色彩検定の難易度は低い?級別の合格率や独学での勉強法・試験内容も詳しく解説
「色彩検定ってどれくらい難しいの?」
「合格率や必要な勉強時間、また独学が可能なのか知りたい!」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
色彩検定は、色彩系の資格試験の中でも、その歴史と実施規模から知名度が非常に高く、また多くの年齢層の方が受験する試験です。
そんな色彩検定ですが、いったい難易度がどれくらいであるのか知っているでしょうか?
こちらの記事では、近年注目されている色彩検定について、難易度や合格率、勉強法まで詳しく解説していきたいと思います!
ぜひ最後までご覧下さい。
色彩検定の難易度についてざっくり説明すると
- 試験は4つの級に分かれている
- 出題範囲が広い
- 難易度は比較的低い
- どの級も、合格に必要な得点率は7割程度
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色彩検定の難易度はどのくらい?
色彩検定とは、社団法人全国服飾教育者連合会(A・F・T)が主催する文部科学省後援の公的資格であり、色に関する様々な知識や技能を問う検定試験です。
色彩検定には1級・2級・3級・UC級の4つの級があり、1級が最も難易度が高くなっています。
難易度に関しては、他の資格と比べた場合必ずしも高いとは言えません。しかし級により難易度は異なり、1級に関しては色彩学を本格的に学び仕事で活用したい方向けとなっており、一部実技も課されます。
以下では、色彩検定の難易度をあげる要因が何であるのかを紹介していきたいと思います。
幅広い試験範囲
色彩検定の特徴として、どの級でも学習範囲が比較的幅広いことが挙げられます。例えば、光と色の分野でも光の性質や視覚系の構造、照明など幅広い知識が要求されます。
これだけ聞くと途方もないように感じますが、色彩検定の公式HPには、それぞれの級で出題され科目や勉強内容などが示されており、その内容に沿って勉強することで、幅広い知識をカバーすることができます。
それぞれの級で要求される知識が異なり、1級に関しては非常に難易度が高いため、初めて勉強する方はまずUC級または3級から勉強するのがおすすめです。
色彩検定の試験形式と試験科目
色彩検定は出題範囲が膨大ですが、実際どれくらいの範囲が出題され、形式はどのようになっているのでしょうか。
色彩検定のなかでも最も人気で受験者数の多い2級を例にして、問題形式と出題範囲について解説していきたいと思います。
マークシート方式
色彩検定の試験形式は、全ての級でマークシート形式がとられ、一部記述式が含まれています。
カラーコーディネーター等など論述問題を含む試験に比べると、マークシート形式の方が点数が取りやすいため、他の色に関する検定に比べたら色彩検定は比較的受けやすい試験だといえます。
また、1級に関してはマークシート+記述式の一次試験に加え、記述式に一部実技が課される二次試験があります。
試験時間は、1級が90分、2級が80分、3級が70分、UC級が60分となっています。
色彩検定2級の試験内容
色彩検定の試験内容について、2級を参考に紹介したいと思います。
試験項目 | 具体的な試験内容 |
---|---|
色のユニバーサルデザイン | 色の働き/色のユニバーサルデザイン/色覚説 |
光と色 | 光の性質と色/視覚系の構造と色/照明 |
色の表示 | マンセル色表示 |
色彩心理 | 色の視覚効果/色の心理効果 |
色彩調和 | 色彩調和/自然の秩序からの色彩調和/自然から学ぶ配色/配色技法 |
配色イメージ | イメージ別配色法 |
ビジュアル | ビジュアルデザインの色彩/メディアデザインの色彩 |
ファッション | ファッションの色彩と配色 |
インテリア | 住空間のインテリアとは/住空間のインテリアカラーコーディネーション/住空間におけるインテリアの配色構成/インテリアスタイルと色彩 |
景観色彩 | 景観と色彩/地域の気候風土がつくりだす景観色彩/掲載色彩における色彩の基礎知識/生活環境における景観色彩設計 |
慣用色名 | 慣用色名(JISの慣用色名より) |
なお、2級の試験は3級の知識があることが前提となっているので、はじめから2級を受ける場合、上記の試験内容に加え3級の試験内容も勉強する必要があります。
問題には、「光束・光度・輝度・照度」の違いを説明する問題や、「トーンオントーン」と「トーンイントーン」等の似たような単語の区別をするなど、言葉の暗記だけでなく体系的な知識が必要とされるため、注意が必要です。
選択科目は無い
色彩検定には選択科目が存在せず、上記の表のようにどの級もあらかじめ試験内容が決まっています。
なので、苦手な科目があっても避けて通ることができません。
そこで、色彩検定に合格するコツとしては、苦手分野を作らずどの教科もまんべんなく点数を取ることが挙げられます。
色彩検定の受験に資格は必要?
