働きながら保育士資格を取得するには?合格のポイントや必要な勉強時間を解説

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「保育士に転職したいんだけど、保育士試験に合格できるかな・・・」

「働きながら保育士試験を受験するにはどうすればいいんだろう?」

保育士への転職を考えている方は、働きながら保育士を目指せるのか不安に感じるのではないでしょうか。

そこで、この記事では働きながら保育士を目指す方法を徹底解説します。

ぜひこの記事を参考に、保育士を目指してみてください!

働きながら保育士資格取得についてざっくり説明すると

  • 働きながら保育士資格を取得することはできる
  • 保育園での保育士補助、時間外保育士などで経験を積んだ人は受験資格に当てはまる
  • 保育士試験合格に必要な勉強時間は60~180時間

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保育園で働きながら保育士は目指せるのか

「子供と関わる仕事がしたい」「安定したお給料がほしい」などの理由で、働きながら保育士資格の取得を目指している方は多くいます。

ただし、保育士になるには保育士試験に合格するか、保育士養成学校を卒業する必要があります。

また、保育園で働きながら保育士資格を目指す際には、必要になる受験資格もあります。

このような面をクリアしさえすれば、働きながら実務経験を満たすことができ、保育士合格を目指すことができるでしょう。

働きながら実務経験を得る方法

保育士の資格を持っていなくても、保育の仕事に携わる方法はあります。

保育士試験の受験資格の一つには実務経験の有無があるため、児童福祉施設などで働き、実務経験を積むと受験資格が満たせます。

学歴 条件 受験資格
高卒 1991年3月31日以前に卒業、
もしくは1996年3月31日以前に保育科を卒業した人
あり
1991年4月1日以降に卒業、
もしくは保育科を卒業した人
児童福祉法に基づいた児童福祉施設で2年以上
かつ2880時間の実務経験が必要
中卒 - 児童福祉法に基づいた児童福祉施設で5年以上
かつ7200時間の実務経験が必要
養成学校を卒業すると受験資格が得られる(養成学校に入学するには高卒認定以上が必要)

出典:全国保育士養成協議会 受験資格

中卒または高卒の方の場合、保育士試験の受験資格を得るには指定の児童福祉施設で実務経験が必要です。

中卒・高卒の方は、保育士の資格を持っていなくとも実務経験が積める職場を以下にご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

