ドイツ語の難易度は低い？勉強法や習得時間・人気第二外国語との比較まで解説！

ドイツ語は、日本人にとっては英語に次ぐ第二外国語として人気のある言語です。

以下では、「ドイツ語の習得が簡単なのかそれとも難しいのか」、という点を考察していきます。

ドイツ語は簡単とは言えない

ドイツ語の難易度は、習得を目指す人が英語の習得者か未習得者かによって大きく異なります。

• ドイツ語はゲルマン系の言語で英語と似ている部分が多い
• 単語も英語と語源が同じものが多く、何となく理解できることもある

といったことから、英語を習得している人にとってはそれほど難しくありません。。

しかし、ドイツ語の文法は理解して使いこなせるようになるまでには長時間の学習と記憶が必要なことから、ドイツ語は英語未習得者にとっては難関な言語です。

ドイツ語の習得時間は？

『ディラ国際語学アカデミー』によれば、日本人にとっての外国語習得難易度は次の4段階です。

これに基づき、同アカデミーでは、ドイツ語をゼロから初級レベルに達するまでの必要時間は500時間程度と想定しています。

講師や受講者による違いはあっても、初学者がドイツ語の日常会話ができるまでには、最低でも500時間かかるということです。

学習時間の目安

ドイツ政府設立のドイツ語の公的機関Goethe-Institutによれば、レベルごとに必要な学習時間の目安は、下表のどおりです（この表における学習時間1時間は、45分で設定されています）。

これによれば、日常会話ができるB1レベルになるのには約350～650時間、最高レベルのC2になるには最低でも約1,000時間が必要です。

文法が非常に難しい

ドイツ語の文法が難しいのは、ドイツ語には日本語の助詞である『て・に・を・は』のような機能の『主格・属格・与格・対格』の4つの格変化があることでしょう。

また、動詞には格変化のほか規則動詞と不規則動詞があり、不規則動詞は主語による語尾変化に加え幹母音も変化するので、これら全てを覚えるのは大変です。

さらに、男性・女性・中性の3つに分かれた名詞を覚えるのも、簡単ではありません。

外国語の学習は、文法を理解しないままでは前に進めないので、記憶と反復学習を繰り返すことが必要です。

ドイツ語の難関ポイント

ドイツ語の難関ポイントの1つは、「4種類の格」「3種類ある性別」など「文法」の存在です。

英語にない文法を覚える必要があることから、想像以上に難しさを感じる人が多いと言います。

次の難関ポイントはかつて第二外国語として人気のあったものの、外国語学校や教材が少ないことで、英語学校や英語の教材の豊富さにはとても及びません。

また、在日ドイツ人はわずか7,370人（2018年の調査結果）ですから、会話のパートナーは見つけづらく生きたドイツ語に接することが困難ながことも難関ポイントと言えます。

ドイツ語の難易度を6つの側面から示すと、下表のとおりです。

なお、難易度は5段階判定（黒星の数1つが簡単、黒星の数5つが難しい）で示しています。

以降では、6つの側面のいくつかを取り上げて解説しましょう。

発音　★★☆☆☆

ドイツ語の発音は1つひとつの音を明確に発音するので、多くの日本人は「聞き取りやすく比較的簡単である」と感じます。

「r」「ch」などドイツ語特有の発音やウムラウト（ä,ü,ö）は存在しますが、フランス語のような文字の連なり（リエゾン）などがないので、単語の区切れが聞き取りやすい言語です。

日本語も一音一音をはっきりと言う言語なので、日本人には親しみやすいと言えるのでしょう。

また、ドイツ語のほとんどはローマ字読み・発音はカタカナで表記できるといったことも、ドイツ語の発音が比較的簡単と感じる要因と言えます。

文法や動詞　★★★★☆

ドイツ語の文法は非常に複雑ですが例外がほぼ存在しないので、ルールを覚えれば使いこなせます。

ドイツ語と英語はゲルマン語派の兄弟のような言語で文法上の類似点が多く、英語文法を学んでいる日本人には理解しやすいと言われます。

しかし、ドイツ語の文法には日本人に馴染みのない3種類の性名詞・単語の語尾の変化・変化の多い語順・動詞の活用などが存在しており、簡単に理解するのは困難です。

ドイツ語の習得を目指す人は、ドイツ語の文法はかなり複雑であるということを覚悟したうえで取り組まなければなりません。

語彙　★★★☆☆

日常会話や新聞で使われる単語の85%程度を理解できる単語数を「必要最低語彙数」と言いますが、ドイツ語の場合は約5,000語で、日本語の場合は10,000語と言われています。

