第2種電気主任技術者ってどんな資格?電験2種の受験資格や2次試験まで徹底解説!
「第2種電気主任技術者の試験の難易度はどれくらい?」
「第2種電気主任技術者の試験は、どんな内容が出題されるの?」
このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。
今回は第2種電気主任技術者の試験の難易度や出題範囲など、試験の概要を紹介します。
また第2種電気主任技術者の資格を取得することで得られるメリットについても紹介します。
この記事を読み終える頃には、第2種電気主任技術者の試験についての疑問点が無くなり、前向きな気持ちで試験勉強に取り組めるでしょう。
第2種電気主任技術者についてざっくり説明すると
- 電気主任技術者の仕事は需要が高い
- 電気主任技術者の資格を取得するためには1500から2000時間程度の勉強時間が必要
- 独学で電気主任技術者の試験に合格するのは困難
第2種電気主任技術者とは
電気主任技術者は、発電所や変電所、工場などの電気設備の保安監督に従事することができる資格です。
電気設備を設ける事業主は、事業用電気工作物の工事や維持をするため、電気主任技術者の資格を保持する保安監督を選任することが義務づけられています。
そのため、電気主任技術者は需要の高い資格になります。
電気主任技術者の資格は、取り扱うことができる電圧によって、第1種、第2種、第3種の3種類に分けられます。
電気主任技術者の試験は、一般財団法人「電気技術者試験センター」が開催しています。
今回は第2種電気主任技術者の資格を取得するメリットや、第2種の試験の難易度、受験資格などについて紹介します。
電験2種の受験資格は不問
第2種電気主任技術者の試験には受験資格が無く、誰でも受験することが可能です。
しかし、第2種電気主任技術者の試験を受ける大半が第3種電気主任技術者の資格取得者になっています。
第3種電気主任技術者の試験に合格した上位3%から5%が、第2種電気主任技術者の試験に合格できる実力があると考えられています。
電験2種試験の概要
続いては、第2種電気主任技術者の試験の概要について紹介します。
第2種電気主任技術者試験の日程及び場所
第2種電気主任技術者試験の試験日程は、例年の傾向から見ると一次試験が9月、二次試験が12月に開催されています。
令和3年度の第2種電気主任技術者の試験日は、まだ発表されていないため、電気技術者試験センターの公式ホームページで確認してみましょう。
第2種電気主任技術者の試験場所は、全国各地で開催されているため、お住まいの近い会場で受験することが可能です。
第2種電気主任技術者の各都道府県の試験会場の一部を表で紹介します。
地区 | 会場 |
---|---|
北海道地区 | 札幌商工会議所付属専門学校、北海道経済センター、札幌総合卸センターなど |
東北地区 | 岩手大学、山形大学小白川キャンパス、サンフェスタ、新潟工科専門学校など |
関東地区 | 帝京大学宇都宮キャンバス、千葉大学西千葉キャンパス、共愛学園前橋国際大学、青山学院大学青山キャンパス、立教大学池袋キャンパス、亜細亜大学、筑波学院大学、東京国際大学第1キャンパス、明治学院大学横浜キャンパスなど |
中部地区 | 岐阜大学全学共通教育義棟、名古屋工業大学、ツインメッセ静岡南大展示場、メッセウイング・みえなど |
北陸地区 | 金沢工業大学扇が丘キャンパス |
関西地区 | 龍谷大学瀬田キャンパス、大阪市立大学杉本キャンパス、梅田スカイビルタワーウエスト、龍谷大学深草キャンパス、神戸大学六甲台地区鶴甲第1キャンパスなど |
中国地区 | 岡山大学津島北キャンパス工学部、広島工業大学専門学校、島根大学松江キャンパス、徳山大学など |
四国地区 | 高松大学、松山大学文京キャンパスなど |
九州地区 | 九州産業大学、立命館アジア太平洋大学、長崎大学文教キャンパス、熊本県立熊本工業高等学校など |
沖縄地区 | 琉球大学千原キャンパス、沖縄大学 |
電気主任技術者2種が扱える電気の範囲
第2種電気主任技術者の資格を取得することで、電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物を扱うことが可能です。
大型ショッピングモールや発電所、大型の工場も電圧17万ボルト未満となる場合が多く、第2種電気主任技術者の資格を取得することで、年収の高い職場で働くことも可能になります。
電験1種・3種の場合は?