時間外保育士

時間外保育士とは、早朝保育や延長保育の時間外保育で働くことを指します。

時間外保育士は短時間労働なので、本業と時間外保育士として働いても、自分の時間を作ることも可能です。

ただし、時間外保育士として働いたとしても、保育士試験が免除されるわけではない点には要注意です。

時間外保育士は働きながら実務経験を積み受験資格を得られるので、受験資格がなく、困っている方にはおすすめできる仕事です。

認可外保育園

認可外保育園は、国が定める基準を満たしていない保育園のことですが、その分非常に柔軟性が高い保育園だと言えます。

保育士不足解消のため、認可外保育園は保育士の資格を持っていない人でも働けることになっています。

ただ、保育園児に対する保育士の数は決められているので、必ず働ける場所ではない点には注意が必要です。

また、認可外保育園も、実務経験を積んだからといって保育士試験が免除されることはありません。

児童福祉施設

児童福祉施設は、国または都道府県が設置している児童福祉に関する事業を行う施設です。

児童福祉施設は、5年以上7200時間の実務経験を積むと、中卒でも試験資格を得られる点が大きなメリットです。

こちらも、働きながら実務経験を積みたい方にはおすすめできます。

出典:全国保育士養成協議会

そのほかの受験資格も押さえよう

先ほどから述べているように、保育士試験には受験資格が必要です。

ここからは実務経験を積むことなく受験資格を得ることができる人について解説します。

大卒もしくは短大卒の人

大学もしくは短大を卒業している人は自動的に受験資格が得られます。卒業した学部については問われません。

在学中で保育士試験を受験したい場合、大学の場合は2年以上大学に在籍しており、かつ62単位を履修済みである必要があります。

短大に在学中の方は受験資格がありますが、年度中に短大を卒業できなかった場合は、合格にはなりませんので注意が必要です。

専門学校卒の人

専門学校卒の人の場合受験資格は以下の2つです。

  • 学校教育法に基づいた専修学校であること
  • 課程が修業年限2年以上の専修課程であること

2つとも満たしていれば、保育に関係がない学科を卒業していても受験資格があります。

なお、詳しい受験資格については、全国保育士養成協議会のHPをご覧ください

出典:全国保育士養成協議会

試験内容は2種類

ここからは、保育士試験の試験内容をご紹介します。

筆記試験

出題方式 問題数 科目数 科目
マークシート式 160問 9科目 保育原理、教育原理、社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子供の保健、子供の食と栄養、保育実習理論

各科目では10~20問出題され、筆記試験をクリアすると実技試験に進めます。

実技試験

実技試験は、筆記試験合格者のみ受験できます。実技試験は、3つの分野から2つの分野を選び受験します。

分野 内容
音楽表現に関する技術 子供に弾き語ることを想定し、課題曲を弾きが足りする
造形表現に関する技術 試験本番で指定された場面を、絵画で表現する
言語表現に関する技術 子供に話を聞かせることを想定し、あらかじめ指定された物語を口話する

出典:全国保育士養成協議会 過去の試験問題

保育園で働きながら資格取得を目指す際に押さえたい点

ここからは、保育園で働きながら保育士の資格取得を目指す際に気を付けたいポイントについて解説します。

資格勉強と同時に保育士補助として働ける

保育士は資格がないと働けませんが、保育士補助であれば、資格がなくとも保育園で働くことができます。

保育園で働くことは、現場での仕事を経験することができるため、試験対策として非常に効果的です。

保育士補助の仕事を通じて保育の基本的な知識やスキルを習得することで、将来的に保育士資格を取得する際の土台を築くことができます。

また、保育士補助の仕事は、国の「保育補助者雇上強化事業」があり、市町村からの支援もあります。これは保育士補助者の雇用に必要な費用を市町村が助成するものです。

無資格でも保育園で働くことは可能?

現在、待機児童問題が深刻化しており、かつ保育現場では人材不足が問題となっています。

保育士は、保育だけではなく雑務も多々あり仕事量が非常に多いため、最近では無資格の保育士補助の職員に仕事を任せる保育園も増えています。

資格が無くても採用されるために必要なこと

資格がなくとも保育園に採用されるためには、以下の点が面接官に伝わるように気を付けましょう。

  • 保育士は子供に関わる大切な仕事であるため、信用ができる
  • 保育士資格の取得に意欲がある
  • 勤務時間をしっかり確保できる

働きながら合格を目指すメリット

働きながら保育士資格を取得することには、メリットがたくさんあります。

まず、経験を積みながらお金を得られる点は非常に大きなメリットです。また、実際に現場で働くことにより、モチベーションを保ちやすいとも言えます。実際の現場を知ることにより、試験内容の理解がしやすくもなります。

さらに、現在保育士は人材不足なので、資格を得られれば仕事には困らないでしょう。

働きながら合格を目指すデメリット

働きながら保育士資格を取得することにはデメリットもあります。

例えば、保育士の資格取得をするまでには時間がかかります。特に、実務経験が必要な方は数年間働きながら試験勉強をする必要があります。

さらに、保育士試験は合格率が10%と低く、働きながら受験すると難易度が高い試験なのです。合格までモチベーションを保っていくことは難しいと言えます。

学校に通わなくても資格は取れる

保育士になる方法は、

  • 保育士養成学校を卒業する
  • 保育士試験に合格する

この2つがあります。しかし、養成学校に通わなくとも保育士の資格を取ることは可能です。保育士の約40%は、保育士試験に合格し保育士試験を得ました。

また、30~40代の女性で、仕事、勉強、家庭を両立しながら保育士資格を取得した人も多くいます。

年齢的に、または家庭の事情で養成学校に通うのが難しい人でも、諦めずに資格取得を目指しましょう。

試験勉強時間はしっかりと確保しよう

保育士は、子供の命を預かる非常に責任が重い仕事です。そのため、試験の内容をしっかり理解していないと、保育士として働きはじめたときに取り返しのつかない失敗をしてしまう恐れもあります。

