高卒で保育士になる方法は?保育士試験の勉強方法や受験資格・実務経験の内容も解説!

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「保育士に受験資格はあるの?」

「高卒で保育士になるにはどのようにすればいいの?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

保育士試験には受験資格が設けられており、保育士になるにはそれらをクリアして試験に合格しなければなりません。

高卒の人が保育士になるには、どのようにすればいいのか気になる方は多いと思います。

こちらの記事では、中卒や高卒の人が保育士になる方法や勉強方法について解説していきます!

保育士のなり方についてざっくり説明すると

  • 学歴ごとに求められるものが違う
  • 中卒や高卒の方でも保育士になれる
  • 高卒の方などは、実務経験も求められる
  • 保育士試験の難易度は高い

保育士資格は高卒でも取得できるのか

大きな疑問

保育士は、大学で保育分野を修了していたり保育の専門学校を卒業しなければなることができない、というイメージを持たれがちです。

しかし、実際は中卒や高卒の人でも保育士になることが可能です。

高卒でも保育士になれる

大学や専門学校を出ていなくても、高卒でも保育士になることができます。

ただし、高卒で保育士になるためにはいくつかの条件をクリアしなければなりません。

高卒認定者も保育資格獲得のチャンスがある

高卒認定とは、高校卒業に必要とされる学力レベルの試験を受けて、合格することで得られる認定のことです。

この認定は高卒の学歴と同等のレベルであることの証明であるため、高卒者と同じ立ち位置であると言えるでしょう。

実務経験があれば、高卒者と同様に保育士試験を受けることが可能となります。

続いて、高卒の人が保育士になるために必要な条件を詳しく解説していきます。

中卒の人も保育士になれる

中卒の方でも保育士になることができます。

保育士試験の受験資格として、児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上の実務経験があれば試験を受けることが可能です。

同時に、「1日6時間以上かつ一ヶ月で20日以上」働いていなければ実務経験としてカウントされないため注意が必要しましょう。

高卒の人が受験資格を得るには

悩む男性

高卒の方が保育士になるためには、いくつかの条件をクリアしなければなりません。

こちらのトピックで、高卒の人が保育士になるために必要な条件を詳しく解説します。

試験資格を得るには卒業年次が大切

全国保育士養成協議会は、高卒の方の受験資格に以下の規定を設けています。

  • 平成3年3月31日までに高校の普通科を卒業していれば、保育士国家試験の受験資格を有している

  • 平成3年3月31日までに学校教育法による高等学校を卒業した者もしくは通常の課程による12年の学校教育を修了した者または文部科学大臣においてこれと同等以上の資格を有すると認定した者も受験資格を有している

