色彩検定取得のメリットはあるの?1級から3級までの難易度・勉強方法まで級別に解説!
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「色彩検定を取得して何かメリットはあるの?」
「色彩検定に合格した後、資格を活かせる仕事はあるの?」
こんな疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか?
通信講座などでもよく見かける色彩検定ですから、勉強して資格を取得したいと思っている人も多いでしょう。ですが、取得した後のメリットがあるのかどうか気になるところですよね。
結論から申し上げますと、上級の資格を取得すれば就職活動でのメリットにつながります。ただ、仕事で活かすためには程度レベルの高い級に合格する必要があります。
そこで、1~3級までのそれぞれについてのメリットや就職状況などについて解説します。これを読めば、色彩検定の資格習得後の不安は消え去るでしょう。
色彩検定についてざっくり説明すると
- 色彩検定は就職や転職に役立つ可能性がある
- 色彩検定で就職や転職で役立つのは2級以上
- 色彩検定のUC級は将来役立つ可能性が高い
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色彩検定とは
色彩検定はA・F・T主催の文部科学省支援の検定です。色彩検定を受けることによって、色彩学に関する基本的な知識を身につけることができます。
色彩検定と混同されがちな検定に、「カラーコーディネーター検定」があります。カラーコーディネーター検定の方は色彩検定とは違い、商工業的な要素が多く含まれています。仕事での専門的な知識が多いということです。
色彩検定とカラーコーディネーター検定を難易度で比べると、基本的な知識の要素を多分に含んだ色彩検定の方が簡単と言えます。
色彩検定の難易度
合格率 | 1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|---|
色彩検定 | 39.6% | 77.4% | 76.9% |
カラーコーディネーター | - | 60.7%(アドバンス) | 80.2%(スタンダード) |
出典:色彩検定公式HP,カラーコーディネーター検定試験公式HP
上の一覧表は、色彩検定とカラーコーディネーターの合格率を級ごとに比較したものです。一覧表を見てもわかるように、色彩検定の難易度のほうが低くなっています。
色彩検定は正答率7割前後で合格できるようになっています。また、試験そのものはマークシート方式です。筆記試験ではないため、試験そのものが比較的簡単であると言えるでしょう。
受験資格は無い
色彩検定は検定そのものにも、級ごとにも受験資格はありません。好きな級から受験できるようになっています。極端な話、初学者でいきなり1級を受験しても良いということです。また、2級と3級は併願も可能になっています。
1級においては、試験内容は1次試験で筆記試験、2次試験で実技試験を受験することになります。例えば、1次試験の筆記は合格したけれど、2次試験の実技で不合格になった場合、2年間は1次試験が免除されます。
通常の資格試験の1級は大変難しいものですが、色彩検定は1次試験の免除システムがあります。そのため、気軽に受験しやすいという特徴があります。
色彩検定の受験者層
色彩検定は受験資格がないため、さまざまな年齢や職業の人が受験します。受験資格の宗は幅広いですが、それでも一定の偏りは見られます。
年齢層では10~20代の受験者が圧倒的に多いというのが現状です。また、職業別では大学生や専門学生の受験層が多くなっています。
これらは、学生の間に色彩検定に合格し、社会人になってからワンランク上の資格を目指すからでしょう。
ちなみに社会人の受験層で最も多い職業というのは特にありません。流通や小売り業界に勤めている人、IT関係に勤めている人などが多く見られます。一方のファッション業界の受験者はあまり見られません。
色彩検定の主な概要について説明してきました。それでは、この後はそれぞれの級に合格するとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
色彩検定を学習するメリットって?
