある方はウェブサイトをチェックしてみて下さい。
おすすめテキスト・問題集
続いてはVEリーダーの資格を取るために必要なおすすめテキストと試験問題集を紹介します。
VEリーダーを独学するときに使えるおすすめの問題集はVE研修のテキストとしても使われている「VE入門研修会テキスト」です。このテキストは会員は550円、一般は880円で購入できます。
過去の試験問題を解きたい方におすすめのテキストは「VEリーダー認定試験問題集ー要点整理と解答・解説ー」です。
このテキストは日本VE協会により編著されていて産能大学出版部から出版されています。テキストは990円で販売されています。
値段が990円とは限りませんがネット通販でもこのテキストを購入することができます。
VEリーダーの試験日程・会場・申し込み方法
VEリーダーの資格を取得するための試験の概要を理解したところで、続いてはVEリーダーの試験日程や会場を紹介します。
更にVEリーダーの資格を取得するための申し込み方法も紹介します。VEリーダーの認定試験を受ける際の参考にしてみて下さい。
VEリーダーの基本情報
VEリーダーの認定試験の日程など基本情報を紹介していきます。VEリーダーの認定試験は年に2回実施されています。
前後期制となっていて4月から9月までの受験期間と11月から3月までの受験期間に分かれています。
VEリーダーの認定試験は各都道府県に数か所ずつ実施される会場が設置されています。
また会社単位でVEリーダーの試験を受ける場合は「日本VE協会」に連絡して手続きをすることで自社の会社でも試験を受けることも可能です。
VEリーダーの認定試験を受ける際の申し込みは「公益社団体法人日本バリュー・エンジニアリング協会」の公式サイトから試験運営先のウェブサイトから行えます。
試験会場もこの試験運営先のウェブサイトから都道府県別で検索することができます。
申し込み期間は受験希望日の3営業日前までです。更に土、日曜日が受験日の場合は4営業日前まで予約可能です。
VEリーダーの認定試験に合格した際には受験日の約2週間後にメールでお知らせが届くようになっています。
VEリーダーの受験料
VEリーダーの受験料は20,000円ですが、学生の方は10,000円になっています。受験料の支払い方法はクレジットカードやコンビニエンスストア払いでも可能です。
更にPay-easy払い、受験バウチャーチケットなどの支払いも可能であるように、支払い方法の種類も豊富なので便利です。
VEリーダーについてまとめ
VELについてまとめ
- VELは製品の価値を機能とコストの組み合わせにより高めていくことができる人材
- VELの資格を取ることで就職に有利になる業種もある
- VELの試験の合格率は7~8割
VEリーダーはVELと表記することができます。
VEは製品の「価値」を「機能」と「コスト」の組み合わせによって高めていく手法で企業などで必要な能力であるため、VEの手法が活用できる機会に数多く遭遇するでしょう。
VELの資格はあまり知られていない資格ですが日本ではこれから注目が高まる可能性がある資格です。就職の際など周りとの差を付けるためにもVELの資格取得に挑戦してみて下さい。