色彩検定の受験には、特に持っていなければならない資格はありません。そのため、年齢、学年関係なく誰でも受験することが出来ます。
現在では趣味で色彩を学びたい方や、仕事で役立てるためにに本格的に学びたい方など、色彩検定は多くの方に受験されています。
1級では、1次試験に加え2次試験が付け加えられますが、仮に2次試験が一回で合格できなくても、1次試験合格後から2年間は1次試験免除で2次試験に進むことが出来ます。
色彩検定は易化傾向にある
近年の動向として、色彩検定の難易度は易化傾向にあるといわれています。
例えば、3級に関しては2016年以前は合格率はちょうど7割ほどで推移していましたが、それ以降は徐々に合格率が上昇傾向にあります。
同じく1級も、合格率は例年30%ほどで推移していましたが、2018年と2019年は4割ほどに上昇しています。
しかし、易化傾向にあるとはいえ、難易度は年度によって変化するので注意が必要です。
2016年の合格率を参考にすると、どの級でも合格率が下がり全体的に難易度が上がったことが分かります。
このように色彩検定は年度によって合格率が変動するため、どの難易度でもあっても平均7割以上の得点率が取れるようにする必要があります。
偏差値で例えた色彩検定の難易度
色彩検定の偏差値は、1級が54、2級が45、3級が40となっています。1級を除き、偏差値は50を切っているため色彩検定の偏差値は比較的低いといえるでしょう。
色彩検定1級と同等の偏差値の資格のものには、ビジネス実務法務検定2級や簿記能力検定1級、ITコーディネータ等があります。
同じく、2級と同等と試験として介護福祉士や歴史能力検定1級があり、3級と同等の試験としては、ファッションビジネス能力検定1級やネットマーケティング検定等があります。
しかし、偏差値は受験する集団の出来具合いに左右されるので注意が必要です。
また色彩検定は個人が7割程度の得点を納めなければ合格することができず、高得点を取らなければならないことも考慮しておきましょう。
色彩検定の合格率
先ほど、色彩検定は比較的難易度が低いと説明しましたが、実際の合格率はどれくらいなのでしょうか。
ここでは、色彩検定の合格率や得点率などの情報について解説していきたいと思います。
色彩検定の合格率は級によって違う
2021年度の色彩検定受験者データによると、それぞれの級の合格率は以下のようになっています。
級の種類 | 合格率 |
---|---|
1級 | 52.7% |
2級 | 77.9% |
3級 | 76.8% |
UC級 | 89.7% |
このように、色彩検定は級により合格率は異なりますが、全体的に比較的高い傾向にあることが分かります。
また、のちほど解説しますが、近年色彩検定の難易度は易化傾向にあり、特に1級の合格率は上昇傾向にあります。
合格するには何点必要?