このように、平成3年3月31日までに卒業している方であれば、高卒者でも保育士試験を受験することができます。

保育科高校学校を卒業している

なお、高卒で保育士国家試験を受けるためには、前述した条件に加えて以下のような条件もあります。

  • 1996年3月31日以前に高校の保育科を卒業していること
  • 1991年3月31日以前に高等学校を卒業していること

自分が高校を卒業した年月日に関しては、確実に覚えておきましょう。

実務経験が必要

上記の条件に該当せず一般的な高校を卒業してる場合は、児童福祉施設の認定を受けている施設で勤務することで実務経験の面から受験資格をクリアすることができます。

施設が児童福祉施設に含まれるか否かは各自治体によって違いがあります。

そのため、自分が働こうとしている施設が児童福祉施設に該当するか否かは事前に確認しておきましょう。

もし児童福祉施設の認定を受けていないところだと、無駄な時間を過ごすことになってしまいます。

なお、実務経験の要件をクリアするためには2年以上かつ2880時間以上の勤務をする必要があります。

保育士に実際になるためには

笑う女性

受験資格をクリアして保育士国家試験に合格し、登録などの諸手続きをすることで保育士になることができます。

高卒の人が保育国家試験の受験資格を得た後に、保育士になるまでの流れについて解説します。

保育士国家試験に合格する

前述した卒業年次を満たしている、あるいは実務経験がある場合は保育士国家試験を受けることができます。

忘れずに出願して、合格を目指して勉強をしていきましょう。

保育士試験に合格しない限り、高卒の方が保育士になることはできないため、しっかりと勉強する必要があります。

保育士養成学校に通う

高校を卒業した後に保育士養成学校に通って卒業すれば、国家試験を受けずに保育士になることができます。

ただし、この養成学校ルートだと保育士資格を得るために最短でも2年はかかってしまう点には注意が必要です。

学費は高くかかってしまうデメリットはありますが、確実に保育士を目指すことができ保育士試験を受けられる点はメリットと言えます。

養成学校の種類

なお、保育士養成学校には以下のような学校があります。

  • 4年制大学
  • 2年生の短期大学
  • 一部の通信学校
  • 夜間学校

例えば、通信制の学校で単位を取得することが出来れば、実務試験がなくても保育士試験を受けることができます。

保育士のカリキュラムがあるかどうかは、入念に調べておくと良いでしょう。

高卒以外の人が保育士になるには

微笑む女性

高卒でなくとも、保育士として働いている人は多くいます。

こちらのトピックで、高卒以外の人が保育士になるための具体的な方法を解説していきます。

なお、高卒以外の人とは以下のような人を指します。

  • 保育士を目指して養成学校に通う人

  • 養成学校に通っていたが、何らかの理由で中退してしまった人

保育士養成学校を卒業する

保育士になるための最も一般的な方法として、保育士養成過程のある養成学校に入学して卒業することが考えられます。

養成学校では保育士になるためのカリキュラムが組まれていて、確実に合格を目指せるメリットがあります。

しかし、学費や教材費などの出費はどうしてもかかってしまう点には注意が必要です。

養成学校を中退した場合

4年制大学中退では保育士試験を受けられる

4年制大学を中退した場合でも、2年以上在学し、かつ62単位以上取得していれば保育士国家試験を受けることができます。

なお、この場合実務試験が免除されるメリットがあります。

また、保育科以外の他学科・他学部の人でも、上記の条件をクリアしていれば保育士試験を受験することができます。

受験の際には、在学証明書や単位取得証明書が必要となるため、予め大学に問い合わせるなどして準備しておくと良いでしょう。

短期大学中退では受験資格が認められない?

4年制大学と違い、短期大学を中退した場合は保育士試験の受験資格はクリアできません。

そのため、短大中退者は高卒者と同じように、実務経験を経てから試験を受ける必要があります。

しかし、3年制の大学であれば、2年以上在学し、かつ62以上の単位がある場合は受験資格が認められる可能性があります。

そのため、自分の受験資格については、全国保育士養成協議会や学校に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。

専門学校中退

専門学校を中退した場合は、高卒と同じ扱いとなります。

つまり、保育士になるためには、実務経験をクリアしてから保育士試験を受ける必要があります。

専門学校を中退してしまうと保育士の道が遠ざかってしまうため、やむを得ない事情がない限りは中退しないようにしましょう。

実務経験の内容

笑顔の子ども

高卒の方でも養成学校を中退した方でも、保育士試験の受験資格をクリアするためには定められている実務経験を積む必要があります。

こちらのトピックで、実務経験をする際に必要な条件を解説していきます。

なお、実務経験の雇用形態は正社員に限定されず、パートやアルバイトとして働いていた期間も実務経験としてカウントされます。

実務経験を行える児童福祉施設を探す

実務経験を行うための児童福祉施設は多くあります。

児童福祉施設の具体例として、幼稚園・保育園・認定こども園などが挙げられます。

また、小学校の隣にあるような学童保育などの一時保護施設も、児童福祉施設に該当します。

乳児院などの24時間体制の施設もあるため、自分の都合に合わせて実務経験を積むことは可能です。

児童福祉施設以外でも実務経験は積める

児童福祉施設以外の幼稚園型認定こども園や幼稚園・認可外保育施設や小規模保育事業での勤務も、実務経験に該当します。

企業が設けている事業所内保育事業や一時預かり事業に従事している場合も、実務経験に該当する可能性があります。

ただし、上記の2点が当てはまるのは通勤圏内に一般的な保育施設が無い場合に限られるため、ハードルは少し高めです。

取得支援制度のある保育施設で働く

保育施設の中には、保育士の取得支援制度を設けているところもあります。

「将来的に保育士資格の取得を目指している」と勤務先にアピールすることで、実務経験の際に金銭的なサポートをしてもらえる可能性があります。

また、資格取得のための助成金や試験合格後に手当を支給してくれる職場もあるため、保育士資格の取得を目指している旨はしっかりと伝えておきましょう。

受験資格認定証を獲得する

認可外保育施設や事業所内保育事業・小規模保育事業などで実務経験を積んだら、次に受験資格認定手続きをする必要があります。

手続きの際には、以前働いた施設や現在働いている施設に勤務証明書などの必要書類を作成してもらう必要があります。

その後、受験資格認定申請書となどの必要書類を都道府県に送付すると、実務経験要件をクリアできます。

なお、保育士試験を受ける時には受験資格認定証のコピーが必要となるため、大切に保管しておきましょう。

2年間フルタイムで働く

実務経験の種類として、週休2日制で6時間以上働く「フルタイム勤務」があります。

このフルタイム勤務の場合は、最低でも2年以上働かなければ実務経験をクリアすることはできません。

実務経験を積むことで保育士の実技試験対策ができるため、試験を意識しながら実務を積むと良いでしょう。

パートも実務経験になる

フルタイムではなく、短時間で働くパート勤務でも実務経験にカウントされます。

しかし、パート勤務の場合はかなり長期的に働かないと、受験資格をクリアすることができません。

例えば、一日3時間の勤務をこなしている場合は、保育士試験を受けるのに約4年かかってしまいます。

このように時間がかかってしまうデメリットはありますが、詰め込み学習ではなくコツコツと実務を重ねるため、覚えた仕事内容を忘れにくく試験対策がスムーズにできるメリットもあるのです。