色彩検定を学習することで、色を効果的に捉え、日常生活や仕事に役立てることが可能になります。これは色が与える他人への影響力は、大変大きいからです。
例えば、仕事面では色の影響力を効果的に活用することで、取引がスムーズに進むなどが挙げられます。受け入れられやすい色を服装や化粧品などに取り入れることで良い印象を与え、仕事をスムーズに進めることができるのです。
色の組み合わせも、他人にさまざまな影響力を及ぼします。蛍光色や原色は他人に攻撃的な印象を与えることが多々あります。ですが、パステルカラーや落ち着いたカラーを用いると、相手に良い印象を与えることが可能です。
色彩検定ではこのようなことをもれなく学習することができます。
ここからは、色彩検定を学習するメリットについて詳しく解説していきます。
就職・転職に役立つ可能性がある
色彩検定は特にファッション業界での就職や転職に役立つ可能性があります。ファッション業界では、センスが良いことをアピールすると有利になります。センスの良さは色彩感覚の鋭さや良さに大きく影響されます。
色彩検定を持っていると、色彩についての基本的な知識があるということをアピールできます。センスの良さの明確な裏付けにもなるため、面接官に好印象を与えることができるでしょう。
色彩検定自体は30年以上前から続いている歴史がある資格です。他の色彩系の資格とは異なります。長い歴史がある色彩検定は認知度も高く、取得していれば評価してもらえる信頼性のある資格でもあります。
ファッション業界
色彩検定の以前の名称は「ファッションカラーコーディネーター検定」 でした。この昔の名称から見てもわかるように、色彩検定はファッションに特化した検定です。
ファッション業界で働きたい人には、おすすめの検定でもあります。ファッションのコーディネーターなどだけではなく、デザイナーやバイヤーにも人気が高く、またおすすめの検定です。
出版・広告業界
意外に感じるかもしれませんが、色彩検定は出版業界や広告業界で働こうと思っている人たちにも人気があります。仕事で大いに役立つからです。
出版業界では、装丁などで色彩検定での知識が大変役立ちます。背景色に対して文字色に何を持ってくるのかということがわかります。背景色や文字色に何を持ってくるかで、本の印象が変わることも理解できるようになります。
広告業界では、色が与える印象が何より重要です。広告は人の目を惹かなければ意味がありません。色の基礎知識を理解していると、商品やブランドのコンセプトに合った色選びが容易になります。
色について詳しくなる
当たり前ですが、色彩検定を学習すると、色彩学に関する基礎知識が身につきます。色彩学に関する基礎知識とは、主に色や光の三原色のことです。
色の三原色や光の三原色は、言葉だけ聞いたことがあるという人もいるでしょう。色彩検定を学習すると、この色や光の三原色についてさらに深く勉強することができます。
これにより、日常の色の見方や組み合わせ方に対する理解が深まり、自身の感性を活かした色の選択や組み合わせの能力が向上するでしょう。
スキルアップ出来る
色彩検定は仕事のスキルアップに最適な検定です。一見、色とは関係なさそうな職業でも、実は色彩検定を勉強しているかしていないかで大きく変わります。
例えば、事務仕事では色彩検定は関係ないように感じられます。ですが、プレゼンテーションなどで使う資料作りの際には、グラフなどを用います。この時、色の効果を知っておくと好印象を与える資料作成が可能になります。
このように、色彩検定はファッションや色を頻繁に扱う業界だけではありません。あらゆる職業に色は関わっています。色彩検定を勉強していると、意外なところで役立つこともあるのです。
色彩検定3級を取得するメリット
色彩検定の入り口とも言えるのが、3級です。それでは、3級を取得するとどのようなメリットがあるのでしょう。就職や転職への影響も交えながら紹介します。
気軽に受験出来る
色彩検定3級は、色彩検定の入り口とも言える試験です。初めて色彩というものに触れる人にとってのきっかけにもなります。
試験自体は他の2級や1級に比べて難易度が低くなっています。合格率も高く、初めて色彩を勉強する人にとってはおすすめの試験です。
ただし、色彩検定3級は色彩の基礎知識を学ぶ級でもあります。2級や1級への足掛かりにもなる検定ですから、試験の難易度は低くても重要な試験であるとも言えます。
転職出来る可能性は低い?
