一橋法科大学院の難易度は高いの?合格率や試験内容・通うメリットまで解説!

「一橋大学法科大学院の難易度はどれくらいなの?」

「一橋法科大学院の合格率や偏差値について知りたい!」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

一橋大学法科大学院は非常に人気があるロースクールですが、難易度や合格率は気になるところです。

しっかりと試験データを確認することで効果的な対策が可能となるので、こちらの記事を通して試験の概要を把握しておきましょう。

以下では、一橋大学法科大学院の難易度をはじめ、合格率や通うメリットについて詳しく解説していきます!

一橋大学法大学院の難易度や特徴についてざっくり説明すると

  • 入試は三段階に分かれており、しっかりとした対策を練らなければならない
  • 他の大学院と比較すると難易度は高く、入試のハードルは高い
  • 大学院ごとの司法試験合格率ランキングを見てみると、一橋は上位
  • 過去問にしっかりと取り組み、出題内容や頻出論点を確認していこう

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一橋法科大学院の難易度

グラフ

まずは、一橋法科大学院の難易度について解説していきます。

大学や高校の難易度を測る際には偏差値が用いられますが、大学院には偏差値がありません。

そのため、偏差値以外の面で難易度を解説していきます。

募集定員・合格率

一橋大学の法科大学院は未修者コース・既修者コース・5年一貫コースの3つに分かれており、2023年度の各コースの倍率・合格率・定員数は以下の表のようになっています。

コース名 募集定員 志願者数 合格者数 倍率
未修者 20名程度 89名 21名 4.2倍
既修者 45名程度 295名 52名 5.7倍
5年一貫 20名程度 18名 18名 0.9倍

出典:2023年度一橋大学法科大学院入学試験(一般選抜試験/5年一貫型教育選抜)の経過と結果について

一般選抜試験として行われる未習者コース試験の倍率は4.2倍、既習者コース試験の倍率は5.7倍なので、既習者コースの方が狭き門と言えるでしょう。

なお、一橋大学法科大学院は他の大学院と比べると人数が少なく少数精鋭なので、全体的な難易度は高いです。

ちなみに、他の法科大学院は倍率が2~3倍くらいで推移していることから、一橋大学の法科大学院は特に競争率が高い試験であると言えます。

一橋法科大学院の入試は3段階

3つの顔

一橋法科法科大学院の入試は3段階に別れており、難易度が高いのが特徴的となっています。

以下で、各試験の特徴について詳しく解説していくので、参考にしてください。

第一次選抜

第一次選抜では、既修者コース未修者コースに関係なく、書類審査が行われます。

書類審査では主にTOEICの点数が重要な評価ポイントとなっており、受講生の平均スコアは700~750点ほどとなっています。

しっかりと勉強しておかないと700点以上はマークできないため、早い段階からTOEIC対策に着手しておくことをおすすめします。

なお、2022年度試験では、コロナウイルスの感染拡大の影響で「TOEICの受験機会が公平でない」という理由から、一次選抜は中止となりました。

第二次選抜

第二次選抜では、未修コースは小論文が課せられます。

内容としては2つの小問で構成されており、問題文を読んだ上でそれぞれ800字以内、1000字以内の小論文を書くという課題です。

論述力を鍛えるためには多くの演習を重ねて有益なフィードバックをもらうことが欠かせないので、こちらも早い段階から対策に着手しておくと良いでしょう。

一方で、既修コースは法律論文の試験となっており、民法・民事訴訟法・憲法・刑法・刑事訴訟法の5科目から構成されています。

1科目でも一定の水準を下回ると、総合点が優れていても不合格になってしまう、いわゆる「足切り制度」が設けられている点に注意してください。

バランスの良い学習を心掛けて、苦手科目を無くさないと合格できないので、徹底的に苦手は潰していきましょう。

また、判例と異なる事案も試験で出題されることから、判例の判旨・結論だけでなく、幅広い知識を習得する意識を持ちましょう。

以下ではそれぞれの科目の特徴について詳しく解説していきます。

民事科目(民法・民事訴訟法)

民事科目では、民法の大問が2つ、民事訴訟法の大問が1つ出てきます。

なお、試験時間は2時間15分で設問は比較的短いので、丁寧に取り組めば得点できるはずです。

過去の出題内容を見てみると、

  • 未成年者
  • 詐欺
  • 時効
  • 売買
  • 貸借権
  • 不当利得

など、様々な分野から出題されているので、幅広く勉強しておき、どの分野が出題されても対応できるように準備する必要があります。

また、民法と民事訴訟法の大問の配点はすべて同じで、解答する際にはしっかりとした体裁の法律文章が書くことを意識すると良いでしょう。

憲法

憲法は小問が2~3つに分かれており、試験時間は1時間30分です。

出題されたテーマに対する解答者の意見、反論、主張が求められるので、日頃の勉強から自分なりの考えを整理しておく必要があります。

過去の出題実績を見ると、

  • 平等原則
  • 表現の自由
  • 職業選択の自由及び信教の自由

以上の内容に関するテーマが多く出題されていることから、これらを重点的に対策しておくことをおすすめします。

なお、配点はすべて同じで制限時間が短いことから、スムーズに答案を作成できるようにトレーニングしておく必要があります。

刑事法(刑法・刑事訴訟法)