ですから、ドイツ語のB1レベルを目指す場合、まずは習得を目指す人は必要最低語彙の5,000語を記憶することが必要です。

なお、英語を習得している人にとっては、このドイツ語の語彙の習得はスムーズに進められます。

それは、たとえば日本語の「父」はドイツ語でVater（ファーター）、英語でfather（ファザー）というように、ドイツ語と英語には発音や綴りが少しだけ違う単語が意外と多くあるからです。

リスニング　★★☆☆☆

ドイツ語はあいまいな音が少なく一つひとつの音を明確に発音するので、日本人には聞き取りやすい言語です。

しかし、「r」「ch」やウムラウト（ä,ü,ö）の発音や文字を理解するまでは、ドイツ語のリスニングは簡単とは言えません。

リスニングの習得にはYouTubeやラジオ、Deutsche Welleを利用して生のドイツ語に触れるのが一般的と言えます。

なお、リスニング力（聴解力）を鍛える勉強法のおすすめは、ドイツ語の映画やDVDを使い、日本語字幕を見ながら同時通訳をする勉強法です。

最初は数％も通訳できませんが、4回目・5回目にトライするころには多くの会話が同時通訳できるようになってきます。

リーディング　★★★☆☆

ドイツ語の文章は、文法に例外が少ないことからルールに従って書かれていますし、センテンスの長い文章が多いという特徴があります。

リーディングの勉強を開始するのは、ある程度文法の理解と語彙が増えていることが条件です。

リーディングの最初のうちの勉強法は注解のついた参考書や本などがメインの教材ですが、その際に注意しなければならないのは次の点です。

それは、『辞書なしで8割程度を読める教材』を選択することです。

辞書が無いと読み進められないような教材を使っても、効率が悪いだけで内容が頭に入ってきません。

ライティング　★★★★★

どの言語においても同じですが、その言語の語彙と文法を把握していなければ、ライティングは不可能です。

ですから、ドイツ語の習得を目指す場合は基本的なことから始め、その後、ライティングの勉強を始めるのが普通の流れです。

ライティングの勉強法は独学かスクールかの選択が必要ですが、初級レベルは独学で中・上級レベルはスクールというのが一般的と言えます。

なお、ライティング能力向上には、ひたすら作文を書いてそれをドイツ語のネイティブに添削してもらうのがベストです。

しかし、独学の場合はそれが困難ですから、最初からスクールで学ぶこともおすすめできます。

使用地域の多さ　★★★★☆

ドイツ語は世界で約1億3,000万人、ヨーロッパで約9,500万人から母語か第二言語として用いられており、ヨーロッパではロシア語の次に母語話者数の多い言語と言えます。

公用語として用いている国はドイツ連邦共和国・オーストリア・リヒテンシュタイン・スイス・ベルギーで、ルクセンブルクでは共同公用語として用いられています。

なお、これら以外の国や地域でドイツ語が用いられているのは、次のとおりです。

• フランスのアルザス地方、イタリアのチロル地方、チェコのベーメン地方
• アメリカ合衆国、カナダ、南米、オーストラリアにもドイツ語を話すグループが存在
• ロシア、ポーランド、ハンガリーなどではドイツ語が通じる街が多い

ドイツ語とわが国で第二外国語として人気のある言語（英語・フランス語・スペイン語イ・タリア語）との難易度を比較すると、下表のとおりです。

比較は、上記の「ドイツ語の難易度を様々な側面から解説」で使用したドイツ語の難易度表を利用しています。

また、表中の数字は5段階評価で、数値の高さが難易度の高さに比例しています。

英語

英語とドイツ語は、次のように語彙の面でよく似ていますが、文法はドイツ語の方がだいぶ複雑です。

ドイツ語は一つひとつの音を明確に発音するので、日本人には英語よりもよりも発音しやすく聞き取りやすいと言えます。

英語とドイツ語には、次の点で大きな違いがあります。

• ドイツ語は型にはまった文法形態が重視されるが、英語は自由度が高い
• ドイツ語には英語に存在しない「格」や「名詞の性別」が存在する
• ドイツ語には人称と数ごとに動詞の「活用形」がある