色彩検定3級を持っているからと言って、就職や転職に有利になるかと言うと、そうではありません。
試験の難易度が低く、合格率も大変高いため、多くの人たちが持っている資格と言えます。そのため、重要度はあまり高くないのです。
ですが、色彩検定を取得しているということから、「色彩感覚が他の人に比べて鋭い」という印象を与えることは可能です。色彩の基礎知識を持っていることをアピールすることで、面接で有利にはなるでしょう。
就職や転職に関して特別大きなメリットがあるとは言えません。ですが、持っていて損にはなりません。また、次のステップへの足掛かりにもなりますから、挑戦する価値はあります。
色彩検定2級を取得するメリット
色彩検定2級の試験のレベルや合格率はどのくらいあるのでしょう。3級からステップアップする人や3級と併願で受験しようとしている人の中には、気になっている人も多いでしょう。
そこで、色彩検定2級に焦点を当てて難易度や取得後のメリットについて紹介します。
比較的合格しやすい
色彩検定2級は合格率で見ると約7割あります。受験者のうちの7割が合格しているということですから、比較的合格しやすい試験と言えます。
また、色彩検定2級を偏差値で見ると45です。偏差値は50以上になると難易度が高くなると言われています。その基準となる50を下回っていますから、難易度はあまり高くない試験だということがわかります。
実務レベルでの学習が出来る
色彩検定2級は3級と異なり、実際の仕事などで活用できる知識を身につけることができるようになっています。3級は日常生活や趣味のレベルでしたが、2級では仕事まで視野を広げて学ぶことができるのです。
3級でもファッションやインテリアに用いた場合の色彩については勉強します。ですが、はじめの部分だけで仕事で活用するには不十分な知識量です。
2級では、ファッションやインテリアの業界で仕事をした場合に活用できる色彩の知識を具体的に学ぶことが可能です。ビジュアルとして捉えた場合の色の組み合わせなども学ぶ為、仕事で活用することができるようになります。
例えば、インテリアに活用する場合には、具体的に居住空間ではどのようなカラーコーディネートをすれば良いのか、などの知識を身につけることができます。照明が与える影響などもわかるようになるので、仕事で大いに役立ちます。
色彩検定1級を取得するメリット
色彩検定1級は、3級や2級で学んだ知識がすべて含まれています。それに上乗せする形で、より専門的な知識を身につけることが可能です。
色彩検定1級を取得した場合のメリットは、3級や2級を取得した場合に得られるメリットをすべて網羅しています。それにプラスアルファが加わるため、就職や転職などではさらに有利になると言えるでしょう。
また、色彩検定1級に合格すると、「色彩講師養成講座」を受けることが可能になります。
色彩を他者に教える際に必要となる専門的で深い知識を得るための講座です。講座を受講して修了すると、修了証書が手に入り自信につながります。
仕事に役立つ可能性が高い
色彩検定1級を取得していると、具体的に色彩についてアドバイスをすることができます。
「何となくこの色の組み合わせが良い」というアドバイスではなく、専門的な知識という明確な裏付けを基にアドバイスができるようになるのです。
専門的な知識の裏付けがあると、説得力が増します。説得力があるアドバイスができるようになると、多くの人たちが仕事で頼ってくれるようになるでしょう。自信にもつながり、仕事そのものも楽しくなります。
色彩検定1級は、ファッションやインテリアなどのような色が関係しているところだけで役立つものではありません。資料作成などで効果的な色の使い方やアドバイスができるようにもなります。
色についての深くて専門的な知識があるということは、意外な分野で役立つことも多くなるのです。色彩検定1級は色彩を極める検定でもありますから、おすすめです。
独立にも有効
色彩検定1級を持っていると、独立する時に役立つこともあります。特にインテリアコーディネーターや、ファッション関係の業界で独立する際には、色についての深くて専門的な知識があると、強力な武器になります。
色彩検定1級の試験は筆記試験だけではなく、2次試験として実技試験もあります。実技試験は実務で活かすことができるスキルを身につけるための最適な場です。試験内容は、仕事で大いに活かすことができるでしょう。
ただし、色彩検定1級を活用して独立をしようと考えているのなら、カラーコーディネーター検定もダブルライセンスとして取得しておきましょう。より専門的で理論的な色彩を身につけることができるからです。
UC級を取得するメリット
UC級は、2018年に色彩検定に新たに開設された検定です。試験は色彩検定1~3級とは少し異なり、ユニバーサルデザインに焦点を当てた内容になっています。
ユニバーサルデザインとは、使い方が直感でわかり、誰でも使えるデザインのことを言います。「誰でも」というのは具体的には健常者だけではなく、子供や年配の方、そして障がい者の方も含まれています。
