ソムリエってどんな資格?ワインエキスパートとの違いや受験資格、難易度を徹底解説

更新

「ソムリエってどんな資格?」

「ソムリエになるためにはどんな知識が必要?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

ソムリエと聞くと、バーなどで勤務してワインに関する豊富な知識を持っているイメージがあります。

ワイン好きな人の中には、「どうすればソムリエになれるのだろう?」と疑問を持っている人も多いでしょう。

こちらの記事では、ソムリエ資格の概要や、ワインエキスパートとの違いなどについて解説していきます!

ソムリエについてざっくり説明すると

  • ワインなどの酒類を提供している人は、取得すると役立つ
  • ワインエキスパートよりも専門性が高く、高いレベルが求められる
  • 試験は三次試験まで行われ、合格率は20~30%程度
  • 受験するためには実務経験が求められる

ソムリエってどんな資格?

大きな疑問

ソムリエとは、レストランやホテルでワインの仕入れや品質管理・サービスを行う専門職のことを指しています。

「ソムリエ呼称資格認定試験」に合格することでソムリエになることができ、日本にはJSAのソムリエとANSAのソムリエの2種類が存在します。

「ソムリエール」という漫画を読んだことがある人であれば、ソムリエの仕事のイメージをしやすいのではないでしょうか?

ワインに興味がある人やワインを提供する飲食店に勤めている人は、ぜひ取得を目指すべき資格です。

こちらの記事では、主にJSAのソムリエについて解説していきます。

J.S.A.ソムリエの主催

JSAソムリエは、日本ソムリエ協会が主催しています。

日本ソムリエ協会は「日本の食文化に携わる人々の資質の向上、飲料に関する知識の普及、サービス技術の向上、飲食を提供する環境の衛生的確保などを通じて、豊かな食生活を提供し、広く社会へ貢献すること」を目的としている団体です。

また、ソムリエ等の育成や会員の資質向上のため講習会・研修会・コンクールの開催に関する事業も行なっており、ソムリエの資格試験もその事業の一環として行われています。

各国在日ワイン振興機関との海外交流に関する事業や世界最優秀ソムリエコンクールに関する事業も行っているため、グローバルに活動していることが分かります。

そもそもソムリエとは

ソムリエとは、レストランやホテルなどでワインの仕入れ・品質管理・サービスを行う専門職を指します。

日本ではワインの仕入れや管理、サービスに従事する際にソムリエの資格は不要ですが、フランスだとソムリエは国家資格となっており独占業務も与えられています。

しかし、日本でもソムリエの認知度は高く、ワインをはじめとする酒類のテイスティング能力を有するプロフェッショナルとして多くの飲食店で活躍しています。

ソムリエは名称の統一で注目を集めている

J.S.A.ソムリエは受験者数が年々増えてきており、今後も注目の資格と言えます。

かつてはワインアドバイザーという資格も存在していましたが、今ではソムリエという名称に統一されています。

「ソムリエール」という漫画やドラマなどの影響で世間での認知度が上昇しており、注目を集めています。

また、仕事で役立つだけでなくワインの愛飲家が趣味の延長として取得することも可能なので、多くの人が取得を目指しています。

ソムリエの難易度

勉強する人

ソムリエの試験範囲と出題形式

ソムリエには、ソムリエ資格とシニアソムリエ資格の2種類があります。

ソムリエとシニアソムリエの試験は一次試験が筆記、二次試験がテイスティング、三次試験がサービス実技が行われます。

一次試験に合格しないと二次試験に進むことはできず、二次試験に合格しないと三次試験を受けることができません。

なお、ワインエキスパートは一次試験が筆記、二次試験がテイスティングとなっており、シニアワインエキスパートの場合は三次試験の小論文までクリアしてはじめて認定されます。

また、一度一次試験や二次試験を合格している場合は、その3年後までは該当試験が合格扱いになり免除されます。

つまり、次回以降は自分の落ちた試験から受けることが可能となっています。

一次試験の筆記試験内容は、2020年度日本ソムリエ協会教本から出題されるため、比較的対策がしやすいです。

二次試験はテイスティング試験として、ワインやワイン以外のアルコール飲料をテイスティングし、銘柄・産地・品種などを当てる試験となっています。

三次試験の実技は、ワインのデカンタージュを実際に行う試験であり、ソムリエの腕の見せ所と言えるでしょう。

サービス実技とも呼ばれており、試験官がお客さん役を務めて評価していきます。

ソムリエ検定の合格率、合格ライン

ソムリエの合格率は20%〜30%程度、シニアソムリエの合格率は10%前後で推移しており、かなり合格率は低く難易度は高いと言えるでしょう。

一方で、ワインエキスパートは30%〜45%、シニアワインエキスパートは20%~30%程度となっており、ソムリエよりはハードルが低い資格となっています。

合格ラインに関しては、ソムリエは質を求められる仕事なので、相対評価ではなく絶対評価で合否を判断していると考えられています。

そのため、学科やテイスティング、サービス実技までしっかり得点化し合否を決めるため、最後まで気を抜かないようにしましょう。

ワインに関する仕事をしていなくても大丈夫?