フランス語

フランス語は約3億人から母語や第二言語として用いられており、世界29カ国で公用語とされている言語です。

文法面で言えばドイツ語よりもシンプルですが、発音はドイツ語よりもはるかに難解といえます。

フランス語には母音が16個もあるうえ、「リエゾン」という単語同士の音が連結する現象があり、これもまた難しいのです。

また、フランス語を勉強する人の頭痛の種は、フランス語の数字の表現方法と言えます。

フランスに興味を持つ人は多いのですが、大学の第二外国語の授業程度では習得が出来ない難易度の高い言語です。

スペイン語

ヨーロッパの言語の母音はいずれも10種類以上ありますが、スペイン語の母音は日本語と同じa.i.u.e.oの5種類です。

しかも、子音と母音が原則として交互に来る特徴が日本語に似ていることから、日本人にとってはドイツ語の発音の習得よりも比較的楽だと言われています。

文法は他のヨーロッパ言語と同じように単語の変化が多いことから英語よりも難易度は高いのですが、ドイツ語の文法ほど難易度は高くありません。

スペイン語で特筆すべきことは「使用地域の広さ」で、英語に次いで世界的中の多くの国や地域で使われており、英語話者の第二外国語としても使われることが多い言語です。

イタリア語

イタリア語の発音はローマ字読みでドイツ語に似ているだけではなく、発音は日本語の発音によく似ています。

これはイタリア語も日本語もことばが母音で終わる「開音節言語」であることに由来するものです。

文法は結構複雑で文法事項ごとにその形と動詞の活用を正確に覚える必要があますが、ドイツ語ほどは難しくありません。

なお、イタリア語の必要最低語彙数は2,000語ですから、ドイツ語の5,000語に比較して半分以下の暗記でクリアできます。

イタリア語には使用地域の広さ」で弱点があり、イタリア語の話者数は、イタリア在住のイタリア人の6,000万人とスイスの一部地方が母語として使用している人だけです。

ここからは、ドイツ語の勉強方法をステップごとに見ていきましょう。

自分にあった学習計画を立てる

計画を立てるには、まず、ドイツ語を学びたい理由と目標を明確にすることが必要です。

さらに、学習期間・学習日数・学習時間・学習スタイルなども、決定しておかなければなりません。

その後、スクールを選ぶ人は学習計画をスクール側に任せざるを得ませんが、独学で取り組む人は自分なりの学習計画を立てます。

学習計画を立てる際のポイントは次のとおりです。

• 目標達成までの長期な学習計画を立てる
• 週サイクルでPDCAが見える計画を立てる
• 学習日数や週学習時間は7～8割程度で計画する
• 週1日はフリーデーを設定してスケジュール遅れをカバーする

なお、学習計画は立てることよりも、実行することが重要です。

文法を理解するまで学ぼう

ドイツ語能力の基礎となる力は語彙（の多さ）・発音（の正確さ）・文法（の理解）の3つです。

これらの基礎力を身に付けるための学習はひたすら暗記をする単調な作業ですが、それができない限り応用力（書く・読む・聞く・話す）を備えられません。

一般的には、まず、発音を含めた単語の暗記を開始し、あわせて最難関である「文法」を勉強します。

最初は知らないことがたくさんありますが、納得できなくても、ルールはルールとして暗記しなければなりません。

文法の勉強は、単にルールを覚えるだけではなく、解説や説明で使われている名詞や動詞の変化や活用なども一緒に暗記することが重要です。

生のドイツ語に触れてみる

基礎力がある程度向上すると、「聞く・書く・読む・話す」の応用力の向上に取り組みます。

前述の「発音」で解説したとおり、ドイツ語はあいまいな音が少なく一つひとつの音を明確に発音するので、日本人には比較的リスニングしやすい言語です。

リスニング力の勉強方法としてはYouTubeやラジオの活用、童謡を聴くなどが一般的ですが、ここでは、シャドーイングをおすすめします。

具体的には、リスニングしたセンテンスをそのまま一言一句違わず、紙におこしてみる作業を繰り返すのです。

ここでは、ドイツ語を学ぶうえでの2つ代表的なメリットについて紹介します。

ドイツ語話者の生活水準が高い

ドイツ語は世界で10番目に使用人口の多い言語で、ドイツ語の話者は約1億3,000万人です。

世界では、ドイツ語というのは日本語よりもメジャーな言語と言えます。

このドイツ語の約1億3,000万人の話者は、日本人の平均よりも収入の高い人たちがほとんどで、為替レートによるところもありますが、所得も日本の平均を上回っているほどです。

