行政書士は過去問だけで受かるの?過去問の使い方やおすすめ参考書を紹介
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行政書士
宮城彩奈
「行政書士試験の過去問は一通り知識が付いたときに腕試しで使うものだよね?」
そんな風に思っている人はいませんか?
ある程度知識が付いて行政書士試験が近付いてきたタイミングで過去問に取り掛かる人も少なくありませんが、それは効率的な勉強法とは言えません。
この記事では過去問を使っても結果を出せない人の特徴や過去問を使い始めるタイミング・使い方など過去問のおすすめの活用法について丁寧に説明していきます。
読み終わった頃には過去問の活用法が分かって、効率よく行政書士試験の勉強を進められるようになるはずです。
行政書士の過去問についてざっくり説明すると
- 行政書士試験の勉強に過去問は必須
- 過去問を正しく活用することが重要
- 過去問だけでは十分な演習量とは言えない
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行政書士試験で過去問軽視は命取り
行政書士試験の勉強をするのに過去問を軽視したり、間違った勉強法を続けていてはせっかく勉強してもなかなか合格できるだけの実力を身に付けることは出来ません。
やりがちな過去問の間違った使い方
せっかく過去問を使ったのに思うような結果が出せなかったという人は過去問の勉強法を間違えていた可能性があります。
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テキストや問題集で一通り勉強してから腕試しとして試験直前に過去問に一度だけ挑戦する。
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ポイントや学習効果を意識することなく、とりあえずひたすら過去問を解く
上記の2つは特にやりがちな間違いです。
大学受験など多くの試験ではこのような過去問の使われ方をするので行政書士試験でも同じように勉強しがちですが、行政書士は試験範囲が広いのでテキストや問題集で漠然と勉強するだけでは合格することは難しいです。
また、「過去問を解いては答え合わせをしてすぐ次の問題へ移る」という勉強法ではせっかく勉強してもポイントを抑えられていないため時間を無駄にしてしまう可能性があります。
詳しい内容は後述しますが、過去問を正しく活用することで試験問題の出題傾向や自分の苦手分野を把握することができ、より効率的に学習を進めることが可能になります。
間違いから分かる教訓
過去問は「試験勉強がある程度進んだ段階で身に付けた知識を試すため、応用するために使うものだ」と思っている人も多いですが、実は過去問はそもそも知識を身に付けるのにとても重要で役に立つものです。
当たり前ですが過去問は過去に実際に出た試験問題です。つまり過去問を解くことは行政書士の試験問題の出題形式を知ることだと言えます。出題形式が分かればテキストの読み方も変わるはずです。
さらに過去問を解いていくと出題形式が異なってもよく出題されている問題があることに気づきます。必然的に頻出問題を重点的に勉強することになり、テキストの中の重要箇所も把握できるはずです。
逆に過去問に出てこない内容は重要でないことが分かるため、その部分は簡単に勉強すれば良いことに気付けるでしょう。
つまり過去問を使いながら知識を身に付けていけばテキストの中の重要事項が分かるためメリハリを付けた学習が可能になり、効率的に基礎知識を身に付けることができるのです。
行政書士試験に過去問は必須
過去問を使って勉強することで本試験に出題される問題の傾向や出題形式を知ることができるため、特に難関国家資格試験を受けるときは過去問を使った勉強が重要になります。
だからと言って過去問をただひたすら解けば良いということではありません。 過去問をやり込んだのに合格できなかったという人には共通した特徴があります。
ここでは過去問を活用するときに重要な点や過去問をやっても伸びない人の共通点について説明します。
過去問だけで合格は難しいけれど
行政書士試験では過去に出題された問題がそのまま出題されることはないため、過去問だけ勉強して丸暗記したとしても合格することは極めて難しいです。
しかし本試験には過去問と同じような問題や、同じ論点を違う角度から出題しただけという問題も多々出題されます。
行政書士試験には出やすい論点というものが確実に存在し、過去問を意識的に解き進めれば出題傾向や頻出問題が分かるはずです。
出題傾向や頻出問題が分かれば学習範囲を絞って効率的に学習を進めることができるので、過去問を用いて試験勉強・対策することは合格への近道であると言えます。
過去問をやっても伸びない人の特徴
「過去問でしっかり勉強したはずなのに本試験で全く歯が立たなかった」という人に勉強法を聞いてみると「勘で答えたら正解した」「繰り返し過去問を解いている内に正解の選択肢の番号を覚えていた」ということが往々にしてあります。
過去問に取り組むときに重要なことはただ正解すること、正解率を上げることではありません。
むしろ適当に正解して次の問題に進んでしまうと浅い学習となり、本試験で少し変えて出題されただけで対応できないという事態に繋がりかねません。
過去問に取り組む際は、正解の選択肢がなぜ正解なのかを理解することはもちろんのこと、他の選択肢はなぜ間違いなのかの根拠を説明できるくらいまでしっかり過去問をやり込んで理解を深めることが大切です。
プロ直伝!過去問の使い方7選