詳細については後述しますが、ソムリエには受験資格が設けられており全くの素人が受験することはできません。

一方で、ワインエキスパートは酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有する人を認定する資格であり、プロフェッショナルな資格ではありません。

そのため、単にワイン好きな人でも受験することができ職業や実務経験は問われません。

つまり、プロフェッショナル向けのソムリエに対して、ワインエキスパートはワインに関する仕事に就きたい人やワイン愛飲家が主な対象になっているのです。

ソムリエ検定を取ることをお勧めする人

ソムリエ資格の取得をおすすめする人は、主にワインに関して飲食、酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関、酒類製造のいずれかの分類に属する人はソムリエ取得を目指すべきです。

ソムリエは酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有するプロフェッショナルと位置づけられています。

そのため、求められるレベルは高く実務としてワインに携わっている人が主な対象です。

また、ワインの愛好家・ワインに関係する仕事で働いている人以外の人は、ワインエキスパートを目指すと良いでしょう。

ワインエキスパートはプロフェッショナルではなく、あくまで趣味の延長程度という位置づけです。

また、ワインに関する仕事に就きたい人はワインエキスパートを持っていることで、採用の場で有利になることが考えられています。

ソムリエ検定の勉強法

カフェの店員

以下では、1~3次試験それぞれの詳しい勉強法について解説していきます。

一次試験対策

一次試験ではかなり広い範囲から出題がされるため、満遍なく浅く広く勉強する必要があります。

具体的には、ワインの基本情報、酒類の総論、国ごとのワインの情報が出題され、これら全てを覚える必要があります。

おすすめの対策方法は、まず基本テキスト一通り読んで勉強のイメージを作ることです。

また、全体像を把握してから自分なりにまとめたり、暗記カードを作ることです効率よく覚えていくことができます。

国別の各論では、ワインの産地を地図を見ながら覚えていくと、楽しみながら勉強することができます。

暗記作業を何度か繰り返して、手応えを掴んできたら問題集を使ってアウトプットしていきましょう。

しっかりと暗記できているかを確認し、もし漏れがあったらテキストを読み返していくと、より知識として定着していきます。

二次試験対策

二次試験のテイスティングでは、コメントする内容が外観、香り、味、ワインの評価、結論と決まっています。

そのため、まずはその回答の雛形をしっかりと覚え、具体的なワインの特徴に落とし込む練習をしていくと良いでしょう。

外観、香り、味、ワインの評価、結論という順番で説明していくのが基本形となっているため、何度も反復練習をしておくと安心です。

また、ワインの特徴や香りは実際に味わってみないと分かりづらいものです。

実際に試飲してみたり、ワインに詳しい人に聞いてみるなどして、実践的な対策を積むようにしましょう。

三次試験対策

三次試験の論述の内容、一次試験とあまり変わりません。

そのため、一次試験対策で身に着けた知識を制限時間内に十分な文字数論述できるかどうかが大事です。

このような論述対策は何度も練習しないと本番の対策にならないため、できるだけ多くの演習をこなすようにしましょう。

また、三次試験のサービス実技では行うことが決まっています。

そのため、実技用の参考書を買って、本番をイメージしながら練習を積むことが重要です。

また、隙間時間を使ってイメージトレーニングをしておくことも有効です。

当然、筆記試験とは性格が違うため緊張しますが、何度も練習を重ねて平常心で行えるようにしましょう。

ソムリエ検定の勉強をするメリット

笑顔の女性

ソムリエの資格を取ることによって、ワインについて詳しくなることができ、質の高いサービスの提供ができるようになります。

また、ソムリエ資格を持っていることで高い知識とサービス能力を身に着けている証明となるため、高級なレストランに転職・昇格につながると考えられます。

実際に高級バーやワインバーなどではソムリエ資格取得者を優遇してくれるところが多いため、ソムリエの勉強をしておくとこれらの業界で活躍することができます。

一方で、ワインエキスパートはワインの仕事をしていない人やアルコール提供の経験が少ない人でも取れる資格であり、資格を取ることによってワインに関する仕事への就職や転職につなげることができます。

豊富なワインの知識を持っていることでお客さんとの話のネタになったり、円滑なコミュニケーションを取れることで常連を作ることができるでしょう。

ソムリエ検定の試験日程・会場・申し込み方法

時計の針

ソムリエ検定は年に1回実施されており、一次試験は7月から9月に行われます。

会場は47都道府県に設けられており、全国各地で受験することができます。

二次試験は10月に行われ、3次試験に含まれる論述試験もこの日に行われます。

最後の三次試験は11月の終盤に行われ、この三次試験はワインエキスパートにはなく、ソムリエ検定のみ行われます。

なお、一次試験とは違い二次試験と三次試験の会場は限られており、札幌、盛岡、仙台、東京、長野、金沢、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、高松、福岡、鹿児島、沖縄で行われています。

申し込みは原則web出願となっており、インターネット上で受験する手続きが必要になります。

次回試験の申し込み期限は7月15日までになっているため、早めに出願しておくと良いでしょう。

申込期日を過ぎてしまうと受理してくれないため、注意しましょう。

ソムリエ検定に受験資格はある?