色彩検定の公式ホームページによると、どの級においても、色彩検定に合格するためには満点の70%以上程度の得点率が必要となります。
ただし試験問題の難易度によって合格点は多少変わってきます。
例えば、69%の得点率で7割以上の得点が取れなかったとしても、その回の試験の難易度が高かった場合、合格の可能性は十分にあるということになります。
そのため7割以上の得点を目指して勉強するのが効率的でしょう。
勉強時間はどのくらい必要なのか
色彩検定は幅広い層の人が受ける試験です。そのため勉強時間には個人差があります。
例えば、自由な時間が多くある学生などは3級レベルだと1か月ほどで終わらせられることが出来ますが、多忙な社会人やすでに定年を迎えた人などの場合には、より多くの勉強時間が必要となるでしょう。
そのため、自分と同じ年齢・環境で資格試験を目指してる人を参考にしてみるといいかもしれません。
色彩検定の受験者層
一般的に、色彩検定は多くの年齢層に支持されているといわれていますが、実際はどうなのでしょうか。
以下では、色彩検定試験の運営元であるA・F・Tが公表している2019年の受験者データを基に、色彩検定の受験者の傾向についてご紹介していきたいと思います。
色彩検定を受ける年齢層
色彩検定は、文部科学省が後援していることもあり学生の受験者が多い傾向にあります。
学生の中では、大学生と専門学生の志望者が最も多く、互いに全学生の4分の1を超えています。
受験者の年代別の比率としては、10代と20代で全体の7割を超え、30代40代と続いていきます。
また、50代や60代の受験者も一定数いるので、色彩試験は若い人から高齢の方まで多くの人に受験されているといえます。
男女の比率
男女比は公式には発表されていませんが、色彩検定はアパレルやコスメなどの業界で非常に役に立つため、一般的には女性の割合が比較的高いというイメージがあります。
しかし、色彩検定の知識はコンサルティングの仕事やIT系の職業にも役立つといわれています。
験者データによると、実際に社会人の受験者数の中ではIT・コンピュータ系の職業の方は二番目に多くなっています。
そのような職業は比較的男性が多いので、男性の方でも受ける価値は大いにあるといえるでしょう。
難易度の観点から見た色彩検定の評価
いままで色彩検定の難易度とその背景について解説してきましたが、他の資格と比較した場合、難易度はどれくらいになるのでしょうか。
以下では、色彩検定と、色彩に関する他の検定や一般に人気とされている資格について比べていきたいと思います。
他の色彩系資格と比べた際の難易度
現在、日本には色彩検定に似た資格として、カラーコーディネーターや色彩士があります。
こうした色彩系の資格や他の人気資格と比べ、色彩検定試験はどれほどの難易度なのでしょうか。
以下では、色彩系の資格であるカラーコーディネーターと色彩士試験と比べた場合の、色彩検定の難易度について解説していきたいと思います。
カラーコーディネーター
カラーコーディネーター試験は、東京商工会議所が主催する資格検定で、色彩検定と並び、日本で知名度が最も高い色彩系試験になります。
カラーコーディネーター試験の近年の合格率は、1級で4割、2級で4割、3級で7割程度となっており、色彩検定より合格率が低く、難易度が高めであることが分かります。
カラーコーディネーターの方が難易度が高い要因としては、色彩検定はマークシート形式が主体であるのに対し、カラーコーディネーター試験は論述試験となっていることが挙げられます。
色彩検定とカラーコーディネーター試験の試験内容は重複する部分があるため、まずは比較的合格率の高い色彩検定でしっかり知識を固めつつ、カラーコーディネーター試験の資格取得に臨むのもおすすめです。
色彩士
色彩士検定は、全国美術デザイン教育振興会が主催し、文部科学省、財団法人、日本色彩研究所などが後援となっている資格試験です。
色彩士試験は、色彩について基礎的な部分から応用まで幅広い範囲をカバーしている点で色彩試験と似ていますが、色彩士の試験内容は色彩試験と比べると、より実践的なものが多いとされています。
そんな色彩士ですが、近年の合格率は3級で7割、2級で5割、1級では2割程度となっています。
色彩検定と色彩士検定はほぼ同じ難易度ですが、受験者層には違いがあり、色彩士検定はデザイナーやアーティストが受験することが多いといわれています。
また、1級では色彩検定は合格率が約4割に対し、色彩士検定は2割程度となるので、色彩士検定のほうが難関といえます。
学生に人気の資格と比較した際の難易度
色彩検定は比較的難易度が低いことと、就職に生かせることから学生にとても人気な検定試験です。
では、同じく学生に人気のTOEICやファイナンシャルプランナー試験などと比べ、色彩検定はどれくらいの難易度といえるのでしょうか。
TOEIC
TOEICの難易度は、点数が0~990点まであるので獲得したい点数によって大きく異なります。
例えば、全国の大学生の平均点である6割前後を取得したいときと、より高みを目指して990点を目指す時の難易度は大きく異なり、また勉強時間も大幅に違いが出てきます。