過去問は行政書士試験に合格するための最良教材であり最重要ツールと言っても過言ではありません。
しかし間違った使い方ではせっかくの勉強も無駄になってしまうため、正しい活用法や使用時期を理解して学習に取り入れることが重要になります。
①スタートはテキスト読破してすぐ
「過去問」=「ある程度勉強をしてから取り組むもの」という認識の人もいるかと思いますが、実は過去問は問題集と同じようにテキストを読んだらすぐにその部分の問題を解くのがおすすめです。
テキストを読んですぐ過去問に取り掛かっても全く解けないかもしれません。しかしテキストで勉強した範囲を過去問で経験すればその範囲で出やすい問題や出題傾向がつかめるようになるからです。
重要事項が理解できればテキストもそれに合わせて読むことができるようになるので、漠然と勉強していくより学習効率が上がります。
②最初は体系別過去問
テキストを読んですぐに過去問を解くならテーマごとに過去問が分類されている体系別(論点別)過去問を使うのがおすすめです。
体系別過去問なら一つの科目の問題がまとめられているため効率よく演習することができるだけでなく、同じ論点に関して聞き方を変えた問題を解いていくことでテキストでは見落としていたり理解不足だった箇所を克服できるようになるメリットもあります。
またよく出題される問題ほど繰り返し解くことになるので、必然的に頻出問題がわかり、テキストのどの部分に力を入れて勉強すれば良いかが把握できるのでメリハリを付けて勉強を進めることが可能になります。
③直近5年は仕上げに
行政書士試験の勉強が一通り終わったら、問題が年代別にまとまっている年度別過去問を最後の仕上げとして使用することがおすすめです。
年度別過去問は本試験の出題形式と同じなので全ての科目を横断的に勉強したり、時間配分や問題を解く順番を考えるなど本試験に向けて戦略を練るのにも役立ちます。
あまり古い過去問は出題傾向が現在と異なることがあるので、問題の難易度や出題傾向を把握するには直近の過去問を重点的に勉強するのが最適です。
④問題を解いたらテキストに戻る
「過去問を解いたらテキストに戻って勉強することが大事」ということを知っているかもしれませんが、テキストに戻るのは丸付けをする前が良いということは知っていますか?
問題を解いた後、解答や解説を知る前にテキストに戻って問題で問われた箇所を読み返すことで自分の解答の正誤を自分で判断します。
解答を読む前に一度しっかりと考え直すことで周辺知識が手に入ったり、どの範囲を聞かれていたのか見極める力が付いたりするため、単に答え合わせをするより理解が深まって記憶が定着しやすくなります。
⑤正解率を気にしない
過去問を解いて答え合わせをすると正解率が出るため、つい正解率で自分の合格ラインを確認しがちです。
正解率は自分の実力のひとつの目安ではありますが、年ごとに難易度は違いますし、本試験で同じ問題が出題されるわけでもないので一喜一憂しても意味がありません。
正解率で重要なことは科目ごとの正解率です。 科目ごとの正解率を分析すれば自分の苦手分野が把握でき、今後なにを重点的に勉強するべきか分かるはずです。
⑥最低3周はする
過去問は繰り返し取り組むことが大切です。 問題の横に取り組んだ日付と併せて正解したかを〇×でメモしておけば復習ペースや重点的に復習すべき分野を把握しやすくなります。
意外に思うかもしれませんが、勉強を進めて知識が増えたことで判断材料も増え、前回は正解した問題なのに間違えるという事態も多々起こりえます。
そのため過去問は学習の進捗に合わせて間を空けて3回以上繰り返し取り組むことをおすすめします。
前回間違えた問題だけでなく、正解した問題も必ず繰り返し解くようにしましょう。
⑦一般知識の対策法
行政書士試験の中でも「一般知識」は時事問題も出題されるため過去問だけでは対応しきれない分野だと言えます。
常日頃からニュースや新聞で情報取集を心掛け、分からない単語は自分で調べて意味や関連知識を身に付けておく必要があります。
ただし一般知識の中でも文章理解・情報通信・個人情報保護は過去問でも対策できる部分です。 丁寧に過去問に取り組んでしっかり演習を積んでおきましょう。
おすすめの過去問紹介
過去問はできればテーマごとに問題がまとめられている体系別(論点別)過去問と、問題が年度別にまとまっている年度別過去問の2種類を活用すると良いでしょう。
普段の学習で用いる過去問となる体系別過去問題集については、合格革命 行政書士 肢別過去問集がおすすめです。
見開き構成で問題演習が行いやすい、一問一答形式であるなど、非常に勉強がしやすい作りになっている上に、解説も分かりやすいです。
過去問も昭和62年から現在までの問題を取り上げているので、ボリュームも申し分なしだと言えるでしょう。
学習の仕上げに使う年度別過去問についてはインターネット上にある無料過去問サイトでも対応可能ですが、紙媒体で解いた方が本番に向けた演習としては適切です。
無料サイトを利用する場合でも問題を印刷してから解くなど、出来るだけ本番に近い環境で過去問に取り組むようにしましょう。
印刷の手間を無くしたい方や、しっかりとした書籍で学びたい方は、大手資格学校のTACが出版してい出版しているみんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集がおすすめです。
こちらは解答のテクニックや問題のポイントまで丁寧に教えてくれる非常にクオリティの高い過去問集となっています。また、5年分というのも直前の総仕上げとしては必要十分な丁度良い量です。
過去問を活用するときに意識すべきことは?