保育士の資格を取ることは、責任を果たせる人材であることを証明する意味合いもあります。

勉強時間はしっかり確保し、試験合格だけでなく保育士としての自分の姿も見据えて勉強に取り組みましょう。

働きながら保育士試験攻略の為の勉強法

保育園で働きながら、限られた時間で保育士試験の勉強を効率的に行うにはコツがあります。

保育士資格の取得に必要な勉強時間と学習期間

保育士試験に合格するには、60~180時間ほどの勉強時間が必要で、合格者の平均学習期間は1ヶ月~6ヶ月です。

この学習期間を平均すると、合格者が勉強した時間は90時間程度です。90時間程度であれば、仕事が終わったあと、毎日1時間~2時間程度の勉強時間が取れれば、数か月の勉強で事足ります。

また「時間がなくて毎日1時間も勉強できない」とお悩みの方も、スキマ時間を使い勉強していけば、多少時間はかかっても、90時間には到達できます。

保育士試験は半年に1回ありますので、もし初めての試験で落ちてしまっても諦める必要はありません。合格を目指して毎日勉強を頑張っていきましょう。

続けることの大切さ

働きながら保育士資格を取得したい方の中には、仕事や家事に追われてしまい、勉強をする時間がない方も多くいます。

勉強時間をまとめて取れない方は、できるだけ早く勉強を始め、少しずつ勉強を進めていきましょう。

毎日コツコツと継続していくことが力になっていき、知識が蓄積していきます。

忙しい方は、毎日の生活の中に保育士試験の勉強をする時間を組み込み、生活をルーティーン化すると勉強する習慣が身に付きます。

仕事の通勤時間、家事の合間などのスキマ時間を勉強にあてることも効果的です。時間がないからと諦めず勉強を続ければ、実力は付いていきます。

実践を想定して勉強しよう

試験に合格する最終目標は、合格することではなく保育士として活躍することです。

試験勉強では、テキストの内容や問題の答えをただ暗記するのではなく、保育士としてのノウハウを身に付けるつもりで勉強しましょう。

自分が保育士として働いているところを想像しながら勉強すると、モチベーションの維持にもなります。

また、具体的な事例を勉強するときには、実際に保育園で起こったことに対処する気持ちで取り組みましょう。

保育士になってからも知識が役立つよう、自分に合った勉強方法で、保育士になってからも確実に使える知識を身に付けていきましょう。

スキマ時間を有効活用することが大切

仕事と勉強の両立が難しく、勉強時間がなかなか確保できない人ほど、スキマ時間を有効に使えているかが重要になります。

独学でも通信講座でも大事なのは、朝早起きして勉強時間を確保したり、通勤時間を使って暗記を進めたり、休憩時間を解いてみたりして、スキマ時間を積極的に有効活用する姿勢です。