ドイツ語圏の人たちは日本と同じか、それ以上の生活水準やGDPを実現しています。

したがって、ドイツ語を学ぶことは、今よりレベルの高い生活に近づけるといったドイツ語習得のモチベーションにつながるでしょう。

ドイツの文化に触れることができる！

ドイツと聞いて思い浮かぶのは、どのようなキーワードでしょう。

ビール・ワイン・パン・料理・世界遺産・豊かな日常・祭り・車・童話・サッカー・クラシック音楽・ドイツオペラなどではないでしょうか。

これらのイメージは、ドイツ語の習得を目指す人にとっては、ドイツへの憧れといも言えます。

ドイツ語を学ぶ上でのメリットは、学習をすすめるなかでドイツのさまざまな文化にも触れられることです。

さらに、教材やドイツ人を通じ、ジェンダー問題やエコに関する社会問題などにも深い関心を寄せるドイツ人の論理的思考なども学べます。

このように、ドイツの文化に触れドイツ人の国民性を理解できることは、ドイツ語を学ぶ際のメリットの1つと言えるでしょう。

外国語の習得を目指す場合、「独学かスクールでの講座受講か」の選択は、目指す習得レベルと勉強に取り組める期間によって異なります。

ドイツ語の習得は原則として独学でも可能ですが、最短の期間で習得する必要があるのであれば、スクールでの講座受講を選択すべきです。

以降では、「独学のポイント」と「おすすめ講座」を紹介します。

独学で気を付けるポイント

外国語を習得するためには、長期間の継続的な取組みが求められます。

勉強に着手する際には、そうしたことを十分に覚悟しているはずなのですが、とくに長い間独学で勉強を続けるのは大変です。

モチベーションを保つことができずに、挫折する人が少なくありません。

次に、独学でモチベーションを保つためのポイントを紹介しましょう。

自分のペースに合わせた計画を立てる

語学習得だけに専念できる人を除き、独学で外国語を習得するには最短でも1年以上必要と言うのが一般的です。

スクールに通う人にはスクール側が目標達成までの学習計画を提示してくれますが、独学を選択した人は自分で学習計画を立てる必要があります。

どのように計画を立てればいいのか理解できていない人は、スクールへ相談に出向く・ネットで調べるなどしてしっかりと事前準備が必要です。

また、前述の「ドイツ語の勉強方法」「自分にあった学習計画を立てる」も参考にしてください。

目標とその達成時期がよくわかるよう、自分のペースに合わせた計画を立てることが重要です。

アウトプットを心がける

独学者が特に心掛けたいのは、勉強したことのアウトプットです。

また、アウトプットの機会がないと、独学をしている人の中にはモチベーションを保つことができず、挫折する人が少なくありません。

言語の習得には暗記する時のアウトプットだけではなく、ライティングやスピーキングなどのアウトプットが欠かせないということもあります。

したがって、ある程度の語彙や文法のインプットがすすんだ時点では、作文を書いてそれをネイティブに添削してもらったりドイツ語で会話をしてみたりなどのアウトプットの工夫が必要です。

また、ドイツ語検定受験にトライする機会を設定するのも、モチベーションを保つうえでも重要と言えます。

ドイツ語の上達には講座がおすすめ

ドイツ語は日本人にとって難易度の高い言語であるため、確実にドイツ語力をつけたいと考えている方は講座を受講して効率よく実力を身に着ける方法がおすすめとなります。

特にベルリッツのドイツ語講座は、質の高いプロ講師の指導のもとドイツ語力を短期間で効率よく伸ばすことができるため、受講がおすすめです。

講師は厳しい選考を課されて選ばれており、定期的なトレーニングと査定により指導力を日々磨いていることからもその信頼度は高いといえるでしょう。

その他の内容も含めた詳しい詳細は下記のページからご覧ください。

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ドイツ語の難易度や勉強法などについて解説しました！

ドイツ語は簡単に習得できる言語ではありませんが、初級レベルであれば独学で習得できます。

まずは、初級レベルでのドイツ語検定受験を目標に、ドイツ語習得を目指してください！