刑事法では、刑法の大問が2問、刑事訴訟法の問題が1問出題され、刑法は第1問が刑法総論、第2問が刑法各論からの出題となります。

なお、試験時間は2時間15分です。

過去の傾向を見てみると第1問の方が難易度が高い傾向にあるため、しっかりと準備しておきましょう。

なお、配点は刑法の方が高いことから、刑事訴訟法よりも刑法に時間を重きをおいて勉強を進めていくことをおすすめします。

第三次選抜

第三次選抜は面接が行われ、志望動機や予備試験受験のに対する意志や考えが聞かれます。

ロースクールで学ぶ者としての適性や法曹としての適性をチェックされますが、そこまで難易度は高くありません。

第三次選抜では二次選抜ほど不合格者は出ないことから、基本的に論述試験の対策を重きを置いておくと良いでしょう。

一橋法科大学院と他の法科大学院の比較

各コメントの比較

それでは、一橋大学法科大学院と他の法科大学院の難易度などを比較してみましょう。

他校と比較することで一橋大学の魅力なども分かってくるので、こまめに情報収集するのがおすすめです。

なお、各大学の入試倍率は志願者数に占める合格者の割合とし、全て2023年度入学者選抜試験の数字を使用しています。

東京大学

東京大学法科大学院の入試倍率は、公式HPによると既修コースが2.80倍・未修コースが2.36倍となっています。

一橋大学と比べてみると、入試倍率は低く定員に対する出願者数はそこまで多くありません。

ただ、東京大学は日本で最も偏差値の高い大学で、東大法学部出身者などの優秀な受験生が集まっていることを考えると、受験生のレベルも非常に高いです。

また、東京大学の試験には行政法も含まれており、試験範囲も一橋大学より広いことから、東京大学の方が難しいと判断できます。

京都大学

京都大学法科大学院の入試倍率は、公式HPによると既修コースが2.33倍・未修コースが4.77倍となっています。

一橋大学と比べてみると、両コースとも倍率は低くなっているため、競争率の観点からは一橋大学の方が難しいと言えます。

しかし、関西にはそもそもレベルの高い法科大学院が少なく、京都大学にレベルの高い受験者が集まる事情があります。

これは2022年度の司法試験合格率で法科大学院別ランキングでトップを取っている実績からも明らかです。

よって、トータルすると京都大学の方が難易度は高いと言えます。

慶應義塾大学

慶應義塾大学法科大学院の入試倍率は、公式HPによると既修コースで3.31倍、未修コースで3.42倍となっています。

一橋大学と比べてみると、倍率は低く合格者も募集人員よりも多く確保することから、競争率の高さは一橋大学に分があります。

慶應法科大学院の司法試験合格実績は私大の中ではトップクラスで、司法試験合格率は50%に迫るほどの実績を残していることを考えると、受験生のレベルは非常に高いです。

また、東京大学の併願先として受験されることが多い背景も加味すると、慶應義塾と一橋の難易度はほぼ同じレベル、または一橋の方がやや高いと言えるでしょう。

早稲田大学

早稲田大学法科大学院の入試倍率は、公式HPによると既修コースが2.89倍・未修コースが4.82倍となっています。

既修コースの倍率は一橋の方が高く、未修コースは一橋の方が圧倒的に低いことが分かります。

倍率だけにフォーカスすると、未修コースに関しては早稲田の方が狭き門であると考えられますが、司法試験の合格実績にフォーカスすると一橋の合格率が60~70%・早稲田は30~40%です。

つまり、早稲田よりも優秀な学生が一橋に集まっていると考えられるので、一橋の方が難易度は高いと判断できます。

中央大学

中央大学法科大学院の入試倍率は、公式HPによると既修コースが2.03倍・未修コースは3.67倍となっています。

比較してみると、競争率は一橋大学に分があります。

また、一橋は中央と違って入試に英語も求められ、対策に多くの時間がかかるので、トータルの難易度は一橋の方が上です。

さらに、司法試験合格率を見てみると、中央大学の司法試験合格率は30%程度なので、一橋大学の方が難易度が高いと判断できます。

司法試験合格率ランキング

合格率のグラフ

続いて、司法試験合格率ランキングについて見てみましょう。

各大学院の2022年の司法試験結果のランキングをまとめると、以下の表のようになります。

法科大学院 受験者数 合格者数 合格率
京都大学 175 119 68.0%
東京大学 192 117 60.9%
一橋大学 110 66 60.0%
慶應義塾大学 181 104 57.5%
東北大学 48 27 56.3%
愛知大学 4 2 50.0%
神戸大学 111 54 48.7%
大阪大学 111 51 46.0%
早稲田大学 232 104 44.8%
創価大学 32 12 37.5%
大阪市立大学 41 15 36.7%
九州大学 66 22 33.3%
南山大学 15 5 33.3%
筑波大学 55 18 32.7%
日本大学 75 24 32.0%

