保育士の人間関係ってめんどくさい?悩みのポイントや辞めたい時の対処法まで徹底解説

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「保育士は人間関係で苦労するって聞くけど、本当?」

「保育士の仕事は好きだけど、人間関係で疲れた…」

このような不安を思っている方も多いのではないでしょうか。

保育園は、女性が圧倒的に多く閉鎖的な空間という特性もあり、人間関係の悩みを抱えてしまうことが多いです。

人間関係が悪いとストレスを感じてしまい、保育士の仕事が好きでも「疲れたから辞めたい」と感じてしまうでしょう。

こちらの記事では、保育士の人間関係が悪くなってしまう理由や効果的な対策を紹介していきます。

保育士を目指している方や、現に保育士として働いて人間関係に悩まされている方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

保育士の人間関係の悩みについてまとめると

  • 保育園の上下関係を「めんどくさい」と感じることがある
  • 保護者とのコミュニケーションで苦労するケースが多い
  • 悩みが解決しないときは転園や転職も検討することが大切

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保育士の人間関係が独特である理由

保育士には他の職種に比べて特殊な人間関係があると言われており、人間関係に関する悩みやストレスを抱える保育士は少なくありません。

まずは、保育園や保育士における独特な人間関係について見ていきましょう。

保育士の上下関係が特殊

保育園では一般企業によりも役職が少ないです。

園長や主任などの役職を設けている保育園は多いですが、表向きはそこまで上下関係が無いように見えます。

しかし、実際には経験年数や年齢を背景にした「見えない上下関係」が存在しており、職場の雰囲気を壊す要因となっています。

例えば、多くの保育園では

  • 園長
  • 副園長
  • 主任

上記の3種類の役職があり、そのほかは全て同じ立場の保育士です。

しかし、実態としては比較的世話のかからない年長クラスに経験豊富な保育士が配置され、「年長クラス担任の方が格上」として扱われるケースが多いです。

このように、見えない上下関係があると「めんどくさい」と感じてしまい、大きなストレス要因となります。

チームプレイが必要

保育園では、担当しているクラスの子どもを逐一チェックしなければならず、チームプレイが必要となります。

保育士の仕事は一人で完結することはなく、基本的には同僚や先輩保育士と協力しながら進めなければなりません。

もし同じクラスを担当する保育士と相性が悪いと、連携してスムーズに作業を進めることができません。

協力しなければならない場面でも「この人と一緒に働きたくない」という感情があると、業務効率が落ちてしまうでしょう。

閉鎖的な環境

保育園は、保護者から子どもを預かった後は外部の目が届きにくい特徴があります。

仕事がほぼすべて保育園内の人間で完結するため、やや閉鎖的な環境であると言えるでしょう。

人間関係がマンネリ化すると、職員同士の会話でも口調が強くなりストレスの原因となるケースも少なくありません。

また、保育士の現場は圧倒的に女性の数が多いため、お局や派閥ができやすい特徴があります。

グループ間での不和が起きると「めんどくさい」「疲れた」と感じ、職場内の人間関係に辟易してしまうでしょう。

多忙により個人への負荷が大きい

保育園には、保育サービスの質を確保する観点から保育士の配置基準が定められています。

子どもの年齢 保育士一人当たり担当できる最高人数
0 3
1-2 6
3 20
4以上 30

参考: 「厚生労働省2023 児童福祉施設最低基準」

近年は保育士不足が社会問題となっており、配置基準ぎりぎりで何とか運営している保育園も少なくありません。

例えば、4歳児以上の場合には1人の保育士で20人以上の子どもの対応をすることもあります。

さらに、個別の子ども達の観察を行い、保護者へ子供達の様子を伝える必要があることから、保育士の業務は非常に多忙と言えるでしょう。

確保できる保育士の数は不十分だと、保育士1人あたりの負担が重くなってしまうことから、心身に大きな負担となってしまいます。

過重な業務負担に耐えられずに「疲れたから辞めたい」と感じてしまう保育士も多く、保育士が劇的に改善される見込みは薄いでしょう。

保育士の人間関係に関する悩みとは?

