調剤薬局事務は未経験では大変?仕事内容や医療事務との違い・パートの求人も解説!
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「調剤薬局事務の仕事に興味があるけど、資格がないと働けないの?」
この記事をご覧になっている人の中には、そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
調剤薬局事務の仕事は医療事務の一種であり、薬剤師と共に働く職場のため、専門的な知識がないと難しいイメージがあるかもしれませんが、実際には特に資格がなくても働ける仕事です。
さらに、家事との両立がしやすいため、女性に人気の職種となっており、倍率は高い方であると言えます。
そのため採用されるには調剤薬局事務に関連した資格を持っている方が有利です。
ここでは調剤薬局事務の仕事に関する役立つ情報を詳しく解説していきます!
調剤薬局事務についてざっくり説明すると
- 調剤薬局事務は資格や経験がなくてもなれる
- 求人倍率が高いので資格があると採用されやすい
- パートなどで再就職がしやすい
- 将来性があり安定している
調剤薬局事務は未経験でもなれる
調剤薬局事務の仕事は特別な資格を必要としません。未経験でもなることができます。
医療や調剤に関する経験や知識がまったくなかったとしても、努力次第で調剤薬局事務の仕事に就くことはできるのです。
また、調剤薬局は全国どこにでもあるので、自宅の近くでも働けます。
女性の場合、仕事と家庭の両立がしやすいということもあって、調剤薬局事務は非常に人気の高い職種なのです。
経験者が優遇される場合も
このように人気が高く、未経験でも挑戦のできる調剤薬局事務の仕事ですが、当然「求人の倍率は高い」ということになります。
そのため、どうしても未経験者より実務経験者の方が採用されやすいという現実があるのです。
ただし未経験者でも、調剤薬局事務に関する資格を取得していれば、決して不利ではありません。むしろ有利になると言えます。
資格があると採用されやすい
先述したように、調剤薬局事務に関する資格を持っていることによって、就職活動の際に高く評価される可能性が高まります。
資格取得までの勉強を通して、調剤薬局事務に必須の知識や技術をある程度習得できていることを示すことができるからです。
そのため新入社員としての教育が不要で、経験者とほぼ同じに扱える、という企業側のメリットがあるのです。
また資格を持っている場合、知識や技術だけでなく「資格を取得してまで調剤薬局事務として働きたい」という意欲の高さを見せることにもつながります。
真剣さを見せることは、未経験者にはほぼ必須と言っても過言ではないため、調剤薬局事務の資格を取ると採用されやすくなるのです。
取得をおすすめする資格
調剤薬局事務には様々な資格があります。基本的にどれも公的資格であり、学ぶ内容に大差はありません。難易度もそこまで高くないので、取得しやすいのがメリットです。
一番おすすめする資格は、最も一般的で知名度の高い「調剤事務管理士」の資格になります。
基本的な法規と保険請求業務、薬剤用語に関する基礎知識が問われますが、資料の持ち込みが許されており、きちんと勉強を進められる人なら取得しやすいでしょう。
また、調剤薬局事務の仕事内容の一つである「レセプト業務」で資格手当がつく場合があるため、「調剤報酬事務技能認定」や「調剤報酬請求事務専門士」の資格もおすすめです。
資格についての講座を開講している会社に資料請求をしてみるのも、資格の比較の際に役立ちますから、ぜひ資料を取り寄せて比較してみましょう。
資格取得には通信講座を利用しよう
調剤薬局事務の資格取得の際には、通信講座で効率よく学習することがおすすめです。有効に活用して短期取得を目指しましょう。
通信講座選びの際には、テキストのクオリティの部分を重視して比較すると良いです。
上述したように、調剤薬局事務の資格試験は、テキストの持ち込みが可能である場合が多いため、合格を直接的にサポートしてくれます。
この点を踏まえた上で、最もおすすめする通信講座は「ユーキャンの調剤薬局事務講座」です。
他の講座と比較して「教材の内容」「会社の信頼性」の2点で圧倒的に優れています。
調剤薬局事務の仕事内容は?