過去問を正しく使う重要性は先に述べた通りですが、さらに意識して活用することでより効率的に勉強を進めることができます。
ポイントをしっかり押さえながら過去問を解き進めましょう。
重要な項目を見分ける
「過去問の使い方」でも触れた部分ではありますが、過去問を解いていると形を変えて何度も出題されている問題があるはずです。
漠然と過去問を解くのではなく、試験問題の中の頻出問題や重要項目を見分けてその部分を重点的に勉強するようにしましょう。
さらに難問・奇問・悪問を見分けられるようになれば試験範囲の中の手を抜くべき箇所や試験当日に試験問題を解くときの優先順位が分かるはずです。
自分の苦手分野を把握する
行政書士試験は足切りがあって各項目ごとに合格基準点が設定されているため、1科目でも基準以下の点数だったら不合格になってしまいます。
そのため行政書士試験を受けるなら苦手科目の克服は必須です。
先ほど過去問の正解率で一喜一憂に意味はないと言いましたが、過去問の科目ごとの正解率を把握して自分の苦手分野を見つけ出すことは重要です。
自分の苦手分野を重点的に勉強して苦手科目を克服することは合格率を上げることに繋がるからです。
過去問学習の効率をあげる裏技
これまで過去問の解き方の基本を紹介してきましたが、これを読んだだけでは普段の学習にどうやって活かせばいいのか、いまいちピンとこないかもしれません。
より具体的な過去問の活用法については、行政書士試験のプロである予備校講師の方の勉強法を学ぶのが一番です。
行政書士の専門学校であるクレアールでは「非常識合格法」という過去問学習をベースにした勉強ノウハウをまとめた書籍を販売しています。
クレアールでは現在、この行政書士試験の勉強法を記した書籍を無料プレゼントしています。行政書士試験を目指す方であれば、入手しておかない手はないでしょう。
ただしプレゼントは先着100名様限定となっているので、このチャンスを見逃さないようにしましょう!
過去問を解き終わったら
過去問を解き終わっただけでは勉強が十分とは言えません。
予想問題集や模試を活用して足りない部分を補ったり、試験に向けた準備をしっかり整えていきましょう。
予想問題集にとりかかろう
5~10年分の過去問を解き終えたら資格学校などが出版する予想問題集にも取り掛かりましょう。
繰り返しになりますが、行政書士試験では過去問と全く同じ出題はされないため過去問を完璧に答えられたとしても初見の問題に対応する力も磨いておかないと合格することは難しいです。
残念ながら過去問を10年分解いても演習量が十分とは言えません。予想問題集は出題傾向を踏まえて作成されているので演習量を増やせるだけでなく、本試験に向けた対策も同時におこなうことができます。
模試も活用しよう
模試も出題傾向を踏まえて問題を作成されているため、演習量を増やし行政書士試験の対策もおこなうことができます。
さらに会場に行って模試を受ければ本試験さながらの緊張感や空気感を肌で感じることができます。
特に初めて行政書士試験を受けた人の中には「せっかく勉強して試験に挑んだのに会場の空気にのまれて本領発揮できなかった」という声は珍しくありません。
模試を受けることで行政書士試験の実際の解答形式や時間配分も確認することができます。
試験当日にゆとりを持って受験するためにも会場に行って模試を受けることをおすすめします。
行政書士の過去問の使い方まとめ
行政書士の過去問の使い方まとめ
- 過去問はテキストを読んだらすぐに解き始める
- 体系別過去問で知識を身に付けて年度別過去問で仕上げる
- 過去問が終わったら予想問題集や模試にとりかかる
行政書士の過去問の使い方やおすすめの過去問について様々な側面から説明してきました!
過去問は資格試験の突破には不可欠な最重要の教材です。過去問を軽視することなく、正しく活用して効率よく勉強を進めましょう!