保育士は、保育士同士や保護者との人間関係で悩みを抱えるケースが多いです。

心地よく働く上で人間関係は非常に重要なので、もし人間関係で悩みや問題を抱えてしまうのは大きな問題です。

以下で、保育士は人間関係で悩みを抱える原因を解説していきます。

保育士の間での悩み

保育士同士が人間関係で悩んでしまう主な原因として、以下の2つが挙げられます。

コミュニケーション不足になりがち

人間関係が悪くなる原因として挙げられるのが、コミュニケーション不足です。

保育園では複数人でクラスを担当し、協力し合う場面が非常に多いです。

しかし、見えない上下関係や派閥があることが障壁になり、話しかけづらい場合もあります。

その結果、コミュニケーションを取るべき場面で円滑にコミュニケーションが取れず、ストレスを抱えてしまうことになります。

仕事の責任が重い

保育園は、保護者の大切な子どもを預かるという非常に重い責任を負っています。

当然、保育園で勤務する保育士も重大な業務を行うことになることから、常に気が張りっぱなしです。

重大な責任を負っているからこそ、仕事でミスや失敗をしてしまうと厳しく指摘されてしまいます。

プレッシャーや責任感に耐えられずに保育士を辞めてしまう人も多く、これにより人手不足が深刻になる悪循環も起きています。

特に、自分自身で子育てをしている保育士は「ただでさえ自分の子どもを育てるだけでも大変なのに、複数人の子どもを預かるのは無理」と感じるでしょう。

保育士は非常にやりがいが大きい反面、大きな責任感を背負っていることを忘れてはいけません。

保育士と保護者の間での悩み

保育士は、保育士同士だけでなく保護者との関係性でも悩みを抱えることが多いです。

保護者に対しては、子どもの一日の様子を伝える必要があり、伝達やコミュニケーションがうまくできないとクレームを受けることもあります。

また、もし遊んでいる最中にケガをしてしまったときは、保育士には責任が無いにも関わらず厳しく追及されてしまうこともあります。

他にも、保護者同士の人間関係にも配慮しなければならないことから「めんどくさい」と感じる場面が多いです。

保護者からのクレーム対応が大変

近年は「モンスターペアレント」が社会問題になっていますが、保護者の中には我が子のために理不尽な要求をしてくる人がいます。

また、何かにつけて文句を言ってくる保護者もいるため、保護者対応で苦労する保育士は少なくありません。

各家庭でそれぞれの価値観や教育方針があるとはいえ、各家庭の都合に合わせて柔軟に対応するのは現実的ではありません。

保護者の中には「保育士は子どもの世話をして当然」という尊大な態度を取る人もいることから、大きなストレス要因となるでしょう。

実際に、保護者からの理不尽なクレームの対応で神経をすり減らして「辞めたい」と考える保育士は少なくありません。

コミュニケーションを取ることが難しい

保育士と保護者とが接する時間は、送迎のわずかな時間に限られます。

限られた時間で円滑にコミュニケーションを取るのは非常に難しく、信頼関係の構築に苦慮する保育士は多いです。

送迎の短い時間しか保護者と保育士が対面でコミュニケーションを取る時間はないため、「関係構築が難しい」と感じてしまうのは無理もありません。

その結果、保護者と保育士の間で行き違いが起こってしまい、トラブルが起きてしまうこともあります。

保護者同士の人間関係にも配慮が必要

保育園では、一年を通して季節に応じたイベントが開催されます。

イベントの際には保護者からの協力を仰ぐ必要があることから、協力要請にも気を遣います。

また、保護者同士の人間関係にも配慮しなければならず、人間関係の複雑さに「めんどくさい」という感情を持つこともあるでしょう。

このようなストレスが蓄積されて、最終的に「辞めたい」と感じてしまう保育士は多いです。

悩み別の対処法

保育士は、保育士同士や保護者対応などの人間関係の悩みを抱えることが多いです。

以下で、保育士が人間関係の問題や悩みを解決するための方法を解説していきます。

保育士同士の場合

保育士の仕事は、保育士同士でコミュニケーションを取る場面が多いです。

他の保育士と連携するときや、頼み事がある時に円滑にコミュニケーションを取るためにも、日頃から積極的にコミュニケーションを取ることが重要です。

例え苦手意識を持っている人と話す際も、丁寧な言葉づかいや相手の立場に配慮した態度を示せば、信頼関係を構築するきっかけになります。

保育士同士は長時間業務を共にしているため、丁寧な言葉遣いが疎かになりがちですが、普段から丁寧な口調を意識すれば好印象を持たれます。

もし、保育士同士では解決できない場合は、園長や副園長にに相談して解決策を示してもらいましょう。

保護者が相手の場合

保育士と保護者間では、送迎などの短い時間で対面のコミュニケーションをしっかり取る必要があります。

また、多くの保護者が「子どもを預かってくれて感謝している」と考えているため、保育士側から信頼関係を築くように働きかけると良いでしょう。

  • 常に笑顔で話す
  • 明るく気持ちよく挨拶する
  • 子どもの様子を楽しそうに伝える
  • 一緒に遊んだことを伝える

上記のように、保護者が安心できるような雰囲気作りを心掛ければ、自然と信頼関係は構築できるでしょう。

また、園児の様子を細かく観察し、日々の連絡帳などに記載することも効果的です。

「子どもが着実に成長している」「できることが日に日に増えている」ことを具体的に伝えることで、保護者としても成長を実感できるためです。

連絡帳に記載した情報が会話のネタになり、より信頼関係を深める期待もできることから、対面でのコミュニケーションと連絡帳を上手に活用しましょう。

そもそも人間関係のめんどくささを減らすには?