ただ、合格・不合格に分かれる色彩検定に対してTOEICは合否はないので、合格のために高得点を取らなければならないという点では、色彩検定のほうが大変といえるかもしれません。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(FP)試験は、合格率で見ると他の国家試験に比べ低く、難易度が高いといえます。
FP検定の合格率は、2級でおよそ30%、3級で70%となっており、色彩検定に比べ3級はさほど難易度が変わらないといえますが、2級から難易度が高くなり、かなりの難関となります。
またFP検定の1級の受験には、実務経験5年以上ないしは2級合格者で実務1年以上の実績が必要など級により受験条件が存在します。
一概に色彩検定とFP検定の難易度を比較することは難しいですが、以上のことを踏まえると総合的にはFP検定のほうが難易度が高いといえます。
なぜ色彩検定には需要があるのか
様々な年齢層が受験する色彩検定ですが、なぜこれほどに多くの世代の人に指示されているのでしょうか。
ここからは、色彩検定が人気となっている背景について解説していきます。
就職や転職に役立つ
色彩検定は、取得することで色の持つイメージを場面に合わせて効果的に使えるようになるため、就職や転職をする際の手助けとなります。
また、色彩検定資格を持っていない人に比べ、仕事に対する理解があると評価されるため、色彩検定資格を持っていた方が採用されやすい可能性があります。
ファッション業界
アパレルやインテリアコーディネーターなどのファッション業界では、暖色・寒色に効果的な使い方や商品のイメージに合わせた色彩を選ぶ作業が非常に重要となります。
そのため、ファッション業界において色彩検定資格を持っておくことは、就職や、就職後の仕事において非常に大きな武器となるでしょう。
一生物の資格である
色彩検定に合格した人は、色彩コーディネーターを名乗ることができ、名称独占があります。
そして色彩コーディネーターには有効期限がありません。なので、一度色彩検定に合格すれば一生資格を保有することができます。
これは、例えばファッション業界などにおいて独立をする際、大いに役立てることが出来ます。
色彩検定は独学でも合格可能
色彩検定は、比較的難易度が低く、勉強すべき内容も明確に決まっているため、独学でも十分合格することが出来ます。
また、独学が厳しいという方は、通信講座や同じく資格取得を目指す友人などと一緒に勉強するなど、様々な勉強方法があるので自分にあった勉強方法を探し出すことが大切となります。
学習時に気をつけるべきポイント
色彩検定試験において気を付けるポイントは3つあります。
一つ目は、基礎的な部分をしっかりと学習することです。
例えば、1級や2級などは3級の内容を理解している前提で問題構成されています。そのため、基礎的な部分である3級の内容をしっかり学習することが合格するうえでの重要なポイントになります。
二つ目は、マークシート形式に慣れることです。
色彩検定ではすべての級でマークシート形式が取られています。問題数は3級でもおよそ100問近くあり、一問あたりにかけられる時間は多くありません。このようにマークシート形式に対応した勉強をすることが大切です。
三つ目は、記述式の対策を怠らないようにするということです。
2級の試験からは一部記述式が含まれるため、記述の練習もしておくことがおすすめです。
色彩検定の勉強方法
色彩検定の勉強方法としては、独学や通信講座の受講など様々な選択肢があります。
その中で、自分に合った勉強法を選び学習するようにしましょう。
以下では、色彩検定の勉強方法について紹介します。今後資格の勉強をしていく方はぜひ参考にして下さい。
勉強計画を立てる
色彩検定に限らず、資格合格を目指すためには、それぞれの級に合わせて勉強のスケジュールをしっかり立てることが合格への近道となります。
例えば、3級の試験日程は6月下旬と12月となっています。
そのため6月に受験する場合いつから勉強を始め、どのような順番で勉強を進めれば合格できるかを逆算してスケジュールを組むなどしてみるのもいいでしょう。
過去問は重要
色彩検定を独学で勉強する場合、過去問を何度か解いてみて、分からない問題を把握しつつ徐々に理解できる問題を増やしていく方法が、試験合格において非常に有効な勉強法となります。
なので、過去問をしっかり解く作業を怠らないようにしましょう。
また、色彩検定を主催しているA・F・Tが公式の問題集を出しているので、その参考書を活用することも非常におすすめです。
色彩検定の難易度まとめ
色彩検定の難易度のまとめ
- 試験範囲は幅広いが、出題内容は決まっているため対策はしやすい
- 合格するためには、どの級でも7割以上の得点率が必要となる
- 難易度は以前よりも易化傾向にあり、今が狙い目
- 独学での合格は十分可能である
色彩検定は資格や就職や転職など役に立つ資格であり、一度取得すると一生資格を保持しることができることから、近年は非常に注目されるようになってきています。
近年は問題が易化傾向にあり、また自分のレベルに合わせた級を選んで受験できるので、取得を検討されている方はぜひ色彩検定試験対策講座の資料請求をしてみて下さい。