第1種電気主任技術者は全ての事業用電気工作物を扱うことができます。
また第3種電気主任技術者は、出力5千キロワット以上の発電所を除く、電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物を扱うことができます。
取り扱える事業用電気工作物の対象からも分かるように第1種が一番、事業用電気工作物を取り扱える範囲が広く、第2種と第3種と比べて試験の難易度も高くなります。
第2種電気主任技術者の取得方法は2種類
第2種電気主任技術者の資格する方法は、試験に合格する方法と認定される方法の2種類が存在します。
試験に合格する
電気主任技術者の資格を持たず、初めて第2種電気主任技術者を受験する方は、必然的に受験が必要になります。
先ほども紹介しましたが、第2種電気主任技術者の受験資格は無く、誰でも受験することが可能です。
第2種電気主任技術者の試験は、一次試験と二次試験があります。
因みに第1種電気主任技術者の試験は、第2種と同じく第一次試験と二次試験があり、第3種は一次試験のみとなってます。
認定される
第2種電気主任技術者の資格を取得できるもう一つの方法は認定を受ける方法です。
認定を受けるためには、第3種電気主任技術者の資格を取得することが条件になっています。
更に実務経験に伴う実務経験履歴書の提出や面接など、多くの突破しなけらばならない壁があり、認定を受けるまでに半年ほどの時間を要します。
第2種電気主任技術者の資格の認定を受けるための細かい条件については後ほど紹介します。
電験2種試験の難易度
第2種電気主任技術者の試験の難易度について紹介します。
一次試験の合格率は約25%
第2種電気主任技術者の試験の難易度はかなり高くなっています。
電験二種の合格率は以下のとおりです。
第2種電気主任技術者の一次試験の合格率は約25%、二次試験の合格率は10から20%程度になっており、合格率を見ても第2種電気主任技術者の試験の難易度が高いことが分かります。
第2種電気主任技術者の試験は難易度が高いため、それ相当の勉強時間が必要になってきます。
合格に必要な勉強時間
第2種電気主任技術者の試験に合格するためには、一次試験と二次試験合わせて1500から2000時間程度の勉強時間が必要とされています。
また第3種電気主任技術者の試験に合格するためには、約1000時間の勉強時間が必要とされています。
社会人の場合、1000時間から2000時間の勉強時間を確保することが難しく、資格取得は容易ではありません。
また電気主任技術者の資格取得に必要な勉強時間を見ても試験の難易度の高さが分かります。
合格ラインは70点とされている
電気主任技術者の一次試験の合格基準点は、各科目50点を上回る点数であることが多いです。
また二次試験の合格基準点は、50点から57点とされていて、試験問題の難易度により合格基準点が多少調整されることがあります。
第2種電気主任技術者の二次試験は、「電力・管理」と「機械・制御」の2科目があり、2科目とも90点満点なので二次試験は180点満点になります。
第2種電気主任技術者の二次試験に合格するためには、180点満点中108点が合格基準点となっており、6割の正答率が求められます。
しかし二次試験では足切り制度が設けられているため、2科目の合計点108点以上でも、1科目が90点でもう1科目が20点ならば不合格となる可能性があります。
足切りの点数は公開されていませんが、1科目につき70点以上の点数を取れば、合計140点となり余裕を持って試験に合格することができるでしょう。
二次試験の合格ラインと予想される70点を目指して、2科目とも偏りなく勉強しましょう。
電気主任技術者第2種に合格するには?
第2種電気主任技術者の試験に合格するためには、どのような科目を勉強する必要があるのでしょうか?