データ出典:令和4年司法試験の結果について

一橋大学は全国の法科大学院の中でも毎年トップ3に入る圧倒的合格率を叩き出しています。

合格実績が優れていることは、講師や学習環境が整備されていることの裏返しに他ならないので、安心して勉強に励めるはずです。

合格率と大学の偏差値は比例しないことも

表からも分かるように、合格率が上位の大学は比較的偏差値の高い大学であることが見て取れます。

しかし、中には大学の偏差値はそこまで高くないものの、他の難関大学よりも合格率が高い大学院もあるので、合格率と大学の偏差値は必ずしも比例するわけではありません。

重要なのは、合格率だけでなくキャンパスの充実度や講義の分かりやすさなので、これらも含めて大学院選びをしましょう。

一橋法科大学院受験に向けた勉強法

学習方法に悩む女性

続いて、一橋法科大学院の受験に向けたおすすめの勉強法を紹介していきます。

しっかりと対策を練れば合格を手繰り寄せることができるので、参考にしてください。

過去問から対策する

各大学院によって試験での頻出内容や出題傾向は違うので、まずは過去問を分析して重点的に勉強するポイントの目処をつけましょう。

一橋の試験問題は論点が複雑に絡み合った難しい出題が多いため、1つ1つの判例や事例・基本事項を細かく理解しなければなりません。

さらに、各事例から派生した問題が出てきても対応できるように、周辺知識も習得しておく必要があります。

得点力を高めるためには、過去問から出題傾向を把握して傾向に合わせて勉強することが最も効率的なので、過去問分析は入念に行いましょう。

予備校に通う

一橋大学法科大学院の難易度の高さを考えると、独学よりも予備校の利用がおすすめです。

実際に、法科大学院合格コースを設けている予備校も多くあるため、少しでも合格の可能性を高めたい方は予備校に通いながらじっくりと勉強すると良いでしょう。

予備校では小論文の対策や過去問の分析も行ってくれるメリットもあることから圧倒的に効果的な対策が可能です。

さらに、目標を共有できる仲間と出会うことでモチベーションを高めることもできるので、勉強のパフォーマンスも高まるでしょう。

アガルートの対策講座が最もおすすめ

一橋法科大学院対策に予備校を活用したいとお考えの方は、アガルートの法科大学院講座の受講をおすすめします。

一橋法科大学院をはじめとした、難関法科大学院の入試傾向を徹底分析したうえで講座が作成されており、合理的なカリキュラムの元最短ルートで試験合格を目指すことができます。

司法試験で圧倒的な合格実績を残し、信頼性も抜群であることから、スキのない講座に仕上がっているといえるでしょう。

アガルートの公式サイトはこちら

一橋法科大学院に通うメリット

メリットの箇条書き

最後に、一橋大学法科大学院に通うメリットについて紹介していきます。

一橋大学の魅力を知り、勉強のモチベーションアップに役立ててください。

圧倒的な司法試験合格率

一橋大学法科大学院の令和2年度の司法試験合格率は70%を超えており、他校と比較しても圧倒的な合格率を誇っています。

また、2005~2017年度の司法試験累計合格率は81.5%で、他の大学院と比較してもトップの数字を誇っていることから、圧倒的な実績を残していることが分かります。

つまり、入学できれば司法試験の合格に大きく近付けるはずなので、着実に法曹を目指すことが可能と言えるでしょう。

5年一貫教育で早期取得

一橋法科大学院のカリキュラムは5年一貫教育となっており、学部4年時から大学院の科目を履修することが可能です。

つまり、優秀な生徒であれば5年間で学部入学から大学院の修士を修了できますが、この恩恵を受けられるのは一橋大学の学部生のみです。

とはいえ、通常よりも1年早く修士を取得できるのは大きなメリットなので、一橋大学生はぜひ利用を検討してください。

有名講師陣による授業

一橋大学法科大学院には法曹界で有名な講師陣が揃っており、非常に分かりやすい授業を受けることができます。

また、大学院では通常の学部よりも少ない人数で授業が行われることから、講師とコミュニケーションを取りやすい点も大きな魅力と言えるでしょう。

優れた講師から少人数授業を受けることができれば自然と学力は高まっていくはずなので、他校と比べると大きなアドバンテージのなるのは間違いありません。

一橋大学法大学院の難易度や特徴まとめ

一橋大学法大学院の難易度や特徴まとめ

  • 難易度は高いので、過去問を活用して入念な対策を考えよう
  • 司法試験合格率の高さは圧倒的
  • 一橋では質の高い講義を受けられるので、入学できた際のメリットは絶大

ここまで一橋法科大学院の難易度について詳しくご紹介してきました。

一橋大学法科大学院の入試難易度は高い為、過去問を分析したうえで効果的な対策を考えることが重要です。

他の大学院と比較しても難易度は高いと考えられるので、コツコツと努力を継続していきましょう。

一橋は司法試験合格率の高い優れた法科大学院なので、法曹を目指している方はぜひ合格を目指して頑張ってください!

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