調剤薬局事務は、調剤薬局で様々な事務を行うのが仕事内容です。具体的には以下のような主な業務があります。
①患者の対応
②会計
③レセプト業務
④薬剤師の補助
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
患者への受付
まず第一に行うのは、患者から処方箋を受け取り、薬手帳に服用する薬に関する情報シールを貼っていく受付業務です。その際に保険証も必ず預かります。
実際に薬を準備するのは薬剤師ですが、薬袋に患者の名前と薬名を記入するのは調剤薬局事務の仕事です。
記入の際に、患者や薬の名前を間違えてしまうと患者の健康に悪影響を及ぼしかねないので、くれぐれも注意が必要になります。
会計業務
処方箋の内容をパソコンに入力し、薬代を算出して会計を行うのも調剤薬局事務の重要な仕事内容です。
ただし薬代の計算は、パソコンが自動で算出するため、難しいものではありませんので、安心してください。
会計では現金が絡んでくるので、間違ってしまうと大変なことになってしまいます。薬代の算出が自動の場合でも、お釣りを渡す際はよく注意することが必要です。
レセプト作成業務
調剤薬局事務はレセプト業務も行います。
レセプトとは、医療機関が保険者に請求する医療報酬明細書のことです。
このレセプトを集計して資料作成を行ったり、雑多な業務を行ったりすることも主な仕事内容なのです。
レセプトは、毎月10日までに書類を各保険組合に郵送します。月末に作成することが多いので、この時期は特に忙しいでしょう。
薬剤師のサポート
薬剤師の補助を行うことも、調剤薬局事務の大切な仕事内容の一つとして挙げられます。
薬剤の発注や管理だけでなく、薬剤師の指導のもとで調合などを行う場合もあります。
しかし調剤薬局事務は国家資格ではないため、薬剤師の仕事を全て手伝えるわけではありません。そのため簡単なお手伝いのみに業務はとどまります。
また、インフルエンザが流行する冬のシーズンも繁忙期に当たり、薬剤師の補助の依頼も増えるようになります。
調剤薬局事務の年収
平均年収は250万円から300万円
未経験や無資格でも働くことができる調剤薬局事務の給料は、年収にして250万円から300万円です。
比較的新しい職種のため、長く働いているベテランが少ないのも、給与の実績が低い原因となっています。
また女性が多く採用されている職種ですが、パート形態で働く時間が短い人が多いことも、年収が高くならないことにつながっているようです。
このように調剤薬局事務の給与は、他の職種に比べて低めであると言えるでしょう。
年齢が高いほど年収が上がる
調剤薬局事務は、年齢が高いほどキャリアを積んでいる人が多いため、年収が高い傾向があります。今回は正社員の年収の場合をご紹介しましょう。
年齢 | 年収 | 平均月収 |
---|---|---|
20歳~24歳 | 169万円 | 10.5万円 |
25歳~29歳 | 215万円 | 13.3万円 |
30歳~34歳 | 238万円 | 14.6万円 |
35歳~39歳 | 263万円 | 16.7万円 |
40歳~44歳 | 305万円 | 18.8万円 |
45歳~49歳 | 338万円 | 21.0万円 |
実際にこの表からも、年齢が高いほど年収が高くなることがわかります。20歳~24歳の場合と45歳~49歳の場合では、なんと2倍近くも年収に開きがあるのです。
雇用形態でも年収が変わる
調剤薬局事務の雇用形態は、正社員だけではありません。パートや派遣社員など様々な働き方をしています。
そのため雇用形態でも、かなり年収が変わってくるという事実があるのです。雇用形態別に給与の内訳をご紹介しましょう。
正社員(手取り月20万円)
正社員の給料は、年齢などの条件によって異なりますが、平均は20万円となっています。
残業は滅多にありませんが、残業の多い薬局の場合は残業代を入れると20万円を超えることもあるようです。
正社員の場合は、扶養の範囲を超えるため、毎月の給与から雇用保険や健康保険などが引かれます。
そのため実際に受け取る手取りは、平均16万円が多いようです。
パート・アルバイト(平均時給1000円)
調剤薬局事務のパートやアルバイトの時給は、平均して1000円程度が多いようです。
厚生労働省が定めている「地域別最低賃金」では、東京都が1,013円、最も低い鹿児島県で761円と地域によって格差がありますが、調剤薬局事務の時給はこの最低賃金とほぼ同額となります。
調剤薬局事務でパートで働く人は、比較的すぐに辞めてしまう人が多いという事情もあり、時給がなかなか高くならないのが実情です。
派遣社員(時給1,500~1,800円)
派遣社員の時給は、平均すると1,500円~1,800円が相場となっています。
派遣会社の場合は、経験者が派遣されることも多く、仕事内容は正社員とあまり変わりません。
しかし時給換算での支給となるため、パートやアルバイトよりは高くなります。
正社員と同じような働き方の場合、勤務時間によっては、雇用保険や健康保険に加入することも可能です。
その場合、給料は雇用保険や健康保険などの社会保険料を差し引かれた額となり、手取りの金額は低くなってしまいます。
未経験から調剤薬局事務になるのは大変?