第2種電気主任技術者の試験範囲や科目合格制度などについて紹介します。
試験は試験センターが年1度実施
第2種電気主任技術者の試験は、年に1回ずつ1次試験と2次試験が「電気技術者試験センター」により開催されます。
資格を取得するためには、1次試験と2次試験共に合格する必要があります。
1次試験
第2種電気主任技術者の一次試験の範囲を表で紹介します。
科目名 | 科目の内容 |
---|---|
理論 | 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測 |
電力 | 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料 |
機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理 |
法規 | 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理 |
第2種電気主任技術者の一次試験で出題される内容は、第3種電気主任技術者で出題される内容と類似しているため、比較的簡単に試験対策を立てることが可能です。
第2種と第3種共に試験の解答形式はマーク式ですが、第3種より第2種の方がマーク式の選択肢が多くなっています。
そのため第2種の試験勉強をする際は、より詳しく選択肢の文章に注目し、文章のどの部分が間違えているのかを復習することが大切です。
2次試験
続ては、第2種電気主任技術者の2次試験の範囲を表で紹介します。
科目 | 科目の内容 |
---|---|
電力・管理 | 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気施設管理 |
機械・制御 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクス |
2次試験は1次試験より難易度が高くなっているため、更なる試験対策が必須となります。
2次試験の解答形式は記述式となっており、電卓を使用する計算問題も出題されます。
そのため、計算に苦手意識がある方は計算問題の演習を何度も繰り返し解き、対策しておくと良いでしょう。
科目が免除される科目合格制度
第2種電気主任技術者の試験では、受験科目が免除される科目合格制度が取り入れられています。
例えば、理論の試験は4科目あり1つの科目のみ不合格になる場合もあります。
この場合、次に試験を受ける際には合格した科目は免除となり、前回の試験で不合格だった試験科目のみの受験となります。
この制度により合格した科目は勉強し直す必要がなく、より少ない科目の試験対策で済むため、合格率が上がりやすくなります。
受験生の中には、元々特定の科目のみの合格を狙って受験する人もおり、この方法も一つの戦略と言えるでしょう。
しかし科目合格制度は永遠に有効な訳ではありません。
科目合格制度には2年間という有効期限があるため、2年以内の合格を目指しましょう。
認定校卒業等による取得方法
第2種電気主任技術者の資格の取得方法として、認定があることは先ほども紹介しましたが、認定されるために必要である細かい条件について紹介します。
第2種電気主任技術者の資格認定を取得する3種類の方法を紹介します。
第3種電気主任技術者の資格を取得後、5年以上の実務経験を積んだ者、または認定された大学を卒業後、3年以上の実務経験を積んだ者、または認定された短大や高等専門学校を卒業後、5年以上の実務経験を積んだ者の3種類になっています。
このように大学や認定校など、学歴によって実務経験の年数が変わってきます。
面接を経て認定される合格者の割合が高い
第2種電気主任技術者の資格取得方法を比べると、試験に合格する方法より認定を受ける方法で資格を取得する割合が多くなっています。
資格取得の認定の条件を満たした後は、各地にある電力安全課の担当官に必要書類を提出し、面接を受けて認められることで、初めて認定を受けることができます。
実務経験書に誤りがある場合や、面接で力が発揮できず落ちてしまった場合、資格取得の認定を受けるためには、もう一度やり直さなくてはいけません。
必要書類を提出してから資格が認定されるまでは、約半年かかるのが一般的です。
電気主任技術者第2種を取得するメリット
第2種電気主任技術者の試験は難易度が高いことや、資格認定を受ける場合も長い時間を要することを紹介しました。
このように資格取得が難しい第2種電気主任技術者の資格を取得することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
続いては、電気主任技術者の資格を取得するメリットについて紹介します。