保育士試験の難易度

勉強道具の画像

保育士試験の合格率はおよそ20%

となっており、かなり難易度の高い試験です。

試験に合格すると都道府県知事から保育士登録証(保育士証)が交付され、正式に保育士として働くことができます。

どれくらいの勉強時間が必要?

保育士養成学校に通う人は、およそ2〜3年という時間をかけて試験勉強をします。

一方で、独学で勉強する人の勉強期間は約1ヶ月〜半年であり、養成学校と比べると非常に短期間であることがわかります。

独学者の勉強期間が短い一つの要因として、保育士試験が年に2回しか開催されないため、その時期に合わせて勉強をする人が多いからです。

とはいえ、やはり独学者は養成学校利用者よりも合格率は低く、何度も不合格になってしまう人も多くいます。

保育士試験に年齢制限はない

待機児童が社会問題となった影響もあり、国や自治体も保育士不足の解消に動いています。

今後も、保育園の増設が期待されたり保育士不足の深刻化の影響で、保育士の需要はますます高くなっていくでしょう。

そのため、保育士を目指すにあたって年齢は関係なく、性別なども問わず保育士資格取得者はどこでも歓迎されるでしょう。

また、主婦の方が家事や育児の合間に勉強したり、働きながら保育士の資格取得を目指す社会人も多くいるため、保育士は今注目の資格と言えます。

実務経験と保育士試験はどちらがオススメ?

実務経験のクリアか、保育士試験の合格のどちらを目指すべきかは、その人が置かれている環境によって違います。

例えば、子育てや家事が忙しく学校に通うことが難しい主婦の方や社会人の場合は、パート等の短時間勤務で長期的に受験資格獲得を目指す方が良いでしょう。

一方で、学生の方であれば、2年以上在学し、かつ62単位以上取得できれば保育科への転部が可能です。

そのため、学生の内に保育を学んでおき、そのまま保育士試験の合格を目指すのも一つの方法として考えられます。

保育士資格の勉強方法

勉強する女性

保育士試験は難しい試験であるため、勉強方法に悩んでいる人も多いです。

こちらのトピックで、おすすめの勉強法について解説します。

保育士資格の試験内容

保育士試験は筆記試験と実技試験で構成されています。

筆記試験は全部で9科目あり、科目数が多く出題範囲が広いことから勉強するのにかなり苦労するでしょう。

なお、筆記試験で出題される科目は以下の通りです。

  • 保育原理
  • 教育原理
  • 社会的養護
  • 子ども家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

また、各科目ごとに足切りがあるため、満遍なく勉強しなければなりません。

独学でも合格できる?