調剤薬局事務は未経験でもなれる職業ですが、非常に人気の高い職種であり倍率が高いです。
ここでは調剤薬局事務を未経験で目指す場合の、仕事内容について解説をしていきます。実際にどのような点が大変なのかについてまとめましたので、参考にしてください。
仕事内容自体に難しさはない
調剤薬局事務が行うメインの業務やその他の雑用については、比較的そこまで難易度は高くないです。
ただし、作業内容の幅が広く、量も非常に多いという点は非常に大変な点であるとも言えるでしょう。
1日にいくつもの業務をこなすため、未経験のうちはパニックになってしまうこともあるかもしれません。少しずつ慣れていくことが非常に大切な職種であると言えます。
また「レセプト作成業務」は、特に初めのうちはわからないことが多い仕事であるため、資格取得のために勉強をすると、この部分についても実務試験として練習ができるというメリットがあります。
未経験ならではの大変さ
調剤薬局事務で働く際には、未経験ならではの大変さがあります。代表的なものをいくつか解説していきましょう。
薬剤の名称が覚えられない
薬剤の種類は非常に豊富で、呪文のような難解な名前が多いです。そのため頭の記憶の容量を超えてしまうことも少なからずあります。
また1文字とか2文字違いの薬も多々あり、基本カタカナの薬が多いため、気の遠くなる思いをして覚えなければいけません。
人の健康に関する業界のため、「調剤」という名前の響きに憧れて気軽な気持ちで入社すると、大変な思いをすることがあります。
この点に関しては、慣れていくことしか解決策がないと言えるでしょう。
慣れるまでは一般事務より大変
調剤薬局事務で働く際には一般的な事務作業に加えて、「患者さんの受付・対応」といった直接的に関わる仕事もしなければいけません。
そのため、よりスピーディーに業務をこなす必要がありますが、その一方で「医療業界だから絶対にミスができない」というプレッシャーも常に付き纏います。
そのため、細々とした確認が非常に多くなり、特にレセプトの確認が非常に大変な作業です。
このように非常に目に疲労のたまる仕事が多いので、肩こりや体調の面でも負担が多くなってしまいます。
医療事務の仕事とどっちが大変?
調剤薬局事務とよく比較・混同される職種に医療事務があります。そのため、調剤薬局事務と医療事務のどちらを選ぶか迷っている人も多いでしょう。
そんな人のために医療事務には、どんな仕事が大変なのかをまとめてみました。調剤薬局事務とどのような点で大変さが異なるのかということについて、紹介していきましょう。
医療事務の業務はより幅広い
医療事務の業務は一見、内情に詳しくない患者さんからは「座って受付してお金のやりとりしてるだけで楽そう」と思われがちかもしれません。
しかし全くそんなことはなく、実際には座る時間よりも立って動いている時間の方が多い職業でハードな面もあります。
業務内容もレセプト作成、クラーク業務、カルテの準備、レセプト点検、支払機関への提出などと想像以上に忙しく、調剤薬局事務よりもたくさんの仕事をしなければいけないのです。
立ち仕事が多いので足がむくむこともあり、「もっと世間に大変さを理解してほしい」と考えている医療事務の方も中にはいます。
病院知識がない未経験は大変
未経験の場合は、そもそも働いている病院の仕組みをよくわかっていないことも少なくありません。
そのためどの仕事とどの仕事がつながっているのか不明なため、やっている仕事に不安を感じてしまうことも起こり得ます。
そういった場合には、病院全体の流れを掴むことをまず優先的に行うと良いでしょう。その後に小さな不明点を解決していくと良い流れとなっていきます。
また資格を取って就職したとしても、実際の実務とのギャップがありすぎて初めは苦労してしまうことになりそうです。それでも未経験や無資格よりもマシなので、やはり資格は取得しておくべきであると言えます。
調剤薬局事務に転職するメリット
調剤薬局事務はそこまで給料が高いわけでもありません。しかし特に女性を中心として非常に人気の高い仕事となっています。
どうしてそこまで人気のある仕事であるのか、その理由について詳しく解説をしていきましょう。
求人が豊富で応募しやすい
調剤薬局は、全国どこにでもありそれらのほとんどが事務を求めています。基本的に就職先の選択の面で困ることはないというのも、人気の原因と言えるでしょう。
例えば主婦の場合、旦那様の引越しの影響で、今の調剤薬局を辞めないといけない、というようになったとしても、経験さえあればまた別の地で就職するのは容易なのです。