具体的なユニバーサルデザインとして挙げられるのは、シャワー付きトイレやスロープ、ノンステップバスなどです。
スロープやノンステップバスは「バリアフリー」という呼ばれ方もしますが、これはユニバーサルデザインの一部です。
UC級でのユニバーサルデザインとは、「誰もが見やすい色使い」をすることです。対象とされているのは色の組み合わせが判別しにくい人や高齢者です。誰もが判別できる色遣いや組み合わせを学びます。
最新の色彩学を学べる
UC級は現代社会に適用した最新の検定です。そのため、試験内容も現代社会に合わせたものが出題される可能性が高いと言えます。
色彩検定1~3級は、色彩の基礎から応用までの知識を身につけ、その知識を他者にどのように伝え、アドバイスしていくかというスキルも身につけます。これらは仕事でも大いに役立てることができる知識でありスキルです。
一方のUC級は、色覚の多様化についての知識を深めることが目的です。
異なった条件下にある人がどのように色を認識しているのかということを理解し、その理解力や判別力に合わせて色を使用していくことを目的としています。
色彩検定1~3級はどちらかと言うと健常者に対する知識やスキルです。UC級は色の判別力にハンデを持っている人たちが対象となっているため、1~3級とは試験内容や目的が異なっていると言えます。
色彩検定の中でもUC級は、すべての人たちが判別できる色の使い方や組み合わせを身につけることができる色彩学を学ぶ試験なのです。
今後の需要が高い可能性がある
高齢になると色の識別力や判断力が低下することがわかっています。高齢化社会が進んでいる現在において、色の判断力が低下する人たちは増加していくでしょう。
色の判断力が低下する人たちが増えれば、それに比例してユニバーサルデザインの需要は高まっていきます。
ユニバーサルデザインは、機能だけではなく色も大変重要です。UC級で得られる知識の需要は、今後高まっていくと予想されます。
UC級は色彩検定の中でも最近できたばかりの新しい検定です。1~3級とは試験内容も目的も異なっています。そのため、難しいと思っている人が多いかもしれません。
しかし、UC級の試験の難易度は色彩検定の中でも最も簡単で、9割以上の人が合格しています。新しい試験だからと言って、決して難しいというわけではないのです。
需要が高まる一方で試験内容は一番簡単です。この二つの観点から、色彩検定のUC級はおすすめの検定であると言えます。
色彩検定の勉強方法
色彩検定のそれぞれの級におけるメリットについて見てきました。それぞれの級にあるメリットを知って、色彩検定を受験しようと考える人も多いのではないでしょうか。
色彩検定に合格するための勉強方法としては、専門学校に通う、独学で勉強する、通信講座を利用するという3つの方法があります。合格するための勉強方法は、他の資格試験とあまり変わりません。
専門学校は具体的には、美容やインテリア、デザイナーなどの養成学校が挙げられます。これらの学校は目的とする資格がいくつかあります。その中に色彩検定が含まれていることがありますので、確認してみると良いでしょう。
また、それ以外の独学や通信講座を利用した勉強方法については、それぞれについて掘り下げて紹介します。
独学で合格は目指せる?
色彩検定は1~3級ですべて比較的難易度が低いため、独学で充分合格することが可能です。書店では公式テキストが売られているため、活用して勉強すると良いでしょう。
公式テキストには、実際の過去問だけでなく、本年度の試験内容も記載されています。過去問に触れつつ、本年度の試験についての具体的な対策も立てられるので大変役立ちます。
通信講座を受講する
色彩検定は独学でも充分合格可能ですが、独学では不安という人もいるでしょう。その場合は、通信講座を利用しましょう。
通信講座の中には、添削などの指導を行なってくれるところもあります。そのようなサポートを活用することで、自分の苦手部分が明確にわかり、試験対策を行なうことが可能です。
さらに、通信講座では独学では見落としがちな重要なポイントや試験傾向に関するアドバイスを受けることができるため、効果的な学習戦略を構築する手助けとなるでしょう。
また、通信講座は当然お金がかかります。独学よりも費用がかかるため、「お金をかけたからには合格しなければ」というプレッシャーを自分に与えることができます。このプレッシャーは勉強のモチベーションを高める原動力になります。
色彩検定についてまとめ
色彩検定についてまとめ
- 色彩検定は1~3級までどれも難易度が低め
- 最近新しく解説されたUC級は今後の需要が期待できる
- 色彩検定は独学で充分合格が可能
色彩検定について解説してきました。試験自体は1~3級までありますが、すべてにおいて比較的難易度は低めですから、独学でも頑張れば充分合格できます。
また、UC級は現代社会と大きな関わりがある内容となっています。今後の需要も期待できますから、ぜひ勉強をして資格取得を目指してください。