就職先の選択肢が増える
電気主任技術者の資格を取得することで、就職先の選択肢が増えるというメリットが発生します。
電気主任技術者の資格を取得することで、ビルやホテルなど様々な職場で勤務することができます。
電気を扱う仕事に従事するためには、電気主任技術者の資格が必須となるため、電気を扱う業務は全て電気主任技術者の「独占業務」になります。
そのため電気主任技術者の資格を取得することで、通常の就職先に加えて電気主任技術者の仕事にも就くことができ、就職先の幅が広がります。
給料アップのチャンスも大きい
電気主任技術者の年収は、通常のサラリーマンの年収よりもやや高くなっています。
勤務先によっても多少異なりますが、電気主任技術者の多くの人は500万円から850万円程度の年収があります。さらに、難関資格である電験2種保持者の中には1,000万円近い年収を稼ぐ人もいるため、かなりの高収入が期待できます。
また電気主任技術者の仕事に選任されることで、通常の給料とは別に会社から手当てが支給されることが多いです。
このように電気主任技術者の仕事に就くことで、高収入が期待できます。
安定した収入が期待できる
電気主任技術者の仕事は収入が安定しているのもメリットの一つです。
電気主任技術者の仕事に就くためには、電気主任技術者の資格を取得する必要があり、資格を保持している人数は多くありません。
また電気主任技術者を必要とするビルやショッピングモールなどの電気を使用する施設が無くなることは基本的に無いため、求人も多く安定した職業と言えます。
更に電気主任技術者の仕事は定年後も働くことが可能であり、老後もしっかりと働きたい方にはおすすめの仕事です。
需要の安定したなくならない仕事
電気は人が生活する上で必要不可欠なモノであり、更に国内での電気消費量は増え続けているため、電気主任技術者の需要は高く人手不足になりつつあります。
また電気を扱うビルや発電所など、様々な場所で求人があり、電気を扱う工場や施設では、電気主任技術者の設置が法律で定められています。
これらのことを考えても、電気主任技術者の仕事は求人が多く、無くならない仕事であるため安定した職業と言えるでしょう。
電験2種の対策方法は?
第2種電気主任技術者の試験は難易度が高く、独学で合格することは難しいでしょう。
そこで続いては、第2種電気主任技術者の試験対策に効果的な勉強法と、おすすめの通信講座を紹介します。
過去問演習が大切
電気主任技術者の試験対策として欠かせないのが過去問の演習です。
第2種電気主任技術者の過去に出題された問題と類似している問題が試験当日に出題されることがあるため、過去10年分程度の問題は解く必要があるでしょう。
過去問はたくさんの問題を入手したい場合は、ネットの情報などを使うことがおすすめですが、自分の弱点を発見して効果的に実力を伸ばしていくためには解説が充実した過去問題集を購入するといいでしょう。
おすすめの過去問題集としては、「電験二種模範回答集」が挙げられます。
この過去問集は過去数年の1・2次の全問題と解答・解説を収録したものとなっており、これ1冊で直近の問題についての理解をより深めることができるでしょう。
通信講座の利用がおすすめ
第2種電気主任技術者の試験は難易度が高いため、独学で合格を目指すのは非常に難しいです。
効率よく試験対策を行うためにも、通信講座を利用することをおすすめします。
特にたのまなの電験二種講座は、講座のクオリティがとても高いことから対策の際の受講をおすすめします。
テキストは試験合格に必要な知識を体系的に網羅したものとなっており、最新の問題傾向も反映しながら受講生が学習しやすいものに練り上げられています。
更に、電力技術の権威である東京大学名誉教授も監修した講座となっていることから信頼性も抜群であるといえるでしょう。
電験二種対策を始める際はぜひたのまなの講座を受講してみてはいかがでしょうか?
第2種電気主任技術者のまとめ
第2種電気主任技術者のまとめ
- 第2種電気主任技術者の一次試験の合格率は約25%、二次試験は約10~20%と難易度が高め
- 電気主任技術者の仕事は安定している
- 電気主任技術者の資格取得を目指すなら通信講座の利用がおすすめ
第2種電気主任技術者の試験は受験資格が無く、誰でも受験できますが、試験の難易度が高いため資格を取得することは容易ではありません。
しかし、電気主任技術者は独占業務であるため、資格を取得することで就職先の選択肢が増えたり、安定した収入が期待できるなど、多くのメリットが得られます。
第2種電気主任技術者は難易度が高い試験ではありますが、通信講座などを上手に活用して、資格取得に挑戦してみましょう。