さらに仕事の経験が豊富であれば、年齢を重ねたとしても再就職が狙えるという点も非常に魅力的と言えます。
パートなどで再就職しやすい
同じ調剤薬局事務としての仕事であっても、「正社員・派遣・パート」と色々な働き方ができます。
このように自分の好きなように、雇用形態を選択することや勤務時間も調整することができるので、例えば主婦の方には非常に働きやすい環境であると言えるでしょう。
また、「正社員ほど働きたくないけど、パートよりは稼ぎたい」と思って派遣社員で働く人も多く、非常に柔軟な働き方ができるというメリットがあります。
薬剤事務として知識がつく
上述したように、調剤薬局事務の仕事をしていくうちに、薬や病気についての知識が自然と身についていくようになります。
また、薬剤師と仲良くなると、薬について詳しく教えてもらえることもあるので、日常生活でも非常に役立つことが多いです。
薬は健康を保つうえで欠かせないものでもあるので、ためになる知識を学べる仕事であると言えます。
将来性の面も安定している
調剤薬局の事務は、将来性の面でも非常に安定している仕事です。
高齢化や、医薬分業の進行と共に、調剤薬局の需要が高くなっていることから、調剤薬局事務の仕事の需要も増加傾向になっていることが分かります。
また、この需要は将来的に、団塊世代が超高齢者になることで、より高くなると考えられているのです。
そのため今、調剤薬局事務として経験を積んだり、関連する資格を取得したりすることで、将来的に仕事がなくなることはないと言えます。
面接でアピールできるポイント
調剤薬局事務は未経験でも活躍のできる職種ではありますが、評価されるような技術や知識はあるに越したことはありません。
特に未経験の場合は、それらをしっかりとアピールできるかどうかで採用されるかが決まってくることもあるので、意識すべきポイントであると言えます。
ここではアピールすると有利なポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
パソコンの基本的なスキルがある
高度なITスキルとまではいかなくても、問題なくパソコンを操作できる程度のレベルは事務として必須のスキルです。
例えば、現在では窓口業務から発注作業に至るまで、ほとんどの事務作業をパソコンで行っています。そのため一般的なタイピングの能力は、少なくとも必要となってくるのです。
また、ワードやエクセルのソフトを使用することが多いので、これらのソフトを問題なく使いこなすことができると、非常に大きなアピールポイントになるでしょう。
清潔感がある
調剤薬局事務は日常的に多くの医薬品を扱うので、清潔感があって衛生的な人しか基本的に務まりません。
そのため、面接の際に香水をつけすぎないことや、髪の色やネイル、アクセサリーを派手なものにしないことなどを意識するようにしてください。相手側に清潔感の面では問題ないと思わせる必要があるからです。
このように、患者さんのために常に清潔でいたいと考えられる人ほど、調剤薬局事務として適性があるということになります。
コミュニケーション能力が高い
薬剤事務の仕事は、患者さんを中心に多くの人と関わる仕事です。そのため、高いコミュニケーションスキルを持っている人の方が評価されやすいと言えます。
また、患者さんだけでなく薬剤師や病院のスタッフとも交流する機会があるため、協調性の高さの部分も重視される傾向にあるのが特徴です。
高齢者の患者さんは自分たちが思っているよりも、体の自由が利きません。そのようなことを相手の立場でわかってあげられるためにも、「人との関わり合い」の部分で高いコミュニケーション能力を活かせる人が求められる人材なのです。
調剤薬局事務は未経験でもなれるのかまとめ
調剤薬局事務の仕事と採用まとめ
- 調剤薬局事務は資格や経験がなくてもなれる
- 求人倍率は高いが資格があると採用されやすい
- 女性の場合、家庭との両立がしやすい
- 将来性もあり安定している
今回は調剤薬局事務についての仕事内容や、採用されやすいポイントなどを解説してきました。
調剤薬局事務は安定性があり、将来的な需要も見込めるため、長期間にわたって働ける職種であると言えます。
人々の健康にも貢献し、実生活でも役に立つ薬の知識が身に付きますから、非常にやりがいのある素晴らしい仕事です。
未経験でも働けますが、資格を取得しているとさらに有利になります。魅力的な調剤薬局事務関連の資格の取得をぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。