保育士になるには学歴が必須?受験資格や高卒・中卒でも保育士になる方法を解説!

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「保育士には学歴って必要なの?」

「学歴がない私でも保育士を目指すことは可能?」

こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

保育士を目指して勉強をしようと決意した人の中には、学歴について気になる人もいるでしょう。学歴社会と言われている日本ですから、当然と言えるかもしれません。

結論から申し上げれば、保育士に学歴は不要です。中卒や高卒でも保育士になることが可能です。むしろ反対に大卒で保育士を目指すとデメリットになることもあるのです。

そこで、保育士の受験資格はもちろん、中卒や高卒で保育士になる方法も合わせてご紹介します。この記事を読めば保育士になろうというモチベーションも上がるでしょう。

保育士になる方法についてざっくり説明すると

  • 保育士に学歴は関係ない
  • 中卒や高卒からでも保育士を目指すことができる
  • 大卒は保育士にとってデメリットになることがある

保育士になるには学歴は不要

抱き合う卒業生

学歴社会と言われている日本で、保育士になるためにも学歴が必要かもしれないと不安になっている人もいるでしょう。

ですが、保育士に学歴は必要ありません。極端な話、中卒からでも保育士を目指すことが可能です。

具体的な保育士と学歴の関係ついて解説します。

受験資格に学歴は必要ではない

保育士の受験資格に学歴は必要ではありません。保育士になるための具体的なルートとして、保育士養成課程を修了するか、もしくは保育士試験に合格するという2つの方法が挙げられます。

保育士養成課程を修了するためには、保育士養成課程が設けられている専門学校や短大・大学を卒業する必要があります。これらの学校に通い、必要課程を修了することで保育士になれるのです。

一方の保育士試験には受験資格があります。ですが、学歴についての受験資格は設けられておらず、中卒や高卒でも受験できるようになっています。

短大・大卒から保育士になる

短大や大学を卒業してから保育士を目指す場合、多くの人たちはすでに保育士養成課程がある学校を選択し、卒業と同時に保育士の資格を取得します。

ですが、保育士養成課程がない短大や大学に通学中の人たちや、すでに学校を卒業した人たちも、保育士試験を受験することで保育士を目指すことが可能です。

保育士養成課程がない短大や大学の場合は、2年以上の在籍で62単位以上取得していれば、在学中でも保育士試験を受験することができるようになっています。仮に大学を中退していても、この条件を満たしていれば受験可能です。

高卒から保育士になる

高校を卒業してから保育士になるために保育士試験を受験しようと場合は、実務経験という条件が設けられています。具体的には、児童福祉施設で2年以上で2880時間以上という条件内容です。

ただし、例外があります。例外の1つ目は、1991年3月31日以前に高校を卒業した人は受験資格があります。これは、1991年度から受験資格が短大卒に引き上げられたからです。その経過措置として受験が認められています。

2つ目は、1996年3月31日以前に保育科の高校を卒業していた人です。この人たちにも受験資格があります。理由は1991年度の受験資格変更の際の経過措置です。

中卒から保育士になるのはかなり大変

保育士試験は広く門戸が開かれています。そのため、中卒の人でも受験をすることができます。ただし、中卒での保育士試験には受験資格が設けられています。

具体的な受験資格の内容は、中学を卒業してから児童福祉施設で5年以上で7200時間以上の実務経験があること、というものです。

単純計算で7200時間を5年で割ると、1年間で1440時間必要ということになります。1年間の休日を120日とした場合、365日から120を引いた245日で1440時間を割ります。すると、1日約6時間の勤務が必要ということになります。

実際問題として、中卒で1日6時間以上の勤務で募集をしている児童福祉施設はあまり多くありません。このような点から考えて、中卒で保育士になることはできますが、目指すのはかなり大変と言えるでしょう。

保育士は学歴を重視されない

保育士養成課程を修了していない、または学歴がないという理由で、保育士を諦める必要はありません。義務教育を受けていれば誰でも保育士に慣れる可能性があります。保育士の世界では学歴は重視されないからです。

保育士の世界で特に重視されているのは学歴よりも人柄や経験です。人当たりの良い人や子供の扱いに長けている人が保育士の世界では好まれます。そのような実力をつけていく方が重要なのです。

保育士は学生の間から目指すのがおすすめ

保育士に学歴は関係ありませんが、本気で保育士を目指すのなら学生の間から準備を進めるのがおすすめです。その方が保育士になるための選択肢が増えるからです。

学生の間から保育士になるための準備を進めれば、進学時に保育士養成課程の学校を選ぶという選択肢が増えます。保育士になるためのカリキュラムが組まれているため、保育士になりやすいというメリットがあります。

保育士養成課程の中には、実践で役立つように実習も多く用意されています。早い段階で保育士としての経験を積むことができるため、就職する際にも有利になります。

大卒で保育士にはデメリットもある

山座りをする女性

保育士になるルートとしてもっとも選ばれているのは、専門学校や短期大学を卒業するという道です。ですが、保育士資格を取得できる大学もわずかですが、存在しています。

ただし、4年生の大学を卒業して保育士になるのはデメリットがあります。そのデメリットについて、それぞれ掘り下げてご紹介します。

実習の数が少ない

大学のデメリットとして挙げられるのは、実習が少ないという点です。大学の講義は座学スタイルの授業が多いという特徴があります。

そのため、専門学校や短大に比べて実習の数や回数がはるかに少ないのです。実習が少ないと、就職した際に経験の差を感じてしまうこともあるでしょう。

ただ、大学は4年間勉強しますから、専門学校や短大では学ぶことができない専門的な知識を学ぶことができます。実習が少ないというデメリットはありますが、知識の面で得られるメリットが大きいのも特徴です。