保育士は多くの人と接することになるため、「人間関係がめんどくさい」と感じることは多いです。

もし人間関係のめんどくささに悩んでいるのであれば、以下で解説する内容を参考にしてみてください。

保育のスキルを磨く

保育のスキルを磨くことで、子どもと信頼関係を築くことができます。

子どもは家に帰った後も保育園での様子を話すものなので、その中で「○○先生と遊んだ」などの話が出てくれば、保護者に認知してもらえるでしょう。

なお、保育のスキルアップにつながる資格でおすすめなのは下記の通りです。

スキルアップにつながる資格 受験資格
医療保育専門士 常勤で1年以上(非常勤は年間 150日以上かつ2年以上)保育士として医療とかかわる現場に勤務し、学会会員であること
保育士資格 学歴要件あり
運動保育士 初級:なし、中級:初級コースを取得している、上級:中級コースを取得している
リトミック保育士 なし
絵本専門士 子どもや絵本に関連のある資格を有する者
絵本に関わる実務について、原則として3年以上の経験を有する者
絵本に関わる活動に携わり、原則として3年以上の経験を有する者
絵本学や児童文学、美術について研究実績を有する者のいずれか
イングリッシュエキスパート保育士 なし
チャイルドコーチング 認定教育機関等が行う教育訓練の修了

単なる保育スキルに加えて、特別なスキルを持つことで自身の強みを伸ばすことができます。

また、保護者からの信頼獲得にもつながりやすいため、能動的にスキルアップを目指してみることをおすすめします。

深入りしすぎない

園長や他の保育士、保護者と保育の方針が一致しないような問題は、簡単には解決しません。

どうしても問題を解決できない場合は、「仕事だから深入りしない」と割り切ることも重要です。

コミュニケーションを取ることは重要ですが、一定の距離を置くことも、精神衛生上効果的です。

仕事でのミスを厳しく指摘されると落ち込みますが、必要以上に自分を責めて精神的なストレスを感じてしまうと、病気になってしまう可能性があります。

仕事とプライベートを分けることで精神的にも安定するため、人との距離感は意識してみてください。

どうしても悩みが改善しない時には

様々な努力をしても、残念ながら人間関係が改善できるとは限りません。

以下で、どうしても悩みが改善しない時の対処法を紹介していきます。

「疲れたから辞めたい」と感じている保育士の方は、参考にしてみてください。

責任者への相談してみる

悩みが改善しない時に自分一人で抱え込んでも、事態は好転しません。

同僚との関係性の悩みなど、自分だけでは解決できない悩みがある場合は自分の上長に相談することをおすすめします。

園長や主任などの上長に相談することで、中立の立場から人間関係の修復に動いてくれる可能性があります。

また、関係構築や関係修復のためのアドバイスをもらえることも期待できるため、まずは相談してみると良いでしょう。

転園や保育園以外への転職も視野に

今の保育園での人間関係や就労環境に不満がある場合は、転園や保育園以外への転職も視野に入れましょう。

いつまでも人間関係が悪い職場で働くメリットはないため、自ら環境を変えることが手っ取り早い対策法となります。

なお、保育士経験が活かしやすい職場として、下記が挙げられます。

  • 幼稚園
  • こども園
  • 病児保育室
  • 院内保育所
  • 企業内保育所
  • 託児所
  • ベビーシッター
  • 児童福祉施設
  • 学童保育・児童館
  • 介護施設
  • ベビーホテル

保育士の資格は全国で使えるため、もし保育関係の仕事をしたい場合は保育士資格を取得しておくと大きな武器になります。

保育園以外でも、上記の就職先への転職を希望するときも、保育士資格があると有利です。

保育士の資格を取得して損することは無いため、前向きな気持ちで資格取得を目指してみましょう。

保育士の人間関係まとめ

保育士の人間関係の悩みまとめ

  • 保育園内や保護者対応の人間関係で苦労することが多い
  • 自分から能動的にコミュニケーションを取ることが重要
  • 関連資格を取得してスキルアップすることが大切

保育士の仕事では、保育園内の人間関係や保護者とのコミュニケーションで苦労することが多いです。

しかし、自分から能動的にコミュニケーションを取り、保育スキルを高めるなどの工夫をすれば、徐々に信頼関係を構築できます。

自分の努力だけでは問題が解決できない場合は、転園や転職を検討するのがおすすめです。

人間関係が良好な職場で働けば、長く安心してキャリア形成ができるため、こちらの記事を参考にしながら問題解決法を探ってみてください。

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