独学用の保育士試験対策のテキストはたくさんあります。

そのため、受験資格さえクリアできていれば独学でも合格を目指すことができます。

また、完全に独学だと不安だという人であれば、単発で講座を受けて自分の苦手分野や知識が足りない部分を補うのも良いでしょう。

様々な予備校や通信講座で、トータルで勉強できる講座や単発で苦手を対策できる講座が出ているため、興味がある講座があれば積極的に資料請求してみてください。

独学で参考書を勉強する

保育士養成学校に通ったり通信講座などを利用しなくても、独学で保育士試験に合格することはできます。

独学の場合、使う教材は適当に選ぶのではなく自分が分かりやすいと感じたテキストや、解説が丁寧な問題集を選ぶようにしましょう。

また保育士試験の過去問も出版されているため、実践力を高めるために過去問もぜひ利用してみてください。

保育士向けの通信講座を受ける

カリキュラムに縛られるのではなく、自分のペースで勉強したい人は通信講座の利用がおすすめです。

通信講座を利用する際には、学習状況や確保できる勉強時間のバランスなどを考慮して、自分にとってベストな講座を選ぶと良いでしょう。

講座選びで失敗しないためにも、資料請求をして様々な講座を比較検討するようにしましょう。

通信講座のメリット

通信講座を利用するメリットとして、初学者でも躓くことなく学べること、隙間時間を効率よく利用しながら勉強を進めることができる点が挙げられます。

これらの通信講座には、保育に関する知識が全くない人でも分かりやすい講座やスマートフォンやタブレットで勉強できる映像コンテンツなど、様々な工夫がされています。

これらの通信講座のサービスをうまく活用できれば、独学よりも遥かに効率よく勉強することができます。

養成学校に通うメリット

高卒の人が保育士になるためのルートとして、養成学校に通う道があります。

養成学校に通って保育士を目指すメリットを見ていきましょう。

独学でないため、勉強スケジュールを立てなくて良い

養成学校の学習方針は学校や教師側で決められており、学校の指示に従えば着実に学力を伸ばすことができます。

独学とは違い自分でスケジュールを考える手間が無いため、カリキュラム通りに進めれば良いという安心感がある点が大きなメリットです。

集団授業でモチベーションを上げて勉強出来る

学校に通い集団で授業を受けることで、目標を共有する仲間ができるため勉強の途中で気が抜けたりサボったりする可能性が低くなります。

なお、授業では実際の保育士試験の問題を扱うため、本試験でも対応できる力を身に着けることができます。

このように、独学よりもモチベーションの維持がしやすい点も、養成学校に通うメリットと言えます。

実習などの授業内容が豊富

養成学校の授業では、保育原理や教育原理などの実際の試験で問われる内容を扱います。

また、実技試験の科目である造形表現などの実技試験のカリキュラムも教えてくれるため、非常に有益な情報を提供してくれます。

試験に受かった後の面接対策も行ってくれるため、トータルのサポートは非常に充実しています。

また保育士として必要なスキルでもあるピアノの弾き方などもレッスンしてくれるため、実技試験に不安を抱えている人も安心です。

学校によっては幼稚園教諭の免許を取得することもできるため、これらのサポートが充実している点は独学とは違う大きなメリットです。

保育士のスキルアップにオススメの資格

ガッツポーズの人

保育士と相性が良い資格を紹介します。

チャイルドマインダー

チャイルドマインダーは、家庭的・少人数保育の専門的や知識や技能を持っている人です。

保育士とは違って民間資格であり、養成講座を修了して試験に合格すれば取得できるため、比較的取得しやすい資格と言えるでしょう。

個別で子どもを預かったりする少人数保育の専門家なので、保育園で働く以外にも個人事業者として独立開業することも可能な資格です。

イングリッシュエキスパート保育士

グローバル化を受けて、幼少期から英語に親しんでもらえるように活躍するのがイングリッシュエキスパート保育士です。

イングリッシュエキスパート保育士は、英語を勉強させるのではなく、英語の歌を流したりして英語に親しんでもらうことを目的としています。

今後ますます進むグローバル備えて、イングリッシュエキスパート保育士の価値はますます高まっていくでしょう。

食育実戦プランナー

食育プランナーは、人間が生きていく上で欠かすことができない食事を通じて、食が人に与える影響を伝える役割を果たしています。

食育実践プランナーと保育士資格の相性は抜群で、例えば子どもにどの食材を食べさせたら良いかなど、栄養価の面からも子どもの健やかな成長をサポートすることができます。

保育園での給食や保護者へのアドバイスなどを通じて、食育実戦プランナーの活躍の場は広いと言えます。

働く上で学歴は関係ある?

とある人の疑問

試験を受ける上では学歴によって大きな影響を受ける保育士ですが、実際に働く現場で学歴は関係ありません。

選考の場でも学歴を重視する保育園などはあまりなく、コミュニケーション能力や人柄の良さなどが最優先です。

そのため、自分の学歴に不安を抱えている人であっても、試験に合格して保育士として働く際には全く心配する必要はありません。

そのため、学歴を気にするよりも子どもと上手にコミュニケーションを取る方法や、前述した保育士と相性の良い資格の勉強をする方が遥かに有意義なのです。

また、保育士は人手不足の状況にあるため、しっかりと実務経験を積んで育児のノウハウを体に叩き込んでおくと、どこへ行っても重宝される貴重な人材となれます。

つまり、保育士として働く場合、学歴はほどんど関係ないということを理解しておいてください。

保育士のなり方のまとめ

保育士のなり方のまとめ

  • 高卒や専門学校を中退している方は、受験資格の要件をしっかりチェックしよう
  • 受験資格はかなりややこしいため、不安であれば電話などで問い合わせると確実
  • 保育士養成学校は、合格までに時間がかかるが着実に合格を目指すことができる
  • 独学の場合は、勉強のスケジュールやモチベーションの管理に注意

保育士になるには、受験資格や実務経験など様々な要件をクリアしなければなりません。

しかし、合格した後は学歴に関係なく活躍することができます。

今後ますます社会的に求められる資格なので、ぜひ保育士資格の取得を目指してみてください!

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