同年代の保育士と比べて経験年数が少なくなる

大学は4年間通うことになります。専門学校や短大は4年間も通学することがなく、早い段階で卒業して保育士として活躍を始めます。より多くの経験を積むことができるのです。

大学に通うとなると、2年就職活動が遅れるというデメリットが生まれます。学校を卒業し、保育士として仕事を始めた頃には、同じ年齢の人たちはすでにそれなりの保育士としての経験を積んでいるのです。

ただし、年数の差は数年ほどです。大卒は専門学校や短大卒の人たちと比べて豊富な知識があります。本人の努力次第で、この数年の差はいくらでも埋めることができます

大卒の方が就職に有利というわけではない

多くの企業の場合、中卒や高卒よりも大卒の方が就職が有利になります。ですが、保育士は学歴が重視されない職業です。そのため、大卒だからと言って保育士としての就職は有利になりません

保育士という職業で一番求められているのは学歴ではなく、人柄です。保育士は人間同士のコミュニケーションが大切ですから、温かい人柄や高いコミュニケーションスキルが求められます

ですが、保育士は現在深刻な人手不足に陥っています。広く門戸が開かれていますから、就職できないということはないでしょう。

給料や待遇がよくなる可能性がある!

保育園によっては、大卒の人の方が中卒や高卒よりも給料が高く設定されているところもあります。「大卒」という肩書と年齢によるものだと考えられます。

また、大卒なら公務員保育士を目指すのもおすすめです。公務員保育士は高い知識とスキルが求められ、合格するのが難しいという特徴があります。

ですが、待遇や給料は一般的な保育士に比べて大変良いというメリットがあります。人気も高いので狭き門ですが、挑戦してみる価値はあります。

学歴によってどんな影響が出るのか

黒板に書かれた矢印を見つめる人

保育士になるには学歴は関係ありません。ですが、学歴によって保育士になっった際にはそれなりの影響があります。

具体的にどのような影響が出るのかご紹介します。

公務員保育士になる場合は影響が顕著

公務員保育士とは、公務員兼保育士として公立の保育園で働く人のことです。公務員ですから、給料や待遇は他の保育士に比べて大変良いという特徴があります。

公務員保育士になるには、地方公務員の一般行政職職員採用試験に合格しなければなりません。受験資格はありませんが、通常の公務員試験と遜色がないため、必然的に学歴のある人が多く受験します。

公務員保育士になるためにも学歴は関係ありません。ですが、給料面では差があると言われています。以下は年齢別に見た時の公務員保育士の給料です。

年齢 高卒 大卒
20~23歳 約331万円 約359万円
24~27歳 約389万円 約414万円
28~31歳 約452万円 約470万円
32~35歳 約516万円 約536万円
36~39歳 約588万円 約606万円
40~43歳 約657万円 約778万円
44~47歳 約700万円 約732万円
48~51歳 約733万円 約770万円
52~55歳 約754万円 約802万円
56~59歳 約765万円 約829万円

上の一覧表を見てわかるように、年齢別で見た場合、大卒の方が高卒よりも年収に差があります。年齢によっては30万円近くも差があることがわかります。

初任給に違いが出る可能性がある

保育園によっては、学歴によって初任給に差があるところもあります。これは、知識の深さや広さを考慮に入れているからです。

4年制の大学を卒業して保育士になった人と、中卒や高卒で保育士になった人とでは、基盤となる知識の多さや深さ、広さに差があります。大学によっては短大や専門学校では得られない知識が得られるところもあります。

これらの知識の質や広さの差から、初任給に差が生じることがあるのです。ですが、金額的には1~2万円のところがほとんどで、これくらいの差なら勤続年数を重ねれば埋めることが可能です。

職業訓練制度を利用する場合

職業訓練制度を利用して、保育士を目指すという方法があります。その場合は学歴が影響してくる可能性があります。

職業訓練制度とは、資格取得のために必要な費用の一部を国が補助する制度です。必要条件として、高卒などの学歴が定められている場合があります。

幼稚園教諭免許をとる場合

幼稚園教諭免許を取得する場合は、学歴が影響します。幼稚園教諭になるには、保育士の資格と幼稚園教諭資格の両方を取得することが一般的だからです。

保育士資格の取得は、保育士試験に合格すれば取得することが可能です。こちらは学歴は関係ありません。

ですが、幼稚園教諭の資格を取得するには、学校を卒業するしかありません。必然的に高卒以上の学歴が必要になるのです。

保育士になる方法についてまとめ

保育士になる方法についてまとめ

  • 保育士になるには保育士教養課程を修了するか、保育士試験に合格する
  • 保育士試験の受験資格には、学歴は含まれていない
  • 公務員保育士では学歴によって給料に差が生まれる

保育士になる方法について解説してきました。基本的に、保育士になるために学歴は関係ありません。それよりも人柄やコミュニケーションスキルが重視されています。

保育士試験においては、中卒や高卒でも条件を満たせば受験をすることが可能です。広く門戸が開かれていますから、ぜひ学歴で諦めたりせず、保育士を目指してください。

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