J.S.A.のあらゆる資格の受験資格は、第一次試験基準日(2020年8月31日)において年齢20歳以上の人となっています。

また、受験する呼称資格を保有していない人に限られている点にも注意が必要です。

以前に一次試験や二次試験に合格済みで免除権利がある人の場合、その免除権利を行使することが必須となるため、この点忘れずに出願しましょう。

なお、ソムリエの受験資格は原則として以下で列挙する職業に就いて、会員以外の人はいずれかの職務を通算3年以上経験し、第一次試験基準日(2020年8月31日時点)においても従事していることが求められます。

一方で、会員の人は会員歴が2年以上あり、以下のいずれかの職務を通算2年以上経験し、第一次試験日(2020年8月31日時点)においても従事しているJ.S.A. 正会員および賛助会員所属者であることが求められます。

  • 酒類・飲料を提供する飲食サービス
  • 酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、製造、教育機関講師
  • 酒類・飲料を取り扱うコンサルタント業務

一方、ワインエキスパート資格はソムリエとは違って以上のような実務経験が求められないため、ワインに興味がある人はまずワインエキスパートの受験をオススメします。

ワインに興味がある人だけでなく、転職のためのスキルが欲しい人など全ての人が受験することが可能なので、まずソムリエを目指す前段階として取得すると良いでしょう。

ソムリエ検定の受験料

豚の貯金箱

日本ソムリエ協会の会員かどうか、一次試験を何回受けるのか、一次試験を免除されているのかどうかによって、受験料は変わってきます。

また、受験の申し込みとともに会員になることで入会金が半額になる特典があるため、検討してみると良いでしょう。

なお、詳しい受験料は以下の表のようになっています。

  • 一次試験
会員 一般
一回受験 20380円 29600円
二回受験 25220円 34440円
  • 二次試験からの受験
会員 一般
7300円 14210円
  • 三次試験からの受験
会員 一般
3650円 7100円

もう一つのソムリエ資格ANSAとは?

プランBも考えよう

ANSAのソムリエ資格

ANSAのソムリエ資格では実務経験が求められず、20歳以上であれば受験することができるという、多くの人に門戸が開かれた試験となっています。

通信プログラムや集中プログラム、在宅コースなどに講座が分かれており、ソムリエに関する勉強を行う環境も与えてくれる上に合格までしっかりサポートをしてもらえるため、勉強がしやすいと評判です。

二つの違いはどんなところ?

J.S.A.は国際ソムリエ協会との関連も強く、ソムリエの資格の受験資格も厳しいため、ソムリエの品格を重視している厳格な機関であると言えます。

その一方で、ANSAのソムリエ資格は受験資格が特に設けられていないことやプログラムの整理からも分かるように、熟練者ではなくても資格を取ることができます。

つまり、ソムリエという職業に興味を持ってもらったり、将来のソムリエの養成の意味も含まれていると考えられます。

そのため、レベルの高いソムリエを目指している人と、ソムリエ初心者で受けるべき試験は変わってきます。

ソムリエ検定と合わせて取りたいおすすめ資格

ダブルで目指そう

こちらのトピックで、よりレベルの高いソムリエになるためにオススメの資格を紹介します。

シニアソムリエ

シニアソムリエは、J.S.Aが主催している資格であり、ソムリエ資格認定から3年目以上であることが受験の要件となっています。

また、ワインやアルコールを提供している店で10年以上サービスしていることも要件になっており、非常に受験資格が厳格です。

また、合格率が10%程度とかなり難関試験であるため、合格するのは容易ではありません。

単なる飲食店やバーではなく、高級ホテルのバーや格式高い店で勤めている人は、ぜひシニアソムリエを目指すべきでしょう。

ワインエキスパート

ワインエキスパートはソムリエよりも取得が容易です。

ワイン愛好家等、ワインに関係する仕事で働いている人以外の人を主な対象とした資格であるため、誰でも二十歳以上であれば気軽に受験することができます。

また、ワインに関する仕事に就きたい人はワインエキスパートを持っていることで就職の際に有利になることが考えられます。

就職の面以外でも、生涯の趣味を持ったり、ワイン愛好家仲間と楽しむために取得を目指す人も多く、人気も高い資格です。

ソムリエのまとめ

ソムリエのまとめ

  • 高級レストランやバーなどに勤めている人は、取得メリットが大きい
  • ワインの愛飲家というわけでは受験することはできないので、上級者向けの試験である
  • ワンランク上のシニアソムリエになると、より格式高い店で働くことができる
  • 初心者の人はANSAのソムリエ資格の取得がおすすめ

ソムリエはお酒を提供している飲食店やバーなどで勤務している人が取得すると、大きなメリットがあります。

ワインに関する豊富な知識や上品な楽しみ方を身に着けることができるため、話のネタになるだけでなくレベルの高いおもてなしができるようになるでしょう。

楽しみながら勉強することもできる資格なので、お酒に関する仕事に携わっている人はぜひ積極的に取得を目指してみてください!

資格Timesは資格総合サイト信頼度No.1