全てのスキマ時間を使わなくとも、例えば通勤時間が30分の場合、通勤時間中の勉強が積み重なると、60~180時間程度の勉強時間になります。

さらに、スキマ時間を利用することで、学習に取り組む習慣が身に付き、勉強に対するモチベーションも維持しやすくなるでしょう。

生活に支障のない範囲でスキマ時間を有効活用し、コツコツ勉強時間を付き重ねていきましょう。

自分にピッタリの教材を見つける

保育士試験の勉強をするにあたり、教材選びは最重要事項です。最近は、教材には紙の本、電子書籍、アプリといったものがあります。

机に向かい、ノートに黙々と勉強内容を書き記していくスタイルに抵抗がない方は、参考書や問題集を使って勉強しましょう。

このような勉強スタイルに抵抗がある方は、パソコンやスマホで学習できる教材を選びましょう。

自分に合った教材であれば勉強意欲がわき、勉強を続けていくモチベーションも保てます。

特に、スキマ時間を有効活用したい方は、通信講座などスマホでも学習できる教材にすれば、いつでもどこでも勉強できるのでおすすめです。

自分に合った勉強の進め方を見つけよう

自分に合った勉強方法で勉強することは非常に大切です。そこで、各教材に合っている人の特徴や、その教材のメリットを紹介していきます。

通信講座が適している人

勉強のやり方や進め方に不安があったり、勉強時間を確保することが難しかったりして、効率的な学習が必要な人には通信講座が合っています。

通信講座のメリット

通信講座なら、通勤中などのスキマ時間にスマホ教材を使って勉強を進めることができます。

通信講座は、予備校のようにプロが教えているので、安心して学習を進めることが可能です。

また、独学と違い、間違ったところの解説やアドバイスももらえます。実技試験へのサポートも手厚いのが特徴です。

保育士の試験対策ができる通信講座は、以下の記事でまとめて紹介しています。

夜間学校が適している人

日中働いている人が夜の時間帯に学校に通えるよう、専門学校では夜間コースを開講しているところが多くあります。

通学のメリットは、音楽や美術などの実技試験の指導を先生からしてもらえることです。

独学のメリット

独学が合っている人は、勉強のやり方を理解しており、勉強を続けるモチベーションを自分で保つことができる人です。

勉強のやり方を理解している人とは、

  • 自分で参考書を読み込み、知識を整理して覚える
  • 問題を解くときには、知識を適切に活かす

これらが出来ている人です。

また、モチベーションを保つとは、

  • 一週間に最低10時間以上集中して勉強できる
  • 保育現場が身近にある

この2点に当てはまる人です。

費用の比較

各学習法にかかる費用の比較です。

学習法 費用 学習期間
4年制大学 300万~ 4年
短期大学 200万~ 2年
専門学校 200万~ 2~3年
大学の通信課程 50万~ 2年~
通学講座 20~50万 半年~2年
通信講座 4~8万 半年~2年
独学 テキスト代のみ 人それぞれ

保育士試験合格者の声

ここからは、働きながら実際に保育士試験に合格した人の声を掲載します。

受験を志したきっかけ

「しっかりと保育士の資格を持った保育ママ」になりたかったので受験を目指しました。

保育士の先生を目指して資格取得を目指す人が多い中、保育ママになりたいからと保育士試験の合格を目指している人は多くはいませんでした。

しかし、私は保育ママになりたかったのでモチベーションが下がることはありませんでした。

また、経験を積むために、保育所で保育補助のパートとして働いていたことも合格に繋がったのでははないかと思います。

暗記の仕方

保育士試験は、暗記する量が非常に多いので、覚え方には工夫が必要です。

例えば、以下のような工夫をしました。

  • 語呂合わせを作った
  • 他の受験者と穴埋め問題を出題し合った
  • SNSのコミュニティを活用した
  • 一人で勉強するのではなく、仲間たちと楽しみながら勉強した

暗記の勉強は単調になりがちで、自分一人で勉強していると、どうしてもモチベーションが下がってしまいます。

そこで、効率よく覚えられることや、仲間たちと楽しみながら勉強を続けることに重点を置きました。

過去問の使い方

学習はインプットだけでは効果があまりなく、アウトプットが非常に大切です。

そこで、過去問はたくさん解いてきました。順番としては、まずテキストを一通り読み、そのあと過去問を解き始めました。

そして、過去問を解いたときにわからなかったところは、またテキストに戻って確認するサイクルを続けました。

ただテキストを読み、インプットをしただけで保育士試験に挑んでも合格しなかったでしょう。アウトプットを意識したことで合格に繋がったと思います。

働きながら保育士を目指すにはまとめ

働きながらの保育士資格取得まとめ

  • 働きながら保育士を目指すと、経験を積みながらお金を得られるメリットがある
  • 養成学校に通わず、保育士試験の勉強を続け保育士資格を取得した人は多くいる
  • 働きながら保育士を目指すには効率的な勉強が重要なので、自分に合った勉強方法を見極めよう

働きながら保育士を目指している人は多くいます。受験資格に実務経験が必要な場合は大変だと思われるかもしれませんが、実際に働く中でさまざまな経験が積めるため、保育士になったあとにその経験が役立つでしょう。

保育士試験は、合格に必要な勉強時間がさほど多くはありません。働きながらでも十分目指せる資格ですので、ぜひチャレンジしてみてください!

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